この事業団は、私立学校の教育の充実及び向上並びにその経営の安定並びに私立学校教職員の福利厚生を図るため、次の業務を行うことにより、もって私立学校教育の振興に資することを目的として設置されているものである。
〔1〕 補助金の交付、資金の貸付けその他私立学校教育に対する援助に必要な業務
〔2〕 私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)の規定による共済制度の運営
その資本金は19事業年度末現在で489億6911万余円(全額国の出資)となっている。
同事業団の会計は、助成、短期、長期、福祉及び共済業務の5勘定に区分されており、その勘定別の19事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。
なお、日本私立学校振興・共済事業団の財務及び会計に関する省令(平成9年文部省令第42号)により同事業団の会計について優先して適用することとされている独立行政法人会計基準が19年11月19日に改訂されたことに伴い、18事業年度までは資本の区分であったが19事業年度からは純資産の区分に変更され、また、19事業年度の額と18事業年度の額とを一部対比できないものがある。
ア 助成勘定
この勘定は、学校法人に対する補助金の交付、学校法人等に対する資金の貸付けなど私立学校教育に対する援助に必要な業務に関するものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち貸付金)
(うち破産更生債権等)
(うち貸倒引当金)(注)
|
618,718,697
(600,645,123)
(5,559,305)
(△8,050,097)
|
資産
(うち貸付金)
(うち破産更生債権等)
(うち貸倒引当金)
|
648,900,523
(628,919,793)
(5,867,588)
(△7,891,681)
|
|
負債
(うち長期借入金)
|
563,616,431
(449,973,344)
|
負債
(うち長期借入金)
|
594,012,477
(485,959,625)
|
|
純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
55,102,265
(48,969,115)
(5,346,420)
(786,730)
|
資本
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
54,888,046
(48,969,115)
(5,320,750)
(598,181)
|
|
(注)
貸倒引当金に計上する金額は、金融庁作成の「預金等受入金融機関に係る検査マニュアル」に基づいた「日本私立学校振興・共済事業団貸付債権自己査定基準」の定めるところに従って算出した金額とされている。
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
経常費用
(うち交付補助金)
|
363,858,383
(328,050,000)
|
290,147,727
(256,210,034)
|
経常収益
(うち国庫補助金収益)
|
363,989,098
(328,050,000)
|
290,076,139
(256,210,034)
|
経常利益
(△経常損失)
|
130,714
|
△71,588
|
臨時損失
|
1,922
|
58,735
|
臨時利益
|
95,963
|
182,168
|
(法人税、住民税及び事業税)
|
3,400
|
6,800
|
当期純利益
|
221,356
|
45,044
|
当期総利益
|
221,356
|
45,044
|
(利益の処分)
|
||
(当期未処分利益)
|
||
当期総利益
|
221,356
|
45,044
|
(利益処分額)
|
||
助成金
|
73,171
|
21,948
|
長期勘定へ繰入
|
36,585
|
10,859
|
積立金
|
111,600
|
12,237
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|||
(補助事業)
|
|||||
補助金交付法人数
|
618法人
|
618法人
|
|||
補助金交付額
|
328,050,000千円
|
256,210,034千円
|
|||
(貸付事業)
|
|||||
貸付け
|
法人数
|
81法人
|
96法人
|
||
件数
|
87件
|
119件
|
|||
金額
|
39,043,900千円
|
53,751,100千円
|
|||
貸付金回収等
|
金額
|
67,526,005千円
|
66,561,783千円
|
||
事業年度末貸付金残高
|
法人数
|
1,463法人
|
1,500法人
|
||
件数
|
3,291件
|
3,524件
|
|||
金額
|
606,204,428千円
|
634,787,382千円
|
|||
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準に準じて事業団において開示している債権
|
|||||
破綻先債権
|
−
|
171,600千円
|
|||
延滞債権
|
5,629,432千円
|
5,703,611千円
|
|||
3カ月以上延滞債権
|
−
|
−
|
|||
貸出条件緩和債権
|
6,924,026千円
|
7,099,996千円
|
|||
計
|
12,553,458千円
|
12,975,207千円
|
イ 短期勘定
この勘定は、加入者及びその被扶養者の病気等に関する短期給付を行う業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち現金及び預金)
