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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成27年3月

東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について

第2 検査の結果

2 復興等の各種施策及び支援事業の実施状況

(1) 東北3県における復旧復興事業の実施状況

ウ 市街地居住地復興のための各種制度の活用、事業の実施状況等
(イ) 市街地・居住地復興のための事業の実施状況等

東日本大震災によって甚大な被害を被った市町村は、依然として多くの避難者が応急仮設住宅に居住している状況にあり、被災者が恒久的住居を早期に確保できるよう復興まちづくりに向けた各種の取組を行っている。そこで、復興交付金を活用した市街地や居住地を復興するための事業の実施状況等をみたところ、次のとおりとなっていた。

a 市街地・居住地復興のための事業の概要

復興交付金の基幹事業には、表40のとおり、市街地や居住地を復興するための事業として、①漁業集落防災機能強化事業(漁業集落地盤かさ上げ、生活基盤整備等)(事業番号C-5)、②災害公営住宅整備事業等(災害公営住宅の整備、災害公営住宅に係る用地取得造成等)(同D-4)、③津波復興拠点整備事業(同D-15)、④都市再生区画整理事業(被災市街地復興土地区画整理事業等)(同D-17)及び⑤防災集団移転促進事業(同D-23)の5事業がある(以下、これら5事業を合わせて「市街地・居住地復興のための事業」という。)。

表40 市街地・居住地復興のための事業

所管 事業
番号
事業名 事業概要 補助の対象 補助の要件等
農林水産省 C-5 ①漁業集落防災機能強化事業(漁業集落地盤かさ上げ、生活基盤整備等) 被災地の漁業集落において、安全安心な居住環境を確保するための地盤かさ上げ、生活基盤や防災安全施設の整備等を実施し、災害に強い漁業地域づくりを推進 漁業集落の地盤かさ上げ、切盛土 300人以上5,000人以下の漁業集落
漁業集落排水施設や集落道等の生活基盤の整備、漁港との連絡道の整備 漁家比率1位又は漁業依存度1位の集落 等
高台等の避難地、避難路等の防災安全施設の整備   ただし、東日本大震災により甚大な被害が生じており、早急な復旧・復興等のため、市町村が適切と判断した場合には上記の要件に該当しなくても実施できる。
国土交通省 D-4 ②災害公営住宅整備事業等(災害公営住宅の整備、災害公営住宅に係る用地取得造成等) 震災等による被災者の居住の安定確保を図るために、災害公営住宅の整備等に係る費用を支援 (1) 災害公営住宅整備事業 災害公営住宅の入居者資格の特例(収入基準要件の特例適用期間の延長)等の適用
住宅の建設・買取費
住宅の借上げに係る建設・改良費
(2) 災害公営住宅用地取得造成費補助事業
住宅の建設等に伴う土地取得費、造成費
(3) 被災者向け公営住宅改修事業
被災者向け買取公営住宅・空家公営住宅の改修費
(4) 災害復興型地域優良賃貸住宅整備事業
住宅の建設費、改良費
(5) 高齢者生活支援施設等整備事業
公的賃貸住宅に併設する高齢者生活支援施設、障害者福祉施設、子育て支援施設の整備費
D-15 ③津波復興拠点整備事業 津波が発生した場合においても都市機能を維持するための津波復興拠点を、用地買収方式で緊急に整備する事業に対して支援 津波復興拠点整備計画策定支援に要する費用 津波により甚大な被災を受けた地域において、津波防災地域づくりに関する法律平成23年法律第123号)における「一団地の津波市街地形成施設」として都市計画決定されていることなど
津波復興拠点のための公共施設等整備
津波復興拠点のための用地取得造成
D-17 ④都市再生区画整理事業(被災市街地復興土地区画整理事業等) 広範かつ甚大な被災を受けた市街地の復興に対応するために、それぞれの地域の復興ニーズに的確に対応し、被災市街地復興土地区画整理事業等により緊急かつ健全な市街地の復興を推進 (1) 緊急防災空地整備事業 津波により甚大な被災を受けた地域において、一定以上の計画人口密度(40人/ha以上)等の必要な要件を満たした場合に限り、防災上必要な土地のかさ上げ費用(津波防災整地費)を限度額に追加
土地区画整理事業予定地において、緊急防災空地の用地を取得するのに要する費用
(2) 都市再生事業計画案作成事業
(3) 被災市街地復興土地区画整理事業
道路、公園等の公共施設を用地買収方式で整備した場合の事業費等を限度額として事業を支援
D-23 ⑤防災集団移転促進事業 震災等により被災した地域において、住民の居住に適当でないと認められる区域内の住居の集団移転を支援 住宅団地(住宅団地に関連する公益的施設を含む。)の用地取得及び造成に要する費用(移転者等に分譲する場合も分譲価格(市場価格)を超える部分は補助対象) 住宅団地の規模が10戸以上(移転しようとする住居の数が20戸を超える場合には、その半数以上の戸数)
東日本大震災等の被災地については、5戸以上(移転しようとする住居の数が10戸を超える場合にはその半数以上の戸数)
移転者の住宅建設、土地購入に対する補助に要する経費(借入金の利子相当額)
住宅団地に係る道路、飲用水供給施設、集会施設等の公共施設の整備に関する費用
移転促進区域内の農地及び宅地の買取りに要する費用(当該移転促進区域内の全ての住宅用途に係る敷地を買い取る場合に限る。)
移転者の住居の移転に関連して必要と認められる作業所等の整備に要する費用
移転者の住居の移転に対する補助に要する経費
計画策定費

①漁業集落防災機能強化事業は、被災地の漁業集落において、安全安心な居住環境を確保するための基盤整備等を実施し、災害に強い漁業地域づくりを推進するものである。

②災害公営住宅整備事業等は、震災等による被災者の居住の安定確保を図るために、災害公営住宅の整備等に係る費用を支援するものである。

③津波復興拠点整備事業は、津波が発生した場合においても都市機能を維持するための津波復興拠点を用地買収方式で緊急に整備する事業に対して支援するものである。

④都市再生区画整理事業は、広範かつ甚大な被災を受けた市街地の復興に対応するために、それぞれの地域の復興ニーズに的確に対応し、緊急かつ健全な市街地の復興を推進するものである。

⑤防災集団移転促進事業は、震災等により被災した地域において、住民の居住に適当でないと認められる区域内の住居の高台等への集団移転を支援するものである。

b 住まいの復興に係る4事業による整備計画戸数

復興まちづくりを推進する各市町村等は、市街地や居住地の復興に当たり、住民の居住に関する意向を確認するなどして整備する宅地の区画数及び住宅の戸数(以下「整備計画戸数」という。)を決定し、市街地・居住地復興のための事業を実施している。

復興交付金制度要綱によれば、市町村等は、復興交付金の交付を受けた年度の翌年度から復興交付金事業計画の期間の終了する年度まで、内閣総理大臣の指定する様式により、復興交付金事業計画の進捗状況を復興庁に報告することとされている。そして、復興庁は、市街地・居住地復興のための事業のうち、③津波復興拠点整備事業を除く4事業(以下「住まいの復興に係る4事業」という。)により整備する戸数、完成予定年度等について、市町村から提出される報告を取りまとめて、「住まいの復興工程表」(以下「工程表」という。)として四半期ごとに公表している。

26年9月末現在の工程表によれば、これまでに住まいの復興に係る4事業を実施している地区は延べ1,004地区あり、これらの地区における整備計画戸数は全体で45,021戸となっている。これを事業別にみると、図29及び表41のとおり、主に民間住宅用の宅地を整備する①漁業集落防災機能強化事業、④都市再生区画整理事業及び⑤防災集団移転促進事業の整備計画戸数はそれぞれ504戸(全体の1.1%)、9,958戸(同22.1%)、10,374戸(同23.0%)、計20,836戸(同46.2%)となっている一方、②災害公営住宅整備事業等の整備計画戸数は24,185戸(全体の53.7%)となっていて、整備計画戸数合計に占める割合は民間住宅等用宅地の区画と災害公営住宅の戸数がほぼ半々となっている。

また、東日本大震災によって甚大な被害を受けた市町村においては、恒久的住宅の確保が喫緊の課題であることから、整備が完了する年度別の戸数に着目してみると、整備計画戸数合計45,021戸のうち集中復興期間の終了年度である27年度末までの整備計画戸数は28,324戸(全体の62.9%)となっており、残りの16,697戸(同37.0%)のうち、集中復興期間終了後の28年度に10,548戸の整備が、29年度以降に5,846戸の整備がそれぞれ完了する見込みなどとなっている。

図29 住まいの復興に係る4事業の事業別の整備計画戸数(平成26年9月末現在)

図29 住まいの復興に係る4事業の事業別の整備計画戸数(平成26年9月末現在) 画像

表41 住まいの復興に係る4事業の事業別の整備計画戸数(平成26年9月末現在)

(単位:戸、%)

所管 事業
番号
事業名 事業完了年度 事業完了
年度別の
住まいの復
興に係る4
事業の計に
占める割合
平成24年
25年度 26年度 27年度 28年度 29年度以
調整中
農林水産省 C-5 ①漁業集落防災機能強化事業 2 101 162 240 147 21 0 673
  うち②災害公営住宅整備事業等分を除いたもの 2 73 112 222 95 0 0 504 1.1
国土交通省 D-4 ②災害公営住宅整備事業等 248 2,026 7,512 8,350 4,644 1,102 303 24,185 53.7
D-17 ④都市再生区画整理事業 0 218 682 4,489 5,842 3,688 30 14,949
  うち②災害公営住宅整備事業等分を除いたもの 0 18 134 2,320 4,045 3,441 0 9,958 22.1
D-23 ⑤防災集団移転促進事業 186 827 4,112 4,644 2,710 1,869 32 14,380
  うち②災害公営住宅整備事業等分を除いたもの 109 634 3,200 3,364 1,764 1,303 0 10,374 23.0
住まいの復興に係る4事業の計
(②災害公営住宅整備事業等の重複分を除く。)
359 2,751 10,958 14,256 10,548 5,846 303 45,021 100.0
住まいの復興に係る4事業の累計
(②災害公営住宅整備事業等の重複分を除く。)
359 3,110 14,068 28,324 38,872 44,718 45,021
事業完了年度別の計に占める割合(累計) 0.7 6.9 31.2 62.9 86.3 99.3 100.0
(ウ) 市街地・居住地復興のための事業に係る復興交付金交付可能額等

a 市街地・居住地復興のための事業に係る県別・事業別の復興交付金交付可能額

前記のとおり、住まいの復興に係る4事業の整備計画戸数は全体で4万戸を超える大規模なものとなっている。そこで、市街地・居住地復興のための事業に係る復興交付金交付可能額をみると、表42のとおり、東北3県で計1兆2240億余円となっている。これを県別にみると、宮城県が7142億余円(全体の58.3%)と最も多額となっており、次いで岩手県が3669億余円(同29.9%)、福島県が1428億余円(同11.6%)となっている。

事業別にみると、整備計画戸数の多い②災害公営住宅整備事業等に係る復興交付金交付可能額が5411億余円と最も多額となっている。このほか、高台等に住宅団地を整備する⑤防災集団移転促進事業に係る復興交付金交付可能額が4416億余円と多額となっている。

表42 市街地・居住地復興のための事業に係る県別・事業別の復興交付金交付可能額(平成26年9月末現在)

(単位:百万円、%)

所管 事業番号 事業名 岩手県 宮城県 福島県 東北3県計
復興交付金 東北3県
に占め
る割合
復興交付金 東北3県
に占め
る割合
復興交付金 東北3県
に占め
る割合
復興交付金 東北3県
に占め
る割合
農林水産省 C-5 ①漁業集落防災機能強化事業 23,446 62.5 14,035 37.4 6 0.0 37,488 100.0
国土交通省 D-4 ②災害公営住宅整備事業等 129,205 23.8 338,643 62.5 73,335 13.5 541,184 100.0
D-15 ③津波復興拠点整備事業 23,547 41.0 27,869 48.6 5,903 10.2 57,319 100.0
D-17 ④都市再生区画整理事業 65,327 44.6 64,240 43.8 16,846 11.5 146,414 100.0
D-23 ⑤防災集団移転促進事業 125,467 28.4 269,438 61.0 46,751 10.5 441,658 100.0
366,994 29.9 714,227 58.3 142,844 11.6 1,224,066 100.0

b 市街地・居住地復興のための事業に係る東北3県別の管内市町村別の復興交付金交付可能額及び整備計画戸数

東北3県の26年9月末現在の市街地・居住地復興のための事業に係る復興交付金交付可能額をみると、岩手県及び管内の市町村については、表43のとおり、計3669億余円で、管内の13市町村のうち主なものは、陸前高田市が700億余円(県全体の19.0%)、釜石市が600億余円(同16.3%)、山田町が472億余円(同12.8%)となっている。

