13年次検査資金の94資金について、13年度から16年度末までの間に所管府省及び各法人で実施された資金事業に係る見直し等の状況をみると、次のとおりとなっている(表2-1参照) 。
(A)資金事業を終了したもの
資金事業の見直し等の結果、これを終了したものは23資金である。
このうち、保有資金を国に返納したものは14資金であり、その返納額は計119億余円となっている。また、資金事業を終了した後、保有資金を自法人の他の資金又は他の法人に承継したものは4資金、資金をすべて使用して事業を終了したために処理すべき資金保有額がなかったものは5資金となっている。
(B)見直し措置を講じて資金事業を継続しているもの
資金事業の見直しの結果、余裕資金を国に返納したり、事業内容を変更したり、資金の利用条件を緩和したりするなどの見直し措置を講じて資金事業を継続しているものは48資金(資金の分離、統合の結果、16年度末現在では47資金)である。
このうち、余裕資金を国に返納したものは7資金であり、その返納額は計76億余円となっている。
(C)特に措置を講ずる必要がないとしてそのまま資金事業を継続しているもの
見直しを検討した結果又は事業の実績等からみて特に措置を講ずる必要がないとしてそのまま資金事業を継続しているものは23資金である。
このように、全体としては、本院が平成12年度決算検査報告に掲記した後、多くの資金において何らかの見直しがなされ、措置が講じられている。
なお、これらの資金のうち、事業を終了した資金を除いたものについては、その後の事業実績等がどのようになっているかを、後掲3
「2以外のものも含めた各資金の運営の状況」の項において記述している。
(単位:件)
区分 | 資金数 | 左の内訳 | 備考 | |||
27資金 | それ以外 | |||||
(A)資金事業の終了 | 23 | 8 | 15 | |||
〔1〕保有資金の国庫返納 | 14 | 6 | 8 | 国庫返納額 計119億余円(うち2資金計31億余円は17年度の返納) | ||
〔2〕自法人の他の資金又は他の法人に承継 | 4 | 1 | 3 | 承継金額 計50億余円 | ||
〔3〕資金の保有額なし | 5 | 1 | 4 | |||
資金事業の継続 | (B)見直し措置の実施 | 48 | 19 | 29 | ||
〔1〕余裕資金の国庫返納 | 7 | 1 | 6 | 国庫返納額 計76億余円 | ||
〔2〕追加造成の取りやめ等 | 5 | 4 | 1 | |||
〔3〕事業内容の変更等 | 13 | 7 | 6 | |||
〔4〕利用条件緩和等 | 16 | 7 | 9 | |||
〔5〕資金運営形態の変更 | 1 | 0 | 1 | |||
〔6〕その他 | 23 | 11 | 12 | |||
(C)変更なし | 23 | 0 | 23 | |||
計 | 94 | 27 | 67 |
注(1) | 「資金事業の継続」における「区分」の内容は、次のとおりである。 | |
〔1〕 | 余裕資金の国庫返納・・・将来において使用見込みのない資金を国庫に返納したもの | |
〔2〕 | 追加造成の取りやめ等・・・毎年度又は随時に行っていた資金の追加造成を取りやめたり、縮小したりしたもの | |
〔3〕 | 事業内容の変更等・・・事業内容を実態に即応したものに変更、拡充、縮小したもの | |
〔4〕 | 利用条件緩和等・・・資金利用の条件、要件等を緩和したり、利用対象者の範囲を拡大したりなどしたもの | |
〔5〕 | 資金運営形態の変更・・・資金の運用益による事業の実施から資金そのものを取り崩して実施する方法に変更したもの | |
〔6〕 | その他・・・上記以外の見直し(広報の充実など) | |
(C) | 変更なし・・・見直しを検討した結果又は事業の実績等からみて、特に措置を講ずる必要がないとしたもの | |
注(2) | (B)については、一つの資金で複数の見直しを行っているものがあるため、〔1〕〜〔6〕には重複がある | |
注(3) | 「左の内訳」の「27資金」は、平成12年度決算検査報告において資金事業の運営に関し検討すべき点が見受けられた27資金に係る分であり「それ以外」は、それを除いた67資金に係る分である。 |
上記(1)の94資金全体の見直し等の状況のうち、平成12年度決算検査報告において資金事業の運営に関し検討すべき点が見受けられた27資金について、同決算検査報告における事態の区分(注3)
に従い、検討すべき点の概要及びそれを踏まえた主な見直し等の内容を資金ごとにみると、次のとおり、資金事業を終了したもの8資金、余裕資金を国に返納したり、事業内容を変更したりなどして資金事業を継続しているもの19資金となっている。
なお「主な見直し等の内容」の欄に記載している記号は、上記(1)の表2-1
の「区分」の記号である。
ア 資金設置後の経過年数について取り上げたもの
(ア)事業終了後も資金を保有していたもの
(イ)期間の経過に伴い資金の事業目的が変化しているもの
イ 事業の実績について取り上げたもの
