この独立行政法人は、開発途上にある海外の地域(以下「開発途上地域」という。)に対する技術協力の実施並びに無償の資金供与による開発途上地域の政府に対する国の協力の実施の促進及び開発途上地域の住民を対象とする国民等の協力活動の促進に必要な業務を行い、中南米地域等への移住者の定着に必要な業務を行い、並びに開発途上地域等における大規模な災害に対する緊急援助の実施に必要な業務を行うことにより、これらの地域の経済及び社会の発展又は復興に寄与し、国際協力の促進に資することを目的として設置されているものである。その資本金は19事業年度末現在で833億3286万余円(全額国の出資)となっている。
同法人の19事業年度の貸借対照表、損益計算書及び主な業務実績は次のとおりである。
なお、独立行政法人会計基準が19年11月19日に改訂されたことなどに伴い、18事業年度までは資本の区分であったが19事業年度からは純資産の区分に変更され、また、19事業年度の額と18事業年度の額とを一部対比できないものがある。
(ア) 貸借対照表
区分
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19事業年度末
千円
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(18事業年度末)
千円
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資産
(うち現金及び預金)
(うち建物)
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106,752,582
(37,362,258)
(34,190,424)
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資産
(うち現金及び預金)
(うち建物)
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112,647,995
(41,292,092)
(35,727,495)
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負債
(うち運営費交付金債務)
(うち未払金)
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32,285,826
(6,898,768)
(21,508,261)
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負債
(うち運営費交付金債務)
(うち未払金)
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25,577,441
(−)
(22,143,307)
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純資産
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
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74,466,756
(83,332,866)
(△11,225,025)(注1)
(2,358,914)(注2)
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資本
(うち資本金)
(うち資本剰余金)
(うち利益剰余金)
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87,070,553
(88,508,041)
(△9,050,279)
(7,612,791)
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なお、19事業年度において、独立行政法人国際協力機構法(平成14年法律第136号)第15条第3項の規定により、中期目標の期間の最後の事業年度である18事業年度末の利益剰余金76億1279万余円のうち、4億9025万余円を国庫に納付している。
(イ) 損益計算書
区分
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19事業年度
千円
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(18事業年度)
千円
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経常費用
(うち業務費)
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157,899,702
(144,834,553)
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経常費用
(うち業務費)
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162,212,119
(152,110,449)
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経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち受託収入)
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153,145,575
(148,122,292)
(2,562,664)
|
経常収益
(うち運営費交付金収益)
(うち受託収入)
|
168,103,309
(161,853,657)
(2,591,133)
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||||
経常利益(△経常損失)
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△4,754,126
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経常利益
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5,891,190
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臨時損失
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16,132
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臨時損失
|
98,833
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臨時利益
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6,716
|
臨時利益
|
714
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当期純利益(△当期純損失)
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△4,763,542
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当期純利益
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5,793,071
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前中期目標期間繰越積立金取崩額
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4,802,873
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当期総利益
|
5,793,071
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当期総利益
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39,330
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(利益の処分)
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|||||
(利益の処分)
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(当期未処分利益)
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||||||
(当期未処分利益)
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当期総利益
|
5,793,071
|
|||||
当期総利益
|
39,330
|
(利益処分額)
|
|||||
利益処分額)
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積立金
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5,793,071
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|||||
積立金
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39,330
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(ウ) 主な業務実績
区分
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19事業年度
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(18事業年度)
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技術協力の実施に関する業務技術研修員受入
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8,878人
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9,013人
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技術協力プロジェクト調査団派遣
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546件
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549件
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専門家派遣
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4,744人
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4,672人
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機材供与
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3,030,337千円
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4,741,510千円
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開発調査プロジェクト調査
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200件
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210件
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無償資金協力の実施に必要な業務事前調査
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176件
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205件
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国民等の協力活動の促進及び助長に関する業務ボランティア派遣
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5,644人
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5,825人
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移住者に対する支援に関する業務日本語学校生徒研修受入
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48人
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49人
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災害緊急援助の実施に関する業務緊急援助物資供与
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24件
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16件
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国際緊急援助隊の派遣
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1件
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2件
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人員の養成及び確保に関する業務国際協力専門員の委嘱
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79人
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84人
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専門家派遣前集合研修
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370人
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339人
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なお、この法人について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「政府開発援助の実施に当たり、外務省及び独立行政法人国際協力機構において、援助の効果が十分発現するよう意見を表示したもの 」及び「派遣システムの開発に当たり、基本設計書の内容を十分に確認することなどにより、追加的な費用や新たな開発費用の発生を抑えるよう改善させたもの 」を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「国及び国が資本金の2分の1以上を出資している法人における談合等に係る違約金条項の導入状況等について 」、「政府開発援助の無償資金協力及び技術協力における契約入札手続等について 」、「ODA事業の執行状況について 」及び「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について 」を掲記した。