表43 岩手県における市街地・居住地復興のための事業に係る県及び市町村別の復興交付金交付可能額(平成26年9月末現在)

(単位:百万円、%)

県及び市町
村名
事業番号C-5 事業番号D-4 事業番号D-15 事業番号D-17 事業番号D-23
①漁業集落防災機能強計
化事業
②災害公営住宅整備事
業等
③津波復興拠点整備事
④都市再生区画整理事
⑤防災集団移転促進事
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
岩手県 13,876 59.1 60,259 46.6 - - - - - - 74,135 20.2
宮古市 - - 7,917 6.1 1,527 6.4 5,107 7.8 13,739 10.9 28,291 7.7
大船渡市 359 1.5 7,003 5.4 3,127 13.2 1,365 2.0 15,215 12.1 27,072 7.3
久慈市 305 1.3 206 0.1 - - - - - - 512 0.1
一関市 - - 35 0.0 - - - - - - 35 0.0
陸前高田市 - - 4,695 3.6 5,373 22.8 31,727 48.5 28,270 22.5 70,066 19.0
釜石市 - - 28,429 22.0 7,480 31.7 11,934 18.2 12,228 9.7 60,073 16.3
大槌町 1,050 4.4 11,284 8.7 1,721 7.3 7,850 12.0 22,964 18.3 44,871 12.2
山田町 3,589 15.3 2,412 1.8 4,317 18.3 6,386 9.7 30,517 24.3 47,223 12.8
岩泉町 - - 957 0.7 - - - - - - 957 0.2
田野畑村 3,772 16.0 3,979 3.0 - - - - - - 7,752 2.1
普代村 - - - - - - - - - - - -
野田村 319 1.3 1,981 1.5 - - 954 1.4 2,531 2.0 5,786 1.5
洋野町 173 0.7 42 0.0 - - - - - - 215 0.0
23,446 100.0 129,205 100.0 23,547 100.0 65,327 100.0 125,467 100.0 366,994 100.0

宮城県及び管内の市町については、表44のとおり、計7142億余円で、管内の21市町のうち主なものは、石巻市が1549億余円(県全体の21.7%)、気仙沼市が1258億余円(同17.6%)、仙台市が1125億余円(同15.7%)となっている。

表44 宮城県における市街地・居住地復興のための事業に係る県及び市町別の復興交付金交付可能額(平成26年9月末現在)

(単位:百万円、%)

県及び市町
事業番号C-5 事業番号D-4 事業番号D-15 事業番号D-17 事業番号D-23
①漁業集落防災機能強
化事業
②災害公営住宅整備事
業等
③津波復興拠点整備事
④都市再生区画整理事
⑤防災集団移転促進事
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
宮城県 1,209 8.6 - - - - - - - - 1,209 0.1
仙台市 - - 63,759 18.8 - - 406 0.6 48,334 17.9 112,500 15.7
石巻市 809 5.7 95,265 28.1 58 0.2 10,779 16.7 48,085 17.8 154,998 21.7
塩竈市 1,234 8.7 11,771 3.4 710 2.5 1,457 2.2 701 0.2 15,875 2.2
気仙沼市 5,941 42.3 58,271 17.2 9,203 33.0 9,460 14.7 43,001 15.9 125,878 17.6
名取市 - - 5,753 1.6 - - 5,680 8.8 15,333 5.6 26,767 3.7
多賀城市 - - 13,007 3.8 3,345 12.0 421 0.6 - - 16,775 2.3
岩沼市 - - 4,386 1.2 - - - - 13,656 5.0 18,043 2.5
登米市 - - 1,940 0.5 - - - - - - 1,940 0.2
栗原市 - - 213 0.0 - - - - - - 213 0.0
東松島市 998 7.1 17,399 5.1 71 0.2 13,520 21.0 23,589 8.7 55,579 7.7
大崎市 - - 4,364 1.2 - - - - - - 4,364 0.6
亘理町 - - 12,932 3.8 - - - - 8,966 3.3 21,898 3.0
山元町 - - 13,048 3.8 8,453 30.3 614 0.9 8,591 3.1 30,708 4.2
松島町 396 2.8 1,377 0.4 - - - - - - 1,774 0.2
七ヶ浜町 - - 6,161 1.8 11 0.0 1,451 2.2 11,253 4.1 18,877 2.6
利府町 1,322 9.4 620 0.1 - - - - - - 1,943 0.2
大郷町 - - 68 0.0 - - - - - - 68 0.0
涌谷町 - - 1,186 0.3 - - - - - - 1,186 0.1
美里町 - - 528 0.1 - - - - - - 528 0.0
女川町 1,877 13.3 10,578 3.1 728 2.6 18,467 28.7 18,131 6.7 49,783 6.9
南三陸町 245 1.7 16,007 4.7 5,286 18.9 1,980 3.0 29,793 11.0 53,312 7.4
14,035 100.0 338,643 100.0 27,869 100.0 64,240 100.0 269,438 100.0 714,227 100.0

福島県及び管内の市町村については、表45のとおり、計1428億余円で、管内の16市町村のうち主なものは、いわき市が571億余円(県全体の40.0%)、南相馬市が258億余円(同18.0%)、相馬市が228億余円(同16.0%)となっている。

表45 福島県における市街地・居住地復興のための事業に係る県及び市町村別の復興交付金交付可能額(平成26年9月末現在)

(単位:百万円、%)

県及び市町
村名
事業番号C-5 事業番号D-4 事業番号D-15 事業番号D-17 事業番号D-23
①漁業集落防災機能強
化事業
②災害公営住宅整備事
業等
③津波復興拠点整備事
④都市再生区画整理事
⑤防災集団移転促進事
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
復興交付金 県全体に占
める割合
福島県 - - 10,943 14.9 - - - - - - 10,943 7.6
会津若松市 - - - - - - - - - - - -
郡山市 - - 132 0.1 - - - - - - 132 0.0
いわき市 - - 36,771 50.1 3,928 66.5 14,746 87.5 1,717 3.6 57,165 40.0
白河市 - - 319 0.4 - - - - - - 319 0.2
須賀川市 - - 2,736 3.7 - - - - - - 2,736 1.9
相馬市 - - 7,269 9.9 - - - - 15,597 33.3 22,866 16.0
南相馬市 - - 8,946 12.1 - - - - 16,856 36.0 25,803 18.0
桑折町 - - 709 0.9 - - - - - - 709 0.4
鏡石町 - - 620 0.8 - - - - - - 620 0.4
矢吹町 - - 284 0.3 - - - - - - 284 0.1
広野町 - - 1,158 1.5 - - - - 11 0.0 1,169 0.8
楢葉町 - - 241 0.3 - - - - 1,244 2.6 1,485 1.0
富岡町 - - - - - - 36 0.2 10 0.0 46 0.0
浪江町 - - - - - - - - 3,099 6.6 3,099 2.1
新地町 6 100.0 3,044 4.1 1,974 33.4 2,063 12.2 8,214 17.5 15,304 10.7
飯舘村 - - 157 0.2 - - - - - - 157 0.1
6 100.0 73,335 100.0 5,903 100.0 16,846 100.0 46,751 100.0 142,844 100.0

また、26年9月末現在の工程表に記載されている住まいの復興に係る4事業の整備計画戸数等を東北3県管内の市町村別・事業別にみると、岩手県については、表46のとおり、県全体の14,177戸のうち、陸前高田市が3,191戸(県全体の22.5%)、大槌町が2,835戸(同19.9%)、釜石市が2,817戸(同19.8%)等となっていて、②災害公営住宅整備事業等では釜石市における47地区1,342戸、④都市再生区画整理事業では陸前高田市における2地区1,931戸、⑤防災集団移転促進事業では大槌町における17地区789戸等が大規模なものとなっている。

表46 岩手県における住まいの復興に係る4事業の市町村別・事業別の地区数及び整備計画戸数の状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、戸、%)

市町村名 事業番号C-5 事業番号D-4 事業番号D-17 事業番号D-23 県全体に占め
る割合
①漁業集落防災機能
強化事業
②災害公営住
宅整備事業等
④都市再生区画整理
事業
⑤防災集団移転促進
事業
地区数 戸数
(A)
  地区数 戸数
(C)
地区数 戸数
(D)
  地区数 戸数
(F)
  地区数 戸数
(A+C+D+
F)
  地区数 戸数
(②災
害公営
住宅整
備事業
等の重
複分を
除いた
もの)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(B)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(E)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(G)
うち②災害
公営住宅整
備事業等の
重複分を除
いたもの
(B+C+E+G)
宮古市 7 35 31 28 793 2 490 410 5 441 319 42 1,759 1,553 13.5 10.9
大船渡市 1 30 30 26 801 1 300 250 23 371 371 51 1,502 1,452 16.3 10.2
久慈市 4 26 15 3 11 0 0 0 0 0 0 7 37 26 2.2 0.1
一関市 0 0 0 1 24 0 0 0 0 0 0 1 24 24 0.3 0.1
陸前高田市 0 0 0 13 1,000 2 1,931 1,647 26 544 544 41 3,475 3,191 13.1 22.5
釜石市 10 151 92 47 1,342 4 1,532 1,243 11 233 140 72 3,258 2,817 23.1 19.8
大槌町 2 23 12 25 980 4 1,393 1,120 17 789 723 48 3,185 2,835 15.4 19.9
山田町 2 165 145 17 777 3 517 377 4 672 456 26 2,131 1,755 8.3 12.3
岩泉町 1 59 59 2 51 0 0 0 0 0 0 3 110 110 0.9 0.7
田野畑村 2 114 53 5 63 0 0 0 0 0 0 7 177 116 2.2 0.8
野田村 2 16 15 6 100 1 137 124 2 98 38 11 351 277 3.5 1.9
洋野町 1 17 17 1 4 0 0 0 0 0 0 2 21 21 0.6 0.1
32 636 469 174 5,946 17 6,300 5,171 88 3,148 2,591 311 16,030 14,177 100.0 100.0

宮城県については、表47のとおり、県全体の25,944戸のうち、石巻市が7,422戸(県全体の28.6%)、気仙沼市が4,528戸(同17.4%)、仙台市が3,893戸(同15.0%)等となっていて、②災害公営住宅整備事業等では石巻市における97地区4,000戸、④都市再生区画整理事業では石巻市における10地区2,886戸、⑤防災集団移転促進事業では石巻市における54地区2,955戸等が大規模なものとなっている。

表47 宮城県における住まいの復興に係る4事業の市町別・事業別の地区数及び整備計画戸数の状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、戸、%)

