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  • 平成15年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • [2]公団、事業団等の決算|
  • (事業団)

日本私立学校振興・共済事業団


(3)日本私立学校振興・共済事業団

 この事業団は、私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定並びに私立学校教職員の福利厚生を図るため、次の業務を行うことにより、もって私立学校教育の振興に資することを目的として設置されているものである。

(ア)補助金の交付、資金の貸付けその他私立学校教育に対する援助に必要な業務
(イ)私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)の規定による共済制度の運営その資本金は15事業年度末現在で489億6911万余円(全額国の出資)となっている。

 同事業団の会計は、助成、短期、長期、福祉及び共済業務の5勘定に区分されている。
 同事業団の勘定別の15事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。
 なお、「日本私立学校振興・共済事業団の一部を改正する法律」(平成14年法律第157号)等の施行により、同事業団の会計に独立行政法人会計基準が適用されたのに伴い、15事業年度決算から会計処理方法及び財務諸表の表示方法の一部が変更されたため、下記項目の中には、15事業年度の額と14事業年度の額とを対比できないものもある。

(助成勘定)

 この勘定は、学校法人に対する補助金の交付、学校法人等に対する資金の貸付けなど私立学校教育に対する援助に必要な業務に関するものである。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末    (14事業年度末)
   千円   千円
資産 687,260,701 資産 702,391,775
(うち長期貸付金) (676,043,737) (うち長期貸付金) (693,821,292)
(うち貸倒引当金)(注) (△5,248,122) (うち貸倒引当金)(注) (△10,407,319)
負債 629,670,192 負債 646,701,619
(うち長期借入金) (539,738,698) (うち長期借入金) (559,876,522)
資本 57,590,509 資本 55,690,156
(うち資本金) (48,969,115) (うち資本金) (48,969,115)
(うち資本剰余金) (5,298,172) (うち資本剰余金) (5,290,550)
(うち利益剰余金) (3,323,221) (うち利益剰余金) (1,430,491)
貸倒引当金に計上する金額は、14事業年度については当該事業年度末における貸付金残高に15/1000を乗じて得た金額とされていたが、15事業年度より金融庁作成の「預金等受入金融機関に係る検査マニュアル」に基づいた「日本私立学校振興・共済事業団貸付債権自己査定基準」の定めるところに従って算出した金額とされている。

2 損益計算書

区分 15事業年度    (14事業年度)
   千円    千円
 経常費用 283,603,710 経常費用 309,077,296
 (うち交付補助金) (252,375,775) (うち交付補助金) (253,442,825)
 経常収益 283,513,449 経常収益 309,608,734
 (うち国庫補助金収入) (252,375,775) (うち国庫補助金収入) (253,442,825)
 経常損失 90,261 特別損失 2,158
 臨時損失 7,187 当期利益金 529,279
 臨時利益 2,157,214 (利益金の処理)   
 当期純利益 2,059,765 助成金 111,747
 当期総利益 2,059,765 長期勘定へ繰入 55,288
(利益の処分)    積立金 362,243
 (当期未処分利益)      
  当期総利益 2,059,765
 (利益処分額)   
  助成金 111,747
  長期勘定へ繰入 55,289
  積立金 1,892,729

3 主な業務実績

区分 15事業年度 (14事業年度)
(補助事業)      
 補助金交付法人数 604法人 603法人
 補助金交付額 252,375,775千円 253,442,825千円
(貸付事業)      
 貸付け 法人数 140法人 147法人
   件数 170件 189件
   金額 50,957,500千円 40,821,000千円
 貸付金回収等 金額 68,735,055千円 80,419,246千円
 事業年度末貸付金残高 法人数 1,602法人 1,621法人
   件数 3,958件 4,130件
   金額 676,043,737千円 693,821,292千円
   上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準に準じて事業団において開示している債権      
    破綻先債権 322,775千円
    延滞債権 8,346,489千円 8,154,085千円
    3カ月以上延滞債権
    貸出条件緩和債権 7,307,350千円 7,339,060千円
   15,653,839千円 15,815,920千円

(短期勘定)

