東日本大震災に係る全国の避難者等の数は、復興庁によれば、平成25年4月4日現在で約30万9千人とされており、また、被災地からの人口流出も顕著となっているため、一刻も早い被災者の生活再建と安定が急務であり、早期の復旧・復興事業の実施が求められているところである。一方、地震及び津波により甚大な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県等における復旧・復興事業に係る工事において、入札不調が発生しているところである。
このような状況の下、集中復興期間を中心に工事の発注量が膨大なものとなることが見込まれていることから、事業の速やかな実施のためには、入札不調の発生を抑制するための対策を的確に講じることが重要である。
本報告書は、以上のような経緯等を踏まえて、東日本大震災からの復旧・復興事業における入札不調について検査を実施し、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。