この銀行は、一般の金融機関と競争しないことを旨としつつ、我が国の輸出入若しくは海外における経済活動の促進又は国際金融秩序の安定に寄与するための貸付け等並びに開発途上にある海外の地域の経済及び社会の開発又は経済の安定に寄与するための貸付け等を行い、もって我が国及び国際経済社会の健全な発展に資することを目的として設置されているものである。その資本金は18年度末現在で8兆2170億0847万余円となっている。
同銀行の18年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(ア) 収入支出決算
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
(収入)
|
||
収入済額
|
748,694,437
|
641,855,093
|
(支出)
|
||
支出予算現額
|
689,263,971
|
642,698,663
|
支出済額
|
518,091,428
|
423,843,388
|
不用額
|
171,172,542
|
218,855,274
|
不用額の主なものは支払利息(支出予算現額6555億8441万余円)の1683億2454万余円である。
(イ) 損益
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
千円
|
千円
|
|
a 国際金融等勘定
|
||
経常収益
|
424,911,158
|
406,592,532
|
(うち貸付金利息)
|
(336,856,994)
|
(320,026,070)
|
経常費用
|
354,632,473
|
334,416,734
|
(うち借入金利息)
|
(76,547,259)
|
(91,355,310)
|
当年度利益金
|
70,278,685
|
72,175,797
|
(利益金の処理)
|
||
翌年度に準備金として整理
|
35,139,342
|
36,087,898
|
産業投資特別会計に納付
|
35,139,342
|
36,087,898
|
b 海外経済協力勘定
|
||
経常収益
|
680,016,768
|
687,990,620
|
(うち貸付金利息)
|
(240,360,081)
|
(248,332,947)
|
経常費用
|
540,614,960
|
633,252,793
|
(うち借入金利息)
|
(80,957,916)
|
(88,995,137)
|
当年度利益金
|
139,401,808
|
54,737,827
|
(利益金の処理)
|
||
翌年度に積立金として整理
|
139,401,808
|
54,737,827
|
(ウ) 借入金等
区分
|
18年度末
|
(17年度末)
|
千円
|
千円
|
|
a 国際金融等勘定
|
||
借入金残高
|
4,380,023,000
|
4,906,569,000
|
(財政融資資金等)
|
||
債券発行残高
|
1,914,516,935
|
1,981,421,941
|
準備金残高
|
745,236,073
|
709,148,174
|
b 海外経済協力勘定
|
||
借入金残高(財政融資資金等)
|
3,714,803,025
|
4,020,220,206
|
債券発行残高
|
−
|
10,000,000
|
積立金残高
|
166,062,428
|
111,324,601
|
(エ) 主な業務実績
区分
|
18年度
|
(17年度)
|
||||
a 国際金融等勘定
|
||||||
(a) 貸付業務
|
||||||
貸付け
|
件数
|
238件
|
258件
|
|||
金額
|
1,059,104,074千円
|
851,401,626千円
|
||||
貸付金回収
|
金額
|
1,299,419,819千円
|
1,579,111,237千円
|
|||
年度末貸付金残高
|
件数
|
1,845件
|
2,065件
|
|||
金額
|
7,823,666,159千円
|
7,900,557,151千円
|
||||
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に銀行において開示している債権
|
||||||
破綻先債権
|
47,333,394千円
|
47,333,394千円
|
||||
延滞債権
|
126,610,967千円
|
156,454,295千円
|
||||
3カ月以上延滞債権
|
−
|
2,714,769千円
|
||||
貸出条件緩和債権
|
112,868,681千円
|
141,007,881千円
|
||||
計
|
286,813,043千円
|
347,510,341千円
|
||||
貸倒等引当金
|
23,470,998千円
|
23,701,671千円
|
||||
(貸倒等引当金計上率)(注)
|
(3.0/1000)
|
(3.0/1000)
|
||||
貸倒等引当金に計上できる金額は、当該年度末における貸付金残高に3/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。
これに加えて、貸付金残高のうち、債務救済方式の見直しに伴う債権放棄に備えるため、対象となる特定貸付金については、下記のように別途貸倒等引当金を計上している。
|
||||||
貸倒等引当金
|
14,892,027千円
|
15,623,773千円
|
||||
(貸倒等引当金計上率)(注)
|
(1000.0/1000)