市町名 事業番号C-5 事業番号D-4 事業番号D-17 事業番号D-23 県全体に占め
る割合
①漁業集落防災機能
強化事業
②災害公営住
宅整備事業等
④都市再生区画整理
事業
⑤防災集団移転促進
事業
地区数 戸数
(A)
  地区数 戸数
(C)
地区数 戸数
(D)
  地区数 戸数
(F)
  地区数 戸数
(A+C+D+
F)
  地区数 戸数
(②災
害公営
住宅整
備事業
等の重
複分を
除いた
もの)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(B)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(E)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(G)
うち②災害
公営住宅整
備事業等の
重複分を除
いたもの
(B+C+E+G)
仙台市 0 0 0 52 3,180 0 0 0 14 963 713 66 4,143 3,893 11.6 15.0
石巻市 0 0 0 97 4,000 10 2,886 1,162 54 2,955 2,260 161 9,841 7,422 28.3 28.6
塩竈市 2 21 21 12 420 2 117 57 2 25 4 18 583 502 3.1 1.9
気仙沼市 0 0 0 40 2,168 3 2,040 1,361 50 1,726 999 93 5,934 4,528 16.4 17.4
名取市 0 0 0 6 716 1 671 147 2 246 154 9 1,633 1,017 1.5 3.9
多賀城市 0 0 0 4 532 1 125 75 0 0 0 5 657 607 0.8 2.3
岩沼市 0 0 0 4 210 0 0 0 2 282 171 6 492 381 1.0 1.4
登米市 0 0 0 6 84 0 0 0 0 0 0 6 84 84 1.0 0.3
栗原市 0 0 0 3 15 0 0 0 0 0 0 3 15 15 0.5 0.0
東松島市 0 0 0 20 1,010 2 0 0 7 1,288 717 29 2,298 1,727 5.1 6.6
大崎市 0 0 0 6 170 0 0 0 0 0 0 6 170 170 1.0 0.6
亘理町 0 0 0 11 477 0 0 0 5 227 200 16 704 677 2.8 2.6
山元町 0 0 0 24 476 0 0 0 3 516 207 27 992 683 4.7 2.6
松島町 1 8 8 3 52 0 0 0 0 0 0 4 60 60 0.7 0.2
七ヶ浜町 0 0 0 5 212 4 171 171 5 226 194 14 609 577 2.4 2.2
利府町 0 0 0 1 25 0 0 0 0 0 0 1 25 25 0.1 0.0
大郷町 0 0 0 1 3 0 0 0 0 0 0 1 3 3 0.1 0.0
涌谷町 0 0 0 3 48 0 0 0 0 0 0 3 48 48 0.5 0.1
美里町 0 0 0 3 40 0 0 0 0 0 0 3 40 40 0.5 0.1
女川町 2 8 6 28 917 4 1,276 481 16 490 370 50 2,691 1,774 8.8 6.8
南三陸町 0 0 0 19 770 0 0 0 27 941 941 46 1,711 1,711 8.1 6.5
5 37 35 348 15,525 27 7,286 3,454 187 9,885 6,930 567 32,733 25,944 100.0 100.0

福島県については、表48のとおり、県全体の4,900戸のうち、いわき市が2,808戸(県全体の57.3%)、南相馬市が740戸(同15.1%)、相馬市が529戸(同10.7%)等となっていて、②災害公営住宅整備事業等ではいわき市における17地区1,513戸、④都市再生区画整理事業ではいわき市における5地区1,253戸、⑤防災集団移転促進事業では相馬市における9地区526戸等が大規模なものとなっている。なお、福島県の整備計画戸数は、復興交付金事業以外の事業で実施している原子力災害の避難者向けの災害公営住宅に係る戸数4,890戸を含めると計9,790戸となる。

表48 福島県における住まいの復興に係る4事業の市町別・事業別の地区数及び整備計画戸数の状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、戸、%)

市町名 事業番号C-5 事業番号D-4 事業番号D-17 事業番号D-23 県全体に占め
る割合
①漁業集落防災機能
強化事業
②災害公営住
宅整備事業等
④都市再生区画整理
事業
⑤防災集団移転促進
事業
地区数 戸数
(A)
  地区数 戸数
(C)
地区数 戸数
(D)
  地区数 戸数
(F)
  地区数 戸数
(A+C+D
+F)
  地区数 戸数
(②災
害公営
住宅整
備事業
等の重
複分を
除いた
もの)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(B)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(E)
うち②
災害公
営住宅
整備事
業等分
を除い
たもの
(G)
うち②災
害公営住
宅整備事
業等の重
複分を除
いたもの
(B+C+E+G)
いわき市 0 0 0 17 1,513 5 1,253 1,253 4 42 42 26 2,808 2,808 20.6 57.3
白河市 0 0 0 1 16 0 0 0 0 0 0 1 16 16 0.7 0.3
須賀川市 0 0 0 4 100 0 0 0 0 0 0 4 100 100 3.1 2.0
相馬市 0 0 0 10 398 0 0 0 9 526 131 19 924 529 15 10.7
南相馬市 0 0 0 11 350 0 0 0 32 390 390 43 740 740 34.1 15.1
桑折町 0 0 0 1 22 0 0 0 0 0 0 1 22 22 0.7 0.4
鏡石町 0 0 0 1 24 0 0 0 0 0 0 1 24 24 0.7 0.4
矢吹町 0 0 0 4 52 0 0 0 0 0 0 4 52 52 3.1 1.0
広野町 0 0 0 2 74 0 0 0 0 0 0 2 74 74 1.5 1.5
楢葉町 0 0 0 3 32 0 0 0 3 39 7 6 71 39 4.7 0.7
浪江町 0 0 0 0 0 0 0 0 3 129 129 3 129 129 2.3 2.6
新地町 0 0 0 8 133 1 110 80 7 221 154 16 464 367 12.6 7.4
0 0 0 62 2,714 6 1,363 1,333 58 1,347 853 126 5,424 4,900 100.0 100.0
(エ) 住まいの復興に係る4事業の進捗状況

前記のとおり、復興交付金事業等は27年度までの集中復興期間に実施することとなっている。

そこで、27年度末までの住まいの復興に係る4事業の進捗状況はどのようなものとなっているかなどに着眼して、東北3県及び復興庁等の関係省庁において検査した。住まいの復興に係る4事業における一般的な実施手続及び工程表による事業の進捗状況は、次のとおりである。

なお、工程表は24年度以降の各工程の実施状況を示していることから、23年度から事業を実施している一部の地区についても24年度以降の実施状況を集計し、分析している。

a 住まいの復興に係る4事業の実施手続

住まいの復興に係る4事業は、用地買収、調査設計、造成等の工程を経て実施するものであるが、それぞれの主な実施手続等を示すと、図30のとおりとなっていて、法定の手続が必要な事業があるなど、実施手続等に違いがある。

図30 住まいの復興に係る4事業の主な実施手続

図30 住まいの復興に係る4事業の主な実施手続 画像

このうち、例として⑤防災集団移転促進事業に係る実施手続は、次のとおりである。

i 事業を実施する市町村は、策定した復興方針や復興計画を基に、復興交付金事業計画を作成して復興庁へ提出する。

ii 復興庁は、提出された復興交付金事業計画等を復興交付金制度要綱に基づいて事業の必要性等を勘案して配分計画を作成し、復興交付金交付可能額を市町村に通知するとともに、関係省庁へ予算の移替えを行う。

iii 市町村は、通知された復興交付金交付可能額に基づいて、復興庁を経由して関係省庁に交付申請を行い、そして、関係省庁はこれを審査して交付決定を行い、復興交付金を市町村に交付する。

iv 市町村は、交付された復興交付金を活用して調査、検討等を行い、移転元の移転促進区域、移転先の住宅団地等に関する事項を定めた集団移転促進事業計画を策定して、国土交通大臣の同意を得る。

v 市町村は、調査設計、用地買収、造成という工程を実施して、事業を完了させる。

b ①漁業集落防災機能強化事業の進捗状況

①漁業集落防災機能強化事業は、岩手県の10市町村32地区(636戸)と宮城県の3市町5地区(37戸)、計13市町村37地区(673戸)において実施されている。26年9月末現在の工程表を基に、上記の37地区における同月末現在の事業の完了状況を示すと、表49のとおり、事業が完了しているのは13地区(37地区の35.1%)、完了していないのは24地区(同64.8%)となっており、24地区のうち岩手県の釜石市、山田町及び洋野町の3地区(同8.1%)は、集中復興期間終了後の28年度以降に完了する見込みとなっている。また、事業が完了した13地区に係る用地買収等から造成工事の完了までの平均期間は7.1四半期となっている。

表49 ①漁業集落防災機能強化事業の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、四半期、%)

市町村名 地区数
(A)
完了した地
区数(B)
割合
(B/A)
完了した地区
に係る平均事
業期間(四半
期)
完了してい
ない地区数
(C)
割合
(C/A)
うち平成28年
度以降に完了
することが見
込まれる地区
数(D)
割合
(D/A)
宮古市 7 6 85.7 7.3 1 14.2 0 0.0
大船渡市 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
久慈市 4 4 100.0 7.0 0 0.0 0 0.0
釜石市 10 0 0.0 - 10 100.0 1 10.0
大槌町 2 0 0.0 - 2 100.0 0 0.0
山田町 2 0 0.0 - 2 100.0 1 50.0
岩泉町 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
田野畑村 2 2 100.0 8.0 0 0.0 0 0.0
野田村 2 0 0.0 - 2 100.0 0 0.0
洋野町 1 0 0.0 - 1 100.0 1 100.0
岩手県計 32 12 37.5 7.3 20 62.5 3 9.3
塩竈市 2 0 0.0 - 2 100.0 0 0.0
松島町 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
女川町 2 1 50.0 5.0 1 50.0 0 0.0
宮城県計 5 1 20.0 5.0 4 80.0 0 0.0
合計 37 13 35.1 7.1 24 64.8 3 8.1

上記の37地区を完了年度別にみると、表50のとおり、25年度末までに計9地区で完了し、27年度末までに計34地区(37地区の91.8%)で完了する見込みとなっている。

表50 ①漁業集落防災機能強化事業の地区の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、%)

種別           28年度以降 合計
平成24年度 25年度 26年度 27年度
地区数 1 8 10 15 34 3 37
合計に占める
割合
2.7 21.6 27.0 40.5 91.8 8.1 100.0

(注)事業完了した地区数は、平成26年9月末現在の工程表における事業の完了時期により整理している。

各地区には、事業実施期間中に完成した宅地等を順次供給開始している地区がある(以下同じ)。

前記37地区のうち、24年12月末現在の工程表に完了時期等が記載されていて、26年9月末現在の工程表との比較が可能な32地区における進捗状況(別表11、リンク参照)をみると、表51のとおり、24年12月末現在の工程表と比較して、26年9月末現在の工程表に記載された完了時期が1四半期以上延びている地区が22地区(32地区の68.7%)、このうち4四半期以上延びている地区が10地区(同31.2%)となっている。なお、完了時期が4四半期以上延び、かつ、集中復興期間終了後の28年度以降に完了することが見込まれる地区は1地区となっている。

また、4四半期以上延びている10地区のうち、工程別分析が可能な岩手県の8地区について、用地買収、調査設計及び造成の工程別にみると、24年4月以降の用地買収期間が平均4.1四半期長くなっている。

なお、一部の地区の完了時期が延びていることについて、当該市町村の状況を把握している岩手県及び宮城県によれば、東日本大震災の発生から時間が経過し、漁業集落の安全な居住環境の確保に関する住民の意向が変化していて、工事の着手等に影響が出ていることによるとしている。

表51 ①漁業集落防災機能強化事業の進捗状況

(単位:地区、%、四半期)

市町村名 地区数  
左のう
ち進捗
を比較
可能な
地区数
(A)
 
完了時期が1四半
期以上延びてい
る地区数(B)
(括弧内は割合
(B/A))
 
完了時期が4四半
期以上延びてい
る地区数(C)
(括弧内は割合
(C/A))
工程別
分析が
可能な
地区数
各工程の期間の平均(四半期)
平成24年12月末(D) 26年9月末(E) (E-D)
用地買
調査設
造成 用地買
調査設
造成 用地買
調査設
造成
宮古市 7 7 5 (71.4) 2 (28.5) 2 2.5 3.0 3.5 5.0 4.5 6.0 2.5 1.5 2.5
大船渡市 1 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
久慈市 4 4 2 (50.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
釜石市 10 10 9 (90.0) 6 (60.0) 6 2.6 4.0 6.3 7.3 2.8 5.3 4.7 △ 1.2 △ 1.0
大槌町 2 1 1 (100.0) 1 (100.0) 0 - - - - - - - - -
山田町 2 2 1 (50.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
岩泉町 1 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
田野畑村 2 2 2 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
野田村 2 2 1 (50.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
洋野町 1 1 1 (100.0) 1 (100.0) 0 - - - - - - - - -
岩手県計 32 31 22 (70.9) 10 (32.2) 8 2.6 3.7 5.6 6.7 3.2 5.5 4.1 △ 0.5 △ 0.1
塩竈市 2 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
松島町 1 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
女川町 2 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
宮城県計 5 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
合計 37 32 22 (68.7) 10 (31.2) 8 2.6 3.7 5.6 6.7 3.2 5.5 4.1 △ 0.5 △ 0.1

c ②災害公営住宅整備事業等の進捗状況

②災害公営住宅整備事業等は、岩手県の12市町村174地区(5,946戸)、宮城県の21市町348地区(15,525戸)、福島県の11市町62地区(2,714戸)、計44市町村584地区(24,185戸)と、多数の地区において実施されている。26年9月末現在の工程表を基に、上記の584地区における同月末現在の事業の完了状況を示すと、表52のとおり、事業が完了しているのは108地区(584地区の18.4%)、完了していないのは476地区(同81.5%)となっており、476地区のうち116地区(同19.8%)は、集中復興期間終了後の28年度以降に完了する見込みとなっている。また、事業が完了した108地区に係る用地取得から建築工事の完了までの平均期間は7.2四半期となっている。

