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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成21年9月

独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について


2 落札率等の状況を含む入札及び契約全般の状況

 20年報告では、全独立行政法人の国内のすべての事務所等において締結された支出原因契約(国において少額随契が認められる予定価格以下の契約等は除く。以下「対象契約」という。)のうち18年度及び19年度(12月まで)に締結された契約について、契約方式、落札率、応札者等の状況について調査・分析した。そして、両年度とも、随意契約の割合が7割以上と高く、平均落札率も随意契約は競争契約より7ポイント以上高くなっていて、競争性及び経済性の面で十分でない状況となっていること、競争契約であっても1者応札については実質的に競争性を確保しにくい状況となっていることなどを記述している。
 整理合理化計画では、各独立行政法人の契約は原則として一般競争入札等によることとされており、19年12月に策定された随意契約見直し計画が20年1月以降に実施されることになっている。
 そこで、上記を踏まえて、対象契約のうち19年度及び20年度(12月まで)(注5) に締結された契約について、契約方式の状況等契約全般の状況を分析するとともに、併せて20年度(12月まで)の状況を前年度同期(19年度(12月まで)分。以下同じ。)と比較することとした。また、各法人の会計実地検査の際に、19年度及び20年度において締結された競争契約等について応札者又は応募者の数や契約の内容となっている業務の性質等を勘案して抽出した契約や、20年報告において随意契約とした理由の妥当性に関して検討すべきであったと認められた契約(以下「個別の事態」という。)の後継契約等計1,871件を選定するなどして、これらの契約に係る手続の実施状況について検査した。

 20年度(12月まで)  20年度については、本報告を取りまとめるに当たっての時間的制約により20年4月から12月までに締結された契約を対象とした。

(1) 独立行政法人における契約全体の状況とその変化

 各独立行政法人から提出された調書によると、法人全体の対象契約は、図表16 のとおり、19年度は件数で9.6万件、支払金額で1.9兆円、20年度(12月まで)は件数で6.9万件、支払金額で0.8兆円(20年12月までに支払われた金額。以下同じ。)となっており、このうち20年度(12月まで)分を前年度同期と比較すると、件数で7.5%、支払金額で1.8%減少している。

図表16 対象契約の件数及び支払金額(平成19年度(12月まで)、19年度、20年度(12月まで))

(単位:件、百万円、%)

年度等 件数 支払金額
平成19年度 96,629 1,928,147
20年度(12月まで) (a) 69,653 818,823
19年度(12月まで) (b) 75,363 834,320
増減値
増減率
(a)-(b)
((a)/(b)-1)
△5,710
(△7.5)
△15,496
(△1.8)

ア 契約種類別の契約状況とその変化

 契約の種類については、〔1〕 「工事等(工事、設計、調査等をいう。以下同じ。)」、〔2〕 「用地取得・補償(工事に必要な用地の取得や補償をいう。以下同じ。)」、〔3〕 「物品等の購入」、〔4〕 「物品等の製造」、〔5〕 「物品等の賃借」、〔6〕 「役務(〔1〕 から〔5〕 までに該当しないものを含む。以下同じ。)」の六つに分類した。
 20年度(12月まで)の対象契約を契約種類別にみると、図表17のとおり、「役務」が件数、支払金額共に最も多く、契約全体に占める割合は、件数では63.1%、支払金額では56.5%となっている。

図表17 契約種類別の契約状況とその変化(平成20年度(12月まで))

(単位:件、百万円、%、ポイント)

契約種類 件数 件数割合 支払金額 支払金額割合
  (平成19年度(12月まで)に対する増減率) (A) (19年度(12月まで)) (開差)   (19年度(12月まで)に対する増減率) (C) (19年度(12月まで)) (開差)
(B) (A)-(B) (D) (C)-(D)
工事等 4,814 (△4.0) 6.9 (6.6) (0.3) 97,633 (△9.1) 11.9 (12.8) (△0.9)
用地取得・補償 2,567 (69.4) 3.6 (2.0) (1.6) 50,786 (67.9) 6.2 (3.6) (2.6)
物品等の購入 12,111 (△0.6) 17.3 (16.1) (1.2) 138,776 (7.6) 16.9 (15.4) (1.5)
物品等の製造 1,975 (6.7) 2.8 (2.4) (0.4) 23,463 (11.5) 2.8 (2.5) (0.3)
物品等の賃借 4,230 (△9.5) 6.0 (6.2) (△0.2) 45,084 (△9.2) 5.5 (5.9) (△0.4)
役務 43,956 (△12.2) 63.1 (66.4) (△3.3) 463,079 (△6.8) 56.5 (59.5) (△3.0)
69,653 (△7.5) 100 (100) 818,823 (△1.8) 100 (100)

イ 契約相手方別の契約状況とその変化

 契約の相手方については、〔1〕 「民間企業」、〔2〕 「公益法人等(関連公益法人等(注6) 、特定関連会社(注7) 、関連会社及(注8) び「関連公益法人等以外の公益法人」をいう。以下同じ。)」、〔3〕 「国・地方公共団体」、〔4〕 「独立行政法人等(独立行政法人、国立大学法人、特殊法人及び認可法人をいう。以下同じ。)」、〔5〕 「その他」の五つに分類した。このうち「公益法人等」については、資本関係、取引関係等を通じて独立行政法人と一定の結び付きを有する関連公益法人等、特定関連会社及び関連会社(以下、これらを合わせて「関係法人」という。)の状況を併せて示している。
 20年度(12月まで)の対象契約を契約相手方別にみると、図表18 のとおり、「民間企業」が件数、支払金額共に最も多く、契約全体に占める割合は、件数では74.6%、支払金額では69.0%となっている。一方、「公益法人等」は、件数では5.1%(うち関係法人分2.1%)、支払金額では13.2%(うち関係法人分10.8%)となっている。
 これを前年度同期と比較すると、「民間企業」との契約は、件数で9.0%、支払金額で2.3%減少しているのに対して、「公益法人等」との契約は、件数で16.8%(うち関係法人20.7%)、支払金額で13.9%(同15.2%)減少していて、減少割合が大きくなっている。

 関連公益法人等  独立行政法人が出えん、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、財務及び事業運営の方針決定に対して重要な影響を与えることができるか又は独立行政法人との取引を通じて公的な資金が供給されており、独立行政法人の財務情報として、重要な関係を有する当該公益法人等(財団法人、社団法人のほか、社会福祉法人、特定非営利活動法人、技術研究組合等の法人を含む。)をいう。
 特定関連会社  独立行政法人が政策目的のため法令等で定められた業務として出資する会社であって、その会社の議決権の過半数を所有しているという事実が認められる場合等における当該会社をいう。
 関連会社  独立行政法人及び特定関連会社が、出資、人事、資金、技術、取引等を通じて、特定関連会社以外の会社の財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該会社をいう。

図表18 契約相手方別の契約状況とその変化(平成20年度(12月まで))

(単位:件、百万円、%、ポイント)

契約相手方 件数 件数割合 支払金額 支払金額割合
  (平成19年度(12月まで)に対する増減率) (A) (19年度(12月まで)) (開差)   (19年度(12月まで)に対する増減率) (C) (19年度(12月まで)) (開差)
(B) (A)-(B) (D) (C)-(D)
民間企業 51,970 (△9.0) 74.6 (75.7) (△1.1) 565,696 (△2.3) 69.0 (69.4) (△0.4)
公益法人等 3,606 (△16.8) 5.1 (5.7) (△0.6) 108,228 (△13.9) 13.2 (15.0) (△1.8)
  うち関係法人 1,475 (△20.7) 2.1 (2.4) (△0.3) 88,439 (△15.2) 10.8 (12.5) (△1.7)
国・地方公共団体 2,608 (△2.5) 3.7 (3.5) (0.2) 28,155 (2.8) 3.4 (3.2) (0.2)
独立行政法人等 5,926 (△2.0) 8.5 (8.0) (0.5) 69,950 (12.6) 8.5 (7.4) (1.1)
その他 5,543 (6.8) 7.9 (6.8) (1.1) 46,791 (18.6) 5.7 (4.7) (1.0)
69,653 (△7.5) 100 (100) 818,823 (△1.8) 100 (100)

 また、契約相手方別に契約種類の状況をみると、図表19 のとおりである。このうち「民間企業」と「公益法人等」の状況を比較すると、両方とも「役務」の割合が一番高いが、「民間企業」は件数では58.1%、支払金額では49.7%であるのに対して、「公益法人等」は件数では88.6%(うち関係法人91.5%)、支払金額では96.3%(同98.5%)となっていて、「公益法人等」の「役務」の割合が相当高い状況となっている。


