(平成25年度決算検査報告参照)
(平成26年度決算検査報告参照)
国立大学法人東北大学、国立大学法人秋田大学、国立大学法人山形大学、国立大学法人筑波大学、国立大学法人金沢大学、国立大学法人山梨大学、国立大学法人信州大学、国立大学法人岐阜大学、国立大学法人浜松医科大学、国立大学法人三重大学、国立大学法人滋賀医科大学、国立大学法人京都大学、国立大学法人神戸大学、国立大学法人鳥取大学、国立大学法人島根大学、国立大学法人岡山大学、国立大学法人山口大学、国立大学法人徳島大学、国立大学法人愛媛大学、国立大学法人高知大学、国立大学法人佐賀大学、国立大学法人長崎大学、国立大学法人大分大学及び国立大学法人富山大学(平成17年9月30日以前は国立大学法人富山医科薬科大学。以下、これらを合わせて「24国立大学法人」という。)を含む41国立大学法人は、経営者等の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立つ情報を提供するなどの附属病院の運営・経営状況を把握するための管理会計等の必要性等を踏まえて、16年4月の国立大学法人化に向けて開発された国立大学病院管理会計システム(以下「HOMAS」という。)を導入している。しかし、24国立大学法人において、HOMASを利用する上での体制上の問題点に対して十分な対策が講じられていないことから、25年度末現在においてHOMASが全く利用されていない事態が見受けられた。
したがって、24国立大学法人において、現状のHOMASの機能等を継承しつつ、新たな機能を追加するなどして28年4月以降に導入が予定されている国立大学病院向け管理会計サービス(以下「HOMAS2」という。)を効果的かつ継続的に利用するために、HOMAS2の開発や各国立大学法人間の意見調整を行う国立大学附属病院長会議等と連携しながら、HOMAS2の仕様等の内容を踏まえて、附属病院の組織全体としてHOMAS2の利用方針等について十分に検討して明確にしたり、18国立大学法人(注1)において、財務会計、医事会計等のシステムからのデータの取り込みの際に各部門と連携を図るようにし、また、担当者の変更があった際に適切かつ迅速に業務を引き継げるようにして、業務の効率性や継続性を確保できるような体制を整備したり、8国立大学法人(注2)において、診療科別や検査部門といった部門ごとの原価計算において各診療科等へ直接費用を計上することが困難な費目について費用を各部門に案分するための配賦基準等、附属病院の各関係者から理解を得る必要があるものについて十分な調整を図ったりする措置を講ずることにより、HOMAS2の利用に必要な体制の整備を図るよう、24国立大学法人の各学長に対して26年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。
本院は、その後の処置状況について、24国立大学法人に対して報告を求めてその内容を確認するなどの方法により検査するとともに、21国立大学法人(注3)において会計実地検査を行った。
検査の結果、24国立大学法人は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 24国立大学法人は、27年7月以降HOMAS2の導入のための説明会等が順次開催されたことを受けて、28年6月までに、同説明会等に参加するなどしてHOMAS2の仕様等の内容を把握した上で、それらを踏まえて十分に検討して、附属病院の意思決定機関等においてHOMAS2の利用方針等を決定した。
イ 18国立大学法人は、27年7月までに、HOMAS2に係る業務の担当を明確にすることなどにより各部門と連携を図るようにし、また、HOMAS2の担当者を増員することなどにより適切かつ迅速に業務を引き継げるようにして、業務の効率性や継続性を確保できるような体制を整備した。
ウ 8国立大学法人は、前期の説明会等においてHOMAS2に係る配賦基準の共通ルール等が周知されたことを受けて、28年6月までに、附属病院の意思決定機関等において配賦基準等を決定し、会議等で関係者に周知して理解を得ることなどにより十分な調整を行った。