(うち未収入金)
|
75,247,281
(44,207,356)
(14,540,900)
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち未収入金)
|
79,061,473
(53,640,607)
(10,373,680)
|
|
負債
(うち未払費用)
(うち支払準備金)
|
22,537,436
(8,457,558)
(8,808,958)
|
負債
(うち未払費用)
(うち支払準備金)
|
26,832,292
(7,819,849)
(8,653,986)
|
|
純資産
(利益剰余金)
|
52,709,845
|
資本
(利益剰余金)
|
52,229,181
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
経常費用
(うち業務費)
|
207,323,198
(207,323,172)
|
199,140,746
(199,140,733)
|
経常収益
(うち掛金収入)
|
207,980,200
(192,248,205)
|
204,196,993
(188,806,663)
|
経常利益
|
657,002
|
5,056,247
|
臨時損失
|
8,843,784
|
8,672,111
|
臨時利益
|
8,667,446
|
8,625,428
|
当期純利益
|
480,664
|
5,009,564
|
当期総利益
|
480,664
|
5,009,564
|
(利益の処分)
|
||
(当期未処分利益)
|
||
当期総利益
|
480,664
|
5,009,564
|
(利益処分額)
|
||
欠損金補てん積立金
|
205,541
|
172,656
|
積立金
|
275,123
|
4,836,908
|
ウ 長期勘定
この勘定は、加入者の退職等に関する長期給付を行う業務等に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち長期性預金)
(うち投資有価証券)
(うち長期貸付金)
|
3,468,465,891
(1,021,776,135)
(1,702,413,605)
(436,115,368)
|
資産
(うち長期性預金)
(うち投資有価証券)
(うち長期貸付金)
|
3,384,089,030
(878,005,743)
(1,680,190,659)
(477,270,639)
|
|
負債
|
783,940
|
負債
|
718,322
|
|
純資産
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
3,467,681,950(注)
(△34,197,477)
(3,501,879,427)
|
資本
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
3,383,370,708
(△35,480,401)
(3,418,851,109)
|
|
損益外減損損失累計額分である。
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
経常費用
(うち業務費)
|
412,447,496
(410,916,623)
|
395,537,104
(394,184,534)
|
経常収益
(うち掛金収入)
|
475,388,650
(304,887,005)
|
496,299,071
(291,757,686)
|
経常利益
|
62,941,153
|
100,761,966
|
臨時損失
|
1,630,361
|
19,662
|
臨時利益
|
21,717,526
|
106,640
|
当期純利益
|
83,028,318
|
100,848,944
|
当期総利益
|
83,028,318
|
100,848,944
|
(利益の処分)
|
||
(当期未処分利益)
|
||
当期総利益
|
83,028,318
|
100,848,944
|
(利益処分額)
|
||
長期給付積立金
|
83,028,318
|
100,848,944
|
エ 福祉勘定
この勘定は、加入者及びその被扶養者の健康の保持・増進及び日常生活の援助を目的として、福利及び厚生に関する業務を行うものであり、保健、医療、宿泊、貯金及び貸付の5経理に区分されている。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち長期性預金)
|
951,773,265
(724,332,160)
|
資産 (うち長期性預金)
|
929,591,930
(677,569,169)
|
|
負債
(うち加入者貯金)
|
935,363,366
(764,510,510)
|
負債 (うち加入者貯金)
|
917,302,764
(734,775,182)
|
|
純資産
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
16,409,898
(3,868,276)
(12,541,622)
|
資本 (うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
12,289,165
(2,336,457)
(9,952,708)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
経常費用
(うち業務費)
|
33,683,924
(32,487,970)
|
34,683,358
(33,087,515)
|
経常収益
(うち掛金収入)
(うち保険患者収入)
(うち施設収入)