図表19 契約相手方別の契約種類の状況(平成19年度(12月まで)、20年度(12月まで))
〔1〕 件数
上段:20年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
契約種類
契約相手方
工事等 用地取得・補償 物品等の購入 物品等の製造 物品等の賃借 役務
民間企業 8.7 0.8 22.5 3.7 6.0 58.1 100
8.2 0.3 20.6 3.1 6.1 61.4 100
(0.5) (0.5) (1.9) (0.6) (△0.1) (△3.3)
公益法人等 4.2 0.3 3.1 0.9 2.6 88.6 100
4.0 0.1 3.2 0.2 2.6 89.6 100
(0.2) (0.2) (△0.1) (0.7) (0.0) (△1.0)
  うち関係法人 4.5 0.0 1.0 2.0 0.6 91.5 100
4.4 1.2 0.1 1.0 93.1 100
(0.1) (0.0) (△0.2) (1.9) (△0.4) (△1.6)
国・地方公共団体 1.9 4.0 2.3 0.0 13.2 78.3 100
2.6 3.0 1.1 12.2 80.9 100
(△0.7) (1.0) (1.2) (0.0) (1.0) (△2.6)
独立行政法人等 0.9 0.6 2.8 0.0 1.7 93.8 100
0.5 0.5 1.2 0.1 1.5 95.9 100
(0.4) (0.1) (1.6) (△0.1) (0.2) (△2.1)
その他 0.3 35.6 1.2 0.0 10.0 52.6 100
0.5 22.9 3.2 0.1 12.3 60.8 100
(△0.2) (12.7) (△2.0) (△0.1) (△2.3) (△8.2)
6.9 3.6 17.3 2.8 6.0 63.1 100
6.6 2.0 16.1 2.4 6.2 66.4 100
(0.3) (1.6) (1.2) (0.4) (△0.2) (△3.3)

〔2〕 支払金額
上段:20年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
契約種類
契約相手方
工事等 用地取得・補償 物品等の購入 物品等の製造 物品等の賃借 役務
民間企業 15.2 2.5 21.8 3.9 6.6 49.7 100
16.9 0.6 20.9 3.5 7.3 50.4 100
(△1.7) (1.9) (0.9) (0.4) (△0.7) (△0.7)
公益法人等 1.6 0.2 1.0 0.0 0.6 96.3 100
1.9 0.1 1.0 0.0 0.7 96.0 100
(△0.3) (0.1) (0.0) (0.0) (△0.1) (0.3)
  うち関係法人 1.2 0.0 0.1 0.0 0.0 98.5 100
1.7 0.1 0.0 0.2 97.7 100
(△0.5) (0.0) (0.0) (0.0) (△0.2) (0.8)
国・地方公共団体 8.6 16.8 6.5 0.6 12.1 55.0 100
16.8 12.2 2.0 11.4 57.4 100
(△8.2) (4.6) (4.5) (0.6) (0.7) (△2.4)
独立行政法人等 10.0 2.9 16.3 0.9 2.7 66.8 100
3.5 4.1 5.8 0.1 2.3 83.9 100
(6.5) (△1.2) (10.5) (0.8) (0.4) (△17.1)
その他 0.0 63.0 1.2 2.9 32.6 100
0.5 50.8 4.5 0.0 4.4 39.6 100
(△0.5) (12.2) (△3.3) (0.0) (△1.5) (△7.0)
11.9 6.2 16.9 2.8 5.5 56.5 100
12.8 3.6 15.4 2.5 5.9 59.5 100
(△0.9) (2.6) (1.5) (0.3) (△0.4) (△3.0)

ウ 法人別の契約状況

 20年度(12月まで)の対象契約を法人別にみると、別表2のとおり、件数が最も多いのは、国立病院機構であり、次いで都市再生機構となっている。また、支払金額が最も多いのは、都市再生機構であり、次いで鉄道建設・運輸施設整備支援機構となっている。そして、件数が1,000件以上の法人は17法人あり、これらの法人で支払金額全体の約7割を占めている一方、件数が100件未満の法人も44法人ある

(2) 契約方式の状況とその変化

 対象契約について契約方式の状況をみると、図表20 のとおり、20年度(12月まで)では、随意契約が件数で57.2%(うち企画競争又は公募を経ない随意契約(不落・不調随契(注9) を除く。以下「企画・公募を経ない随契」という。)36.2%)、支払金額で67.9%(同48.0%)、競争契約が件数で42.7%、支払金額で32.0%となっていて、件数、支払金額共に随意契約が競争契約を上回っている。

 不落・不調随契  競争に付しても入札者がないとき、又は再度の入札をしても落札者がないときや、落札者が契約を結ばないときに、随意契約によったものをいう。


図表20 契約方式全体の状況(平成19年度(12月まで)、19年度、20年度(12月まで))
〔1〕 件数 (単位:件、%、ポイント)
契約方式
年度等
一般競争契約 指名競争契約 競争契約(計) 随意契約
  うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち企画・公募を経ない随契
平成19年度 件数
割合
24,230
(25.0)
692
(0.7)
5,296
(5.4)
70
(0.0)
29,526
(30.5)
762
(0.7)
67,103
(69.4)
58,139
(60.1)
96,629
(100)
20年度(12月まで) 件数
割合(a)
26,196
(37.6)
1,217
(1.7)
3,594
(5.1)
22
(0.0)
29,790
(42.7)
1,239
(1.7)
39,863
(57.2)
25,266
(36.2)
69,653
(100)
19年度(12月まで) 件数
割合(b)
15,202
(20.1)
476
(0.6)
4,089
(5.4)
25
(0.0)
19,291
(25.5)
501
(0.6)
56,072
(74.4)
48,845
(64.8)
75,363
(100)
割合の増減値(a)-(b) (17.5) (1.1) (△0.3) (0.0) (17.2) (1.1) (△17.2) (△28.6)

〔2〕 支払金額
(単位:百万円、%、ポイント)

契約方式
年度等
一般競争契約 指名競争契約 競争契約(計) 随意契約
  うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち企画・公募を経ない随契
平成19年度 支払金額
割合
587,188
(30.4)
113,950
(5.9)
110,065
(5.7)
1,256
(0.0)
697,253
(36.1)
115,206
(5.9)
1,230,893
(63.8)
1,002,291
(51.9)
1,928,147
(100)
20年度(12月まで) 支払金額
割合(a)
233,203
(28.4)
44,754
(5.4)
29,058
(3.5)
219
(0.0)
262,262
(32.0)
44,974
(5.4)
556,561
(67.9)
393,349
(48.0)
818,823
(100)
19年度(12月まで) 支払金額
割合(b)
174,107
(20.8)
18,328
(2.1)
33,262
(3.9)
574
(0.0)
207,369
(24.8)
18,903
(2.2)
626,950
(75.1)
538,948
(64.5)
834,320
(100)
割合の増減値(a)-(b) (7.6) (3.3) (△0.4) (0.0) (7.2) (3.2) (△7.2) (△16.5)

 これを前年度同期と比較すると、図表21 のとおり、随意契約の件数割合が17.2ポイント、支払金額割合が7.2ポイント低下している。また、随意契約のうち企画・公募を経ない随契については、件数割合で28.6ポイント、支払金額割合で16.5ポイントと大きく低下している。
 これは、各独立行政法人が、19年12月に策定した随意契約見直し計画に基づいて、従前は企画・公募を経ない随契で行っていた業務について一般競争入札等への移行を図っていることによるものと認められる。特に、件数割合が大きく低下しているのは、20年報告でも記述したように、20年4月1日現在で、すべての独立行政法人において、随契限度額が国の金額基準と同額か、又は下回ることとなったことが大きな要因として考えられる。すなわち、19年度(12月まで)の随意契約56,072件のうち、国の金額基準を上回る随契限度額による少額随契は10,204件と、随意契約全体の18.1%を占めていたが、これらの多くが一般競争入札等に移行したことによるものと考えられる。

図表21 契約方式の前年度同期からの移行状況(平成19年度(12月まで)、19年度、20年 度(12月まで))

図表21契約方式の前年度同期からの移行状況(平成19年度(12月まで)、19年度、20年度(12月まで))

ア 契約種類別の契約方式の状況とその変化

 20年度(12月まで)の対象契約について契約種類別に契約方式の状況をみると、図表22 のとおり、競争契約の割合の方が件数、支払金額共に随意契約よりも高いのは、「工事等」及び「物品等の購入」であり、件数では、「物品等の製造」も競争契約の割合の方が高くなっているが、これ以外では随意契約の割合の方が高くなっている。
 一方、随意契約の割合は、契約の対象物が特定されて代替性が低い場合が多い「用地取得・補償」を別にすれば、「物品等の賃借」が件数、支払金額共に最も高い割合(件数74.8%、支払金額82.0%)となっているが、これは、機器のリースや建物賃借等で特定の物件を継続的に借り受けることが多いことが要因になっていると考えられる。
 契約種類別の契約方式の割合について、「用地取得・補償」を除いて前年度同期と比較すると、競争契約の割合は、件数ではいずれの契約種類においても上昇しているが、支払金額では、「工事等」で低下している。
 一方、企画・公募を経ない随契の割合は、「工事等」及び「物品等の製造」の支払金額を除いて、いずれの契約種類でも低下している。最も大きく低下しているのは、件数では「物品等の購入」の39.0ポイント、次いで「物品等の製造」の32.3ポイント、支払金額では「役務」の24.0ポイント、次いで「物品等の購入」の22.0ポイントである。