(ア)事業実績が全くないもの又は継続的に少ない状況となっているもの
(イ)事業実績がピーク時に比べて近年低調となっているもの
(ウ)事業財源の減少に伴い事業実績が減少しているもの
(エ)その他事業の性格上効果の検証が容易でないものなど
ウ 資金の保有量について取り上げたもの
(ア)使用見込みのない資金を保有しているもの
(イ)追加造成によって資金が滞留しているもの
ア 資金設置後の経過年数について取り上げたもの(2法人2資金)
(ア)事業終了後も資金を保有していたもの(1資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
(財)食品産業センター (食品産業緊急機材整備事業) |
リース助成の実績がないまま事業を終了し、その後も補助金の返納を行わず資金を保有していた。 | <A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 13年10月に残余資金306,651千円を国に返納した。 |
(イ)期間の経過に伴い資金の事業目的が変化しているもの(1資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
全国商店街振興組合連合会 (商店街振興基金) |
事業の主目的は、消費税の円滑な転嫁という面から、中心市街地の空洞化等といった新たな商店街の情勢変化に対応した活性化対策へと変化している。 | <B-〔6〕 事業の継続、その他> 新たな商店街の情勢変化に対応した効果的な事業の実施を図るため、14年度から、事業実施後のフォローアップのためのアンケート調査を実施した。 |
(ア)事業実績が全くないもの又は継続的に少ない状況となっているもの(8資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
(財)食品流通構造改善促進機構 (食品流通構造改善対策債務保証事業基金) |
債務保証対象者が一定規模以上の企業や第3セクターに限定されていることなどから、資金設置以降債務保証実績がない。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 14年7月に債務保証契約書の書式を整備して、本債務保証を利用しやすくし、被保証者の事務負担の軽減を図った。 |
(財)海外漁業協力財団 (南太平洋漁業振興基金) |
〔1〕入漁料支払方式が変更されたが、貸付額の算定方法は従前どおりであり、制度的に資金需要が生じないため、漁業者に対する入漁料相当額の貸付実績は元年度以降ない。 〔2〕対象国が限定され、また、低金利の影響を受けるため、入漁料に係る借入金の利子補給が計画に比べて少ない。 |
<B-〔1〕〔3〕〔4〕事業の継続、余裕資金返納・内容変更・条件緩和> 15年次における本院の個別資金の検査の指摘に基づき、15年3月に実施要領を改正して、以下の措置を講じた。 〔1〕貸付事業を廃止し、残余資金のうち国庫補助金相当額496,662千円を国に返納した。 〔2〕利子補給割合の引上げ及び本事業の対象国の追加を行った。 (平成14年度決算検査報告参照) |
(財)魚価安定基金 (損失及び買取資金貸付事業資金) |
損失額の貸付けについては、損失額が小さいため貸付制度の利用に至る場合が少なく、買取額の貸付けについては、事前に手続を要するため事実上その発動が制限され、貸付実績が少ない。 | <B-〔4〕事業の継続、条件緩和> 14年4月に貸付手続の取扱いを改め、買取資金の貸付けに当たって、従来、事業主体が買取りを行う都度申請することとしていたものを、月に2回程度にまとめて申請できることとした。 |
(社)大日本水産会 (漁協経営基盤強化推進基金) |
利子助成の要件として、助成後の金利の下限が2%と設定されているが、系統資金の末端金利が2%程度で推移したため、事業開始以来、利子助成の実績がない。 | <B-〔3〕〔4〕事業の継続、内容変更・条件緩和> 14年3月に実施要領を改正し、助成後の下限金利を1.5%(15年度から0.6%)に引き下げたり、利子助成対象の拡大を行ったりした。 |
(社)電炉業構造改善促進協会 (債務保証事業基金) |
債務保証の対象となる会員の数が減少していること、各企業の合理化努力の効果が現れていることなどから、元年度以降の債務保証実績は2件となっている。 | <B-〔4〕 事業の継続、条件緩和> 15年7月に業務方法書を改正し、保証対象資金を拡大した。 |
(社)プラスチック処理促進協会 (債務保証基金) |
バブル崩壊後において全般的に景気低迷が続いたことなどから、元年度以降の債務保証実績は7件となっている。 | <B-〔4〕〔6〕事業の継続、条件緩和・その他> 14年12月に業務方法書を改正し、被保証者の資格、保証対象資金等を拡大したり、広報活動を実施したりした。 |
全国商工会連合会 (保証事業等に係る信用基金) |