(うち貸付金利息)
(うち財務収益)
|
37,900,970
(6,853,407)
(6,621,750)
(9,736,415)
(2,449,125)
(8,756,303)
|
37,328,998
(6,754,056)
(6,787,517)
(10,033,142)
(2,732,428)
(7,565,241)
|
経常利益
|
4,217,045
|
2,645,640
|
臨時損失
|
2,169,797
|
108,499
|
臨時利益
|
552,586
|
658,617
|
(法人税、住民税及び事業税)
|
10,921
|
23,994
|
当期純利益
|
2,588,913
|
3,171,764
|
当期総利益
|
2,588,913
|
3,171,764
|
(保健経理)
|
△901,606
|
2,389,474
|
(医療経理)
|
△1,078,085
|
△1,622,830
|
(宿泊経理)
|
1,158,641
|
△223,565
|
(貯金経理)
|
3,315,554
|
2,380,604
|
(貸付経理)
|
94,409
|
248,081
|
(保健経理)
|
||
(利益の処分又は損失の処理)
|
||
(当期未処分利益又は当期未処理損失)
|
||
当期総利益(△当期総損失)
|
△901,606
|
2,389,474
|
(利益処分額又は損失処理額)
|
||
積立金
|
−
|
2,389,474
|
積立金取崩額
|
901,606
|
−
|
(医療経理)
|
||
(損失の処理)
|
||
(当期未処理損失)
|
||
当期総損失
|
1,078,085
|
1,622,830
|
前期繰越欠損金
|
13,907,890
|
12,285,059
|
(損失処理額)
|
||
別途積立金
|
△8,536
|
−
|
次期繰越欠損金
|
14,994,511
|
13,907,890
|
(宿泊経理)
|
||
(損失の処理)
|
||
(当期未処理損失)
|
||
当期総利益(△当期総損失)
|
1,158,641
|
△223,565
|
前期繰越欠損金
|
12,764,680
|
12,541,115
|
(損失処理額)
|
||
別途積立金取崩額
|
730,730
|
−
|
次期繰越欠損金
|
10,875,308
|
12,764,680
|
(貯金経理)
|
||
(利益の処分)
|
||
(当期未処分利益)
|
||
当期総利益
|
3,315,554
|
2,380,604
|
(利益処分額)
|
||
欠損金補てん積立金
|
3,321,698
|
2,380,792
|
積立金
|
△6,143
|
△188
|
(貸付経理)
|
||
(利益の処分)
|
||
(当期未処分利益)
|
||
当期総利益
|
94,409
|
248,081
|
(利益処分額)
|
||
貸付資金積立金
|
94,409
|
248,081
|
オ 共済業務勘定
〔この勘定は、短期勘定及び長期勘定における業務に係る事務に関する経理を行うものである。〕
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
15,491,530
(5,870,966)
(4,000,000)
|
資産
(うち現金及び預金)
(うち投資有価証券)
|
14,731,480
(5,141,515)
(4,000,000)
|
|
負債
(うち退職給付引当金)
|
2,780,671
(1,828,016)
|
負債
(うち退職給付引当金)
|
2,952,026
(1,968,623)
|
|
純資産
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
12,710,858
(2,963,605)
(9,747,253)
|
資本
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
11,779,453
(2,964,210)
(8,815,242)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
経常費用
(一般管理費)
|
4,075,294
|
3,830,123
|
経常収益
(うち掛金収入)
|
5,009,645
(4,531,570)
|
4,926,640
(4,465,090)
|
経常利益
|
934,350
|
1,096,517
|
臨時損失
|
3,180
|
12,926
|
臨時利益
|
234
|
593,615
|
当期純利益
|
931,405
|
1,677,205
|
当期総利益
|
931,405
|
1,677,205
|
(利益の処分)
|
||
(当期未処分利益)
|
||
当期総利益
|
931,405
|
1,677,205
|
(利益処分額)
|
||
別途積立金
|
△624
|
−
|
資本剰余金
|
−
|
△605
|
積立金
|
932,030
|
1,677,810
|
(備考) 19事業年度の財務諸表は、20年10月22日現在のものである。
|
なお、この事業団について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「私立大学等経常費補助金の経理が不当と認められるもの 」を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」及び「文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省に関する政府開発援助につき、技術協力の実施状況及び技術協力に係る援助の効果について 」を掲記した。