会計名及び科目 | 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費 |
部局等の名称 | 秋田県ほか12府県(支給庁) 本荘公共職業安定所ほか27公共職業安定所(支給決定庁) |
事業主 | 31事業主 |
定年延長奨励金の支給額の合計 | 465,680,000円 |
上記の31事業主に定年延長奨励金465,680,000円を支給しているが、支給決定に当たって調査が十分でなかったため、27,740,000円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の注意により、すべて返還の処置が執られた。これを府県ごとに集計して掲げると別表
のとおりである。
これは、北海道ほか24都府県(支給決定庁札幌公共職業安定所ほか226公共職業安定所)において1,586事業主に対して支給した3,630,490,000円について本院が調査した結果である。
(説明)
定年延長奨励金ほ、雇用保険(前掲の「雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったもの」の説明参照 )で行う事業のうち、雇用改善事業の一環として、定年の引上げによる高年齢者の雇用の延長の促進を図るため、定年の引上げを行った雇用保険の適用事業の事業主に対して支給するもので、その支給要件は主として次のとおりとなっている。
ア 労働協約又は就業規則に定められている定年をその改定又は変更等により56歳以上の年齢に引き上げたこと
イ 定年の引上げが昭和48年4月1日以後に行われたものであり、かつ、その引上げが定年の制定後1年以上経過しているものであること
ウ 定年の引上げの際に当該引上げ前の定年(以下「旧定年」という。)の適用を受けていた者であり、かつ、12月末日現在において旧定年を超えるとともに引上げ後の定年の適用を受けていて1年以上継続して雇用されている55歳以上65歳未満の被保険者(以下「対象被保険者」という。)を雇用していること
また、その支給対象期間は対象被保険者が最初に生じた日から当該最初に生じた対象被保険者が引上げ後の定年に達することとなる日まで、支給額は対象被保険者1人当たり年額30万円又は40万円となっている。
そして、その支給の決定に当たっては、事業主から定年の引上げ日、定年の引上げの内容並びに対象被保険者の氏名、生年月日、雇用年月日及び旧定年による退職予定日等を記載した申請書を各公共職業安定所に提出させ、この提出を受けた公共職業安定所で支給要件等に適合しているかどうかを審査して決定し、これに基づいて各都道府県が支給することになっている。
しかして、定年延長奨励金の支給決定の適否について検査したところ、前記の227公共職業安定所のうち本荘公共職業安定所ほか27公共職業安定所において、定年の引上げを行っていないのに引上げを行ったこととしていたり、定年を引き上げた日以後に雇用した者など旧定年の適用を受けていなかった者を対象被保険者としていたりしているものなど申請書の内容が事実と相違しているものがあったのに、申請書に対する調査が十分でないまま支給の決定を行ったため、これに基づいて定年延長奨励金を支給した秋田県ほか12府県では、本院が調査した246事業主に対する支給額のうち、31事業主分465,680,000円について27,740,000円が不適正に支給されていた。
府県名 | 公共職業安定所 | 本院が調査した事業主数 | 不適正受給事業主数 | 左の事業主に支給した定年延長奨励金 | 左のうち不適正定年延長奨励金 |
秋田県 |
本荘 |
7 |
1 |
千円 5,700 |
千円 600 |
山形県 | 山形ほか3 | 31 | 5 | 11,900 | 3,100 |
茨城県 | 水戸ほか1 | 19 | 3 | 29,400 | 1,300 |
埼玉県 | 大宮ほか2 | 60 | 3 | 8,800 | 1,460 |
千葉県 | 千葉ほか2 | 36 | 3 | 7,600 | 2,240 |
神奈川県 | 戸塚ほか1 | 6 | 2 | 3,200 | 1,000 |
京都府 | 京都七条 | 14 | 1 | 3,600 | 800 |
島根県 | 石見大田 | 4 | 1 | 4,800 | 1,200 |
岡山県 | 高梁 | 5 | 1 | 2,000 | 1,200 |
広島県 | 広島ほか2 | 30 | 3 | 9,200 | 1,600 |
香川県 | 高松ほか2 | 18 | 4 | 10,800 | 8,400 |
福岡県 | 八幡 | 1 | 1 | 359,700 | 600 |
長崎県 | 諌早ほか2 | 15 | 3 | 8,980 | 4,240 |
計 | 28箇所 | 246 | 31 | 465,680 | 27,740 |