図表22 契約種類別の契約方式の状況(平成19年度(12月まで)、20年度(12月まで))
〔1〕 件数
上段:20年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
契約方式
契約種類
一般競争契約 指名競争契約 競争契約(計) 随意契約
  うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち企画・公募を経ない随契
工事等 49.2 10.2 31.7 0.1 80.9 10.4 19.0 10.2 100
37.3 4.7 30.8 0.1 68.2 4.9 31.7 23.0 100
(11.9) (5.5) (0.9) (0.0) (12.7) (5.5) (△12.7) (△12.8)
用地取得・補償 - - - - - - 100 99.8 100
- - - - - - 100 100 100
- - - - - - (0.0) (△0.2)
物品等の購入 81.2 0.3 1.5 - 82.8 0.3 17.1 10.2 100
46.1 0.1 2.0 0.0 48.1 0.1 51.8 49.2 100
(35.1) (0.2) (△0.5) (0.0) (34.7) (0.2) (△34.7) (△39.0)
物品等の製造 54.8 1.2 1.4 - 56.3 1.2 43.6 21.8 100
38.7 0.8 1.5 - 40.2 0.8 59.7 54.1 100
(16.1) (0.4) (△0.1) - (16.1) (0.4) (△16.1) (△32.3)
物品等の賃借 24.9 1.8 0.2 0.0 25.1 1.8 74.8 68.3 100
15.0 0.5 0.4 0.0 15.4 0.5 84.5 83.1 100
(9.9) (1.3) (△0.2) (0.0) (9.7) (1.3) (△9.7) (△14.8)
役務 26.9 1.3 4.1 0.0 31.1 1.3 68.8 40.1 100
12.5 0.3 4.4 0.0 17.0 0.3 82.9 70.4 100
(14.4) (1.0) (△0.3) (0.0) (14.1) (1.0) (△14.1) (△30.3)
37.6 1.7 5.1 0.0 42.7 1.7 57.2 36.2 100
20.1 0.6 5.4 0.0 25.5 0.6 74.4 64.8 100
(17.5) (1.1) (△0.3) (0.0) (17.2) (1.1) (△17.2) (△28.6)

〔2〕 支払金額
上段:20年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
契約方式
契約種類
一般競争契約 指名競争契約 競争契約(計) 随意契約
  うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち企画・公募を経ない随契
工事等 41.4 22.3 20.8 0.1 62.2 22.4 37.7 34.0 100
49.4 13.2 16.9 0.4 66.4 13.7 33.5 28.8 100
(△8.0) (9.1) (3.9) (△0.3) (△4.2) (8.7) (4.2) (5.2)
用地取得・補償 - - - - - - 100 99.9 100
- - - - - - 100 100 100
- - - - - - (0.0) (△0.1)
物品等の購入 68.7 0.7 2.7 - 71.5 0.7 28.4 22.7 100
48.5 0.9 3.9 0.0 52.5 0.9 47.4 44.7 100
(20.2) (△0.2) (△1.2) (0.0) (19.0) (△0.2) (△19.0) (△22.0)
物品等の製造 23.5 0.1 0.1 - 23.6 0.1 76.3 60.8 100
22.5 0.1 0.2 - 22.7 0.1 77.2 55.3 100
(1.0) (0.0) (△0.1) - (0.9) (0.0) (△0.9) (5.5)
物品等の賃借 17.7 8.2 0.1 0.1 17.9 8.3 82.0 79.1 100
9.0 2.2 0.1 0.0 9.1 2.2 90.8 89.6 100
(8.7) (6.0) (0.0) (0.1) (8.8) (6.1) (△8.8) (△10.5)
役務 18.0 3.9 1.0 0.0 19.1 3.9 80.8 49.2 100
9.8 0.3 1.9 0.0 11.8 0.3 88.1 73.2 100
(8.2) (3.6) (△0.9) (0.0) (7.3) (3.6) (△7.3) (△24.0)
28.4 5.4 3.5 0.0 32.0 5.4 67.9 48.0 100
20.8 2.1 3.9 0.0 24.8 2.2 75.1 64.5 100
(7.6) (3.3) (△0.4) (0.0) (7.2) (3.2) (△7.2) (△16.5)

 前記のとおり、20年4月1日現在で、すべての独立行政法人において随契限度額が国の金額基準と同額か、又は下回ることとなった。そこで、19年度(12月まで)において、国の金額基準を上回る随契限度額により少額随契としている契約の状況を契約種類別にみると、図表23 のとおり、「物品等の購入」は50.7%と他の契約種類に比べて著しく高い。
 前記のように「物品等の購入」において、企画・公募を経ない随契の件数割合が特に大きく低下して、競争契約の割合が上昇しているのは、20年度(12月まで)においては、上記の少額随契に該当する契約が競争契約に移行していることによると考えられる。

図表23 契約種類別の少額随契の状況(平成19年度(12月まで))

(単位:件、%)

契約種類
区分
工事等 用地取得・補償 物品等の購入 物品等の製造 物品等の賃借 役務
平成19年度(12月まで)の随意契約の件数(a) 1,595 1,515 6,317 1,106 3,955 41,584 56,072
19年度(12月まで)の少額随契(注)の件数(b) 252 0 3,208 167 467 6,110 10,204
割合 (b)/(a) 15.7 50.7 15.0 11.8 14.6 18.1
(注)
 国の金額基準を上回る随契限度額により少額随契としている契約

イ 契約相手方別の契約方式の状況とその変化

 20年度(12月まで)の対象契約について契約相手方別に契約方式の状況をみると、図表24 のとおり、「民間企業」が契約相手方である競争契約の割合は件数で55.3%、支払金額で44.3%となっている。
 一方、「公益法人等」が契約相手方である競争契約の割合は件数で20.2%、支払金額で9.6%となっていて、「民間企業」と比べて、件数で35.1ポイント、支払金額では34.7ポイント低い状況となっている。
 これを前年度同期と比較すると、競争契約の割合は、いずれの契約相手方についても上昇している。ただし、「民間企業」は件数割合で22.5ポイント、支払金額割合で10.2ポイントの上昇、「公益法人等」は件数割合で11.0ポイント、支払金額割合で2.4ポイントの上昇となっていて、「民間企業」の方が競争契約の割合の上昇が大きくなっている。

図表24 契約相手方別契約方式の状況(平成19年度(12月まで)、20年度(12月まで))
〔1〕 件数
上段:20年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
契約方式
契約相手方
一般競争契約 指名競争契約 競争契約(計) 随意契約
  うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち企画・公募を経ない随契
民間企業 48.5 2.1 6.8 0.0 55.3 2.1 44.6 24.4 100
25.8 0.7 7.0 0.0 32.8 0.8 67.1 57.9 100
(22.7) (1.4) (△0.2) (0.0) (22.5) (1.3) (△22.5) (△33.5)
公益法人等 19.3 2.6 0.9 20.2 2.6 79.7 44.0 100
8.3 0.5 0.8 9.2 0.5 90.7 72.8 100
(11.0) (2.1) (0.1) - (11.0) (2.1) (△11.0) (△28.8)
  うち関係法人 13.9 4.5 1.0 14.9 4.5 85.0 44.9 100
9.2 0.5 1.2 10.5 0.5 89.4 75.4 100
(4.7) (4.0) (△0.2) - (4.4) (4.0) (△4.4) (△30.5)
国・地方公共団体 100 93.7 100
100 94.9 100
- - - - - - (0.0) (△1.2)
独立行政法人等 2.1 0.2 0.1 2.3 0.2 97.6 78.0 100
0.3 0.0 0.3 0.0 99.6 88.1 100
(1.8) (0.2) (0.1) - (2.0) (0.2) (△2.0) (△10.1)
その他 2.5 0.2 0.0 2.6 0.2 97.3 70.5 100
1.5 0.1 0.1 1.6 0.1 98.3 91.0 100
(1.0) (0.1) (△0.1) - (1.0) (0.1) (△1.0) (△20.5)
37.6 1.7 5.1 0.0 42.7 1.7 57.2 36.2 100
20.1 0.6 5.4 0.0 25.5 0.6 74.4 64.8 100
(17.5) (1.1) (△0.3) (0.0) (17.2) (1.1) (△17.2) (△28.6)

