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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第6 文部科学省|
  • 平成24年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

国宝重要文化財等保存整備費補助金の加算率の算定について


平成24年度決算検査報告参照
平成25年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

文化庁は、重要文化財の所有者等(以下「補助事業者」という。)に対して、国宝重要文化財等保存整備費補助金を交付しており、補助金交付額の算定に当たっては、文化財保存事業費関係補助金交付要綱等(以下「要綱等」という。)により、補助事業者の事業規模指数に応じて、補助率の加算を行うことができることとなっている(以下、加算された分の補助率を「加算率」という。)。しかし、事業規模指数の算出に当たり、平均収入額に算入する収入額の範囲が補助事業者の一般会計及び特別会計の会計区分別にみて統一されていないのにこれにより加算率を算定するなどしていたり、複数年度にわたり実施される補助事業において補助事業者の財政規模の変動状況が資金計画及び加算率の算定に反映されていなかったりしている事態が見受けられた。

したがって、文化庁において、平均収入額に算入する収入額の範囲が特別会計の収入額等も含めた収入の総額を基礎としたものとなるよう改め、この改めた内容を要綱等に明記するとともに、複数年度にわたり実施される補助事業について、補助事業者の財政規模の変動状況を資金計画及び加算率の算定に適切に反映させる仕組みを検討するよう、文化庁長官に対して平成25年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、文化庁において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、文化庁は、本院指摘の趣旨に沿い、27年6月に補助率の加算について必要な事項を定めた取扱要領を策定して、平均収入額に算入する収入額の範囲は特別会計の収入額等も含めた収入の総額を基礎とすることを明記するとともに、複数年度にわたり実施される補助事業について、補助事業者の財政規模の変動状況を資金計画及び加算率の算定に適切に反映させる仕組みを定めて、28年度に実施する新規事業から適用することとするなどの処置を講じていた。