1件 不当と認める国庫補助金 4,590,780円
児童保護費負担金(保育所運営費国庫負担金に係る分)(平成25年度以前は児童保護費等負担金。以下「負担金」という。)は、保護者の労働、疾病等の事由により保育に欠ける児童の保育の実施を社会福祉法人等が設置する保育所(以下「民間保育所」という。)に委託した市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して、その委託に要した費用の一部を国が負担するものである。
負担金の交付額は、次のとおり算定することとなっている。
この費用の額及び徴収金の額は、それぞれ次のとおり算定することとなっている。
① 費用の額は、民間保育所の所在地域、入所定員、児童の年齢等の別に1人当たり月額で定められている保育単価に、各月の入所児童数を乗ずるなどして算出した年間の額による。この保育単価については、民間保育所が、入所児童の年齢及び数に応じた保育士に加えて、保育計画の立案等の主任業務に専任する主任保育士として別途保育士を配置(以下、この保育士を「加配保育士」という。)するなどした場合には、市町村の認定により主任保育士の専任加算費(以下「専任加算」という。)が加算されることとなっている。
② 徴収金の額は、児童の扶養義務者の前年分の所得税額又は前年度分の市町村民税の課税の有無等に応じて、階層別に児童1人当たり月額で定められている徴収金基準額等から算出した年間の額による。
本院が、香川県及び高松市において会計実地検査を行ったところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
年度 | 国庫負担対象事業費 | 左に対する国庫負担金交付額 | 不当と認める国庫負担対象事業費 | 不当と認める国庫負担金交付額 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(163) | 香川県 | 高松市 | 23~26 | 11,060,412 | 5,530,206 | 9,181 | 4,590 | 保育単価の適用を誤っていたものなど |
高松市は、社会福祉法人Aが設立した民間保育所Bに係る平成23年度から26年度までの費用の額の算定に当たり、加配保育士を配置したとして保育単価に専任加算を加算していた。
しかし、実際には、民間保育所Bは23年度から25年度までの間に加配保育士を配置していない期間があったり、26年度は加配保育士を全く配置していなかったりしていたにもかかわらず、これらの加配保育士を配置していない期間についても専任加算を計上していたことから、同市は民間保育所Bに係る費用の額を過大に算定するなどしていた。
このため、国庫負担対象事業費が過大に精算されていて、負担金計4,590,780円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、費用の額の調査確認が十分でなかったことなどによると認められる。