〔2〕 支払金額
上段:20年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
契約方式
契約相手方
一般競争契約 指名競争契約 競争契約(計) 随意契約
  うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち総合評価方式   うち企画・公募を経ない随契
民間企業 39.2 7.3 5.0 0.0 44.3 7.3 55.6 38.7 100
28.4 3.1 5.7 0.0 34.1 3.2 65.8 56.4 100
(10.8) (4.2) (△0.7) (0.0) (10.2) (4.1) (△10.2) (△17.7)
公益法人等 9.6 2.9 0.0 9.6 2.9 90.3 49.4 100
7.0 0.2 0.1 7.2 0.2 92.7 82.7 100
(2.6) (2.7) (△0.1) - (2.4) (2.7) (△2.4) (△33.3)
  うち関係法人 10.5 3.5 0.0 10.6 3.5 89.3 47.5 100
7.7 0.2 0.1 7.8 0.2 92.1 85.4 100
(2.8) (3.3) (△0.1) - (2.8) (3.3) (△2.8) (△37.9)
国・地方公共団体 100 87.0 100
100 86.7 100
- - - - - - (0.0) (0.3)
独立行政法人等 0.5 0.0 0.2 0.7 0.0 99.2 78.6 100
0.1 0.0 0.1 0.0 99.8 74.7 100
(0.4) (0.0) (0.2) - (0.6) (0.0) (△0.6) (3.9)
その他 0.9 0.1 0.0 0.9 0.1 99.0 87.7 100
0.6 0.0 0.0 0.6 0.0 99.3 94.3 100
(0.3) (0.1) (0.0) - (0.3) (0.1) (△0.3) (△6.6)
28.4 5.4 3.5 0.0 32.0 5.4 67.9 48.0 100
20.8 2.1 3.9 0.0 24.8 2.2 75.1 64.5 100
(7.6) (3.3) (△0.4) (0.0) (7.2) (3.2) (△7.2) (△16.5)

ウ 法人別の契約方式の状況

 20年度(12月まで)の対象契約について法人別に契約方式の状況をみると、別表3のとおり、競争契約の件数割合が最も高いのは、農林水産消費安全技術センターの93.8%であり、次いで土木研究所の90.5%となっている。一方、随意契約の件数割合が最も高いのは、奄美群島振興開発基金の100%であり、次いで農業者年金基金の98.2%となっている。ただし、随意契約の割合が高い法人の中には、企画競争又は公募を経た随意契約(以下「企画随契等」という。)の割合が高い法人や、用地取得・補償のように契約相手方が特定される契約や法令等に基づき一定の要件に該当する者と継続的に締結することとされている契約が高い割合を占めている法人もある。
 なお、随意契約の件数の割合が高い順に法人別の契約方式の状況を示すと図表25 のとおりである。

図表25 法人別の契約方式の状況(平成20年度(12月まで))

図表25法人別の契約方式の状況(平成20年度(12月まで))

エ 競争契約の実施状況

(ア) 指名競争契約の実施状況

 20年度(12月まで)の対象契約について競争契約の実施状況をみると、図表20 参照のとおり、指名競争契約の割合は、件数では5.1%、支払金額では3.5%となっていて前年度同期からわずかに低下している。一方、一般競争契約の割合は、件数では37.6%、支払金額では28.4%と、それぞれ17.5ポイント、7.6ポイント上昇している。これによると、20年度(12月まで)において随意契約から競争契約に移行したものの多くは、一般競争契約に移行しているものと考えられる。
 競争契約に占める指名競争契約の割合を契約種類別にみると、図表26 のとおり、「役務」において件数で12.8ポイント、支払金額で11.2ポイントと大きく低下している。また、「工事等」において指名競争契約の占める割合は、依然として件数で39.2%、支払金額で33.4%を占めていて、他の契約種類に比べて著しく高い。

図表26 指名競争契約における契約種類別の実施状況(平成19年度(12月まで)、20年度(12月まで))
上段:件数、割合(単位:件、%、ポイント)
下段:支払金額、割合(単位:百万円、%、ポイント)
契約種類 平成20年度(12月まで)(A) 19年度(12月まで)(B) 増減値(A)-(B)
     
競争契約
(C)
うち指名
競争契約
(D)
(割合)
(D)/(C)
競争契約
(E)
うち指名
競争契約
(F)
(割合)
(F)/(E)
競争契約 うち指名
競争契約
(割合)
工事等 3,897
60,805
1,528
20,364
(39.2)
(33.4)
3,424
71,380
1,550
18,230
(45.2)
(25.5)
473
△10,575
△22
2,134
(△6.0)
(7.9)
物品等の購入 10,031
99,299
188
3,844
(1.8)
(3.8)
5,869
67,707
251
5,137
(4.2)
(7.5)
4,162
31,591
△63
△1,293
(△2.4)
(△3.7)
物品等の製造 1,113
5,544
29
28
(2.6)
(0.5)
744
4,784
28
51
(3.7)
(1.0)
369
759
1
△23
(△1.1)
(△0.5)
物品等の賃借 1,065
8,071
10
51
(0.9)
(0.6)
724
4,550
20
78
(2.7)
(1.7)
341
3,521
△10
△27
(△1.8)
(△1.1)
役務 13,684
88,541
1,839
4,770
(13.4)
(5.3)
8,530
58,946
2,240
9,763
(26.2)
(16.5)
5,154
29,595
△401
△4,993
(△12.8)
(△11.2)
29,790
262,262
3,594
29,058
(12.0)
(11.0)
19,291
207,369
4,089
33,262
(21.1)
(16.0)
10,499
54,892
△495
△4,203
(△9.1)
(△5.0)

 20年度(12月まで)の対象契約について指名競争契約の実施状況を法人別にみると、別表3のとおり、22法人で3,594件(全体の5.1%)、290億円(同3.5%)となっている。このうち件数が最も多いのは、都市再生機構の2,059件、次いで水資源機構の748件であり、支払金額が最も多いのは、石油天然がす・金属鉱物資源機構の98億円、次いで都市再生機構の95億円となっている。

(イ) 総合評価方式による競争契約の実施状況

 20年度(12月まで)の対象契約について総合評価方式の実施状況をみると、図表27 のとおり、1,239件(全体の1.7%)、449億円(同5.4%)となっていて、前年度同期と比較すると、件数割合で1.1ポイント、支払金額割合で3.2ポイント上昇している。
 その一方で、20年4月1日現在で既に総合評価方式を導入している法人が63法人(前記の1(1)ア 参照)あるのに対して、実施法人数は前年度同期と比較して8法人増加したものの49法人にとどまっていて、2割を超える法人では制度を導入したものの実施していない状況となっている(法人別内訳は別表3 参照)。

図表27 総合評価方式の実施状況(平成19年度(12月まで)、19年度、20年度(12月まで))
上段:件数、支払金額(単位:件、百万円)
下段:割合(単位:%、ポイント)
年度等 競争契約   全体
うち総合評価方式
件数 金額 実施法人数 件数 金額 件数 金額
平成19年度   29,526
(30.5)
697,253
(36.1)
46 762
(0.7)
115,206
(5.9)
96,629
(100)
1,928,147
(100)
20年度(12月まで) (a) 29,790
(42.7)
262,262
(32.0)
49
1,239
(1.7)
44,974
(5.4)
69,653
(100)
818,823
(100)
19年度(12月まで) (b) 19,291
(25.5)
207,369
(24.8)
41 501
(0.6)
18,903
(2.2)
75,363
(100)
834,320
(100)
増減値 (a)-(b) 10,499
(17.2)
54,892
(7.2)
8
738
(1.1)
26,071
(3.2)
△5,710 △15,496

(ウ) 競争契約における応札者数の状況とその変化

 競争契約の利点が発揮されるためには、より多くの事業者が入札に参加して適切な競争が行われることが重要である。
 20年度(12月まで)の対象契約について競争契約の応札者数の状況をみると、図表28 のとおり、応札者が5者以上の契約の割合が件数で24.0%(一般競争契約では16.4%)、支払金額で29.7%(同26.6%)となっている一方、応札者が1者のみのもの(以下「1者応札」という。)の割合は件数で42.4%(同48.1%)、支払金額で34.7%(同39.0%)に上っている。
 これを前年度同期と比較すると、1者応札の割合は、件数で7.1ポイント、支払金額で6.8ポイント上昇している一方で、応札者が5者以上のものの割合は、件数で5.1ポイント、支払金額で10.0ポイント低下している。また、競争契約の件数は10,499件と大幅に増加しているものの、1者応札の増加件数5,838件は、この55.6%に相当している。