表52 ②災害公営住宅整備事業等の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、四半期、%)

市町村名 地区数
(A)
完了した地
区数(B)
割合
(B/A)
完了した地
区に係る平
均事業期間
(四半期)
完了してい
ない地区数
(C)
割合
(C/A)
うち平成28
年度以降に
完了するこ
とが見込ま
れる地区数
(D)
割合
(D/A)
宮古市 28 2 7.1 7.0 26 92.8 2 7.1
大船渡市 26 7 26.9 6.8 19 73.0 2 7.6
久慈市 3 3 100.0 7.6 0 0.0 0 0.0
一関市 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
陸前高田市 13 1 7.6 9.0 12 92.3 6 46.1
釜石市 47 6 12.7 6.6 41 87.2 20 42.5
大槌町 25 4 16.0 6.5 21 84.0 14 56.0
山田町 17 1 5.8 9.0 16 94.1 9 52.9
岩泉町 2 2 100.0 6.5 0 0.0 0 0.0
田野畑村 5 4 80.0 8.5 1 20.0 0 0.0
野田村 6 4 66.6 8.0 2 33.3 0 0.0
洋野町 1 1 100.0 6.0 0 0.0 0 0.0
岩手県計 174 35 20.1 7.2 139 79.8 53 30.4
仙台市 52 11 21.1 7.0 41 78.8 0 0.0
石巻市 97 7 7.2 7.1 90 92.7 21 21.6
塩竈市 12 1 8.3 8.0 11 91.6 0 0.0
気仙沼市 40 0 0.0 - 40 100.0 7 17.5
名取市 6 0 0.0 - 6 100.0 2 33.3
多賀城市 4 0 0.0 - 4 100.0 1 25.0
岩沼市 4 0 0.0 - 4 100.0 0 0.0
登米市 6 4 66.6 9.7 2 33.3 0 0.0
栗原市 3 3 100.0 5.3 0 0.0 0 0.0
東松島市 20 5 25.0 6.8 15 75.0 4 20.0
大崎市 6 2 33.3 7.0 4 66.6 0 0.0
亘理町 11 4 36.3 9.2 7 63.6 0 0.0
山元町 24 6 25.0 6.3 18 75.0 0 0.0
松島町 3 0 0.0 - 3 100.0 0 0.0
七ヶ浜町 5 0 0.0 - 5 100.0 0 0.0
利府町 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
大郷町 1 1 100.0 6.0 0 0.0 0 0.0
涌谷町 3 1 33.3 10.0 2 66.6 0 0.0
美里町 3 3 100.0 5.0 0 0.0 0 0.0
女川町 28 3 10.7 6.3 25 89.2 18 64.2
南三陸町 19 4 21.0 10.0 15 78.9 10 52.6
宮城県計 348 55 15.8 7.3 293 84.1 63 18.1
いわき市 17 7 41.1 8.4 10 58.8 0 0.0
白河市 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
須賀川市 4 0 0.0 - 4 100.0 0 0.0
相馬市 10 6 60.0 5.0 4 40.0 0 0.0
南相馬市 11 2 18.1 9.0 9 81.8 0 0.0
桑折町 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
鏡石町 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
矢吹町 4 0 0.0 - 4 100.0 0 0.0
広野町 2 1 50.0 10.0 1 50.0 0 0.0
楢葉町 3 0 0.0 - 3 100.0 0 0.0
新地町 8 2 25.0 6.0 6 75.0 0 0.0
福島県計 62 18 29.0 7.1 44 70.9 0 0.0
合計 584 108 18.4 7.2 476 81.5 116 19.8

また、上記584地区のうち整備時期等が未定となっている9地区を除く575地区を完了年度別にみると、表53のとおり、25年度末までに計65地区で完了し、27年度末までに計459地区(575地区の79.8%)で完了する見込みとなっている。

表53 ②災害公営住宅整備事業等の地区の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、%)

種別 集中復興期間 28年度以降 合計
平成24年度 25年度 26年度 27年度
地区数 11 54 181 213 459 116 575
合計に占める
割合
1.9 9.3 31.4 37.0 79.8 20.1 100.0

(注)地区数は整備時期等が未定となっている9地区を除いている。

24年12月末現在の工程表及び26年9月末現在の工程表を基に、前記の584地区における進捗状況(別表11、リンク参照)をみると、表54のとおり、完了時期等の比較が可能な289地区では、24年12月末現在の工程表に記載された完了時期と比較して、26年9月末現在の工程表に記載された完了時期が1四半期以上延びている地区が178地区(289地区の61.5%)、このうち4四半期以上延びている地区が66地区(同22.8%)となっている。なお、完了時期が4四半期以上延び、かつ、28年度以降に完了することが見込まれる地区は19地区となっている。また、これら66地区のうち、工程別分析が可能な61地区について、用地買収、建築設計、建築工事等の工程別にみると、24年4月以降の用地買収期間が平均3.0四半期長くなっている。

特に、岩手県の釜石市、大船渡市、宮城県の石巻市、女川町等の津波の被害を受けた市町村では、用地買収期間に加え、④都市再生区画整理事業や⑤防災集団移転促進事業によりかさ上げ等した土地に住宅を建築することなどから、完了時期が延びている地区が多く見受けられる。

なお、一部の地区の完了時期が延びていることについて、実施地区数の多い岩手県及び宮城県によれば、当初は東日本大震災の発生前までに実施した公営住宅の整備の経験を基に完了時期を設定したが、多くの地域で用地の取得を必要としたことなどにより、想定以上に地権者の同意を得るのに時間を要したことによるとしている。また、会計実地検査時点(26年7月)で、岩手県では、県又は市町村が実施地区の約9割において地権者から用地の売却に関する内諾を受けており、宮城県では、県又は市町村が実施地区の約8割において用地の取得を完了(被災市街地復興土地区画整理事業における仮換地の指定に係る手続が終了していないものを除く。)しているため、両県とも②災害公営住宅整備事業等における用地取得の課題は解消されつつあるとしている。

表54 ②災害公営住宅整備事業等の進捗状況

(単位:地区、%、四半期)

市町村名 地区数  
左のう
ち進捗
を比較
可能な
地区数
(A)
 
完了時期が1四半
期以上延びてい
る地区数(B)
(括弧内は割合
(B/A))
 
完了時期が4四半
期以上延びてい
る地区数(C)
(括弧内は割合
(C/A))
工程別
分析が
可能な
地区数
各工程の期間の平均(四半期)
平成24年12月末(D) 26年9月末(E) (E-D)
用地買
調査設
建築工
用地買
調査設
建築工
用地買
調査設
建築工
宮古市 28 18 11 (61.1) 5 (27.7) 5 2.6 2.2 4.2 3.2 3.4 5.8 0.6 1.2 1.6
大船渡市 26 17 14 (82.3) 8 (47.0) 7 2.4 2.5 4.2 4.8 3.2 5.1 2.4 0.7 0.9
久慈市 3 3 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
一関市 1 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
陸前高田市 13 7 5 (71.4) 4 (57.1) 3 3.6 2.3 6.0 4.0 4.0 7.0 0.4 1.7 1.0
釜石市 47 17 13 (76.4) 10 (58.8) 8 1.7 2.2 3.6 4.5 2.7 3.5 2.8 0.5 △ 0.1
大槌町 25 11 10 (90.9) 4 (36.3) 4 2.2 3.0 3.7 6.2 3.7 5.2 4.0 0.7 1.5
山田町 17 2 2 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
岩泉町 2 2 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
田野畑村 5 5 4 (80.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
野田村 6 6 1 (16.6) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
洋野町 1 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
岩手県計 174 89 60 (67.4) 31 (34.8) 27 2.3 2.4 4.1 4.5 3.2 5.0 2.2 0.8 0.9
仙台市 52 30 14 (46.6) 2 (6.6) 2 5.5 4.0 3.0 8.0 3.5 5.5 2.5 △ 0.5 2.5
石巻市 97 55 35 (63.6) 11 (20.0) 11 3.3 2.9 2.9 7.0 3.0 3.6 3.7 0.1 0.7
塩竈市 12 4 4 (100.0) 4 (100.0) 4 1.0 2.0 4.0 5.0 5.7 3.2 4.0 3.7 △ 0.8
気仙沼市 40 8 7 (87.5) 3 (37.5) 3 2.0 3.3 2.0 6.0 3.0 2.0 4.0 △ 0.3 0.0
名取市 6 2 2 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
多賀城市 4 3 1 (33.3) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
岩沼市 4 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
登米市 6 3 3 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
栗原市 3 3 1 (33.3) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
東松島市 20 9 3 (33.3) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
大崎市 6 3 3 (100.0) 1 (33.3) 0 - - - - - - - - -
亘理町 11 9 1 (11.1) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
山元町 24 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
松島町 3 1 1 (100.0) 1 (100.0) 1 3.0 2.0 3.0 3.0 4.0 4.0 0.0 2.0 1.0
七ヶ浜町 5 5 5 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
利府町 1 1 1 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
大郷町 1 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
涌谷町 3 3 2 (66.6) 1 (33.3) 1 2.0 2.0 4.0 3.0 2.0 5.0 1.0 0.0 1.0
美里町 3 3 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
女川町 28 12 9 (75.0) 6 (50.0) 6 1.1 4.0 4.0 6.0 2.0 2.8 4.9 △ 2.0 △ 1.2
南三陸町 19 4 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
宮城県計 348 159 92 (57.8) 29 (18.2) 28 2.5 3.0 3.2 6.1 3.2 3.4 3.6 0.2 0.2
いわき市 17 14 9 (64.2) 2 (14.2) 2 1.0 1.0 4.5 2.0 3.5 6.5 1.0 2.5 2.0
白河市 1 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
須賀川市 4 1 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
相馬市 10 8 3 (37.5) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
南相馬市 11 9 8 (88.8) 4 (44.4) 4 2.0 2.7 3.2 6.0 3.2 5.5 4.0 0.5 2.3
桑折町 1 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
鏡石町 1 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
矢吹町 4 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
広野町 2 1 1 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
楢葉町 3 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
新地町 8 7 5 (71.4) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
福島県計 62 41 26 (63.4) 6 (14.6) 6 1.6 2.1 3.6 4.6 3.3 5.8 3.0 1.2 2.2
合計 584 289 178 (61.5) 66 (22.8) 61 2.3 2.7 3.7 5.3 3.2 4.3 3.0 0.5 0.6

d ④都市再生区画整理事業の進捗状況

④都市再生区画整理事業は、岩手県の7市町村17地区(6,300戸)、宮城県の8市町27地区(7,286戸)、福島県の2市町6地区(1,363戸)、計17市町村50地区(14,949戸)において実施されている。26年9月末現在の工程表を基に、上記の50地区における同月末現在の事業の完了状況を示すと、表55のとおり、事業が完了しているのは宮城県の女川町の1地区(50地区の2.0%)、完了していないのは49地区(同98.0%)となっており、49地区のうち41地区(同82.0%)は、集中復興期間終了後の28年度以降に完了する見込みとなっている。

このように、多くの地区において事業の完了までに時間を要していることについて、実施地区数の多い岩手県及び宮城県によれば、同事業は一般的に完了までに時間を要する事業であること、造成時に当該土地のかさ上げも合わせて実施する地区が多いことなどを考慮すれば、同事業の進捗は順調であるとしている。

表55 ④都市再生区画整理事業の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、四半期、%)

