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  • 昭和62年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第6 農林水産省|
  • 昭和61年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

鶏卵価格安定対策事業の実施について


鶏卵価格安定対策事業の実施について

(昭和61年度決算検査報告参照)

  農林水産省では、鶏卵生産者の経営の安定を図るとともに鶏卵の需給と価格の安定に資するため、社団法人全国鶏卵価格安定基金及び社団法人全日本卵価安定基金(以下、両者を併せて「基金」という。)が事業主体となって実施している鶏卵価格安定対策事業に対して補助金を交付しているが、鶏卵生産者及び農業協同組合等の関係機関が本制度の趣旨及びその内容を十分理解していなかったこと、同省が事業の見直し、指導等を十分行っていなかったことなどから、事業の対象となる鶏卵生産者は、鶏卵の計画生産を遵守することとなっているのに採卵鶏を増羽していて計画生産を遵守していなかったり、鶏卵の生産予定数量の全量について価格差補てんに関する契約をすることとなっているのに全量についての契約をしていなかったり、また、価格差補てん金の交付に当たり、鶏卵の販売実績数量が契約対象数量を下回っているのに契約対象数量で交付されているため価格差補てん金が過大に交付されていたりなどしていて、国が定めた実施要領等に沿わないものとなっている事態が多数見受けられたので、同省において、本件事業を見直し、本制度への加入及び価格差補てん金の交付についての審査体制を強化させるなどして、価格安定対策事業としての計画生産の推進を図るとともに、補助事業の実施の適正を期する要があると認め、昭和62年12月に改善の処置を要求した。

  これに対し、農林水産省では、本院指摘の趣旨に沿い、62年12月に基金、都道府県等の関係機関に対し通達を発して、本制度への加入及び価格差補てん金の交付についての審査体制を強化させ、さらに、63年8月に基金に対し、業務方法書を改正させたり、新たに業務運営細則を制定させたりして、価格安定対策事業としての計画生産の推進を図るとともに、補助事業の実施の適正を期する処置を講じた。