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  • 平成19年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

農林水産省所管  食料安定供給特別会計


(14) 農林水産省所管  食料安定供給特別会計

 この特別会計は、農業経営基盤強化事業、農業経営安定事業及び食糧の需給及び価格の安定のために行う事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
 なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により19年4月1日に設立され、同日に廃止された食糧管理特別会計及び農業経営基盤強化措置特別会計に所属していた権利及び義務を承継している。また、19年度の末日において、国営土地改良事業特別会計に所属していた未完了借入事業の工事に係る権利及び義務を承継している。
 同特別会計は、農業経営基盤強化、農業経営安定、米管理、麦管理、業務及び調整の6勘定に区分して経理されており、その勘定別の19年度の歳入歳出決算、損益、積立金、主な業務実績、調整資金の増減額及び政府短期証券(食糧証券)の発行は次のとおりである(注1)

 食糧管理特別会計において経理されていた国内米管理、国内麦管理、輸入食糧管理、輸入飼料、業務及び調整の6勘定並びに農業経営基盤強化措置特別会計に係る経理は、本特別会計の農業経営基盤強化、米管理、麦管理、業務及び調整の5勘定において経理することとされたため、歳入歳出決算等の区分が異なり、19年度と18年度とを対比できないものがある。

ア 農業経営基盤強化勘定

 この勘定は、農業経営基盤の強化に資するための農地等の買収、売渡し等及び農地保有合理化事業等に係る補助金の交付等、農業経営の改善等に資するための農業改良資金の貸付け並びに青年等の就農促進を図るための就農支援資金の貸付けに関する経理を行うものである。
 
(ア)歳入歳出決算
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
(歳入)
 
 
 徴収決定済額
36,513,722
 収納済歳入額
36,024,396
 不納欠損額
2,026
 収納未済歳入額
487,299
(歳出)
 
 
 歳出予算現額
33,350,506
 支出済歳出額
23,612,036
 不用額
9,738,469
 
(イ)損益
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 利益
 (うち農業改良資金貸付金納付金)
6,072,819
(3,104,039)
 
 損失
 (うち農地保有合理化促進対策費)
13,817,476
(11,929,763)
 
 損失金
7,744,656
 
 前年度繰越利益金
 翌年度繰越損失金
3,083,414
4,661,242
 
 
(ウ)主な業務実績
 
 
 
区分
19年度
(18年度)
(農地等の売渡し等)
 
 
 農地等の売渡し
1,137千m2
500千m2
 農地等の買収
3千m2
1千m2
 年度末所有農地等(注2)
(うち貸付け農地等)
44,499千m2
(2,153千m2
46,132千m2
(2,247千m2
(農地保有合理化事業等に係る補助金の交付等)
 
 
 農地保有合理化法人に対する補助金の交付
1,800,867千円
2,114,111千円
 全国農地保有合理化協会に対する補助金の交付
8,654,459千円
13,492,487千円
農林漁業金融公庫等に対する貸付金の貸付け
8,972,126千円
9,821,652千円
(農業改良資金)
 
 
 都道府県に対する農業改良資金貸付金の貸付け
(就農支援資金)
 
 
 都道府県に対する就農支援資金貸付金の貸付け
820,652千円
1,261,500千円
 「年度末所有農地等」の面積は国有財産台帳に登載されている面積

イ 農業経営安定勘定

 この勘定は、農業経営安定事業生産条件不利補正対策交付金及び農業経営安定事業収入減少影響緩和対策交付金の交付事業に関する経理を行うものである。
 
(ア)歳入歳出決算
 
 
 
 区分
19年度
千円
 
(歳入)
 
 
 徴収決定済額
152,834,422
 
 収納済歳入額
152,834,422
 
(歳出)
 
 
 歳出予算現額
153,879,527
 
 支出済歳出額
148,551,114
 
 不用額
5,328,412
 
 
(イ)損益
 
 
 
 区分
19年度
千円
 
 利益
 (うち調整勘定より受入)
145,759,354
(68,930,811)
 
 損失
 (うち農業経営安定事業費)
148,551,114
(148,123,074)
 
 損失金
2,791,760
 
(翌年度繰越損失金
2,791,760)
 
 
(ウ)主な業務実績
 
 
 
区分
19年度
 
 認定農業者等に対する農業経営安定事業生産条件不利補正対策交付金の交付
147,827,832千円
 

ウ 米管理勘定

  この勘定は、国内米の備蓄に伴う売買等及び輸入米の売買に伴う事業に係る経理を行うものである。
 
(ア)歳入歳出決算
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
(歳入)
 
 
 徴収決定済額
712,458,556
 収納済歳入額
709,595,120
 収納未済歳入額
2,863,435
(歳出)
 
 
 歳出予算現額
757,394,129
 支出済歳出額
675,207,634
 翌年度繰越額
401,599
 不用額
81,784,895
 不用額の主なものは、米買入費(歳出予算現額1831億3871万余円)の248億8434万余円、米管理費(同871億9003万余円)の148億2574万余円及び返還金等他勘定へ繰入(同4470億6538万余円)の20億7481万余円である。(なお、不用額のうちには予備費に係るものが400億円ある。)
 