市町村名 地区数
(A)
完了した地
区数(B)
割合
(B/A)
完了した地
区に係る平
均事業期間
(四半期)
完了してい
ない地区数
(C)
割合
(C/A)
うち平成28
年度以降に
完了するこ
とが見込ま
れる地区数
(D)
割合
(D/A)
宮古市 2 0 0.0 - 2 100.0 0 0.0
大船渡市 1 0 0.0 - 1 100.0 1 100.0
陸前高田市 2 0 0.0 - 2 100.0 2 100.0
釜石市 4 0 0.0 - 4 100.0 4 100.0
大槌町 4 0 0.0 - 4 100.0 4 100.0
山田町 3 0 0.0 - 3 100.0 2 66.6
野田村 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
岩手県計 17 0 0.0 - 17 100.0 13 76.4
石巻市 10 0 0.0 - 10 100.0 10 100.0
塩竈市 2 0 0.0 - 2 100.0 0 0.0
気仙沼市 3 0 0.0 - 3 100.0 3 100.0
名取市 1 0 0.0 - 1 100.0 1 100.0
多賀城市 1 0 0.0 - 1 100.0 0 0.0
東松島市 2 0 0.0 - 2 100.0 2 100.0
七ヶ浜町 4 0 0.0 - 4 100.0 4 100.0
女川町 4 1 25.0 5.0 3 75.0 2 50.0
宮城県計 27 1 3.7 5.0 26 96.2 22 81.4
いわき市 5 0 0.0 - 5 100.0 5 100.0
新地町 1 0 0.0 - 1 100.0 1 100.0
福島県計 6 0 0.0 - 6 100.0 6 100.0
合計 50 1 2.0 5.0 49 98.0 41 82.0

また、前記の50地区を完了年度別にみると、表56のとおり、25年度末までに1地区で完了し、27年度末までに9地区(50地区の18.0%)で完了する見込みとなっている。

表56 ④都市再生区画整理事業の地区の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、%)

種別 集中復興期間 28年度以降 合計
平成24年度 25年度 26年度 27年度
地区数 0 1 1 7 9 41 50
合計に占める
割合
0.0 2.0 2.0 14.0 18.0 82.0 100.0

なお、④都市再生区画整理事業は、一般的に計画から完了までに時間を要するものであり、東日本大震災の発生から相当の期間を経過した時期でも計画の策定が困難な地区が多いことから、24年12月末現在の工程表において完了時期等が示されていない。

e ⑤防災集団移転促進事業の進捗状況

⑤防災集団移転促進事業は、岩手県の7市町村88地区(3,148戸)、宮城県の12市町187地区(9,885戸)、福島県の6市町58地区(1,347戸)、計25市町村333地区(14,380戸)と、多数の地区において実施されている。26年9月末現在の工程表を基に、上記の333地区における同月末現在の事業の完了状況を示すと、表57のとおり、宮城県の岩沼市及び亘理郡亘理町、福島県の新地町において全ての地区が完了しているなど、事業が完了しているのは95地区(333地区の28.5%)、完了していないのは238地区(同71.4%)となっており、238地区のうち37地区(同11.1%)は、集中復興期間終了後の28年度以降に完了する見込みとなっている。また、事業が完了した95地区に係る用地買収から造成工事の完了までの平均期間は7.0四半期となっている。

表57 ⑤防災集団移転促進事業の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、四半期、%)

市町村名 地区数
(A)
完了した地
区数(B)
割合
(B/A)
完了した地
区に係る平
均事業期間
(四半期)
完了してい
ない地区数
(C)
割合
(C/A)
うち平成28
年度以降に
完了するこ
とが見込ま
れる地区数
(D)
割合
(D/A)
宮古市 5 2 40.0 7.0 3 60.0 0 0.0
大船渡市 23 7 30.4 6.8 16 69.5 1 4.3
陸前高田市 26 12 46.1 7.1 14 53.8 2 7.6
釜石市 11 1 9.0 8.0 10 90.9 1 9.0
大槌町 17 0 0.0 - 17 100.0 4 23.5
山田町 4 1 25.0 7.0 3 75.0 1 25.0
野田村 2 1 50.0 7.0 1 50.0 0 0.0
岩手県計 88 24 27.2 7.0 64 72.7 9 10.2
仙台市 14 7 50.0 6.4 7 50.0 0 0.0
石巻市 54 7 12.9 9.0 47 87.0 15 27.7
塩竈市 2 0 0.0 - 2 100.0 0 0.0
気仙沼市 50 1 2.0 8.0 49 98.0 2 4.0
名取市 2 0 0.0 - 2 100.0 1 50.0
岩沼市 2 2 100.0 5.5 0 0.0 0 0.0
東松島市 7 5 71.4 8.0 2 28.5 1 14.2
亘理町 5 5 100.0 7.4 0 0.0 0 0.0
山元町 3 0 0.0 - 3 100.0 0 0.0
七ヶ浜町 5 4 80.0 7.5 1 20.0 0 0.0
女川町 16 1 6.2 6.0 15 93.7 6 37.5
南三陸町 27 9 33.3 7.4 18 66.6 3 11.1
宮城県計 187 41 21.9 7.4 146 78.0 28 14.9
いわき市 4 1 25.0 3.0 3 75.0 0 0.0
相馬市 9 8 88.8 7.5 1 11.1 0 0.0
南相馬市 32 14 43.7 6.7 18 56.2 0 0.0
楢葉町 3 0 0.0 - 3 100.0 0 0.0
浪江町 3 0 0.0 - 3 100.0 0 0.0
新地町 7 7 100.0 5.5 0 0.0 0 0.0
福島県計 58 30 51.7 6.4 28 48.2 0 0.0
合計 333 95 28.5 7.0 238 71.4 37 11.1

上記の333地区を完了年度別にみると、表58のとおり、25年度末までに計54地区で完了し、27年度末までに計296地区(333地区の88.8%)で完了する見込みとなっている。

表58 ⑤防災集団移転促進事業の地区の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、%)

種別 集中復興期間 28年度以降 合計
平成24年度 25年度 26年度 27年度
地区数 6 48 135 107 296 37 333
合計に占める
割合
1.8 14.4 40.5 32.1 88.8 11.1 100.0

24年12月末現在の工程表及び26年9月末現在の工程表を基に、前記の333地区における進捗状況(別表11、リンク参照)をみると、表59のとおり、完了時期等の比較が可能な245地区では、24年12月末現在の工程表に記載された完了時期と比較して、26年9月末現在の工程表に記載された完了時期が1四半期以上延びている地区が153地区(245地区の62.4%)、このうち4四半期以上延びている地区が48地区(同19.5%)となっている。なお、完了時期が4四半期以上延び、かつ、28年度以降に完了することが見込まれる地区は11地区となっている。

また、4四半期以上延びている48地区のうち、工程別分析が可能な岩手県及び宮城県の計44地区について、用地買収、調査設計及び造成の工程別にみると、24年4月以降の用地買収期間が平均3.0四半期、調査設計期間が平均2.9四半期、造成期間が平均2.2四半期、それぞれ長くなっている。

なお、一部の地区の完了時期が延びていることについて、実施地区数の多い岩手県及び宮城県によれば、住宅団地を整備するための用地の取得に時間を要したこともあるが(会計実地検査時点(26年7月)においては、多くの地区で完了)、当該市町村がこれまで同事業を実施した経験がなく、計画の策定や実施、完了時期の決定等に当たり様々な困難があったことによるとしている。

表59 ⑤防災集団移転促進事業の進捗状況

(単位:地区、%、四半期)

市町村名 地区数  
左のう
ち進捗
を比較
可能な
地区数
(A)
 
完了時期が1四半
期以上延びてい
る地区数(B)
(括弧内は割合
(B/A))
 
完了時期が4四半
期以上延びてい
る地区数(C)
(括弧内は割合
(C/A))
工程別
分析が
可能な
地区数
各工程の期間の平均(四半期)
平成24年12月末(D) 26年9月末(E) (E-D)
用地買
調査設
造成 用地買
調査設
造成 用地買
調査設
造成
宮古市 5 4 2 (50.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
大船渡市 23 17 14 (82.3) 3 (17.6) 3 6.3 2.0 4.3 1.6 6.0 5.3 △ 4.7 4.0 1.0
陸前高田市 26 17 14 (82.3) 5 (29.4) 5 2.4 3.0 3.8 4.2 4.8 6.6 1.8 1.8 2.8
釜石市 11 11 11 (100.0) 11 (100.0) 11 4.2 2.0 4.7 8.0 3.5 6.3 3.8 1.5 1.6
大槌町 17 5 1 (20.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
山田町 4 2 1 (50.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
野田村 2 2 0 (0.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
岩手県計 88 58 43 (74.1) 19 (32.7) 19 4.1 2.3 4.4 6.0 4.2 6.2 1.9 1.9 1.8
仙台市 14 13 2 (15.3) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
石巻市 54 45 34 (75.5) 14 (31.1) 14 4.0 4.0 6.1 8.0 8.4 6.9 4.0 4.4 0.8
塩竈市 2 2 2 (100.0) 1 (50.0) 1 3.0 3.0 3.0 2.0 4.0 7.0 △ 1.0 1.0 4.0
気仙沼市 50 34 3 (8.8) 1 (2.9) 1 1.0 2.0 5.0 4.0 2.0 8.0 3.0 0.0 3.0
名取市 2 1 1 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
岩沼市 2 2 2 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
東松島市 7 6 1 (16.6) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
亘理町 5 5 1 (20.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
山元町 3 3 1 (33.3) 1 (33.3) 1 2.0 2.0 8.0 7.0 4.0 8.0 5.0 2.0 0.0
七ヶ浜町 5 3 1 (33.3) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
女川町 16 13 10 (76.9) 6 (46.1) 6 2.0 3.0 8.0 7.3 6.8 14.6 5.3 3.8 6.6
南三陸町 27 17 12 (70.5) 2 (11.7) 2 3.5 3.5 7.5 3.5 6.0 9.0 0.0 2.5 1.5
宮城県計 187 144 70 (48.6) 25 (17.3) 25 3.2 3.5 6.6 7.0 7.2 9.0 3.8 3.7 2.4
いわき市 4 4 3 (75.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
相馬市 9 6 6 (100.0) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
南相馬市 32 26 25 (96.1) 4 (15.3) 0 - - - - - - - - -
楢葉町 3 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
浪江町 3 0 0 (-) 0 (-) 0 - - - - - - - - -
新地町 7 7 6 (85.7) 0 (0.0) 0 - - - - - - - - -
福島県計 58 43 40 (93.0) 4 (9.3) 0 - - - - - - - - -
合計 333 245 153 (62.4) 48 (19.5) 44 3.6 3.0 5.6 6.6 5.9 7.8 3.0 2.9 2.2
(オ) 住まいの復興に係る4事業の整備計画戸数の増減状況

住まいの復興に係る4事業を実施する市町村は、復興交付金事業計画等の作成、用地取得、災害公営住宅の建設等の段階等で必要に応じて、災害公営住宅への入居希望や高台への集団移転等の住居に関する住民の意向を調査し、その結果を各事業に反映させている。そして、住まいの復興に係る4事業が完了に至るまでには多くの時間を要する状況となっていて、その間に、住民の意向が変化していることなどから、その意向の変化は、各事業における整備計画戸数の増減に現れる。

そこで、24年12月末現在の工程表及び26年9月末現在の工程表を基に、東北3県の整備計画戸数の増減をみたところ、表60のとおり、合計戸数は51,816戸から45,021戸へと6,795戸減少(増減率マイナス13.1%)していた。

上記の減少は、①漁業集落防災機能強化事業、④都市再生区画整理事業及び⑤防災集団移転促進事業で整備される民間住宅用の宅地の整備計画戸数が28,060戸から20,836戸へと7,224戸減少(同マイナス25.7%)したことと、②災害公営住宅整備事業等で整備される災害公営住宅の整備計画戸数が23,756戸から24,185戸へと429戸増加(同1.8%)したことによるものである。

このように整備計画戸数が減少している状況について、住まいの復興に係る4事業を実施する市町村の状況を把握している岩手県、宮城県、復興庁等によれば、(i)市町村が実施する住民に対する意向調査の結果、住民の意向が変化したり、明確になってきたりしたこと、(ii)事業の実施を予定していた一部の地区において避難路等を設けたり、道路を盛土して二重堤としたりして、安全対策を講ずることにより、高台へ移転する必要がなくなったことなどによるとしている。

表60 住まいの復興に係る4事業の整備計画戸数の増減状況

(単位:戸、%)