都道府県等から多額の助成が行われていて、商工会等の負担分に充てる借入金が少ない額で済むことから、資金設置以降債務保証実績はない。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 13年4月以降、制度利用者から事業の利用上の課題についてヒアリングを行ったり、PRを強化したりした。 |
(財)産業廃棄物処理事業振興財団 (特定債務保証基金) (現:債務保証基金) |
産業廃棄物を処理する特定施設の建設に対して地元住民の反対が強く、整備が進まない例がみられるという事情から、資金設置以降の債務保証実績は1件となっている。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 本法人が別に設置している一般債務保証基金で多額の代位弁済が生ずる可能性が高まり、同基金の残高だけでは対応できない事態が生ずることも考えられたため、14年1月に寄附行為等を改正し、同基金と本基金を統合して効率的な利用が可能となるようにした。 |
(イ)事業実績がピーク時に比べて近年低調となっているもの(4資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
(財)中央果実生産出荷安定基金協会 (果実生産出荷安定資金) |
オレンジ果汁等の輸入自由化への対応が進んだことなどに伴い、生産者補給金交付額等は、ピーク時の11.9%となっている。 | <B-〔3〕〔4〕事業の継続、内容変更・条件緩和> 13年4月に新たな実施要綱等を制定し、果樹農家の経営安定を図るための事業の創設等事業内容の見直しを行った。また、15年3月にも実施要綱等を改正し、利用対象者を拡大した。 |
(財)中央果実生産出荷安定基金協会 (パインアップル緊急特別対策資金) (現:パインアップル対策資金) |
パインアップル調製品の輸入自由化への対応が進んだことなどに伴い、優良種苗の増殖等に対する補助金交付額は、ピーク時の17.0%となっている。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 15年度から事業内容の見直しを行って新たな事業を実施するとともに、事業の重点化を図った。 |
野菜供給安定基金 (加工用トマト生産安定対策事業資金) |
事業規模の縮小に伴い、加工用トマトの消費拡大対策や機械開発等に要した事業費は、ピーク時の20.4%となっている。 | <A-〔3〕事業の終了、保有額なし> 資金の目的は達したとして追加造成は行わず、資金残高が0円となった14年度末で資金事業を終了した。 |
(財)金属鉱業緊急融資基金 (経営安定化資金) |
鉱業権者等の数が減少し、直近の利子補給額はピーク時の3.8%となっている。 | <A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 法人の目的は達成したとして15年12月に解散し、残余資金のうち国庫補助金相当額720,205千円を国に返納した。 |
(ウ)事業財源の減少に伴い事業実績が減少しているもの(2資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
漁船保険中央会 (漁船保険振興事業資金) |
運用益で海難防止助成事業等を実施しているが、運用益の減少に伴い事業規模はピーク時の36%に減少している。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 14年度以降、事業ニーズを踏まえて必要な事業に重点配分することとした。また、16年6月に、取崩し型へ移行することも含めてアンケート調査を実施し、その結果を踏まえて、引き続き運用型で事業を実施している。 |
(社)潤滑油協会 (潤滑油製造業近代化基金) |
運用益で潤滑油に関する品質・性能試験研究等を実施しているが、運用益の減少に伴い事業規模はピーク時の46%に減少している。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 16年4月に基金対象事業検討会を設置し、事業の重点化・効率化を図ることについて検討した。 |
(エ)その他事業の性格上効果の検証が容易でないものなど(4資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
(社)大豆供給安定協会 (備蓄基金) |
資金設置以来27年間備蓄大豆の放出はない一方、毎年度多額の保管料等を要している。また、借入金により購入した大豆を買い替えることにより、時価に比べ割高となった借入金に対する利息の負担軽減を図る必要がある。 | <B-〔2〕〔3〕〔6〕事業の継続、追加造成取りやめ・内容変更・その他> 14年度以降、買替えを実施することにより借入利息の負担軽減を図るとともに、売払いを実施して備蓄数量の削減を行った。 |
(社)配合飼料供給安定機構 (備蓄基金) |
