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  • 平成10年度|
  • 第1章 検査の概要|
  • 第1節 検査活動の概況

検査の実施


第2 検査の実施

(検査の対象)

 会計検査院は、国の一般会計及び特別会計の収入支出をはじめ、国の所有する現金、物品、国有財産、国の債権、債務等すべての分野の国の会計を検査の対象としている。

 また、会計検査院は、次の会計を検査の対象としている。

〔1〕  国が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計

〔2〕  法律により特に会計検査院の検査に付するものと定められた会計

 平成11年次の検査(検査実施期間 平成10年11月〜11年10月)において検査の対象となったものは、国の会計のほか、〔1〕 として、政府関係機関11、公団12、事業団16、その他の法人53(清算中のもの4を含む。)の会計、〔2〕 として日本放送協会の会計である。
 このほか、会計検査院は、次の会計についても必要に応じて検査することができることになっている。

〔1〕  国が資本金の一部を出資しているものの会計

〔2〕  国が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計

〔3〕  国が補助金その他の財政援助を与えた都道府県、市町村、各種組合、学校法人等の会計

 平成11年次の検査において検査の対象としたものは、〔1〕 として2法人の会計、〔2〕 として19法人の会計、〔3〕 として6,050の団体等の会計である。
 上記の検査の対象のうち主なものの平成10年度決算等の概要は、第6章の「歳入歳出決算その他検査対象の概要」 に記載したとおりである。

(書面検査及び実地検査)

 検査対象機関に対する検査の主な方法は、書面検査及び実地検査である。
 書面検査は、検査対象となる会計を取り扱う機関から、会計検査院の定める計算証明規則により、当該機関で行った会計経理の実績を計数的に表示した計算書、及びその裏付けとなる各種の契約書、請求書、領収書等の証拠書類等を提出させ、これらの書類について在庁して行う検査である。
 また、実地検査は、検査対象機関である省庁等の官署、事務所等に職員を派遣して、実地に、関係帳簿や事務・事業の実態を調査したり、関係者から説明を聴取したりなどして行う検査である。
 これらの方法により、会計検査院が平成11年次に実施した検査の実績は、次のとおりである。

(ア) 書面検査については、平成10年度分の計算書23万余冊及びその証拠書類7944万1千余枚を対象に実施した。

(イ) 実地検査については、次表のとおり、検査対象機関である省庁等の官署、事務所等3万8千1百余箇所のうち、3千2百余箇所について実施したほか、国が補助金その他の財政援助を与えた前記6,050の団体等について実施した。これらの実地検査に要した人日数は、4万4千5百余人日となっている。

検査対象機関である省庁等の官署、事務所等 左の箇所数
(A)
左のうち検査を実施した箇所数(B) 検査実施率(%)
(B/A)
 本省、本庁、本社等 4,847 2,088 43.0
 都道府県単位の地方出先機関等 10,496 1,071 10.2
小計 15,343 3,159 20.5
 駅、特定郵便局等 22,856 115 0.5
38,199 3,274 8.5

 検査の進行に伴い、検査上疑義のある事態について、疑問点を質したり、見解を求めたりなどするために、関係者に対して書面をもって質問を発しているが、平成11年次の検査において発した質問は9百余事項となっている。
 なお、会計検査院は事務・事業の評価を指向した検査の実施に努めているところであり、今後の検査に資するため、各省庁等における評価制度の導入状況について調査した。その結果は、別掲 のとおりである。