図表28 競争契約における応札者数の状況(平成19年度(12月まで)、20年度(12月まで))
〔1〕 件数
上段:件数(単位:件)
下段:割合(単位:%、ポイント)
応札者数
契約方式
1者 複数  
2者 3者 4者 5者以上
平成20年度(12月まで)の競争契約 (a) 12,650
(42.4)
17,140
(57.5)
5,044
(16.9)
2,980
(10.0)
1,960
(6.5)
7,156
(24.0)
29,790
(100)
  一般競争契約 12,623
(48.1)
13,573
(51.8)
4,818
(18.3)
2,634
(10.0)
1,800
(6.8)
4,321
(16.4)
26,196
(100)
指名競争契約 27
(0.7)
3,567
(99.2)
226
(6.2)
346
(9.6)
160
(4.4)
2,835
(78.8)
3,594
(100)
19年度(12月まで)の競争契約 (b) 6,812
(35.3)
12,479
(64.6)
3,278
(16.9)
2,325
(12.0)
1,252
(6.4)
5,624
(29.1)
19,291
(100)
  一般競争契約 6,786
(44.6)
8,416
(55.3)
2,954
(19.4)
1,874
(12.3)
1,040
(6.8)
2,548
(16.7)
15,202
(100)
増減値 (a)-(b) 5,838
(7.1)
4,661
(△7.1)
1,766
(0.0)
655
(△2.0)
708
(0.1)
1,532
(△5.1)
10,499
  一般競争契約 5,837
(3.5)
5,157
(△3.5)
1,864
(△1.1)
760
(△2.3)
760
(0.0)
1,773
(△0.3)
10,994
(注)
 応札者数が不明の契約を除いている。以下の図表においても同じ。


〔2〕 支払金額
上段:支払金額(単位:百万円)
下段:割合(単位:%、ポイント)
応札者数
契約方式
1者 複数  
2者 3者 4者 5者以上
平成20年度(12月まで)の競争契約 (a) 91,064
(34.7)
171,197
(65.2)
34,998
(13.3)
29,100
(11.0)
29,170
(11.1)
77,927
(29.7)
262,262
(100)
  一般競争契約 90,951
(39.0)
142,251
(60.9)
33,040
(14.1)
18,858
(8.0)
28,162
(12.0)
62,189
(26.6)
233,203
(100)
指名競争契約 112
(0.3)
28,946
(99.6)
1,958
(6.7)
10,241
(35.2)
1,007
(3.4)
15,738
(54.1)
29,058
(100)
19年度(12月まで)の競争契約 (b) 57,997
(27.9)
149,372
(72.0)
25,477
(12.2)
29,868
(14.4)
11,505
(5.5)
82,520
(39.7)
207,369
(100)
  一般競争契約 57,864
(33.2)
116,243
(66.7)
23,636
(13.5)
27,821
(15.9)
9,797
(5.6)
54,987
(31.5)
174,107
(100)
増減値 (a)-(b) 33,067
(6.8)
21,825
(△6.8)
9,521
(1.1)
△767
(△3.4)
17,664
(5.6)
△4,592
(△10.0)
54,892
  一般競争契約 33,087
(5.8)
26,008
(△5.8)
9,403
(0.6)
△8,962
(△7.9)
18,365
(6.4)
7,202
(△4.9)
59,096

 競争契約における応札者数の状況を契約種類別にみると、図表29 のとおり、応札者が複数であるもの(以下「複数応札」という。)の割合が最も高いのは、件数、支払金額共に「工事等」(件数で82.8%、支払金額で85.0%)であり、次いで「物品等の購入」(件数で61.5%、支払金額で79.7%)となっている。特に、「工事等」は、応札者数が5者以上のものの割合が件数で52.0%となっていて、過半数の契約において、多数の事業者が入札に参加している状況にある。ただし、「工事等」は、前記の(ア) で記述したとおり、指名競争契約の割合が件数で39.2%と他の契約種類に比べて著しく高くなっており、指名競争契約では、あらかじめ十分な数の事業者を指名するため、結果として応札者が5者以上のものの割合が高くなっている面があることに留意する必要がある。
 一方、「工事等」以外の契約種類では、いずれも応札者が5者以上のものの割合に比べて1者応札の割合が高い状況となっており、特に、「物品等の製造」、「役務」は、1者応札の割合が件数で52.4%、51.8%と5割を超える状況となっている。
 これを前年度同期と比較すると、1者応札の割合が最も上昇しているのは「役務」であり、件数で11.9ポイント、支払金額で12.4ポイント上昇している。また、複数応札の割合が最も上昇しているのは、件数では「物品等の購入」、支払金額では「物品等の製造」で、それぞれ1.1ポイント、19.0ポイント上昇している。

図表29 競争契約における契約種類別の応札者数の状況(平成19年度(12月まで)、20年度(12月まで))
〔1〕 件数
上段:20年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の件数割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
応札者数
契約種類
1者 複数  
2者 3者 4者 5者以上
工事等 17.1 82.8 13.0 9.6 8.0 52.0 100
12.5 87.4 10.3 11.0 8.1 57.7 100
(4.6) (△4.6) (2.7) (△1.4) (△0.1) (△5.7)
物品等の購入 38.4 61.5 16.5 10.2 8.8 25.8 100
39.5 60.4 19.0 12.7 6.9 21.6 100
(△1.1) (1.1) (△2.5) (△2.5) (1.9) (4.2)
物品等の製造 52.4 47.5 21.4 8.4 6.2 11.3 100
46.5 53.4 20.8 9.5 6.4 16.6 100
(5.9) (△5.9) (0.6) (△1.1) (△0.2) (△5.3)
物品等の賃借 42.6 57.3 30.8 14.9 4.9 6.5 100
41.9 58.0 27.7 16.0 6.6 7.5 100
(0.7) (△0.7) (3.1) (△1.1) (△1.7) (△1.0)
役務 51.8 48.1 16.8 9.6 4.6 17.0 100
39.9 60.0 16.9 11.8 5.4 25.7 100
(11.9) (△11.9) (△0.1) (△2.2) (△0.8) (△8.7)
42.4 57.5 16.9 10.0 6.5 24.0 100
35.3 64.6 16.9 12.0 6.4 29.1 100
(7.1) (△7.1) (0.0) (△2.0) (0.1) (△5.1)

〔2〕 支払金額
上段:20年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
中段:19年度(12月まで)分の支払金額割合(単位:%)
下段:増減値(単位:ポイント)
応札者数
契約種類
1者 複数  
2者 3者 4者 5者以上
工事等 14.9 85.0 10.3 24.5 7.9 42.1 100
11.4 88.5 8.5 28.0 7.9 44.0 100
(3.5) (△3.5) (1.8) (△3.5) (0.0) (△1.9)
物品等の購入 20.2 79.7 10.2 6.5 21.2 41.7 100
21.8 78.1 12.2 7.4 4.7 53.6 100
(△1.6) (1.6) (△2.0) (△0.9) (16.5) (△11.9)
物品等の製造 35.9 64.0 27.8 17.9 9.8 8.4 100
54.9 45.0 26.0 7.6 3.3 8.0 100
(△19.0) (19.0) (1.8) (10.3) (6.5) (0.4)
物品等の賃借 57.0 42.9 27.2 10.0 1.8 3.7 100
64.1 35.8 19.7 5.7 4.0 6.2 100
(△7.1) (7.1) (7.5) (4.3) (△2.2) (△2.5)
役務 62.4 37.5 16.6 6.5 2.8 11.3 100
50.0 49.9 15.1 7.0 3.9 23.7 100
(12.4) (△12.4) (1.5) (△0.5) (△1.1) (△12.4)
34.7 65.2 13.3 11.0 11.1 29.7 100
27.9 72.0 12.2 14.4 5.5 39.7 100
(6.8) (△6.8) (1.1) (△3.4) (5.6) (△10.0)

 なお、20年度(12月まで)の対象契約について競争契約における応札者数の状況を法人別にみると、別表4のとおりである。

(3) 落札率等の状況とその変化

 契約金額の予定価格に対する比率である落札率は、予定価格の妥当性や契約方式の特性等から、その高低だけをもって一律に評価できない面はあるものの、契約の競争性や契約金額の経済性等を評価する際の指標の一つと考えられる。
 そこで、対象契約(予定価格が作成されていない契約を除く。以下、本項において同じ。)について落札率の状況をみると、次のとおりとなっている。

ア 契約方式別の落札率の状況

 対象契約について契約方式別に平均落札率の状況をみると、図表30 のとおり、19年度、20年度(12月まで)共に随意契約の方が競争契約よりも7ポイント以上高く、20年度(12月まで)では、競争契約が89.3%(一般競争契約90.4%、指名競争契約82.0%)であるのに対して、随意契約は97.5%と8.2ポイント高くなっている。
 これを前年度同期と比較すると、競争契約で0.3ポイント、随意契約で1.1ポイント高くなっていて、大きな変化はみられない。

図表30 契約方式別の平均落札率の状況(平成19年度(12月まで)、19年度、20年度(12月まで))
  (単位:%、ポイント)
契約方式
区分
競争契約
(A)
  随意契約
(B)
(開差)
(B)-(A)
一般競争契約 指名競争契約
平成19年度 89.1 90.1 85.4 96.6 (7.5) 93.1
20年度(12月まで) (a) 89.3 90.4 82.0 97.5 (8.2) 93.4
19年度(12月まで) (b) 89.0 89.8 86.1 96.4 (7.4) 93.2
増減値 (a)-(b) (0.3) (0.6) (△4.1) (1.1) (0.2)

