前記のとおり、厚生労働省は、機構法に基づき、機構が行う業務を監督するとともに、機構は同省の監督の下に業務を行うこととなっている。そして、同省は、機構が行った年金記録問題に関する各種取組について、次のとおり、工程表作成の段階から関与して、適切に業務が実施されるよう指導や進捗管理等を行っていた。
機構は、工程表の作成及び年度ごとの改定に当たり厚生労働省に案を示すとともに、その内容について同省と協議を行っていた。そして、同省は、機構に年金記録問題に計画的に取り組ませる観点から、機構が工程表に基づいて実施する各種取組の実施段階において、その対象範囲の決定等の重要な事項について、機構と相互に協議したり、機構に対して実施要領等を発したりするなどして、指導及び助言を行っていた。
また、厚生労働省は、機構における各種取組の進捗状況等について報告を受けるなどして進捗管理を行っており、必要に応じて指導や助言を行っていた。例えば、同省によれば、紙台帳等とオンライン記録との突合せについて、25年度内に突合せ業務を終了して、その結果に基づいて必要な者にお知らせを送付する業務を26年9月までにおおむね終了できるように機構を強く指導したとしている。