(イ)損益
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 利益
 (うち売上高)
100,538,895
(95,291,320)
(−)
 損失
 (うち売上原価)
(うち事業管理費)
204,040,476
(119,723,543)
(69,040,847)
(−)
(−)
 損失金
103,501,581
(損失金の処理)
 
 
 調整勘定へ移し整理
103,501,581
 
(ウ)主な業務実績
 
 
 
区分
19年度
(18年度)
 米穀買入れ
107万t
−万t
   売渡し
119万t
−万t
   年度末在庫
214万t
−万t

エ 麦管理勘定

 この勘定は、輸入麦等の売買等に伴う事業に係る経理を行うものである。
 
(ア)歳入歳出決算
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
(歳入)
 
 
 徴収決定済額
418,927,593
 収納済歳入額
418,927,593
(歳出)
 
 
 歳出予算現額
477,178,601
 支出済歳出額
418,460,544
 不用額
58,718,057
 不用額の主なものは、返還金等他勘定へ繰入(歳出予算現額1700億9867万余円)の540億5402万余円、麦買入費(同2986億9791万余円)の32億8805万余円及び麦管理費(同83億8201万余円)の13億7597万余円である。
 
(イ)損益
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 利益
 (うち売上高)
311,110,325
(310,689,880)
(−)
 損失
 (うち売上原価)
359,530,599
(280,635,197)
(−)
 損失金
48,420,273
(損失金の処理)
 
 
 調整勘定へ移し整理
48,420,273
 
(ウ)主な業務実績
 
 
 
区分
19年度
(18年度)
 麦類買入れ
625万t
−万t
   売渡し
622万t
−万t
   年度末在庫
74万t
−万t

オ 業務勘定

  この勘定は、農業経営基盤強化勘定、農業経営安定勘定、米管理勘定及び麦管理勘定の各事業勘定に共通する事務人件費に係る経理を行うものである。
 
(ア)歳入歳出決算
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
(歳入)
 
 
 徴収決定済額
20,427,098
 収納済歳入額
20,427,098
(歳出)
 
 
 歳出予算現額
26,080,243
 支出済歳出額
19,809,486
 不用額
6,270,757
 
(イ)損益
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 利益
 (うち米管理勘定より業務経費受入)
17,409,260
(11,597,006)
(−)
 損失
 (うち食糧事業事務取扱費)
47,156,855
(16,598,491)
(−)
 損失金
29,747,595
(損失金の処理)
 
 
 調整勘定へ移し整理
29,747,595

カ 調整勘定

 この勘定は、各事業勘定が必要とする資金の手当(一般会計の受入、食糧証券の発行、各事業勘定で生じた決算剰余金の集約等による資金の調達と返済)を一括して行うとともに、米管理勘定、麦管理勘定及び業務勘定の損益を移し受けて整理する機能を有しているものである。
 
(ア)歳入歳出決算
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
(歳入)
 
 
 徴収決定済額
1,279,487,285
 収納済歳入額
1,279,487,285
(歳出)
 
 
 歳出予算現額
1,319,480,680
 支出済歳出額
1,256,677,747
 不用額
62,802,932
 不用額は、主要食糧及輸入飼料買入費等財源他勘定へ繰入(歳出予算現額8434億7864万余円)の615億0208万余円及び国債整理基金特別会計へ繰入(同4760億0203万余円)の13億0084万余円である。
 
(イ)損益
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 利益
 (うち一般会計より受入)
71,775,310
(67,204,108)
(−)
 損失
 (うち農業経営安定勘定へ繰入)
 (うち食糧証券割引差額)
71,775,310
(68,930,811)
(2,700,352)
(−)
(−)
 
(ウ)積立金
 
 
 
 区分
19年度末
千円
(18年度末)
千円
 積立金現在額
15,342,965
16,342,965
 
(エ)調整資金の増減額
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 年度首資金
90,716,879
 本年度受入額
151,000,000
 本年度損失整理
181,669,450
 損失整理後の現在額
60,047,429
 
(オ)政府短期証券(食糧証券)の発行
 
 
 
 区分
19年度
千円
(18年度)
千円
 繰越債務額
472,000,000
 本年度発行額
1,799,000,000
 本年度償還額
1,734,000,000
 年度末現在額
537,000,000

 なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「国庫補助事業に係る事務費等の執行に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な経理処理を行って物品の購入等に係る需用費を支払ったり、補助の対象とならない用途に賃金や旅費を支払ったりしていたもの 」び「政府所有米穀の変形加工において、変形加工単価の算定を工場加工経費の実態に即したものとすることなどにより変形加工に係る支払額の節減を図ったり、指示歩留りを加工の実態に即したものとすることにより加工会社に引き渡す米穀数量の低減を図ったりするよう改善させたもの 」を掲記した。