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  • 令和2年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第2 国立研究開発法人産業技術総合研究所|
  • 令和元年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

国立研究開発法人産業技術総合研究所が保有するなどしている土地の利用状況について


令和元年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置及び要求した改善の処置

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「研究所」という。)は、国内に11研究拠点を設置するなどして研究を実施し、研究開発活動に必要な資産として土地及び研究施設等の建物を国からの現物出資として承継して保有している。また、必要に応じて、国からの現物出資として承継した建物の敷地となっている土地を賃借している。しかし、九州センターにおいて、佐賀県から賃借している土地の一部が有効に利用されていないのに賃貸借契約を見直さず、当該土地に係る賃借料を支払い続けている事態、及び北海道センターにおいて、職員宿舎等を解体した跡地の一部が有効に利用されておらず、具体的な処分計画又は利用計画が策定されないまま保有されている事態が見受けられた。

したがって、国立研究開発法人産業技術総合研究所理事長に対して令和2年10月に、次のとおり是正改善の処置を求め及び改善の処置を要求した。

ア 九州センターにおいて佐賀県から賃借している土地について、敷地内の研究施設等に係る取壊し予定を踏まえ、賃借しないこととする土地を確定するとともに、速やかに同県と協議するなどして賃貸借契約の見直しに向けた計画を策定すること(会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めたもの)

イ 北海道センターにおいて有効に利用されていない土地について、将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がないと認められる場合には、国庫納付等の具体的な処分計画を策定し、必要があると認められる場合には、施設整備等の具体的な利用計画を策定すること(同法第36条の規定により改善の処置を要求したもの)

ウ 各地域センターにおける土地の利用状況を的確に把握して、有効に利用されていない土地がある場合には、具体的な処分計画又は利用計画を策定するなどの体制を整備すること(同法第36条の規定により改善の処置を要求したもの)

2 当局が講じた処置

本院は、研究所から関係資料の提出を受けるなどして、その後の処置状況について検査した。

検査の結果、研究所は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 九州センターにおいて佐賀県から賃借している土地について、2年12月までに、賃借しないこととする土地を確定するとともに、同県と協議して、当該土地を同県に返還するよう、賃貸借契約の見直しに向けた計画を策定した。

イ 北海道センターにおいて有効に利用されていない土地について、2年12月までに、将来にわたり業務を確実に実施する上で必要かどうかを検討した上で、必要がないと認められる土地については国庫納付に向けた具体的な処分計画を策定するとともに、雪よけ地等として必要があると認められる土地についてはこれに係る具体的な利用計画を策定した。

ウ 2年12月に、土地の利用等に関する規程を改正して、各地域センターにおける土地等の適切かつ効率的な利用を促進するとともに、利用状況を把握し、利用率が低いと認める場合は、活用又は処分のための必要な措置を講ずることとするなどの体制を整備した。