 また、20年度(12月まで)の対象契約について落札率の高低別に契約件数の分布状況をみると、図表31 のとおり、落札率が99%以上の契約が占める割合は、競争契約では30.2%となっているのに対して、随意契約では76.4%となっている。
 さらに、落札率が100%の契約(以下「落札率100%契約」という。)は、競争契約では12.2%あるのに対して、随意契約では65.2%と過半を占めている。

図表31 契約方式別の落札率の分布状況(平成20年度(12月まで))
〔1〕 落札率の分布状況 (単位:件、%)
落札率 一般競争契約(A) 指名競争契約(B) 競争契約(C)=(A)+(B) 随意契約(D) 合計(C)+(D)
件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
  100% 3,180 13.5 139 3.9 3,319 12.2 17,549 65.2 20,868 38.7
99%以上100%未満 4,625 19.7 221 6.2 4,846 17.9 3,014 11.2 7,860 14.5
99%以上 7,805 33.3 360 10.1 8,165 30.2 20,563 76.4 28,728 53.3
95%以上99%未満 5,702 24.3 727 20.4 6,429 23.8 2,845 10.5 9,274 17.2
90%以上95%未満 3,205 13.6 603 17.0 3,808 14.1 1,398 5.1 5,206 9.6
80%以上90%未満 2,946 12.5 627 17.6 3,573 13.2 1,190 4.4 4,763 8.8
80%未満 3,779 16.1 1,230 34.6 5,009 18.5 900 3.3 5,909 10.9
23,437 100 3,547 100 26,984 100 26,896 100 53,880 100
平均落札率 90.4 82.0 89.3 97.5 93.4

〔2〕 落札率の分布図
 

〔2〕落札率の分布図

 また、これを前年度同期と比較すると、図表32 のとおりである。

図表32 契約方式別の落札率の分布状況の変化
〔1〕 一般競争契約  

独立行政法人の契約制度の状況の図1

〔2〕 一般競争契約
 

〔2〕一般競争契約

イ 競争契約における応札者数別の落札率と落札率100%契約の状況

 対象契約のうち競争契約について応札者数と平均落札率の関係をみると、図表33 のとおり、19年度、20年度(12月まで)共に1者応札の場合は平均落札率が最も高率(19年度95.1%、20年度(12月まで)95.7%)となっており、応札者数が増加するにつれて、平均落札率は8割台後半から8割台前半まで逓減している。そして、複数応札の場合の平均落札率は、19年度85.5%、20年度(12月まで)84.0%となっていて、1者応札の場合はこれを9.6ポイント、11.7ポイント上回っている。
 これを前年度同期と比較すると、1者応札と複数応札の平均落札率の開差は、2.0ポイント拡大している。

図表33 競争契約における応札者数別の落札率の状況(平成19年度(12月まで)、19年度、 20年度(12月まで))
〔1〕 落札率の状況 (単位:件、%、ポイント)
応札者数
年度
1者応札
(A)
複数応札
(B)
  (開差)
(A)-(B)
2者 3者 4者 5者以上
平成19年度 件数 9,829 16,014 4,430 3,044 1,634 6,906 25,843
(平均落札率) (95.1) (85.5) (88.5) (86.7) (84.1) (83.3) (89.1) (9.6)
20年度(12月まで) (a) 件数 12,305 14,679 4,777 2,737 1,511 5,654 26,984
(平均落札率) (95.7) (84.0) (87.6) (85.4) (83.0) (80.4) (89.3) (11.7)
19年度(12月まで) (b) 件数 6,660 11,530 3,142 2,188 1,194 5,006 18,190
(平均落札率) (95.1) (85.4) (88.4) (86.5) (84.3) (83.3) (89.0) (9.7)
増減値 (a)-(b) 件数 5,645 3,149 1,635 549 317 648 8,794
(平均落札率) (0.6) (△1.4) (△0.8) (△1.1) (△1.3) (△2.9) (0.3) (2.0)

〔2〕 落札率の分布状況(20年度(12月まで))
 

〔2〕落札率の分布状況(20年度(12月まで))

 また、20年度(12月まで)の対象契約について落札率の高低別に契約件数の分布状況をみると、図表34 のとおり、落札率が99%以上の契約が占める割合は、応札者が5者以上のものでは13.2%となっているのに対して、1者応札では46.2%となっている。また、落札率100%契約は、応札者が5者以上のものでは4.1%となっているのに対して、1者応札では19.9%となっている。

図表34 競争契約における応札者数別の落札率の分布状況(平成20年度(12月まで))
  (単位:件、%)
落札率 1者応札 複数応札  
2者 3者 4者 5者以上
件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合 件数 割合
  100% 2,460 19.9 859 5.8 349 7.3 184 6.7 92 6.0 234 4.1 3,319 12.2
99%以上100%未満 3,233 26.2 1,613 10.9 653 13.6 311 11.3 136 9.0 513 9.0 4,846 17.9
99%以上 5,693 46.2 2,472 16.8 1,002 20.9 495 18.0 228 15.0 747 13.2 8,165 30.2
95%以上99%未満 3,542 28.7 2,887 19.6 1,096 22.9 571 20.8 287 18.9 933 16.5 6,429 23.8
90%以上95%未満 1,582 12.8 2,226 15.1 830 17.3 407 14.8 209 13.8 780 13.7 3,808 14.1
80%以上90%未満 936 7.6 2,637 17.9 819 17.1 527 19.2 275 18.1 1,016 17.9 3,573 13.2
80%未満 552 4.4 4,457 30.3 1,030 21.5 737 26.9 512 33.8 2,178 38.5 5,009 18.5
12,305 100 14,679 100 4,777 100 2,737 100 1,511 100 5,654 100 26,984 100
平均落札率 95.7 84.0 87.6 85.4 83.0 80.4 89.3

 そして、落札率でみた累積度数比率(落札率の低い順に契約件数を累計して総契約件数に対する比率を求めたもの)の分布をみると、図表35 のとおり、1者応札契約と随意契約はほぼ同様の傾向を示しており、競争契約であっても1者応札については、実質的な競争性を確保しにくい状況となっていて、20年報告からの変化はみられない。
 なお、競争契約において落札率が100%となっているのは、予定価格の算定根拠とした見積りについて査定等を行わずにそのまま採用して予定価格を作成したが、見積りを徴した相手方しか応札者がいなかった場合や、当初の入札で予定価格以下の応札者がおらず予定価格に達するまで複数回入札を繰り返した場合等に見受けられる。

図表35 応札者数別及び随意契約の落札率の分布図[累積度数比率](平成20年度(12月まで))

図表35応札者数別及び随意契約の落札率の分布図[累積度数比率](平成20年度(12月まで))