 この勘定は、加入者及びその被扶養者の病気等に関する短期給付を行う業務等に関する経理を行うものである。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末    (14事業年度末)
   千円    千円
資産 59,734,811 資産 42,481,631
(うち現金及び預金) (37,823,087) (うち現金・預金) (18,808,452)
(うち未収入金) (9,417,325) (うち未収金) (10,780,551)
負債 24,457,786 負債 18,055,668
(うち未払費用) (6,880,541) (うち未払費用) (6,553,370)
(うち支払準備金) (8,222,345) (うち支払準備金) (8,505,509)
資本 (利益剰余金) 35,277,024 資本 (利益剰余金) 24,425,963

2 損益計算書

区分 15事業年度    (14事業年度)
   千円    千円
  経常費用 183,293,316  経常費用 189,364,055
  (うち業務費) (183,293,312)  (うち短期給付事業費) (180,858,535)
  経常収益 193,865,439  経常収益 179,627,843
  (うち掛金収入) (182,888,869)  (うち短期給付事業収入) (170,707,918)
  経常利益 10,572,123  特別損失 43,869
  臨時損失 8,244,922  特別利益 15,652
  臨時利益 8,523,860  当期損失金 9,764,428
  当期純利益 10,851,061 (損失金の処理)   
  当期総利益 10,851,061  欠損金補てん積立金 50,736
(利益の処分)     積立金取崩 △9,815,165
 (当期未処分利益)      
  当期総利益 10,851,061
 (利益処分額)   
  欠損金補てん積立金取崩 △127,943
  積立金 10,979,004

(長期勘定)

〔この勘定は、加入者の退職等に関する長期給付を行う業務等に関する経理を行うものである。〕

1 貸借対照表

区分 15事業年度末    (14事業年度末)
   千円    千円
資産 3,184,329,988 資産 3,137,697,866
(うち長期性預金) (734,386,187) (うち長期性預金) (947,192,927)
(うち投資有価証券) (1,563,159,225) (うち投資有価証券) (1,158,958,259)
(うち長期貸付金) (536,992,297) (うち長期貸付金) (550,054,382)
負債 5,274,675,007 負債 5,085,306,715
(うち責任準備金) (5,270,506,997) (うち責任準備金) (5,084,362,997)
資本 (繰越欠損金) △2,090,345,018 資本 (欠損金) △1,947,608,849

2 損益計算書

区分 15事業年度    (14事業年度)
   千円    千円
  経常費用 363,648,273  経常費用 5,419,458,624
  (うち業務費) (359,267,852)  (うち長期給付事業費) (334,766,588)
  経常収益 406,869,974  (うち運用諸費) (329,033)
  (うち掛金収入) (265,836,192)  (うち責任準備金繰入) (5,084,362,997)
  経常利益 43,221,701  経常収益 5,272,207,287
  臨時損失 5,270,509,537  (うち掛金収入) (250,836,718)
  (うち責任準備金繰入) (5,270,506,997)  (うち責任準備金戻入) (4,881,406,997)
  臨時利益 5,084,551,666  特別損失 36,127
  (うち責任準備金戻入) (5,084,362,997)  特別利益 1,124,215
  当期純損失 142,736,169  当期損失金 146,163,247
  当期総損失 142,736,169  (損失金の処理)   
(損失の処理)     次期繰越 146,163,247
 (当期未処理損失)      
  当期総損失 142,736,169
  前期繰越欠損金 1,947,608,849
 (損失処理額)   
  次期繰越欠損金 2,090,345,018

(福祉勘定)

 この勘定は、加入者及びその被扶養者の健康の保持・増進及び日常生活の援助を目的として、福利及び厚生に関する業務を行うものであり、保健、医療、宿泊、貯金及び貸付の5経理に区分されている。

1 貸借対照表

区分 15事業年度末    (14事業年度末)
   千円    千円
資産 887,344,884 資産 858,451,461
(うち長期性預金) (494,238,772) (うち長期性預金) (474,099,466)
負債 834,447,234 負債 803,476,953
(うち加入者貯金) (616,084,996) (うち加入者貯金) (573,541,615)
資本 52,897,650 資本 54,974,508
(うち基本金) (43,808,059) (うち基本金) (45,219,842)
(うち資本剰余金) (3,868,276) (うち資本剰余金) (4,596,853)
(うち利益剰余金) (5,221,313) (うち利益剰余金) (5,157,811)

