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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
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  • 令和5年1月|

新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について


前文

新型コロナウイルス感染症は、令和元年12月以降、その感染が国際的な広がりを見せた。我が国においても、多数の感染者が確認され、感染の拡大に伴い、医療機関において、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるための病床がひっ迫する状況が生じたことから、政府は、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」(令和2年2月新型コロナウイルス感染症対策本部決定)及び「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月新型コロナウイルス感染症対策本部決定)を定め、都道府県を通して、新型コロナウイルス感染症患者等を集約して優先的に受け入れる医療機関を指定するなどして地域の医療機関の役割分担を行うとともに、一般の医療機関の一般病床等を活用して、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるための病床を確保することとし、交付金等により新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等を実施している。

そして、病床確保事業等は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い同感染症患者を受け入れるための病床がひっ迫する状況の中で、上記の方針に基づき全国の医療機関を対象として多額の国費を投入して実施されている事業であり、その実施状況等について様々な議論がなされるなど、国民の関心は高いものとなっている。

本報告書は、以上のような状況を踏まえて、新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について検査し、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。

令和5年1月

会計検査院


目次

1 検査の背景

(1) 新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備に係る取組等の概要

ア 新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備に係る取組
イ 病床確保計画の概要
ウ 病床確保計画の策定等
エ 入院が必要なコロナ患者等を受け入れる医療機関の指定
オ コロナ患者の入院受入れに係る手続等

(2) コロナ患者受入れのための病床確保事業等の概要

ア 病床確保事業の概要
イ 緊急支援事業の概要

(3) 病床確保事業等をめぐる議論等

ア 病床確保事業等をめぐる報道及び制度の見直し
イ 財政制度等審議会財政制度分科会における審議

(4) これまでの会計検査の実施状況

2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

(2) 検査の対象及び方法

3 検査の状況

(1) 病床確保事業等の予算及び決算の状況

(2) 交付金及び受入補助金の交付状況

(3) コロナ病床の確保等の状況

ア 全国の医療機関におけるコロナ病床の確保等の状況
イ 都道府県におけるフェーズの設定、これに応じたコロナ病床の確保等の状況

(4) 医療機関における確保病床の状況等

ア 医療機関における確保病床の病床利用率の状況
イ 確保病床の病床利用率が50%を下回っていた医療機関の状況
ウ コロナ患者等の入院受入要請を断った理由
エ 休止病床を設定している医療機関における休止病床を設定する前の病床使用率の状況

(5) コロナ関連補助金の交付を受けた医療機関の医業収支の状況

(6) 病床確保事業における病床確保料等の状況

ア 厚生労働省における病床確保料上限額の設定
イ 医療機関における入院患者に係る診療報酬額と厚生労働省が定めた病床確保料上限額との比較

4 検査の状況に対する所見

(1) 検査の状況の主な内容

(2) 所見

別図表

  • 本文及び図表中の数値は、原則として、表示単位未満を切り捨てているため、数値を集計しても計が一致しないものがある。
  • 図表は、本報告書の取りまとめに当たって会計検査院が作成したものである。

事例一覧

[医療機関において、確保病床数には、コロナ患者等を担当する医師、看護師等の人数を増員できた場合に受入可能となる病床が含まれていたが、実際は想定していた人数を確保できなかったため、都道府県調整本部等からのコロナ患者等の入院受入要請を断っていたもの]

<事例>