市町村名 平成24年12月末現在(A) 26年9月末現在(B) 増減数(C=B-A) 増減率(C/A)
民間住
宅用の
宅地
災害公
営住宅
民間住
宅用の
宅地
災害公
営住宅
民間住
宅用の
宅地
災害公
営住宅
民間住
宅用の
宅地
災害公
営住宅
宮古市 771 731 1,502 760 793 1,553 △ 11 62 51 △ 1.4 8.4 3.3
大船渡市 935 808 1,743 651 801 1,452 △ 284 △ 7 △ 291 △ 30.3 △ 0.8 △ 16.6
久慈市 16 11 27 15 11 26 △ 1 0 △ 1 △ 6.2 0.0 △ 3.7
一関市 - - - - 24 24 - 24 24 - - -
陸前高田市 2,597 1,000 3,597 2,191 1,000 3,191 △ 406 0 △ 406 △ 15.6 0.0 △ 11.2
釜石市 2,103 1,121 3,224 1,475 1,342 2,817 △ 628 221 △ 407 △ 29.8 19.7 △ 12.6
大槌町 1,663 980 2,643 1,855 980 2,835 192 0 192 11.5 0.0 7.2
山田町 1,686 702 2,388 978 777 1,755 △ 708 75 △ 633 △ 41.9 10.6 △ 26.5
岩泉町 60 51 111 59 51 110 △ 1 0 △ 1 △ 1.6 0.0 △ 0.9
田野畑村 61 107 168 53 63 116 △ 8 △ 44 △ 52 △ 13.1 △ 41.1 △ 30.9
野田村 178 124 302 177 100 277 △ 1 △ 24 △ 25 △ 0.5 △ 19.3 △ 8.2
洋野町 17 4 21 17 4 21 0 0 0 0.0 0.0 0.0
岩手県計 10,087 5,639 15,726 8,231 5,946 14,177 △ 1,856 307 △ 1,549 △ 18.3 5.4 △ 9.8
仙台市 840 3,000 3,840 713 3,180 3,893 △ 127 180 53 △ 15.1 6.0 1.3
石巻市 5,133 4,000 9,133 3,422 4,000 7,422 △ 1,711 0 △ 1,711 △ 33.3 0.0 △ 18.7
塩竈市 171 200 371 82 420 502 △ 89 220 131 △ 52.0 110.0 35.3
気仙沼市 2,688 2,000 4,688 2,360 2,168 4,528 △ 328 168 △ 160 △ 12.2 8.4 △ 3.4
名取市 2,068 1,000 3,068 301 716 1,017 △ 1,767 △ 284 △ 2,051 △ 85.4 △ 28.4 △ 66.8
多賀城市 75 532 607 75 532 607 0 0 0 0.0 0.0 0.0
岩沼市 202 224 426 171 210 381 △ 31 △ 14 △ 45 △ 15.3 △ 6.2 △ 10.5
登米市 - 50 50 - 84 84 - 34 34 - 68.0 68.0
栗原市 - 15 15 - 15 15 - 0 0 - 0.0 0.0
東松島市 817 926 1,743 717 1,010 1,727 △ 100 84 △ 16 △ 12.2 9.0 △ 0.9
大崎市 - 170 170 - 170 170 - 0 0 - 0.0 0.0
亘理町 192 516 708 200 477 677 8 △ 39 △ 31 4.1 △ 7.5 △ 4.3
山元町 298 600 898 207 476 683 △ 91 △ 124 △ 215 △ 30.5 △ 20.6 △ 23.9
松島町 20 40 60 8 52 60 △ 12 12 0 △ 60.0 30.0 0.0
七ヶ浜町 401 222 623 365 212 577 △ 36 △ 10 △ 46 △ 8.9 △ 4.5 △ 7.3
利府町 - 25 25 - 25 25 - 0 0 - 0.0 0.0
大郷町 - 4 4 - 3 3 - △ 1 △ 1 - △ 25.0 △ 25.0
涌谷町 - 46 46 - 48 48 - 2 2 - 4.3 4.3
美里町 - 40 40 - 40 40 - 0 0 - 0.0 0.0
女川町 1,424 945 2,369 857 917 1,774 △ 567 △ 28 △ 595 △ 39.8 △ 2.9 △ 25.1
南三陸町 1,103 930 2,033 941 770 1,711 △ 162 △ 160 △ 322 △ 14.6 △ 17.2 △ 15.8
宮城県計 15,432 15,485 30,917 10,419 15,525 25,944 △ 5,013 40 △ 4,973 △ 32.4 0.2 △ 16.0
いわき市 1,676 1,462 3,138 1,295 1,513 2,808 △ 381 51 △ 330 △ 22.7 3.4 △ 10.5
白河市 - 16 16 - 16 16 - 0 0 - 0.0 0.0
須賀川市 - 40 40 - 100 100 - 60 60 - 150.0 150.0
相馬市 168 465 633 131 398 529 △ 37 △ 67 △ 104 △ 22.0 △ 14.4 △ 16.4
南相馬市 433 350 783 390 350 740 △ 43 0 △ 43 △ 9.9 0.0 △ 5.4
桑折町 - 60 60 - 22 22 - △ 38 △ 38 - △ 63.3 △ 63.3
鏡石町 - 24 24 - 24 24 - 0 0 - 0.0 0.0
矢吹町 - - - - 52 52 - 52 52 - - -
広野町 - 48 48 - 74 74 - 26 26 - 54.1 54.1
楢葉町 - 30 30 7 32 39 7 2 9 - 6.6 30.0
浪江町 - - - 129 - 129 129 - 129 - - -
新地町 264 137 401 234 133 367 △ 30 △ 4 △ 34 △ 11.3 △ 2.9 △ 8.4
福島県計 2,541 2,632 5,173 2,186 2,714 4,900 △ 355 82 △ 273 △ 13.9 3.1 △ 5.2
合計 28,060 23,756 51,816 20,836 24,185 45,021 △ 7,224 429 △ 6,795 △ 25.7 1.8 △ 13.1

住まいの復興に係る4事業を実施する地区の多くでは、なお完了までに時間を要するとされており、その間に住民の意向が変化することも考えられる。⑤防災集団移転促進事業を実施する一部の地区においては、住民の意向の変化等により、宅地を希望する住民が減少し、整備した民間住宅用の宅地の一部について移転者が決まっていない事態が見受けられる(別添(2)⑨、リンク参照)。このような事態を踏まえて、住まいの復興に係る4事業を実施する市町村は、多額の復興交付金を投じて整備した宅地等が余剰や未活用とならないよう適時適切に住民の意向の変化を把握するなどする必要があり、国においても市町村と十分な意見交換を行いつつ、情報提供、助言その他必要な協力を行うことが求められる。

(カ) 2市町における住まいの復興に係る4事業の進捗状況

復興まちづくりを推進する各市町村は、前記のとおり、復興交付金を活用するなどして各種事業を実施している。そこで、集中復興期間終了後の28年度以降に完了する地区が比較的多く認められる岩手県の大槌町及び宮城県の石巻市について、26年9月末現在の工程表を基にするなどして事業の進捗状況等をみると、次のとおりである。

a 大槌町における事業の進捗状況

大槌町は、東日本大震災により、人口の1割にも及ぶ人的被害や行政機関、産業経済基盤等への被災等の甚大な被害を受けた。同町は、23年12月に、23年度から30年度までの8年間を計画期間とする「大槌町東日本大震災津波復興計画 基本計画」を策定した。

同計画では、仮に被災しても人命が失われず被害を最小化する「減災」の考え方を推進して、防災教育の推進、海岸保全施設の整備推進、土地利用規制等を組み合わせた「多重防災型まちづくり」を取組の基本とした。また、住宅再建については、高台移転等を基本とするが、平たん地が少ないため、全ての住宅を高台等に移転することは、住宅の再建に長期の年月を要することから、海岸保全施設の整備推進のほか、道路や鉄道のかさ上げによる二線堤を整備するなどして、安全度を高めた宅地等を確保するとしている。そして、24年末頃から災害公営住宅に入居できるよう取り組み、30年度末までに全ての町民の住宅再建を目指すこととした。

そこで、26年9月末現在の工程表をみたところ、同町は、住まいの復興に係る4事業により、48地区において総戸数2,835戸を整備することとしていて、25年度から民間住宅用の宅地、災害公営住宅等の供給を開始しており、25年度末までに131戸(総戸数の4.6%)を整備している。

また、26年9月末現在の事業の完了状況等を地区別にみると、表61及び図31のとおり、48地区のうち事業が完了していないのは44地区(91.6%)となっており、このうち22地区(45.8%)において28年度以降に完了する見込みとなっていて、全ての事業が完了するのは早くとも29年度以降とされている。同町は、用地の取得に当たり、相続登記未了、抵当権解除等の困難を伴う案件が多く、移転先団地の用地の取得が課題となっているとしている。

表61 大槌町における住まいの復興に係る4事業の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、%)

事業
番号
事業名 地区数
(A)
完了した
地区数
(B)
割合
(B/A)
完了して
いない地
区数
(C)
割合
(C/A)
うち平成28年
度以降に完了
することが見
込まれる地区
数(D)
割合
(D/A)
C-5 ①漁業集落防災機能強化事業 2 0 0.0 2 100.0 0 0.0
D-4 ②災害公営住宅整備事業等 25 4 16.0 21 84.0 14 56.0
D-17 ④都市再生区画整理事業 4 0 0.0 4 100.0 4 100.0
D-23 ⑤防災集団移転促進事業 17 0 0.0 17 100.0 4 23.5
48 4 8.3 44 91.6 22 45.8

図31 大槌町町方地区等における住まいの復興に係る4事業の完了状況(平成26年9月末現在)

図31 大槌町町方地区等における住まいの復興に係る4事業の完了状況(平成26年9月末現在) 画像

図31は、大槌町町方地区等において実施している住まいの復興に係る4事業について、地区別に整備計画戸数及び完了年度を示したものである。また、表62は、図31に示した住まいの復興に係る4事業から例示的にそれぞれ1地区を抜粋し、24年12月末現在の工程表及び26年9月末現在の工程表を比較することにより、各事業の実施状況をみたものである(全地区全事業の進捗状況等は、別表11、リンク参照)。このうち大槌(柾内)地区で実施されている②災害公営住宅整備事業等では、整備計画戸数が66戸減少し、事業の完了時期が1年程度延びているが、その要因として、用地の取得が24年度中に完了する予定だったものが、26年度第1四半期まで掛かったことなどの状況が工程表にも示されている。

表62 大槌町赤浜地区等における住まいの復興に係る4事業の実施状況

表62 大槌町赤浜地区等における住まいの復興に係る4事業の実施状況 画像

b 石巻市における事業の進捗状況

石巻市は、東日本大震災により、3,000人を超える人的被害のほか、広大な市域の沿岸部を中心に、建物被害や地盤沈下等の甚大な被害を受けた。同市は、23年12月に、23年度から32年度までの10年間を計画期間とする石巻市震災復興基本計画を策定した。

同計画では、土地利用の考え方として、市街地においては、数十年から百数十年に1回程度発生すると想定される津波に対して、海岸防潮堤等により防御し、最大級の津波に対して、高盛土道路や防潮林、避難路の確保等により安全性を確保する多重防御により災害を最小限にとどめる減災を図るとしている。また、沿岸、半島部においては、数十年から百数十年に1回程度発生すると想定される津波に対して、市街地と同様に海岸防潮堤等により防御し、また、最大級の津波に対して、⑤防災集団移転促進事業により、高台等を居住等の場とする土地利用を推進するとしている。

そして、住宅再建については、特に、安価な家賃で入居できる災害公営住宅の整備を早急に推進するとしていて、②災害公営住宅整備事業等により23年度から26年度までに3,000戸を供給する計画としているほか、⑤防災集団移転促進事業については23年度から25年度まで実施し、④都市再生区画整理事業については23年度から32年度まで実施することとした。その後、②災害公営住宅整備事業等の整備計画戸数を25年8月に住民への意向調査等を基に4,000戸へと変更している。

そこで、26年9月末現在の工程表をみたところ、同市は、住まいの復興に係る4事業により、161地区において総戸数7,422戸を整備することとしていて、25年度から民間住宅用の宅地、災害公営住宅等の供給を開始しており、25年度末までに153戸(総戸数の2.0%)の整備が完了している。

