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  • 平成30年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 環境省|
  • 平成29年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(2) 循環型社会形成推進交付金事業により整備する汚泥再生処理センターにおける資源化設備の機器の処理能力の決定について


平成29年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

環境省は、汚泥再生処理センター(以下「センター」という。)の整備を実施する市町村、一部事務組合、広域連合等(以下「事業主体」という。)に対して、循環型社会形成推進交付金を交付している。センターは、くみ取りし尿等(以下「し尿等」という。)を水と汚泥とに分離し、分離した水を処理するなどする水処理設備と、水処理設備で分離された汚泥から堆肥、助燃剤等を製造するなどする資源化設備等から構成されている。そして、「汚泥再生処理センター等施設整備の計画・設計要領」(以下「計画・設計要領」という。)によれば、資源化設備の機器の処理能力の決定に当たっては、水処理設備で分離される汚泥量(以下「汚泥量」という。)を推計することとされており、汚泥量については、原則として、し尿等に含まれる汚泥成分の濃度を示す浮遊物質量等の値(以下「汚泥性状値」という。)の実態調査を行い、その調査結果に基づいて推計することとされている。しかし、一部の事業主体において、資源化設備の機器の処理能力の決定に当たって、実態調査によることなく計画・設計要領に参考として記載されている全国調査の結果等を用いていて、地域による汚泥性状値の差異を考慮しないまま汚泥量を推計し、過大な処理能力の資源化設備の機器を整備している事態が見受けられた。

したがって、環境省において、循環型社会形成推進交付金事業により整備するセンターの資源化設備について、汚泥量の実態に見合った処理能力の機器が整備されるようにするために、し尿等の汚泥性状値の実態調査を適切に行うなどして処理する汚泥量を適切に推計することなどを事業主体に対して周知するよう、環境大臣に対して平成30年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、環境本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、環境省は、本院指摘の趣旨に沿い、31年2月に都道府県に対して通知を発し、令和元年8月までに都道府県から管内の市町村等に対して周知させることにより、循環型社会形成推進交付金事業により整備するセンターの資源化設備について、汚泥量の実態に見合った処理能力の機器が整備されるようにするために、し尿等の汚泥性状値の実態調査を適切に行うなどして処理する汚泥量を適切に推計することなどを事業主体に周知し、その実施状況を確認することとする処置を講じていた。