ページトップ
  • 令和3年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 令和2年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1) 強い農業・担い手づくり総合支援交付金事業(産地基幹施設等支援タイプ)の実施について


令和2年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置及び求めた是正改善の処置

農林水産省は、強い農業・担い手づくり総合支援交付金事業等により施設等を整備する事業実施主体に交付金を交付する都道府県に対して、強い農業・担い手づくり総合支援交付金等を交付している。このうち、産地農業において中心的な役割を果たしている農業者団体等による産地の基幹施設の導入を支援する産地基幹施設等支援タイプに係る事業(以下「整備事業」という。)の実施に当たり、都道府県は、事業実施主体が成果目標等を記載した事業実施計画を踏まえて都道府県事業実施計画を作成して地方農政局等に提出し、その成果目標の妥当性について、地方農政局等と協議を行うことなどとされている。しかし、都道府県が地方農政局等と成果目標の妥当性について協議する際、新たな整備事業(以下「新事業」という。)と同一の事業実施主体が過去に同一の品目及び地域を対象として実施した整備事業(以下「過去事業」という。)について、その成果目標の達成状況や過去事業の成果目標を達成していない状況となった要因等を報告することとしていなかったり、過去事業において設定した成果目標を下回る成果目標を設定している場合に、その旨やその理由等を報告することとしていなかったりなどしている事態、及び出荷量等の実績値が目標値を下回っているのに、県において、その後の出荷量等の実績値の状況の把握をしておらず、それを踏まえた改善指導等を行っていない事態が見受けられた。

したがって、農林水産大臣に対して令和3年10月に、次のとおり改善の処置を要求し、及び是正改善の処置を求めた。

  • ア 地方農政局等と都道府県における成果目標の妥当性の協議において、都道府県が地方農政局等に対して、過去事業における成果目標の達成状況や成果目標を達成していない場合の要因等を報告するとともに、新事業の成果目標が過去事業において設定した成果目標を下回る場合にその旨やその理由等を報告するなどの仕組みを導入すること(会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求したもの)
  • イ 都道府県に対して、成果目標を達成していても出荷量等の実績値が目標値を下回っている場合は当該目標値に達するまで出荷量等の実績値の状況を確実に把握した上で改善に向けた指導等を行うことについて、改めて周知徹底すること(同法第34条の規定により是正改善の処置を求めたもの)

2 当局が講じた処置

本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 4年4月に、強い農業・担い手づくり総合支援交付金事業の後継事業である強い農業づくり総合支援交付金事業について、交付等要綱を制定して、地方農政局等と都道府県における成果目標の妥当性の協議において、都道府県が地方農政局等に対して、過去事業における成果目標の達成状況や成果目標を達成していない場合の要因等を報告するとともに、新事業の成果目標が過去事業において設定した成果目標を下回る場合にその旨やその理由等を報告することとした。また、上記の交付等要綱において、過去事業における成果目標が達成されていない状態が続いている事業実施主体が次年度以降同一の品目及び地域を対象として新事業を実施する場合は、都道府県及び地方農政局等が厳格な審査を行うこととした。

イ 4年1月及び2月に地方農政局等及び都道府県を対象とした事業説明会等を開催するとともに、同年4月に地方農政局等に事務連絡を発出して、都道府県に対して、成果目標を達成していても出荷量等の実績値が目標値を下回っている場合は、当該目標値に達するまで出荷量等の実績値の状況を確実に把握した上で、改善に向けた指導等を行うことについて、改めて周知徹底した。