この特別会計は、国が施行する港湾整備事業に関する経理及び港湾管理者が施行する港湾整備事業に対する負担金又は補助金の交付等に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されていたものである。
なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により19年4月1日に廃止されたが、同法により、19年度の末日までの期間に限り暫定的に設置することとされていた。そして、19年度の末日において、同特別会計に所属していた権利及び義務は社会資本整備事業特別会計の港湾勘定等に帰属するものとされた。
港湾整備特別会計は、港湾整備及び特定港湾施設工事の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の19年度の歳入歳出決算及び主な業務実績は次のとおりである。
ア 港湾整備勘定
(ア)歳入歳出決算
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区分
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19年度
千円
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(18年度)
千円
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(歳入)
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徴収決定済額
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351,903,740
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367,057,004
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収納済歳入額
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351,305,095
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366,988,390
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収納未済歳入額
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598,645
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68,613
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(歳出)
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歳出予算現額
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370,790,463
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377,957,685
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支出済歳出額
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311,223,300
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332,600,037
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翌年度繰越額
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57,406,904
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42,770,387
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不用額
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2,160,257
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2,587,260
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翌年度繰越額の主なものは、港湾事業費(歳出予算現額2502億6021万余円)の437億5223万余円、離島港湾事業費(同277億0463万余円)の61億1880万余円及び沖縄港湾事業費(同316億5600万余円)の44億1198万余円である。
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(イ)主な業務実績
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区分
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19年度
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(18年度)
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(直轄事業)
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港湾の整備
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119港
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118港
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航路の整備
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16航路
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16航路
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(補助事業)
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港湾の整備
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243港
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270港
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イ 特定港湾施設工事勘定
(ア)歳入歳出決算
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区分
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19年度
千円
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(18年度)
千円
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(歳入)
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徴収決定済額
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8,817,037
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7,128,386
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収納済歳入額
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8,817,037
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7,128,386
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(歳出)
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歳出予算現額
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8,821,984
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7,308,048
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支出済歳出額
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8,197,223
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5,910,537
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翌年度繰越額
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584,341
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1,106,319
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不用額
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40,420
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291,190
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(イ)主な業務実績
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区分
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19年度
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(18年度)
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(直轄事業)
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エネルギー港湾施設の整備
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4港
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4港
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鉄鋼港湾施設の整備
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2港
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2港
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なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「港湾改修事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、スイングゲートの所要の安全度が確保されていない状態になっているもの 」、「国庫補助事業に係る事務費の執行に当たり、虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な経理処理を行って物品の購入等に係る需用費を支払ったり、補助の対象とならない用途に賃金や旅費を支払ったりしていたもの 」、「調査等業務における交通船等の借上費に係る船員数の積算基準を作業の実態に合わせて改めるよう是正改善の処置を求めたもの 」、「一般乗用旅客自動車乗車券の使用に当たり、使用規程に定められた所定の事項の遵守に努めて、使用状況が明確となるよう検討して、適切な管理等を行うよう意見を表示したもの 」及び「直轄港湾工事の監督業務等を行う港湾事務所の業務量、業務内容等に応じて監督測量船の配置を見直すことなどにより、その運用を効率的に行うよう改善の処置を要求したもの 」を掲記した。