この独立行政法人は、情報の電磁的流通及び電波の利用に関する技術の研究・開発、高度通信・放送研究開発を行う者に対する支援、通信・放送事業分野に属する事業の振興等を総合的に行うことにより、情報の電磁的方式による適正かつ円滑な流通及び電波の公平かつ能率的な利用の確保・増進に資することを目的として設置されているものである。その資本金は19事業年度末現在で1713億3682万余円(うち国の出資1680億5146万余円)となっている。
同法人の会計は、一般、基盤技術研究促進、債務保証、出資、通信・放送承継及び衛星管制債務償還の6勘定に区分して経理されており、その勘定別の19事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。
ア 一般勘定
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
||||
資産
(うち建物)
(うち土地)
|
134,151,588
(19,828,798)
(36,310,306)
|
135,774,877
(20,230,140)
(36,310,306)
|
||||
負債
(うち運営費交付金債務)
(うち未払金)
(うち資産見返負債)
|
51,306,357
(4,930,478)
(11,996,092)
(19,538,337)
|
48,394,782
(2,837,309)
(14,368,311)
(21,409,284)
|
||||
純資産(注1)
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
82,845,231
(85,104,064)
(△5,402,360)(注2)
(3,143,528)
|
87,380,094
(85,104,064)
(△2,652,016)
(4,928,046)
|
||||
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち研究業務費)
|
43,719,793
(33,323,373)
|
48,135,588
(34,584,131)
|
||
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち受託収入)
|
42,034,398
(28,919,527)
(5,591,486)
|
45,279,734
(29,857,438)
(6,574,315)
|
||
経常損失
|
1,685,395
|
2,855,853
|
||
臨時損失
|
1,052,592
|
2,558,130
|
||
臨時利益
|
983,217
|
253,903
|
||
当期純損失
|
1,784,518
|
5,186,927
|
||
当期総利益
|
54,763
|
523,985
|
||
(利益の処分)
|
||||
(当期未処分利益)
|
||||
当期総利益
|
54,763
|
523,985
|
||
(利益処分額)
|
||||
積立金
|
48,651
|
523,985
|
||
独立行政法人通則法第44条第3項により主務大臣の承認を受けようとする額
|
||||
広報・知財・環境積立金
|
6,112
|
−
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
新世代ネットワーク構築技術の研究開発等
|
14,576,717
|
17,247,755
|
大学や民間企業を結集した研究プロジェクトの推進等
|
13,753,518
|
15,047,890
|
イ 基盤技術研究促進勘定
この勘定は、基盤技術研究の委託及びジャパントラストによる海外研究者の招へいに関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち投資有価証券)
|
8,070,074
(6,608,503)
|
8,333,492
(6,607,029)
|
負債
(うち未払金)
|
1,181,818
(1,174,289)
|
1,497,290
(1,489,880)
|
純資産
(うち資本金)
(うち繰越欠損金)
|
6,888,255
(58,731,000)
(△51,842,744)
|
6,836,201
(54,891,000)
(△48,054,798)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち民間基盤技術研究促進業務費)
|
4,124,590
(4,095,448)
|
4,635,726
(4,605,647)
|
||
経常収益
(うち事業収入)
(うち財務収益)
|
472,163
(45,595)
(220,873)
|
963,059
(17,823)
(220,867)
|
||
経常損失
|
3,652,427
|
3,672,667
|
||
臨時損失
|
308,992
|
−
|
||
臨時利益
|
173,540
|
−
|
||
当期純損失
|
3,787,946
|
3,672,731
|
||
当期総損失
|
3,787,946
|
3,672,731
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総損失
|
3,787,946
|
3,672,731
|
||
前期繰越欠損金
|
48,054,798
|
44,382,067
|
||
(損失処理額)
|
||||
次期繰越欠損金
|
51,842,744
|
48,054,798
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
件
|
19事業年度
千円
|
件
|
(18事業年度)
千円
|
|
民間基盤技術研究促進業務
|
継続案件
|
20
|
3,771,765
|
18
|
3,478,490
|
新規案件
|
3
|
141,049
|
8
|
934,114
|
|
海外研究者招へい業務
|
3
|
5,585
|
3
|
4,964
|
ウ 債務保証勘定
この勘定は、特定通信・放送事業に対する支援及び情報通信インフラの高度テレビジョン放送施設整備事業に対する債務保証に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち投資有価証券)
|
6,156,047
(5,758,332)
|
6,075,164
(5,753,356)
|
負債
|
21,605
|
3,109
|
純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
|
6,134,441
(3,233,500)
(2,386,650)
(514,291)
|
6,072,055
(3,233,500)
(2,386,650)
(451,905)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち通信・放送事業支援業務費)
|
49,872
(45,386)
|
54,505
(50,001)
|
||
経常収益
(事業収入)
|
112,271
|
117,044
|
||
経常利益
|
62,398
|
62,539
|
||
当期純利益
|
62,386
|
62,527
|
||
当期総利益
|
62,386
|
62,527
|
||
(利益の処分)
|
||||
(当期未処分利益)
|
||||