また、26年9月末現在の事業の完了状況等を地区別にみると、表63及び図32のとおり、161地区のうち事業が完了していないのは147地区(91.3%)となっており、このうち46地区(28.5%)において集中復興期間終了後の28年度以降に完了する見込みとなっていて、全ての事業が完了するのは早くとも29年度以降とされている。28年度以降に完了することが見込まれる②災害公営住宅整備事業等に係る21地区のうち18地区は、④都市再生区画整理事業等の事業実施地区内にあり、災害公営住宅の整備は、これらの事業の進捗に伴って進むものであることから、災害公営住宅の整備を早急に推進するためにも、これらの事業の円滑かつ迅速な実施が求められる。

表63 石巻市における住まいの復興に係る4事業の完了状況(平成26年9月末現在)

(単位:地区、%)

事業
番号
事業名 地区数
(A)
完了した
地区数
(B)
割合
(B/A)
完了して
いない地
区数
(C)
割合
(C/A)
うち平成28年
度以降に完了
することが見
込まれる地区
数(D)
割合
(D/A)
C-5 ①漁業集落防災機能強化事業 0 0 0 0
D-4 ②災害公営住宅整備事業等 97 7 7.2 90 92.7 21 21.6
D-17 ④都市再生区画整理事業 10 0 0 10 100.0 10 100.0
D-23 ⑤防災集団移転促進事業 54 7 12.9 47 87.0 15 27.7
161 14 8.6 147 91.3 46 28.5

図32 石巻市市街地西部地区等における住まいの復興に係る4事業の完了状況(平成26年9月末現在)

図32 石巻市市街地西部地区等における住まいの復興に係る4事業の完了状況(平成26年9月末現在) 画像

図32は、石巻市市街地西部地区等において実施している住まいの復興に係る4事業について、地区別に整備計画戸数及び完了年度を示したものである。また、表64は、図32に示した住まいの復興に係る4事業から例示的にそれぞれ1地区を抜粋し、24年12月末現在の工程表及び26年9月末現在の工程表を比較することにより、各事業の実施状況をみたものである(全地区全事業の進捗状況等は、別表11、リンク参照)。このうち新門脇地区の②災害公営住宅整備事業等では、整備計画戸数が50戸増加し、事業の完了時期が3四半期延びているが、その要因として、用地の取得が25年度第2四半期に完了する予定だったものが、26年度第1四半期まで掛かったことなどの状況が工程表にも示されている。また、前記のとおり、この地区では、同事業が④都市再生区画整理事業の実施地区内で実施されることから、区画整理事業の円滑かつ迅速な実施が求められる。

表64 石巻市新門脇地区等における住まいの復興に係る4事業の実施状況

表64 石巻市新門脇地区等における住まいの復興に係る4事業の実施状況 画像

(キ) 住宅再建・復興まちづくりの加速化措置の活用状況等

前記のとおり、東北3県における住まいの復興に係る4事業の進捗状況においては、一部の地区で事業の長期化等が見受けられた。また、復興庁は、関係省庁からなる「住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォース」を設置し、所有者不明の土地の存在、技術者・技能者の確保、資材の円滑な確保、入札不調等に対応するため、加速化措置を講じている。

そこで、東北3県において実施されている住まいの復興に係る4事業の課題に対して講じられた加速化措置の活用状況及び各市町村において必要とする職員の充足状況についてみると、次のとおりである。

a 住まいの復興に係る4事業の課題に対して講じられた加速化措置の活用状況

東北3県が実施する②災害公営住宅整備事業等及び東北3県の市町村が実施する住まいの復興に係る4事業について、東北3県が把握する課題及び会計実地検査時点(26年7月)における加速化措置の活用状況をみると、表65のとおり、②災害公営住宅整備事業等及び⑤防災集団移転促進事業等において所有者不明の土地が多数あるなどして時間を要している用地の取得については、司法書士、補償コンサルタント等に戸籍調査を委託して早期に所有者の所在確認を行ったり、⑤防災集団移転促進事業の実施に当たり、移転先団地の変更等の事業計画の変更が必要となった場合に、その手続を簡素化したりすることによって事務手続の負担軽減を図るための措置が多く活用されていた。また、財産管理制度を活用している事例が一部の地区で見受けられたが、東北3県では、取得が済んでいない一部の地区の用地取得が進まない場合に、土地収用制度を含めこれらの制度を必要に応じて活用するとしている。

また、②災害公営住宅整備事業等の資材・作業員の不足や単価の上昇等に対しては、公営住宅の補助対象費用の限度額を定めた標準建設費の二度にわたる引上げや、建設団体等との情報連絡会を通じた需給見通しに関する情報の共有等の措置を講じていることから、入札不調が多発する事態にはなっていない。

住まいの復興に係る4事業について、東北3県においては、用地の取得が完了していないことなどにより、工事に着手できない地区が一部にあるほか、今後増加すると見込まれる工事に着手する地区においては資材不足や作業員の不足等が懸念されている。国は、住まいの復興に係る4事業の実施に当たっては、今後とも、地方公共団体と十分な意見交換を行いつつ、迅速かつ着実な復興の支援に努める必要がある。

表65 住まいの復興に係る4事業に係る課題と加速化措置の活用状況

事業
番号
事業名 会計検査院が県で聴取した主な課題 国が講じた主な加速化措置 国が講じた主な加速化措置に
ついて県が把握する活用状況
C-5 ①漁業集落防災機能
強化事業
(1) 住民の合意形成
D-4 ②災害公営住宅整備
事業等
(1) 用地の取得 財産管理制度の活用による所有者不明等の土
地の処理の迅速化
司法書士や補償コンサルタン
ト等に戸籍調査等を委託
土地収用手続の迅速化
不明地権者調査における司法書士や補償コン
サルタント等の活用の周知等による用地取得
事務の負担軽減
(2) 資材・作業員の不足や単価の上昇 標準建設費の2度にわたる引上げ 全般的に公共工事設計労務単
価引上げ、復興JV制度の導
入、主任技術者の兼任要件の
緩和、発注ロットの大型化、
情報連絡会の開催等を実施
被災地と被災地以外の建設企業が共同する復
興JV制度の導入、主任技術者の兼任要件の緩
和、発注ロットの大型化等による技術者、技
能者の確保
多様な発注方式、工法等の情報提供による工
事の発注の円滑化
発注者、建設業団体等で構成する情報連絡会
の開催、需給見通しの共有等
(3) 事業の早期完了 独立行政法人都市再生機構(UR)等からの
買取による整備
多数の事業においてUR、民
間企業等からの買取りによる
整備を実施
D-17 ④都市再生区画整理
事業
(1) 地権者の合意形成
(2) 専門職員不在市町村への技術支援 独立行政法人都市再生機構(UR)等への設
計業務や工事の委託
多数の事業においてURへの
委託
(3) 他事業との調整(河川工事、防潮
堤工事等)
D-23 ⑤防災集団移転促進
事業
(1) 用地の取得(地権者の合意形成、
相続人が不明等)
⑤防災集団移転促進事業における取得が困難
な住宅団地の区域を変更する際の計画手続の
簡素化
多数の事業において計画手続
の簡素化を活用、また大槌町
において財産管理人制度の活
財産管理制度の活用による所有者不明等の土
地の処理の迅速化(再掲)
土地収用手続の迅速化(再掲)
不明地権者調査における司法書士や補償コン
サルタント等の活用の周知等による用地取得
事務の負担軽減(再掲)
(2) 工期の遅れ(他事業との発注時期
の調整、土地区画整理事業を伴う
大規模事業、残土処分等)
平成26年8月に発足した工事加速化支援隊(復
興庁)とともに被災地に職員を派遣し、工期
の遅れに繋がるおそれのある諸問題について
の解決策を直接助言 ※
(3) 空き区画の発生 国土交通省による通知の発出 国土交通省通知や助言等に基
づく対応を実施
個々の事情に応じて助言等を実施
(4) 宅地における事業完了後の家の建
築(工務店の不足、資材の高騰)
被災者と建築士・工務店等のマッチングサー
ビス等の強化
建設事業者等の間における住宅資材の融通等
を一括して媒介し資材確保を支援

(注)※印は、会計実地検査後に国が講じた加速化措置である。

b 被災自治体における人員不足の課題に対して講じられた人的支援の状況

被災した市町村等において職員が不足している状況を踏まえて、国はこれらの市町村に対する人的支援を実施しており、総務省は、全国市長会及び全国町村会の協力により構築された被災した市町村に対する職員派遣のための体制(以下「全国市長会・全国町村会派遣スキーム」という。)等による人的支援を全国の都道府県や市町村に要請するとともに、これに係る経費については、震災復興特別交付税により措置している。また、復興庁は、被災した市町村において勤務することを希望する者を復興庁の職員として採用し、市町村業務支援職員として被災した市町村に駐在させている。

26年10月1日現在における東北3県の市町村が必要としている職員の充足状況等をみると、表66のとおり、岩手県管内の10市町村が必要としている職員数745人に対して充足された職員数は703人、宮城県管内の15市町が必要としている職員数1,554人に対して充足された職員数は1,322人、福島県管内の25市町村が必要としている職員数367人に対して充足された職員数は343人であり、上記の50市町村が必要としている職員数計2,666人に対して充足された職員数は計2,368人(88.8%)となっている。

前記の人的支援の状況を派遣元等別にみると、全国市長会・全国町村会派遣スキームによるものが527人(上記の充足された職員数2,368人の22.2%)、復興庁の市町村業務支援職員が180人(同7.6%)等となっていて、加速化措置により被災した市町村の事務負担が一定程度緩和していることがうかがえる。また、津波により大きな被害を受けた沿岸部の市町村に、内陸部の市町村が応援職員を派遣している取組も見受けられる。例えば、岩手県では、26年7月1日現在、盛岡市等22市町村の計75人の職員(沿岸部の洋野町の1人を含む。)が沿岸部の市町村に対して派遣されていた。宮城県では、同日現在、仙台市等20市町村の計30人の職員(沿岸部の同市及び利府町の計4人を含む。)が沿岸部の市町に対して派遣されていた。

表66 各市町村に派遣等された派遣元等別職員数(平成26年10月1日現在)

(単位:人、%)

市町村名 市町村が必
要としてい
る人数
市町村に充
足された人
派遣元等
全国市長
会・全国町
村会派遣ス
キームによ
る派遣
所在する県
からの派遣
姉妹都市等
の市町村か
らの派遣
復興庁の市
町村業務支
援職員
当該市町村
による採用
その他(県
内市町村、
国、民間企
業からの派
遣等)
宮古市 106 100 12 9 10 6 34 29
大船渡市 86 85 35 10 12 2 6 20
久慈市 1 1 0 0 1 0 0 0
陸前高田市 118 113 13 35 28 4 5 28
釜石市 140 134 27 19 16 28 21 23
大槌町 165 151 33 29 23 9 23 34
山田町 62 58 7 9 19 7 10 6
岩泉町 14 13 0 0 1 9 3 0
田野畑村 26 25 1 6 2 2 11 3
野田村 27 23 2 6 2 1 0 12
岩手県計 745 703 130 123 114 68 113 155
仙台市 39 39 0 0 0 1 38 0
石巻市 402 335 71 47 84 18 111 4
塩竈市 68 58 10 16 18 5 8 1
気仙沼市 263 212 58 40 58 11 42 3
名取市 74 60 15 21 8 1 15 0
多賀城市 55 45 9 6 25 1 4 0
岩沼市 49 41 17 3 12 1 7 1
東松島市 128 118 33 12 31 7 33 2
亘理町 52 52 18 4 3 0 27 0
山元町 128 118 35 24 37 7 6 9
松島町 17 15 2 5 7 0 1 0
七ヶ浜町 27 25 18 1 3 0 3 0
利府町 8 6 0 5 0 0 1 0
女川町 106 68 6 26 17 14 5 0
南三陸町 138 130 26 26 46 6 16 10
宮城県計 1,554 1,322 318 236 349 72 317 30
福島市 24 21 5 0 0 2 13 1
郡山市 7 5 0 0 1 1 3 0
いわき市 36 33 20 1 6 0 0 6
須賀川市 6 4 1 0 2 0 1 0
相馬市 31 30 13 3 12 0 0 2
二本松市 10 7 1 0 0 6 0 0
田村市 5 5 0 1 0 4 0 0
南相馬市 92 92 17 8 13 1 49 4
伊達市 2 2 0 0 0 2 0 0
桑折町 1 1 0 0 0 1 0 0
国見町 1 1 0 0 1 0 0 0
川俣町 10 10 2 0 1 2 1 4
鏡石町 2 2 0 0 0 0 0 2
古殿町 1 1 0 0 0 0 0 1
三春町 2 2 2 0 0 0 0 0
広野町 21 21 2 3 3 9 0 4
楢葉町 31 29 2 4 1 7 6 9
富岡町 3 3 2 0 1 0 0 0
川内村 2 1 0 0 0 0 0 1
大熊町 5 4 0 1 1 0 0 2
双葉町 13 12 1 0 3 2 2 4
浪江町 30 30 4 4 3 1 16 2
葛尾村 1 1 0 1 0 0 0 0
新地町 18 16 5 3 6 0 0 2
飯舘村 13 10 2 0 2 2 2 2
福島県計 367 343 79 29 56 40 93 46
合計 2,666 2,368 527 388 519 180 523 231
必要としている
人数に占める充
足された人数の
割合
- 88.8 19.7 14.5 19.4 6.7 19.6 8.6

