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  • 平成10年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

国有林野事業特別会計


(23) 農林水産省所管 国有林野事業特別会計

 この特別会計は、国有林野事業を国有林野の有する公益的機能の維持増進を基本としつつ企業的に運営し、その健全な発達に資することを目的として、その経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
 なお、国有林野事業の危機的な財務状況に対処するため、平成10年10月、「国有林野事業の改革のための特別措置法」(平成10年法律第134号。以下「特措法」という。)及び「国有林野事業の改革のための関係法律の整備に関する法律」(平成10年法律第135号)が成立し、特定の債務の一般会計への帰属その他国有林野事業の改革のために必要な特別措置が執られた。
 同特別会計は、国有林野事業及び治山の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の10年度の歳入歳出決算、損益、借入金及び主な業務実績は次のとおりである。

(国有林野事業勘定)

1 歳入歳出決算

  区分 10年度 (9年度)

千円 千円
(歳入)

 徴収決定済額 462,918,792 553,525,256
 収納済歳入額 461,523,144 551,683,553
 不納欠損額 2,137 3,038
 収納未済歳入額 1,393,510  1,838,665
(歳出)

 歳出予算現額 528,668,597 629,390,832
 支出済歳出額 461,131,233 557,677,180
 翌年度繰越額 41,294,654 44,724,217
 不用額 26,242,708 26,989,434

 翌年度繰越額はすべて国有林野事業費(歳出予算現額5271億6859万余円)の分である。また、不用額の主なものは国有林野事業費の247億4270万余円である。

2 損益

  区分 10年度 (9年度)

利益
(うち売上高)
千円
116,106,638
(44,640,371)
千円
154,479,757
(67,453,029)
損失
(うち経営費)
216,954,279
(63,536,700)
293,930,453
(72,571,478)
損失金 100,847,641 139,450,695
前年度繰越損失金
翌年度繰越損失金
1,753,776,166
1,614,325,470
1,753,776,166

 損失金1008億4764万余円及び前年度繰越損失金1兆7537億7616万余円(合計額1兆8546億2380万余円)については、特措法第22条の規定に基づき、資本剰余金を減額して整理し、翌年度繰越損失金は計上されていない。

3 借入金

  区分 10年度末 (9年度末)
借入金現在額
(資金運用部資金等)
千円
1,076,377,253
千円
3,744,615,427

 借入金現在額が減少したのは、特措法第15条第1項の規定に基づき、同法施行時(10年10月)における累積債務3兆8875億3675万余円のうち、2兆8421億3675万余円を一般会計に帰属させ、同特別会計で1兆0454億円を負担することとしたためである。

4 主な業務実績

  区分 10年度 (9年度)
立木売払い 3,395千m3 3,942千m3
製品売払い 980千m3 1,339千m3
立木の保育 81千ha 74千ha
林道新設 136m 118m

(治山勘定)

1 歳入歳出決算

  区分 10年度 (9年度)

千円 千円
(歳入)

 徴収決定済額 245,943,683 226,450,357
 収納済歳入額 245,943,683 226,450,357
(歳出)

 歳出予算現額 292,389,022 232,804,611
 支出済歳出額 244,505,366 225,929,616
 翌年度繰越額 47,772,916 6,767,218
 不用額 110,739 107,776

 翌年度繰越額の主なものは、治山事業費(歳出予算現額2484億0822万余円)の441億4135万余円及び北海道治山事業費(同235億2505万余円)の25億2858万余円である。

2 主な業務実績

  区分 10年度 (9年度)
直轄治山事業 3,486箇所 2,809箇所
治山事業に対する補助 9,213箇所 10,277箇所

 なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「復旧治山事業の実施に当たり、アンカー工費等の積算を誤ったため、工事費が割高となっているもの」(参照) 及び「林道開設工事等の機械土工における軟岩押土積込費の積算を軟岩の状態に応じて適切に行うよう改善させたもの」(参照) を掲記した。