この特別会計は、国が経営する健康保険事業及び厚生年金保険事業並びに児童手当に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されていたものである。
なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により19年4月1日に廃止され、同特別会計に所属していた権利及び義務は、同日に設置された年金特別会計に帰属するものとされた。
厚生保険特別会計は、健康、年金、児童手当及び業務の4勘定に区分して経理されており、その勘定別の18年度の歳入歳出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
ア 健康勘定
(ア) 歳入歳出決算
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
9,093,805,898
|
9,015,417,407
|
収納済歳入額
|
9,043,569,213
|
8,963,740,174
|
不納欠損額
|
12,964,794
|
16,349,297
|
収納未済歳入額
|
37,271,890
|
35,327,935
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
9,076,624,921
|
8,952,591,827
|
支出済歳出額
|
8,938,012,184
|
8,839,219,852
|
不用額
|
138,612,736
|
113,371,974
|
不納欠損額の主なものは保険料収入(徴収決定済額6兆6926億1793万余円)の122億1036万余円である。収納未済歳入額は、保険料収入の358億9872万余円及び雑収入(同172億1730万余円)の13億7316万余円である。また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額4兆1457億8261万円)の606億7861万余円、老人保健拠出金(同1兆7374億8264万余円)の174億8399万余円及び介護納付金(同6191億2971万余円)の162億2297万余円である。
(イ) 損益
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
利益
|
7,612,244,267
|
7,643,887,737
|
(うち保険料)
|
(6,654,084,253)
|
(6,574,364,824)
|
損失
|
7,532,438,137
|
7,722,927,362
|
(うち保険給付費)
|
(4,085,036,176)
|
(4,050,023,292)
|
利益金(△損失金)
|
79,806,130
|
△79,039,625
|
前年度繰越損失金
|
1,040,740,359
|
837,124,064
|
翌年度繰越損失金
|
1,066,491,257
|
1,040,684,012
|
(ウ) 借入金等
区分
|
18年度末
|
(17年度末)
|
千円
|
千円
|
|
借入金現在額
(財政融資資金)
|
1,479,228,212
|
1,479,228,212
|
事業運営安定資金
|
402,168,229
|
264,974,634
|
(エ) 主な業務実績
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
健康保険の一般被保険者数(年度末)
|
19,501千人
|
19,156千人
|
(保険給付)
|
||
医療給付
|
3,530,097,281千円
|
3,514,523,907千円
|
現金給付(傷病手当金等)
|
551,799,149千円
|
532,099,051千円
|
老人保健拠出金
|
1,719,109,060千円
|
1,789,318,684千円
|
退職者給付拠出金
|
930,591,501千円
|
795,067,417千円
|
介護納付金
|
602,326,387千円
|
594,555,322千円
|
健康保険の日雇特例被保険者数(年度末)
|
13千人
|
15千人
|
(保険給付)
|
||
医療給付
|
2,454,357千円
|
2,754,603千円
|
現金給付(傷病手当金等)
|
753,210千円
|
721,152千円
|
老人保健拠出金
|
889,592千円
|
727,134千円
|
介護納付金
|
580,354千円
|
832,535千円
|
イ 年金勘定
(ア) 歳入歳出決算
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
35,596,436,860
|
38,675,585,091
|
収納済歳入額
|
35,499,646,878
|
38,573,966,680
|
不納欠損額
|
27,127,015
|
36,315,819
|
収納未済歳入額
|
69,662,965
|
65,302,590
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
35,402,320,724
|
38,592,363,624
|
支出済歳出額
|
34,397,516,873
|
37,606,752,076
|
不用額
|
1,004,803,850
|
985,611,547
|
不納欠損額は、保険料収入(徴収決定済額21兆0776億0892万余円)の259億1381万余円及び雑収入(同4388億9917万余円)の12億1320万余円である。収納未済歳入額は、保険料収入の682億3421万余円及び雑収入の14億2875万余円である。また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額22兆8716億1740万余円)の6175億2326万余円、諸支出金(同1317億8358万余円)の330億3075万余円及び国民年金特別会計へ繰入(同11兆9316億9874万余円)の93億0095万余円である。
(イ) 損益