2 損益計算書

区分 15事業年度       (14事業年度)
      千円       千円
   経常費用 35,579,316    経常費用 37,551,988
   (うち業務費) (33,839,735)    (うち福祉事業費) (16,296,648)
   経常収益 33,993,926    (うち一般管理費) (15,122,981)
   (うち掛金収入) (6,559,040)    (うち引当金繰入) (449,721)
   (うち保険患者収入) (5,648,746)    (うち事業資産減価償却費) (3,742,869)
   (うち施設収入) (10,339,158)    経常収益 34,694,008
   (うち貸付金利息) (3,432,187)    (うち保健事業収入) (6,018,764)
   (うち財務収益) (4,574,051)    (うち医療事業収入) (4,642,370)
   経常損失 1,585,390    (うち宿泊事業収入) (13,100,395)
   臨時損失 190,024    (うち貯金事業収入) (5,746,150)
   臨時利益 1,110,340    (うち貸付事業収入) (4,152,974)
   当期純損失 665,074    特別損失 701,227
   当期総損失 665,074    特別利益 1,439,913
    (保健経理 総利益) 1,890,854    当期損失金 2,119,293
    (医療経理 総損失) △3,039,332     (保健経理損失金) △706,092
    (宿泊経理 総損失) △206,980     (医療経理損失金) △2,847,629
    (貯金経理 総利益) 168,079     (宿泊経理損失金) △450,346
    (貸付経理 総利益) 522,304     (貯金経理利益金) 1,370,577
(保健経理)        (貸付経理利益金) 514,196
 (利益の処分)    (保健経理)   
  (当期未処分利益)     (損失金の処理)   
当期総利益 1,890,854 積立金取崩 △706,092
  (利益処分額)    (医療経理)   
積立金 1,890,854  (損失金の処理)   
(医療経理)    別途積立金取崩 △728,577
 (損失の処理)    次期繰越 2,119,052
  (当期未処理損失)    (宿泊経理)   
当期総損失 3,039,332  (損失金の処理)   
前期繰越欠損金 4,819,126 次期繰越 450,346
  (損失処理額)    (貯金経理)   
次期繰越欠損金 7,858,458  (利益金の処理)   
(宿泊経理)    欠損金補てん積立金 1,297,395
 (損失の処理)    積立金 73,182
  (当期未処理損失)    (貸付経理)   
当期総損失 206,980  (利益金の処理)   
前期繰越欠損金 11,668,655 貸付資金積立金 514,196
  (損失処理額)      
次期繰越欠損金 11,875,635
(貯金経理)   
 (利益の処分)   
  (当期未処分利益)   
当期総利益 168,079
  (利益処分額)   
欠損金補てん積立金 151,955
積立金 16,123
(貸付経理)   
 (利益の処分)   
  (当期未処分利益)   
当期総利益 522,304
  (利益処分額)   
貸付資金積立金 522,304

(共済業務勘定)

〔この勘定は、短期勘定及び長期勘定における業務に係る事務に関する経理を行うものである。〕

1 貸借対照表

区分 15事業年度末    (14事業年度末)
   千円    千円
資産 12,019,094 資産 11,184,135
(うち有価証券) (3,102,322) (うち有価証券) (3,100,971)
(うち投資有価証券) (4,000,000) (うち投資有価証券) (4,000,000)
負債 3,459,743 負債 3,458,750
(うち退職給付引当金) (3,252,287) (うち退職給与引当金) (3,408,788)
資本 8,559,351 資本 7,725,385
(うち資本剰余金) (3,235,936) (うち資本剰余金) (3,235,718)
(うち利益剰余金) (5,323,415) (うち利益剰余金) (4,489,666)

2 損益計算書

区分 15事業年度    (14事業年度)
   千円    千円
  経常費用 (一般管理費) 4,350,320  経常費用 (一般管理費) 4,462,478
  経常収益 4,945,738  経常収益 4,550,478
  (うち掛金収入) (4,334,748)  (うち掛金収入) (3,940,619)
  経常利益 595,418  特別損失 757
  臨時損失 1,370  当期利益金 87,242
  臨時利益 239,917 (利益金の処理)   
  当期純利益 833,965  別途積立金 217
  当期総利益 833,965  積立金 87,025
(利益の処分)     
 (当期未処分利益)  
 当期総利益 833,965
(利益処分額)   
 別途積立金取崩 △225
 積立金 834,191

 なお、この事業団について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの」 及び「地方高等教育機関の活性化に係る特別補助が、私立大学等における地域の社会的要請にこたえる特色ある教育研究の実施をより一層促進するものとなるよう改善させたもの」 を掲記した。