資金設置以来25年間備蓄穀物の放出はない一方、毎年度多額の保管料等を要している。また、借入金により購入した飼料穀物を買い替えることにより、時価に比べ割高となった借入金に対する利息の負担軽減を図る必要がある。 | <B-〔2〕〔3〕〔6〕事業の継続、追加造成取りやめ・内容変更・その他> 14年度以降、買替えを実施することにより借入利息の負担軽減を図るとともに、売払いを実施して備蓄数量の削減を行った。 |
(財)古紙再生促進センター (債務保証事業基金) |
古紙業界において設備の近代化を推進するためには、協同化・協業化が有効な手段であるが、この手段により近代化を行うための借入れに係る債務保証実績は少ない。 | <B-〔6〕事業の継続、その他> 古紙供給業者等が構成員となっている各地区委員会の事務局連絡会を13年度より2回に増やし、本制度の実施状況を報告したり、PRを強化したりした。 |
(財)船舶解撤事業促進協会 (船舶解撤促進助成基金) |
造船事業者が行う船舶解撤事業に対して助成金を交付して、造船事業者の仕事量の確保、外航海運における船腹過剰の解消を図ることを目的としているが、業界全体として仕事量の確保にどの程度貢献しているかの検証が容易でない。 また、世界レベルの船腹過剰問題を1法人1資金の規模で行うことによる効果の検証は容易でない。 |
<A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 海事分野に関する国際的な問題の解決を図る国際海事機関において、船舶解撤問題の解決を図る方向が明確となり、資金の果たす役割を終えたとして、16年度末をもって資金事業を終了した。 なお、17年8月に残余資金のうち国庫補助金相当額2,024,942千円を国に返納した。 |
(ア)使用見込みのない資金を保有しているもの(4資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
(財)私学研修福祉会 (被災私立学校支援基金) |
利子補給の対象は7、8両年度の融資としており、利子補給期間内の所要額は8年度末で算定できたことから、それを超える額は8年度末時点で国庫に返納が可能であった。 | <A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 13年度末で利子補給期間が終了したことから、14年8月に、残余資金19,473千円を国に返納して事業を終了した。 |
(財)食品産業センター (特定農水産物加工利用増進等事業) |
12年度でリース助成の新規採択は行わないことから、利子助成期間が終了する16年度末までの助成額は確定しており、それを超える額は国庫に返納できる状況である。 | <A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 14年7月に使用見込みのない350,082千円を国に返納した。その後、16年8月に資金事業を終了した。 |
(財)中央果実生産出荷安定基金協会 (特別資金) |
本資金の運用益は、果実生産出荷安定資金の運用益と合わせて特別事業の実施に充てるものであるが、元年度以降の事業費は果実生産出荷安定基金の運用益の範囲内に収まっており、本資金を保有していなくても特別事業が実施できる状況である。 | <A-〔2〕事業の終了、他資金に承継> 本法人が保有している果実生産出荷安定資金及び果樹特別対策資金で行っている事業と併せてより効果的に実施することとしたことから、12年度末で本資金の運用益による特別事業を終了し、残余資金320,122千円を果樹特別対策資金に承継した。 |
(社)ソーラーシステム振興協会 (ソーラーシステム普及促進融資基金) |
ソーラーシステムの設置者に対する利子補給を行い、運用益は、普及促進事業等の経費の財源及び財源不足に備えた準備金として積み立てている。 しかし、資金事業が終了する16年度までに要する普及促進事業等の経費は、準備金で十分賄えると認められることから、資金のうち利子補給に要する分以外は、事業終了前に国に返納することが可能な状況である。 |
<A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 利子補給期間が終了した16年度末で事業を終了した。 なお、17年9月に残余資金のうち国庫補助金相当額1,120,688千円を国に返納した。 |
(イ)追加造成によって資金が滞留しているもの(3資金)
法人名 (資金(事業)名) |
平成12年度決算検査報告に掲記した検討すべき点の概要 | 主な見直し等の内容 |
(財)甘味資源振興会(いもでん粉工場再編整備対策資金) (現:いもでん粉工場再編整備等対策資金) |
事業期間の最終年度である12年度に2回の追加造成を行っているが、当年度の事業費は、前年度末の保有額と1回目の追加造成額で賄えたので、2回目の交付を受けなくても事業の実施が可能な状況であった。 | <B-〔3〕事業の継続、内容変更> 14年3月及び16年6月に新たに通知を発し、いもでん粉工場再編整備の更なる効果発現に資するための緊急的措置として、生産性の向上・製造コストの低減を図る等の産地の自主的取組に対する助成金の交付事業を実施した。 |