(注)岩手県が公表している「被災市町村人材確保状況」(平成26年10月1日現在)、宮城県が公表している「沿岸15市町職員不足状況」(26年10月1日現在)、福島県が公表している「東日本大震災に関連し必要とされる職員の状況」(26年10月1日現在)を基に作成した。

充足された職員が従事する業務をみると、表67のとおり、一般事務系では、市町村が必要としている職員数1,351人に対して充足された職員数1,251人(92.5%)、技術系では、市町村が必要としている職員数1,315人に対して充足された職員数1,117人(84.9%)等となっており、一般事務系の職員より技術系の職員の方が不足している割合が若干高いものの、全体としては必要としている職員数の約9割が確保されている状況である。

復旧・復興事業は特定被災自治体等において長期にわたり継続して実施されることが見込まれており、特定被災自治体等における事務負担も引き続き大きいことが想定される。国等においては、特定被災自治体等に対して引き続き適時適切な人的支援を実施する必要がある。

表67 各市町村が必要としている職員及び充足された職員数(平成26年10月1日現在)

(単位:上段は必要としている人数(A)、中段は充足された人数(B)、下段は(B-A)、%)

市町村名 内訳
一般事務 技術  
土木(農業土木
を含む。)
建築 保健師 埋蔵文化財 その他
宮古市 106 54 52 37 9 1 5 0
100 51 49 34 9 1 5 0
△ 6 △ 3 △ 3 △ 3 0 0 0 0
大船渡市 86 42 44 32 4 4 4 0
85 42 43 31 4 4 4 0
△ 1 0 △ 1 △ 1 0 0 0 0
久慈市 1 0 1 0 1 0 0 0
1 0 1 0 1 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
陸前高田市 118 76 42 29 5 2 4 2
113 74 39 28 5 2 3 1
△ 5 △ 2 △ 3 △ 1 0 0 △ 1 △ 1
釜石市 140 85 55 30 10 5 1 9
134 84 50 27 10 5 1 7
△ 6 △ 1 △ 5 △ 3 0 0 0 △ 2
大槌町 165 115 50 41 6 0 0 3
151 106 45 36 6 0 0 3
△ 14 △ 9 △ 5 △ 5 0 0 0 0
山田町 62 32 30 18 5 2 3 2
58 30 28 17 5 2 2 2
△ 4 △ 2 △ 2 △ 1 0 0 △ 1 0
岩泉町 14 1 13 1 2 2 0 8
13 1 12 1 2 1 0 8
△ 1 0 △ 1 0 0 △ 1 0 0
田野畑村 26 5 21 17 2 1 1 0
25 5 20 16 2 1 1 0
△ 1 0 △ 1 △ 1 0 0 0 0
野田村 27 7 20 17 2 0 1 0
23 6 17 14 2 0 1 0
△ 4 △ 1 △ 3 △ 3 0 0 0 0
岩手県計 745 417 328 222 46 17 19 24
703 399 304 204 46 16 17 21
△ 42 △ 18 △ 24 △ 18 0 △ 1 △ 2 △ 3
仙台市 39 16 23 13 10 0 0 0
39 16 23 13 10 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
石巻市 402 213 189 116 31 11 3 28
335 202 133 80 19 8 2 24
△ 67 △ 11 △ 56 △ 36 △ 12 △ 3 △ 1 △ 4
塩竈市 68 26 42 28 10 0 1 3
58 21 37 25 8 0 1 3
△ 10 △ 5 △ 5 △ 3 △ 2 0 0 0
気仙沼市 263 101 162 125 17 2 7 11
212 83 129 101 17 1 3 7
△ 51 △ 18 △ 33 △ 24 0 △ 1 △ 4 △ 4
名取市 74 30 44 26 10 5 2 1
60 26 34 20 8 4 1 1
△ 14 △ 4 △ 10 △ 6 △ 2 △ 1 △ 1 0
多賀城市 55 17 38 26 4 1 2 5
45 15 30 21 3 1 2 3
△ 10 △ 2 △ 8 △ 5 △ 1 0 0 △ 2
岩沼市 49 30 19 10 1 3 1 4
41 27 14 7 0 3 1 3
△ 8 △ 3 △ 5 △ 3 △ 1 0 0 △ 1
東松島市 128 77 51 34 9 3 1 4
118 73 45 31 8 2 1 3
△ 10 △ 4 △ 6 △ 3 △ 1 △ 1 0 △ 1
亘理町 52 31 21 14 5 0 0 2
52 31 21 14 5 0 0 2
0 0 0 0 0 0 0 0
山元町 128 74 54 36 9 0 2 7
118 70 48 33 9 0 1 5
△ 10 △ 4 △ 6 △ 3 0 0 △ 1 △ 2
松島町 17 5 12 12 0 0 0 0
15 5 10 10 0 0 0 0
△ 2 0 △ 2 △ 2 0 0 0 0
七ヶ浜町 27 3 24 19 4 0 0 1
25 2 23 19 3 0 0 1
△ 2 △ 1 △ 1 0 △ 1 0 0 0
利府町 8 1 7 7 0 0 0 0
6 1 5 5 0 0 0 0
△ 2 0 △ 2 △ 2 0 0 0 0
女川町 106 57 49 27 13 3 2 4
68 32 36 22 6 2 2 4
△ 38 △ 25 △ 13 △ 5 △ 7 △ 1 0 0
南三陸町 138 70 68 44 10 0 2 12
130 69 61 39 9 0 1 12
△ 8 △ 1 △ 7 △ 5 △ 1 0 △ 1 0
宮城県計 1,554 751 803 537 133 28 23 82
1,322 673 649 440 105 21 15 68
△ 232 △ 78 △ 154 △ 97 △ 28 △ 7 △ 8 △ 14
福島市 24 11 13 12 0 1 0 0
21 11 10 9 0 1 0 0
△ 3 0 △ 3 △ 3 0 0 0 0
郡山市 7 0 7 4 2 0 0 1
5 0 5 3 1 0 0 1
△ 2 0 △ 2 △ 1 △ 1 0 0 0
いわき市 36 9 27 15 11 1 0 0
33 9 24 15 8 1 0 0
△ 3 0 △ 3 0 △ 3 0 0 0
須賀川市 6 0 6 3 2 0 0 1
4 0 4 2 2 0 0 0
△ 2 0 △ 2 △ 1 0 0 0 △ 1
相馬市 31 9 22 14 5 2 0 1
30 9 21 14 5 1 0 1
△ 1 0 △ 1 0 0 △ 1 0 0
二本松市 10 2 8 2 1 3 0 2
7 2 5 2 1 2 0 0
△ 3 0 △ 3 0 0 △ 1 0 △ 2
田村市 5 1 4 1 1 1 0 1
5 1 4 1 1 1 0 1
0 0 0 0 0 0 0 0
南相馬市 92 69 23 16 5 2 0 0
92 69 23 16 5 2 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
伊達市 2 0 2 1 1 0 0 0
2 0 2 1 1 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
桑折町 1 0 1 1 0 0 0 0
1 0 1 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
国見町 1 0 1 0 1 0 0 0
1 0 1 0 1 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
川俣町 10 8 2 0 1 1 0 0
10 8 2 0 1 1 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
鏡石町 2 0 2 2 0 0 0 0
2 0 2 2 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
古殿町 1 0 1 1 0 0 0 0
1 0 1 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
三春町 2 1 1 1 0 0 0 0
2 1 1 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
広野町 21 9 12 7 2 3 0 0
21 9 12 7 2 3 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
楢葉町 31 14 17 8 5 3 0 1
29 12 17 8 5 3 0 1
△ 2 △ 2 0 0 0 0 0 0
富岡町 3 2 1 1 0 0 0 0
3 2 1 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
川内村 2 0 2 1 0 1 0 0
1 0 1 1 0 0 0 0
△ 1 0 △ 1 0 0 △ 1 0 0
大熊町 5 2 3 0 0 3 0 0
4 2 2 0 0 2 0 0
△ 1 0 △ 1 0 0 △ 1 0 0
双葉町 13 9 4 0 0 4 0 0
12 9 3 0 0 3 0 0
△ 1 0 △ 1 0 0 △ 1 0 0
浪江町 30 25 5 1 0 2 0 2
30 25 5 1 0 2 0 2
0 0 0 0 0 0 0 0
葛尾村 1 0 1 1 0 0 0 0
1 0 1 1 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
新地町 18 4 14 11 3 0 0 0
16 2 14 11 3 0 0 0
△ 2 △ 2 0 0 0 0 0 0
飯舘村 13 8 5 0 1 1 0 3
10 8 2 0 1 1 0 0
△ 3 0 △ 3 0 0 0 0 △ 3
福島県計 367 183 184 103 41 28 0 12
343 179 164 98 37 23 0 6
△ 24 △ 4 △ 20 △ 5 △ 4 △ 5 0 △ 6
合計 2,666 1,351 1,315 862 220 73 42 118
2,368 1,251 1,117 742 188 60 32 95
△ 298 △ 100 △ 198 △ 120 △ 32 △ 13 △ 10 △ 23
必要としている
人数に占める充
足された人数の
割合(B/A)
88.8 92.5 84.9 86.0 85.4 82.1 76.1 80.5
注(1)
岩手県が公表している「被災市町村人材確保状況」(平成26年10月1日現在)、宮城県が公表している「沿岸15市町職員不足状況」(26年10月1日現在)、福島県が公表している「東日本大震災に関連し必要とされる職員の状況」(26年10月1日現在)を基に作成した。
注(2)
「その他」には、電気、機械、化学・放射線技師、医療事務、看護師、栄養士等が含まれる。
(エ) まとめ

東北3県及び管内の市町村では、依然として多くの避難者が応急仮設住宅に居住している状況にあり、多数多額の補助事業、復興交付金事業、復興関連基金事業等を実施して、早期の復興まちづくりに向けた各種取組を行っている。一方、復興庁は、関係省庁からなる「住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォース」を設置し、所有者不明の土地の存在、技術者・技能者の確保、資材の円滑な確保、入札不調等に対応するために、住宅再建・復興まちづくりの加速化措置を講じている。

復興交付金により実施する市街地・居住地復興のための事業の実施状況、進捗状況等については、用地取得の課題は解消されつつあるものの、造成時に当該土地のかさ上げも合わせて実施する地区が多いことなどから一部の地区で事業の長期化が見受けられ、住まいの復興に係る4事業で計197地区(全地区の19.6%)、計16,697戸(同37.0%)の住宅や宅地の供給が27年度までの集中復興期間終了後の28年度以降に完了する見込みとなっていた。被災者、被災地にとっては、これら恒久的住居の確保に関する事業は、学校や働く場、そして医療等に係る生活環境の再建と密接不可分なものであり、人口流出が続く中、切実な問題となっている。

したがって、国においては、今後も、復興事業の加速化に向けて、引き続き、地方公共団体と十分な意見交換を行いつつ、情報提供、助言その他必要な協力を行い、迅速かつ着実な復興の支援に努めることが求められる。