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  • 平成28年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第9 日本郵政株式会社、第10 日本郵便株式会社|
  • 平成27年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1)(2) 郵政総合情報通信ネットワークにおける新サービスの利用について


平成27年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社(以下「両会社」という。)は、各拠点に配備されたパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)等と各種業務を行うシステムセンター等との間の通信に、郵政総合情報通信ネットワーク(以下「PNET」という。)を利用している。そして、両会社は、PCをPNETに無線で接続する無線LANサービス及び両会社の各拠点外からインターネット等を通じて端末機をPNETに接続するリモートアクセスサービス(以下、これらのサービスを「新サービス」という。)を導入し利用している。しかし、無線LANサービスの導入時及び導入後に実施することが一般的とされている通信品質等の評価等及びその結果に基づく調整作業(以下「評価・調整作業」という。)を、両会社が実施していなかったこと、リモートアクセスサービスの端末機と接続回線との組合せ(以下「接続形態」という。)に係る問題点について、日本郵便株式会社が検証及び対策を執っていなかったこと、新サービスの利用啓発に係る取組を両会社が行っていなかったことなどのため、新サービスが有効利用されていない事態が見受けられた。

したがって、両会社において無線LANサービスについて評価・調整作業を実施し、日本郵便株式会社においてリモートアクセスサービスについて安全に利用することが可能な接続形態を明確にするとともに、両会社において全ての新サービスの利用対象者に両会社の業務における利用方法等を周知するなどして利用啓発についての取組を実施するよう、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長及び日本郵便株式会社代表取締役社長に対して平成28年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、両会社の本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、両会社は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 両会社は、無線LANサービスについて、29年3月までに、評価・調整作業を実施した。また、日本郵便株式会社は、リモートアクセスサービスについて、同月までに、既に利用を開始していた日本郵政株式会社から同サービスの接続形態について聞き取りを行い、当該接続形態の安全性を検証して、自社所有の端末機を使用することが同サービスを安全に利用することが可能な接続形態であることを明確にした。

イ 両会社は、同年6月までに、社内向け研修の実施や周知文書の発出により、新サービスの利用促進及び具体的な活用事例について周知するなど、全ての新サービスの利用対象者に対する利用啓発についての取組を実施した。