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
利益
|
31,869,891,814
|
33,448,027,235
|
(うち保険料)
|
(20,997,875,125)
|
(20,057,493,140)
|
損失
|
34,454,411,314
|
36,021,545,576
|
(うち保険給付費)
|
(22,254,093,440)
|
(21,986,252,681)
|
損失金
|
2,584,519,500
|
2,573,518,341
|
前年度繰越利益金
|
137,017,225,174
|
139,590,743,516
|
翌年度繰越利益金
|
134,432,705,673
|
137,017,225,174
|
(ウ) 積立金
区分
|
18年度末
|
(17年度末)
|
千円
|
千円
|
|
積立金現在額
|
128,985,388,270
|
131,412,199,573
|
(うち運用寄託金現在額)
|
(90,824,766,338)
|
(77,770,059,105)
|
(エ) 主な業務実績
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
|
厚生年金保険の被保険者数(年度末)
|
33,794千人
|
33,021千人
|
|
老齢厚生年金等の支給
|
受給権者数
|
26,155千人
|
25,109千人
|
支給額
|
22,254,094,134千円
|
21,986,252,821千円
|
ウ 児童手当勘定
(ア) 歳入歳出決算
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
367,823,680
|
458,044,125
|
収納済歳入額
|
367,823,680
|
458,044,124
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
376,567,077
|
468,973,955
|
支出済歳出額
|
341,212,381
|
446,003,188
|
翌年度繰越額
|
46,769
|
21,805
|
不用額
|
35,307,926
|
22,948,961
|
不用額の主なものは、被用者児童手当交付金(歳出予算現額2655億6493万余円)の240億5261万余円、児童育成事業費(同334億0878万余円)の59億6616万余円及び非被用者児童手当交付金(同715億1805万余円)の12億1471万余円である。
なお、児童手当法(昭和46年法律第73号)の一部改正により、児童手当の支給対象年齢が小学校第3学年修了前までから小学校修了前までに延長され、18年4月から施行された。
(イ) 積立金
区分
|
18年度末
|
(17年度末)
|
千円
|
千円
|
|
積立金現在額
|
90,239,242
|
79,609,962
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
|
児童手当の交付
|
交付対象児童数
|
11,818千人
|
8,790千人
|
交付額
|
734,398,579千円
|
570,744,997千円
|
エ 業務勘定
(ア) 歳入歳出決算
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
499,710,080
|
4,627,732,811
|
収納済歳入額
|
472,134,352
|
4,597,357,606
|
不納欠損額
|
8,392,680
|
10,628,269
|
収納未済歳入額
|
19,183,047
|
19,746,935
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
467,635,670
|
4,683,506,038
|
支出済歳出額
|
440,201,282
|
4,554,993,395
|
翌年度繰越額
|
−
|
56,070
|
不用額
|
27,434,387
|
128,456,572
|
不納欠損額の主なものは雑収入(徴収決定済額404億5049万余円)の82億1806万余円である。収納未済歳入額の主なものは雑収入の187億3602万余円である。また、不用額の主なものは、業務取扱費(歳出予算現額1559億1533万余円)の115億1513万余円、保健事業費(同775億3197万余円)の70億9908万余円及び福祉施設事業費(同842億2697万余円)の70億8997万余円である。
(イ) 損益
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
利益
|
479,084,054
|
1,556,024,571
|
(うち一般会計より受入)
|
(86,575,659)
|
(88,058,271)
|
損失
|
493,773,825
|
1,563,322,165
|
(うち業務費)
|
(144,951,451)
|
(143,620,178)
|
損失金
|
14,689,771
|
7,297,593
|
(損失金の処理)
|
||
繰越利益金を減額して整理
|
14,689,771
|
7,297,593
|
前年度繰越利益金
|
159,455,267
|
167,176,052
|
翌年度繰越利益金
|
144,765,496
|
159,878,458
|
(ウ) 資金
区分
|
18年度末
|
(17年度末)
|
千円
|
千円
|
|
特別保健福祉事業資金現在額
|
1,503,101,254
|
1,502,304,528
|
なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもの」 、「厚生年金保険の老齢厚生年金の支給が適正でなかったもの」 、「医療費に係る国の負担が不当と認められるもの」 及び「健康保険・厚生年金保険適用関係届書に係るデータ入力等業務委託契約の予定価格の積算が適切なものとなるよう是正改善の処置を求めたもの」 を掲記した。