(財)中央果実生産出荷安定基金協会 (果樹等緊急対策資金) (現:果樹特別対策資金及び特定畑作物等対策資金) |
4年度末から6年度末までの保有額は90億円前後で推移していた。そして、7年度から12年度の間には、ガット・ウルグアイ・ラウンド対策を緊急的に実施するため、国庫補助金や果実生産出荷安定資金からの繰入れにより追加造成を行った。 しかし、事業執行が見込みを下回ったことから、12年度末には約133億円の保有額となっている。 |
<B-〔2〕〔3〕事業の継続、追加造成取りやめ・内容変更> 13年度以降追加造成を取りやめるとともに、13年度から天候等によって果実の需給不均衡や品質が低下した場合などの市場隔離や調整保管に要する経費を補助する事業を新規に行うなどした。 |
(財)農林水産長期金融協会 (農山漁村振興基金) |
各年度の新規貸付けに対応する返済終了までの利子助成分を毎年度追加造成しているが、各年度の貸付けが計画どおりに伸びていないことなどから、毎年度多額の使用残見込額を保有する結果となっている。 | <B-〔2〕〔4〕事業の継続、追加造成取りやめ・条件緩和> 過去の使用残見込額を活用することとし、14年度は大幅に追加造成を減額し、15、16両年度は、追加造成を行わないなどとした。 |
上記(2)の27資金を除いた67資金に係る見直し等の状況は、前記(1)の表2-1
のとおりであるが、このうち、社会経済情勢の変化等に対応した見直しが行われたと認められる主な事例を示すと、次のとおりである。
なお、各事例中の文頭に記載している記号は、前記(1)の表2-1
の「区分」の記号である。
〔1〕 社会経済情勢の変化に対応して資金事業を廃止したもの
所管 省名 |
法人名 | 資金(事業)名 | 設置 年度 |
使途別分類 運営形態別分類 |
文部科学省 | 日本体育・学校健康センター | 学校給食用物資安定供給基金 | 昭和 50 |
貸付け 回転型 |
<A-〔1〕事業の終了、国庫返納> 本資金による事業は、学校給食用物資を低廉かつ安定した価格で供給できるよう、都道府県給食会に学校給食用物資の購入資金を貸し付けるものである。 しかし、特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月閣議決定)において「学校給食、関係業務については、社会経済情勢の変化等により国が給食物資に関与すべき時代ではなくなっており、諸条件を整えて、センターの業務としては廃止する」と指摘されたことを踏まえ、平成15年9月に本事業を廃止して残余資金18億4202万円を国へ返納した。 |
〔2〕 将来必要となる額を超える保有額を返納したもの
所管 省名 |
法人名 | 資金(事業)名 16年度未保有額(国庫補助金相当額) |
設置 年度 |
使途別分類 運営形態別分類 |
総務省 | 独立行政法人情報通信研究機構 (旧通信・放送機構) |
高度電気通信施設整備促進基金 4,338,805(同額)千円
|
平成 7 |
利子助成 取崩し型 |
<B-〔1〕事業の継続、余裕資金返納> 本資金による事業は、電気通信基盤充実臨時措置法(平成3年法律第27号)に基づき、高度通信施設整備事業等を実施するために電気通信事業者等が行った借入れに対し、利子助成を行うものである。 平成16年4月に旧通信・放送機構が旧独立行政法人通信総合研究所と統合し、独立行政法人情報通信研究機構として発足するに当たり、資金についても、15年度末の資金保有額105億2791万円のうち、当分の間事業に必要な資金44億5222万円を承継することとし、残余の60億7568万円を国に返納した。 |
〔3〕 現在の金融情勢に対応した資金の運営形態に改めたもの
所管 省名 |
法人名 | 資金(事業)名 16年度未保有額(国庫補助金相当額) |
設置 年度 |
使途別分類 運営形態別分類 |
経済産業省 | 全国商工会連合会 | 商工会等記帳機械化等オンライン化推進事業基金 6,000,000(同額)千円
|
昭和 63 |
補助・補てん 取崩し型 |
<B-〔5〕事業の継続、資金運営形態変更> 本資金による事業は、平成元年の消費税導入に伴い、コンピュータを活用した記帳機械化による記帳継続指導を推進するため、オンライン処理を行う際の回線使用料や情報化時代に対応したシステム開発を行う事業等に補助するものである。そして、この資金は、資金を取り崩さずに運用益のみで事業を行うスキームとしていた。 元年度以降の運用益をみると、ピーク時の2年度には5億円(事業費約5200万円)あったが、近年の運用利回りの低下に伴い、直近3年間(14年度から16年度)の平均では年約1600万円(同2億円)まで減少していて、7年度以降は積み立てていた運用益の残余を取り崩して事業費に充当している状況となっている。そして、本資金の事業費は、税制及び会計制度の変更、IT化の急速な進展などに伴って今後更に増こうしていくものと推測されている。 このため、経済産業省(中小企業庁)及び本法人では、15年3月に運営要領を改正して、資金そのものを取り崩して事業費に充てることができることとした。 |