|
(1000.0/1000)
|
||||
貸倒等引当金に計上できる金額は、国際通貨基金及び国際開発協会の重債務貧困国措置の対象となる債権、又は対象となる可能性がある債権、及び国際連合貿易開発会議の貿易開発理事会措置の対象となる債権ごとの当該年度末における残高の合計額以内の額とされている。
また、貸付金残高のうち、公的債務の繰延べ交渉を行う債権国会議において合意された債務負担軽減措置にかかる特定貸付金については、この貸倒れによる損失に備えるために、下記のように別途貸倒等引当金を計上している。
|
||||||
貸倒等引当金(注)
|
16,587,295千円
|
15,683,194千円
|
||||
貸倒等引当金に計上できる金額は、当該年度末における対象債権残高にそれぞれの債務国について適用される債務削減率を乗じて計算した額の合計額以内の額とされている。
|
(b) 保証業務
保証
|
件数
|
103件
|
101件
|
金額
|
586,849,334千円
|
294,107,760千円
|
|
減少した保証債務
|
金額
|
160,977,769千円
|
154,330,810千円
|
年度末保証債務残高
|
件数
|
590件
|
715件
|
金額
|
1,492,438,534千円
|
1,055,082,671千円
|
(c) 出資業務
出資
|
会社等数
|
1
|
2
|
金額
|
432,909千円
|
293,996千円
|
|
年度末出資金残高
|
会社等数
|
3
|
3
|
金額
|
809,584千円
|
384,959千円
|
b 海外経済協力勘定
(a) 貸付業務
|
||||
貸付け
|
件数
|
413件
|
432件
|
|
金額
|
606,653,785千円
|
657,626,825千円
|
||
貸付金回収
|
金額
|
619,013,273千円
|
503,101,554千円
|
|
年度末貸付金残高
|
件数
|
1,921件
|
1,941件
|
|
金額
|
11,378,615,978千円
|
11,428,913,361千円
|
||
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に銀行において開示している債権
|
||||
破綻先債権
|
−
|
−
|
||
延滞債権
|
76,876,727千
|
96,998,320千円
|
||
3カ月以上延滞債権
|
−
|
−
|
||
貸出条件緩和債権
|
185,191,614千円
|
184,691,309千円
|
||
計
|
262,068,342千円
|
281,689,629千円
|
||
(開発途上国政府等に対する円借款)
|
||||
貸倒等引当金
|
1,137,483千円
|
1,142,472千円
|
||
(貸倒等引当金計上率)(注)
|
(0.1/1000)
|
(0.1/1000)
|
||
貸倒等引当金に計上できる金額は、当該年度末の円借款の貸付残高に15/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。
これに加えて、貸付金残高のうち、債務救済方式の見直しに伴う債権放棄に備えるため、対象となる特定貸付金については、下記のように別途貸倒等引当金を計上している。
|
||||
貸倒等引当金
|
363,533,000千円
|
364,683,895千円
|
||
(貸倒等引当金計上率)(注)
|
(1000.0/1000)
|
(1000.0/1000)
|
||
貸倒等引当金に計上できる金額は、国際通貨基金及び国際開発協会の重債務貧困国措置の対象となる可能性がある債権ごとの当該年度末における残高の合計額以内の額とされている。
|
||||
(民間企業等に対する海外投融資)
|
||||
貸倒等引当金
|
113,520千円
|
125,574千円
|
||
(貸倒等引当金計上率)(注)
|
(30.0/1000)
|
(30.0/1000)
|
||
貸倒等引当金に計上できる金額は、当該年度末の海外投融資の貸付残高に30/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。
|
(b) 出資業務
区分
|
18年度
|
17年度
|
||
出資
|
会社等数
|
2
|
2
|
|
金額
|
135,350千円
|
111,845千円
|
||
年度末出資金残高
|
会社等数
|
16
|
19
|
|
金額
|
139,940,148千円
|
152,797,838千円
|
||
貸倒等引当金(注)
|
29,311,302千円
|
35,627,966千円
|
||
貸倒等引当金に計上できる金額は、各会社等ごとに当該年度末における各会社等に対する銀行の出資金残高を限度として、各会社等の欠損金の額に各会社等の資本金に対する銀行の出資金残高の割合を乗じて得た金額の合計額の範囲内とされている。
|
なお、この銀行について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「職員の不正行為による損害が生じたもの」 を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「政府開発援助(ODA)に関する会計検査の結果について」 、「我が国政府開発援助における無償資金協力及び技術協力において被援助国が実施する施設の建設や資機材の調達等の契約に関する会計検査の結果について」 及び「政府開発援助の状況について」 を掲記した。