(平成23年度決算検査報告参照)
(平成24年度決算検査報告参照)
(平成25年度決算検査報告参照)
文部科学省は平成2年度に独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「センター」という。)に250億円を出資し、センターはこれに民間からの出えん金を加えて運用型の基金としてスポーツ振興基金(以下「振興基金」という。)を設置して、その運用益等を財源としたスポーツ振興基金助成(以下「基金助成」という。)、スポーツ振興投票の収益を財源としたスポーツ振興くじ助成等の助成業務を行っている。しかし、振興基金の運用益は当初に比べて大きく減少し、これに伴い基金助成の助成額も減少していて、スポーツの振興を図るための助成業務を運用型の基金助成により実施する必然性が乏しい状況となっているのに、振興基金に多額の資金が保有されている事態が見受けられた。
したがって、文部科学省において、振興基金の現状を踏まえて、そのスポーツの振興に果たす役割をより効果的なものとするために、振興基金を有効に活用するための方策を検討するとともに、有効活用が図られない振興基金については、センターから国に返還させるなどして、財政資金の有効活用を図るよう、文部科学大臣に対して24年9月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、文部科学本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、文部科学省は、本院指摘の趣旨に沿い、振興基金のうち政府出資金250億円について、スポーツの振興を図る事業をより効果的に実施していくために、27年度から32年度までの間に段階的に国庫に返納させることとして、27年9月に、センターにその手続に着手させるための通知を発するなど、財政資金の有効活用を図るための処置を講じていた。