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  • 令和元年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第1 国会(衆議院)|
  • 平成30年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

国有財産の有効活用について


平成30年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

国有財産法(昭和23年法律第73号)に規定されている管理及び処分の原則によれば、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、各省大臣、最高裁判所長官及び会計検査院長は、その所管に属する国有財産について、良好な状態での維持及び保存、用途又は目的に応じた効率的な運用その他の適正な方法による管理及び処分を行わなければならないこととされている。衆議院は、国有財産の事務の一部について、衆議院に附置されている衆議院事務局(以下「事務局」という。)に分掌させていて、衆議院の行う業務の目的を遂行するために、その所管に属する衆議院庁舎等の土地、建物等の国有財産を行政財産として管理させている。また、衆議院が、行政財産の用途を廃止して財務大臣に引き継いだり、用途を変更したりするなどの場合には、衆議院に設置されている衆議院議院運営委員会(以下「議院運営委員会」という。)の協議を要することになっている。このため、事務局は、必要に応じて、議院運営委員会に対して、国有財産の管理等に関する事項について説明を行うなどしている。しかし、衆議院が管理する行政財産のうち、会議等施設として使用するとしている法制局分室については、建物が老朽化していて使用に適さないなどの理由から、平成24年9月以降、全く使用されていない。そして、事務局は、議院運営委員会に対して法制局分室の現状についての説明を行っていない。このように、法制局分室については、行政財産として衆議院の業務の目的を遂行するための役割を果たしていない事態が見受けられた。

したがって、衆議院において、事務局が法制局分室の現状を的確に把握するなどした上で、議院運営委員会に対して衆議院が管理する法制局分室の現状についてより一層の説明を行うことなどにより、国有財産の有効活用が図られていくよう、衆議院議長に対して令和元年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、衆議院において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、衆議院は、本院指摘の趣旨に沿い、元年10月に、事務局から議院運営委員会に対して法制局分室の現状についての説明を行い、2年3月の議院運営委員会において法制局分室を財務省へ引き継ぐための手続をとることが了承されたことを受けて、早期の引継ぎに向けた事務処理等を開始するなどの処置を講じていた。