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  • 昭和58年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第5 厚生省|
  • 昭和57年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

国民健康保険助成費について


国民健康保険助成費について

(昭和57年度決算検査報告)

 厚生省では、国民健康保険の保険給付に係る補助事業において、(1)第三者行為によって生じた保険給付に係る損害賠償金等は、その調定した額を調定した日の属する年度において療養給付費等補助金及び財政調整交付金の対象額から控除すべきであるのに、収納された額だけを控除していて、国庫補助金等が過大に交付されたと同様の結果となっており、また、(2)法定給付割合を超える給付を行う一部の保険者に対し、法定給付割合を超えて支給した療養費の額をも対象として療養給付費等補助金を交付しており、他の保険者より多額な補助金が交付される結果を招くこととなっていて、医療保険の社会的公平の確保の見地からみて合理的でないと認められた。したがって、厚生省において損害賠償金等に係る国庫補助金等の経理については、速やかに関係通達の整備を行い経理の適正を期し、また、法定給付割合を超えた療養費に対する国庫補助金の交付については、その合理的な執行について所要の措置を講ずる要があると認め、昭和58年11月に改善の処置を要求した。
 これに対し、厚生省では、本院指摘の趣旨に沿い、(1)第三者行為に伴う損害賠償金等の経理については、59年3月に都道府県及び保険者に対し、当該年度に収納されると否とにかかわりなく調定した日の属する年度において補助の対象から控除する取扱いを徹底するよう通達等を発し、損害賠償金等に係る国庫補助金の経理の適正化を図り、また、(2)法定給付割合を超えた療養費に対する補助金の交付については、国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第70条の規定の改正により、59年10月から法定給付割合を超えた療養費は補助の対象としない処置を講じた。