(4) 一般競争契約の入札に係る手続の実施状況

 前記の(2)で分析したとおり、競争契約の割合は、20年度(12月まで)では19年度に比べて上昇しているものの、その一方で、1者応札の割合は前年度同期と比較して上昇しており、特に、一般競争契約では48.1%となっていて、半数近くの契約において実質的な競争性を確保しにくい状況となっている。
 1者応札となっているものの中には、専門性や特殊性の高い役務、機器等の調達で、履行又は供給可能な者が限定されるなど、発注者で対処できないものがあることも推測されるが、より多くの事業者に入札への参加を促すよう、発注者において応札しやすい環境を整えることが重要である。
 一般競争契約は、入札参加者を広く一般に求める方式であるが、全く無制限に参加を認めたのでは不信用、不誠実な者の参加により契約の履行が確保できなくなるおそれがあるため、入札に参加するための一定の資格要件が定められることになる。
 国の場合、この参加資格要件には、国との契約の履行に当たり不正の行為をした者は競争に参加させないことができるなどとする欠格要件(予決令第70条及び第71条)のほか、一般競争に参加する者が具備する必要があると認められる資格を定めた積極要件(予決令第72条及び第73条)がある。
 積極要件は、契約の種類ごとに、その金額等に応じて、工事、製造又は販売等の実績、従業員数、資本の額その他の経営の規模及び経営の状況に関する事項について必要な資格を定めることができる(予決令第72条)とされており、定期又は随時に行われる資格審査の結果、参加資格が認められた者は一般競争参加資格者名簿に契約の種類ごとに等級区分して登載されることになる。また、契約の性質又は目的により特に必要があるときは、上記の資格要件に加え、例えば、特殊機械の保有状況、技術者の雇用状況等必要な資格を定めることができる(予決令第73条)とされている。
 独立行政法人においても、前記の参加資格要件について、各法人の会計規程等の定めにより、おおむね同様の運用が行われており、上記の等級区分に関しても、国の取扱いに準じて運用している法人が多く見受けられる(以下、このような参加資格要件に関する等級区分を総称して「競争参加資格等級」という。)。
 そして、一般競争入札の実施に当たっては、入札を事業者に周知するために必要な事項を官報等により公告したり、入札の参加に必要な資格、条件等(以下「入札参加要件」という。)を定めたりするとともに、事業者が受注の可否の検討や入札金額の見積りなどを行うために必要な契約の条件、仕様等を示すため、入札説明書、仕様書、設計書等(以下「入札説明書等」という。)を作成して、これを配布したり、入札説明会を開催したりなどしている。
 その際、入札参加者の拡大を図るためには、〔1〕 公告は、事業者に等しく周知できるような方法により十分な期間を確保して行うこと、〔2〕 入札参加要件は、参加者の範囲が過度に制限されることのないよう、契約の確実な履行を確保する上で必要最小限なものに限って設定するとともに、その内容が参加者に等しく理解できるように、具体的かつ明確に示すこと、〔3〕 入札説明書等は、特定の事業者に有利とならないように、契約の目的を達成する上で不可欠な場合等を除き、特定の製品名等を仕様書等に記載しないなど中立的な内容とするとともに、新規の参加者でも適切に受注の可否の判断や入札金額の見積りができるように、必要な情報について漏れなく具体的かつ明確に示すことなどにより、手続の公正性等を確保して、より多くの事業者に入札への参加機会を与えるとともに、新規の事業者の参加を阻害しないようにすることが重要である。
 また、公告期間は、事業者へ公告の内容を周知するための期間(以下「周知期間」という。)と事業者が受注の可否の検討や入札金額の見積りなどを行うための期間(以下「見積期間」という。)を十分確保するため、契約の内容に応じて適切に設定することが重要であることから、入札期日より前に、入札参加の申込みをさせたり、入札参加要件に係る審査のための書類を提出させたりする場合や、入札期日に近接して入札説明会を開催したり、入札説明書等の配布期限を設定したりする場合等には、必要とされる公告期間が実質的に確保されるように、これらの期限等の設定について十分留意する必要がある。
 そこで、公告の方法、入札参加要件の設定、入札説明書等の作成等の一般競争契約の入札に係る手続の実施状況について、一般競争契約を対象として、各法人の会計実地検査の際に、応札者数や契約の内容となっている業務の性質等を勘案するなどして抽出して検査した。
 検査したところ、競争性、公正性等の確保に関して検討すべきであったと認められる事態が127件あった。これらのうち主な態様を示すと以下のとおりである(態様別内訳は別表5 参照。法人別内訳は別表6 参照)。
 なお、上記の127件の中には、〔1〕 随意契約見直し計画に基づき見直しの対象とされた契約で一般競争契約に移行したもの、及び〔2〕 個別の事態で、一般競争契約に移行したものもあるが、これらの状況については、3(5)及び(6)並びに4(3)及び(4)においても再度取り上げて示す。

ア 公告期間の設定に関して検討すべきであったもの

 公告期間が実質的には短縮されることになっていたり、見積期間の確保が十分でなかったりしているなど、公告期間の設定に関して検討すべきであったと認められる事態が30件あった。これらについて主な態様を示すと以下のとおりである。

(ア) 公告期間が実質的には短縮されることになるもの

 公告期間の設定に当たり、入札に参加するために必要な書類の提出期限を入札期日より前に設定したり、入札説明書等の配布期間を限定したりなどしているため、十分な周知期間が確保されておらず、実質的には公告期間が短縮されることになっていると認められるものが見受けられた。
 上記について事例を示すと、次のとおりである。

<事例>

[十分な周知期間が確保されていないもの]
〔1〕  港湾空港技術研究所は、港湾空港技術研究所契約事務取扱細則において、一般競争入札に係る公告期間を少なくとも10日以上とすることとしている。
 しかし、平成20年4月から11月までに締結した一般競争契約のうち、再度公告を行った契約を除く92件について公告期間の設定状況をみると、このうち4件は上記の細則の規定を下回る9日となっていて、公告期間が適切に設定されていなかった。
 また、上記92件のうち74件の契約については、入札期日より前に競争参加資格を証明する書面(以下「証明書」という。)を提出することを入札参加要件としているが、このうち58件については、証明書の提出期限の前日までの期間が10日を下回っており、最も短いものでは4日間となっていた(参考図 参照)。このため、実際には、証明書の提出期限が入札に参加するための期限となることから、十分な周知期間が確保されていない状況となっており、実質的には公告期間が短縮されることとなっている。したがって、公告期間を実質的に確保するためには、少なくとも証明書の提出期限の前日までの期間を10日以上となるよう設定すべきであったと認められる。
 なお、公告期間が10日を下回っていたり、実質的に短縮されていたりしている契約計59件のうち、42件が1者応札となっている。

〈参考図〉河口周辺での底泥音響データ測定の補助業務に係る契約の公告期間の設定状況

〈参考図〉河口周辺での底泥音響データ測定の補助業務に係る契約の公告期間の設定状況

(注)
 上記の期間は、入札期日又は証明書の提出期限の前日までの日数である。

〔2〕  医薬品医療機器総合機構は、平成18、19両年度に、医薬品の規格基準書である日本薬局方の原案を整備するなどの作業について、日本薬局方に収載されている試験方法等についての相当の専門性・信頼性を担保し得る唯一の者であることを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額:18年度23,440千円、19年度14,966千円)を行っていた。これについて、同機構は、20年度に総合評価方式による一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同法人と契約(契約金額6,357千円)を行った。
 同機構は、契約事務に関する標準業務手順書において、一般競争入札に係る公告期間を10日以上とすることとしており、上記の入札においても公告期間を17日としていたが、入札参加要件として、入札事項等に関する説明を受けることとしていた。
 しかし、上記の説明は、入札公告日の3日後に設定されている入札説明会において行うこととされており、入札説明書等の配布も同日のみとなっていて、事例〔1〕 と同様に、十分な周知期間が確保されていない状況となっていることから、より多くの者の参加が可能となるよう、入札説明会の実施日や入札説明書等の配布期間を適切に設定すべきであったと認められる。

(注)
 単価契約等によるものは年間の支払総額を契約金額としている。以下同じ。

(イ) 見積期間の確保が十分でないもの

 入札説明会の開催日から入札期日までの期間が近接しているため、十分な見積期間が確保されていないと認められるものが見受けられた。
 上記について事例を示すと、次のとおりである。

<事例>

[十分な見積期間が確保されていないもの]
〔3〕  労働政策研究・研修機構は、平成19年度に、事務所内で使用する収納庫等の家具の購入及び既存家具の解体・組立作業について、一般競争入札を行ったところ、1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額2,614千円)を行った。
 上記の入札に当たっては、入札説明会に参加することを入札参加要件としているが、入札説明会の開催日及び仕様書の配布日が入札期日の2日前となっており、また、同機構において、予定価格の積算に当たり事前に参考見積りを徴したのは、上記の応札者のみであった。
 したがって、当該応札者以外の他の事業者には、十分な見積期間が確保されていないと考えられることから、より多くの事業者の参加が可能となるよう、十分な見積期間を確保することについて検討すべきであったと認められる。

イ 入札参加要件の設定に関して検討すべきであったもの

 入札参加要件を制限的なものとしていたり、明確に示していなかったりしていて、入札参加要件の設定に関して検討すべきであったと認められる事態が69件あった。これらについて主な態様を示すと以下のとおりである。

(ア) 入札参加要件が制限的なものとなっているもの

 入札参加者に求める競争参加資格等級や業務実績等の要件を必要以上に限定したり、契約内容との関連性が薄い事項を入札参加要件に含めたりなどしているため、参加者の範囲が制限される可能性があると認められるものが見受けられた。
 上記について事例を示すと、次のとおりである。

<事例>

[競争参加資格等級を限定して指定しているもの]
〔4〕  緑資源機構(平成20年4月1日以降は森林総合研究所森林農地整備センター)は、平成18年度に、倉庫維持管理業務について、重要な書類を保管しており、管理を徹底させる必要があることなどを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額2,305千円)を行っていた。これについて、同機構は、19年度に一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同者と契約(契約金額1,612千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、競争参加資格等級が「A」又は「B」の等級であることを入札参加要件としているが、同機構の定めた「業者等の等級の格付基準」では本契約の予定価格の額に対応する競争参加資格等級は「C」の等級とされていることから、これを含めた競争参加資格等級の指定にすべきであったと認められる。

[入札参加者の事務所等の所在地を限定しているもの]
〔5〕  中小企業基盤整備機構は、平成20年度に、工業団地の維持管理作業について、一般競争入札を行ったところ、1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額14,070千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、当該団地が所在する市又は町に本店、支店又は営業所(以下「事務所等」という。)を有することを入札参加要件としているが、本件業務は、団地内の未分譲地の除草、薬剤散布、清掃等を降雪期間を除いて年間数回程度実施するものであり、当該業務を実施する上で、このように事務所等の所在地を限定する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

