環境省は、地方環境事務所等(以下「事務所等」という。)の所長を物品管理官等に指定して物品を管理させている。しかし、事務所等において、物品管理簿に記録されている物品の所在が確認できなかったり、取得した物品や現に使用している物品が物品管理簿に記録されていなかったりして物品管理簿が物品の現況を反映した正確なものとなっていない事態や、物品を亡失又は損傷しているのに、環境大臣に報告しておらず、財務大臣及び本院への通知も行われていないなどの事態が見受けられた。
したがって、環境省において、物品の現況を調査把握して、物品管理簿の記録の修正等所要の手続をとるとともに、物品の亡失又は損傷等の環境大臣への報告が行われていないものについて速やかに報告させて、財務大臣及び本院に通知し、また、事務所等の職員に対して、物品管理等の基本認識や物品管理法(昭和31年法律第113号)等に定める手続について周知徹底させるなどの処置を講ずるよう、環境大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。
本院は、環境本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、環境省は、本院指摘の趣旨に沿い、21年12月に事務所等の物品管理官等に対して文書を発し、物品の現況を調査把握して、物品管理簿の記録の修正等を行うよう指示しており、22年3月に、報告漏れが判明した物品に係る物品亡失(損傷)通知書を財務大臣及び本院に提出するとともに、同月に「環境省物品管理事務マニュアル」を作成して事務所等の職員に示し、物品管理等の基本認識や物品管理法等に定める手続について周知徹底するなどの処置を講じていた。
そして、事務所等は、上記の環境本省からの指示に従い、物品の現況調査を実施して、順次、物品管理簿の修正等を行い、23年7月までに11事務所等のうち4事務所等の修正等が完了しており、残り7事務所等についても修正等が完了するよう引き続き作業を実施していて、環境省は、この作業の結果、亡失や損傷が判明した物品について、物品亡失(損傷)通知書を提出することとしている。