農林水産省は、農業者戸別所得補償制度(平成25年5月以降は、経営所得安定対策)等の一環として、交付対象作物を販売目的で生産(耕作)する販売農家等に対して、水田活用の所得補償交付金等(以下「交付金」という。)を交付している。しかし、農業共済組合等が通常の肥培管理が行われていないことなどを理由に農作物共済について除外指定した農地を対象に、十分な確認をしないまま交付金を交付したり、交付対象作物に係る農作業及び販売を行っておらず、交付対象作物を販売目的で生産(耕作)しているとは認められない者に対して交付金を交付したりしている事態が見受けられた。
したがって、農林水産省において、除外指定された農地に関する情報の活用や交付申請者が交付対象作物を販売目的で生産(耕作)する販売農家等であることを確認する方法等を実施要綱等に明示し、地域農業再生協議会(以下「協議会」という。)に対して、これらについて周知徹底を図った上で、適切に確認するよう指導する処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して24年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求し及び同法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、24年12月及び25年6月に実施要綱等を改正して、次のような処置を講じていた。