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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 文部科学省|
  • 平成27年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(3) 国立大学法人が保有する研究設備の共同利用について


平成27年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

文部科学省は、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図ることなどを目的として、国立大学法人の研究設備の整備に要する経費に対して、国立大学法人施設整備費補助金又は国立大学法人設備整備費補助金(以下、これらを合わせて「補助金」という。)を交付しており、各国立大学法人は、補助金により、多様な学術研究を支える基盤的な研究設備や、特色ある研究の発展に不可欠な研究設備等を整備している。補助金の交付を受けようとする各国立大学法人は、整備しようとする研究設備について、要求の要旨、研究設備の概要等を記載した「要求概要」等を文部科学省に提出しており、当該研究設備が複数の研究分野において利用可能なため共同利用の用に供することとする場合には、要求概要にその旨を記載している。しかし、要求概要において共同利用の用に供するとして補助金により整備した研究設備が、共同利用の用に供するための研究設備を登録して管理することとしている共通機器センター等に登録されていないなど、要求概要に記載された趣旨に沿った共同利用の用に供されていない事態が見受けられた。

したがって、文部科学省において、複数の研究分野において利用可能なため要求概要において共同利用の用に供するとして補助金の交付を受けて整備する研究設備について、共同利用の用に供することを十分に検討するよう各国立大学法人に対して周知したり、各国立大学法人の補助金により整備した研究設備の共同利用の取組状況を把握するとともに、各国立大学法人に対して、保有する研究設備の装置名、型式、連絡先等の項目を一元的に取りまとめた一覧表等を整備して公開することにより研究設備の共同利用を促進させている事例等の有用な情報の提供等を行ったりするよう、文部科学大臣に対して平成28年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、文部科学本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、文部科学省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 29年1月から3月までの間、国立大学法人向けの説明会等において、複数の研究分野において利用可能なため要求概要において共同利用の用に供するとして補助金の交付を受けて整備する研究設備について、共同利用の用に供することを十分に検討するよう各国立大学法人に対して周知した。

イ 上記の説明会等や28年10月及び29年1月に開催された会議等において、各国立大学法人の研究設備の共同利用の取組状況についての情報を収集するなどして把握するとともに、各国立大学法人に対して、研究設備の共同利用を促進させている事例等の有用な情報の提供等を行った。