当期総利益
|
62,386
|
62,527
|
||
(利益処分額)
|
||||
積立金
|
62,386
|
62,527
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|
事業年度末債務保証残高
|
事業者
|
1者
|
−
|
保証額
|
112,000千円
|
−
|
|
保証料収入
|
金額
|
1,120千円
|
−
|
利子補給金の支給
|
件数
|
64件
|
60件
|
金額
|
24,943千円
|
24,520千円
|
エ 出資勘定
この勘定は、民間企業等への出資及び情報通信ベンチャーに対するテレコムベンチャー投資事業組合による間接出資に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち投資有価証券)
(うち関係会社株式)
|
2,548,073
(2,123,209)
(380,728)
|
2,665,561
(1,850,053)
(380,728)
|
負債
|
1,678
|
128
|
純資産
(うち資本金)
(うち繰越欠損金)
|
2,546,394
(5,350,000)
(△2,825,511)
|
2,665,433
(5,350,000)
(△2,828,916)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち財務費用)
|
32,660
(31,046)
|
84,697
(83,048)
|
||
経常収益
(財務収益)
|
13,548
|
5,135
|
||
経常損失
|
19,111
|
79,561
|
||
臨時利益
|
22,517
|
−
|
||
当期純利益(△当期純損失)
|
3,404
|
△79,563
|
||
当期総利益(△当期総損失)
|
3,404
|
△79,563
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総利益(△当期総損失)
|
3,404
|
△79,563
|
||
前期繰越欠損金
|
2,828,916
|
2,749,353
|
||
(損失処理額)
|
||||
次期繰越欠損金
|
2,825,511
|
2,828,916
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|
事業年度末出資残高
|
会社数
|
3社
|
4社
|
金額
|
837,051千円
|
1,433,489千円
|
オ 通信・放送承継勘定
この勘定は、基盤技術研究促進センターから承継した株式の処分及び貸付債権の管理・回収に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち投資有価証券)
|
18,879,459
(18,082,381)
|
19,164,339
(17,642,232)
|
負債
(うち長期借入金)
|
851,862
(408,499)
|
1,350,913
(788,500)
|
純資産
(うち資本金)
(うち繰越欠損金)
|
18,027,596
(18,918,256)
(△890,659)
|
17,813,425
(18,918,256)
(△1,104,830)
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(うち通信・放送承継業務費)
|
70,254
(40,026)
|
95,112
(49,905)
|
||
経常収益
(うち財務収益)
|
284,447
(252,400)
|
295,431
(245,520)
|
||
経常利益
|
214,192
|
200,319
|
||
当期純利益
|
214,170
|
200,298
|
||
当期総利益
|
214,170
|
200,298
|
||
(損失の処理)
|
||||
(当期未処理損失)
|
||||
当期総利益
|
214,170
|
200,298
|
||
前期繰越欠損金
|
1,104,830
|
1,305,128
|
||
(損失処理額)
|
||||
次期繰越欠損金
|
890,659
|
1,104,830
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
|
(18事業年度)
|
|
貸付金回収
|
金額
|
322,728千円
|
607,986千円
|
事業年度末貸付金残高
|
件数
|
10件
|
15件
|
金額
|
528,090千円
|
850,818千円
|
|
上記貸付金残高の独立行政法人会計基準による分類
|
|||
一般
|
債権
|
489,840千円
|
774,840千円
|
破産更生
|
債権等
|
38,250千円
|
75,978千円
|
貸倒引当金
|
48,696千円
|
62,484千円
|
|
貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により算定した額を、破産更生債権等については個別に回収可能性を勘案し算定した回収不能見込額を計上している。
|
カ 衛星管制債務償還勘定
この勘定は、衛星管制業務のために借り入れた無利子借入金の管理・返済に関する経理を行うものである。
(ア) 貸借対照表
区分
|
19事業年度末
千円
|
(18事業年度末)
千円
|
資産
(うち投資有価証券)
|
1,081,690
(494,791)
|
1,741,777
(992,404)
|
負債
(うち長期借入金)
|
1,014,867
(338,262)
|
1,691,321
(1,014,787)
|
純資産
(利益剰余金)
|
66,822
|
50,455
|
(イ) 損益計算書
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
||
経常費用
(一般管理費)
|
77
|
98
|
||
経常収益
(財務収益)
|
16,445
|
34,327
|
||
経常利益
|
16,367
|
34,228
|
||
当期純利益
|
16,367
|
34,228
|
||
当期総利益
|
16,367
|
34,228
|
||
(利益の処分)
|
||||
(当期未処分利益)
|
||||
当期総利益
|
16,367
|
34,228
|
||
(利益処分額)
|
||||
積立金
|
16,367
|
34,228
|
(ウ) 主な業務実績
区分
|
19事業年度
千円
|
(18事業年度)
千円
|
借入金返済
|
676,525
|
676,525
|
(備考) 19事業年度の財務諸表は、20年10月22日現在のものである。
|
なお、この法人について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「独立行政法人情報通信研究機構通信・放送承継勘定における産業投資特別会計からの出資金の額を適切な規模にするなどの検討をするよう意見を表示したもの 」及び「通信・放送新規事業助成事業の実施に当たり、事業の一部が低額で実施されていたため、助成対象事業費の精算が過大となっているもの 」を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」及び「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について 」を掲記した。