会計名及び科目 | 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費 |
部局等の名称 | 北海道ほか16都府県(支給庁) 帯広公共職業安定所ほか56公共職業安定所(支給決定庁) |
事業主 | 67事業主 |
特定求職者雇用開発助成金の支給額の合計 | 113,582,171円 |
上記の67事業主に特定求職者雇用開発助成金113,582,171円を支給しているが、支給決定に当たって調査が十分でなかったため、39,339,960円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の注意により、すべて返還の処置が執られた。これを都道府県ごとに集計して掲げると別表 のとおりである。
これは、北海道ほか24都府県(支給決定庁札幌公共職業安定所ほか244公共職業安定所)において3,011事業主に対して支給した3,228,472,825円について本院が調査した結果である。
(説明)
特定求職者雇用開発助成金は、雇用保険(前掲の「雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったもの」の説明参照 )で行う事業のうち、雇用安定事業の一環として、55歳以上65歳未満の高年齢者、45歳以上65歳未満の特定不況地域離職者など就職が特に困難な者(以下「特定求職者」という。)の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を雇用した事業主に対して当該雇用労働者に支払った賃金の一部を助成するもので、当該雇用労働者は事業主が公共職業安定所の紹介により新たに常用労働者として雇い入れたものであることなどを支給要件としており、その支給対象期間は雇入れ後1年又は1年6箇月、支給率は支給対象期間に支払った賃金の4分の1、3分の1又は2分の1となっている。
そして、その支給の決定に当たっては、事業主から資本の額、主たる事業、常時雇用する労働者数、並びに当該雇用労働者の氏名、生年月日、雇用年月日及び支払賃金額等を記載した申請書を各公共職業安定所に提出させ、この提出を受けた公共職業安定所で支給要件等に適合しているかどうかを審査して決定し、これに基づいて各都道府県が支給することになっている。
しかして、特定求職者雇用開発助成金の支給決定の適否について検査したところ、前記の245公共職業安定所のうち帯広公共職業安定所ほか56公共職業安定所において、事業主が既に雇用し又は雇用の予約をしている者を新たに雇用したこととしているものなど申請書の内容が事実と相違しているものがあったのに、申請書に対する調査が十分でないまま支給の決定を行ったため、これに基づいて特定求職者雇用開発助成金を支給した北海道ほか16都府県では、本院が調査した787事業主に対する支給額のうち、67事業主分113,582,171円について39,339,960円が不適正に支給されていた。
都道府県名 | 公共職業安定所 | 本院が調査した事業主数 | 不適正受給事業主数 | 左の事業主に支給した特定求職者雇用開発助成金 | 左のうち不適正特定求職者雇用開発助成金 |
北海道 |
帯広ほか2 |
27 |
3 |
千円 2,908 |
千円 1,265 |
山形県 | 米沢ほか3 | 52 | 5 | 4,044 | 2,483 |
茨城県 | 水戸ほか2 | 48 | 4 | 3,522 | 2,402 |
埼玉県 | 浦和ほか1 | 55 | 3 | 5,591 | 2,490 |
千葉県 | 千葉ほか3 | 63 | 5 | 10,577 | 4,648 |
東京都 | 新宿ほか2 | 34 | 3 | 3,272 | 2,183 |
神奈川県 | 川崎ほか3 | 84 | 4 | 7,367 | 4,197 |
富山県 | 氷見ほか1 | 17 | 2 | 1,275 | 546 |
愛知県 | 西尾 | 10 | 1 | 1,067 | 572 |
京都府 | 京都西陣ほか1 | 28 | 2 | 1,104 | 1,104 |
大阪府 | 堺ほか3 | 36 | 4 | 6,160 | 2,509 |
兵庫県 | 神戸ほか5 | 93 | 7 | 34,266 | 3,674 |
広島県 | 広島ほか5 | 94 | 7 | 11,159 | 4,076 |
福岡県 | 小倉ほか2 | 35 | 4 | 5,034 | 1,797 |
長崎県 | 諌早ほか5 | 44 | 7 | 8,254 | 2,869 |
大分県 | 大分 | 25 | 2 | 3,182 | 810 |
宮崎県 | 宮崎ほか2 | 42 | 4 | 4,791 | 1,706 |
計 | 57箇所 | 787 | 67 | 113,582 | 39,339 |