〔6〕  水資源機構は、平成19年度に、総合事業所における文書処理補助業務について、一般競争入札を行ったところ、1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額30,364千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、当該事業所が所在する県内に本店、支店又は営業所(以下「事務所等」という。)を有することを入札参加要件として求めているが、当該業務を実施するに当たって、このように事務所等の所在地を限定する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

[事業者が保有する資格を限定して指定しているもの]
〔7〕  環境再生保全機構は、平成18、19両年度に、病理組織学的検査委託業務について、他の業者では提供できない技術的知見及び管理体制を有していることを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:18年度1,438千円、19年度3,257千円)を行っていた。これについて、同機構は、20年度に一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同者と契約(契約金額3,944千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、特定の審査登録機関によるISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)の認証を受けていることなどを入札参加要件としているが、ISO14001に関する認証を行う審査登録機関は複数存在することから、より多くの者の参加が可能となるよう、審査登録機関に係る制限の緩和について検討すべきであったと認められる。

[業務実績の要件について施設や受注形態を限定しているもの]
〔8〕  国立青少年教育振興機構は、平成19年度に、国立淡路青少年交流の家宿泊棟耐震改修等機械設備工事について、一般競争入札を行ったところ、1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額30,450千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、「元請として完成・引渡しが完了した国公立の学校・青少年教育施設」の施工実績があることを入札参加要件としているが、当該工事の内容からみて、このように施設を限定したり、元請としての施工実績に限定したりする必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

[業務実績の要件について地域や施設を限定しているもの]
〔9〕  国立美術館東京国立近代美術館は、平成18年度に、エレベータ保守業務について、同美術館の規定による随契限度額(当該業務では500万円)を超えないことを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額2,094千円)を行っていた。これについて、同美術館は、19年3月に、随契限度額を国の金額基準と同額(同100万円)に改正したことから、19年度に一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、入札額が予定価格を上回ったため再度の入札を行ったものの、当該業者が辞退したことから、同者と交渉の上、随意契約(契約金額2,089千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、東京都特別区内の美術館又は博物館等における契約実績を有することを入札参加要件としているが、このように地域や施設を限定する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

[業務実績の要件について、施設を限定していたり、必要以上の規模の要件を求めたりしているもの]
〔10〕  大学評価・学位授与機構は、平成19年度に、本館の清掃業務について、一般競争入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額6,300千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、大学等の教育研究機関における建物の共有スペースの清掃契約で、1契約当たりの契約床面積が8,000m2 以上の実績を有することなどを入札参加要件としているが、このように施設を限定する必要はないと考えられるほか、契約の対象とする同機構の共有スペースは4,922m²であることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

[業務実績の要件について地域、納品実績等を限定しているもの]
〔11〕  日本芸術文化振興会は、平成18年度に、国立能楽堂公演ポスター・チラシ作成業務について、月ごとに業務を発注することとし、同一業者と少額随契を行っていた。これについて、同振興会は、19年度に年間分を一括して一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同者と契約(契約金額4,410千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、「都内又はその近郊の劇場が主催する能楽公演で、デザイン作成から印刷納品まで行い、ポスターB2判以上100枚以上・チラシB5判以上10,000枚以上を、過去5年間のうちに12カ月連続して毎月1回以上納品した実績があること」を入札参加要件としているが、本件業務の内容からみて、納入実績に関する要件について上記のような詳細な限定を付する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

[業務実績の要件について発注者を限定しているもの]
〔12〕  鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社は、平成18年度に、職員寮における給食、清掃及び管理業務について、継続して安定した役務提供の確保を図ることなどを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額7,686千円)を行っていた。これについて、同支社は、19年度に一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同者と契約(契約金額7,119千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、官公庁等公的機関との契約実績を有することを入札参加要件としているが、このように発注元を限定する必要はないと考えられることから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

(イ) 入札参加要件が明確に示されていないもの

 入札参加者に求める業務実績の内容を明確に示しておらず、入札に係る手続の公正性及び透明性が十分確保されていないと認められるものが見受けられた。
 上記について事例を示すと、次のとおりである。

<事例>

[業務を実施するために必要な要件が具体的に示されていないもの]
〔13〕  産業技術総合研究所は、平成19年度に、ナノテクノロジーに関する研修の運営補助作業について、一般競争入札を行ったところ、1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額12,804千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たっては、過去の類似業務の実績等の資料を提出させ、これにより技術審査を行って、業務を実施するために必要な要件を満たしていないと判断した場合には入札に参加できないこととしているが、当該要件が具体的に示されておらず、入札に係る手続の公正性及び透明性が確保されていなかったと認められる。

ウ 入札説明書等の作成に関して検討すべきであったもの

 契約の条件や仕様書の内容が制限的となっていたり、仕様書等の記載内容が明確でなかったりしていて、入札説明書等の作成に関して検討すべきであったと認められる事態が27件あった。これらについて主な態様を示すと以下のとおりである。

(ア) 契約の条件や仕様書の内容が制限的となっているもの

 契約の条件として必要と認められる以上の条件を付していて、特定の事業者に有利となっていたり、仕様書において、特定の製品名を表示したりなどしていて、参加者の範囲が制限される可能性があると認められるものが見受けられた。
 上記について事例を示すと、次のとおりである。

<事例>

[特定のメーカーの製品名を限定して表示しているもの]
〔14〕  科学技術振興機構は、平成19年度に、新設した執務室に必要な机、いす、書庫、ワゴン等の什器購入について、一般競争入札を行ったところ、1者応札となり、応札した業者と契約(契約金額4,883千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たって示した仕様書等をみると、什器のサイズ、色等の具体的な規格は示さずに、特定メーカーの製品名、品番及び配置図のみを記載していた。同機構は、事前に仕様を示し了解を得た場合には、他社の製品を提案できるとしているが、仕様書等の記載に当たっては、製品のサイズ、色等の規格を具体的に示す必要があると認められることから、より多くの者の参加が可能となるよう、仕様書等の記載内容を検討すべきであったと認められる。

[長期間の引継期間を求めているもの]
〔15〕  国立病院機構刀根山病院は、平成20年度に、給食・食器洗浄等業務について、一般競争入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同者と契約(契約金額64,638千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たって示した入札説明書をみると、受注者が従来の契約相手方以外の者となった場合は、受注者の負担により、業務の実施要員を契約期間の開始前に派遣して、最低1か月間の業務引継ぎを行わなければならないとの条件が付されているが、業務引継ぎにこのように長期間が必要であるとは認められないことから、より多くの者の参加が可能となるよう、この要件の緩和について検討すべきであったと認められる。

(イ) 仕様書等の記載内容が明確でないもの

 仕様書等において、業務の具体的な内容を記載していなかったり、業務量を明確に示していなかったりなどしていて、従来の契約相手方しか判断できない内容があるため、参加者の範囲が制限される可能性があると認められるものが見受けられた。
 上記について事例を示すと、次のとおりである。

<事例>

[精算項目等が明確に示されていないもの]
〔16〕  国際交流基金は、平成20年度に、外国劇映画の貸出等の業務について、一般競争入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、応札した関係法人と契約(契約金額4,870千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たって示した入札説明書等をみると、履行実績に応じて精算することとする支払条件や精算対象となる項目及びその予定数量が明確に示されていないなど、従来の契約相手方しか判断できない内容があることから、入札説明書等の記載内容を明確にすべきであったと認められる。

[業務量等が明確に示されていないもの]
〔17〕  国立印刷局は、平成18年度に、同印刷局東京病院において医療材料の納入業者からの受入れ、各診療科への払出し、在庫管理等を行う作業について、当該作業について実績を有しており作業内容を熟知していることなどを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額7,358千円)を行っていた。これについて、同印刷局は、19年度に一般競争契約に移行し、3年間の複数年契約を行うこととして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同者と契約(契約金額22,075千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たって示した仕様書をみると、払出しのためのパック詰めを行う医療材料の数量や、臨時の払出しの作業頻度等が明確に示されていないなど、従来の契約相手方しか判断できない内容があることから、仕様書の記載内容を明確にすべきであったと認められる。

〔18〕  労働者健康福祉機構東京労災病院は、平成18年度に、外来患者等の受付、外来診療費算定等の医事課業務について、病院の理念、基本方針及び業務を熟知していることなどを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額55,068千円)を行っていた。これについて、同病院は、19年度に一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、入札額が予定価格を上回ったため再度の入札を行ったものの、なお入札額が予定価格を上回ったことから、同者と交渉の上、随意契約(契約金額57,271千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たって示した仕様書をみると、外来患者数が明記されていないなど、従来の契約相手方しか判断できない内容があることから、仕様書の記載内容を明確にすべきであったと認められる。

[具体的な業務内容が明確に示されていないもの]
〔19〕  日本学術振興会は、平成19年度(上半期)に、海外から招へいした外国人研究者等の生活支援情報を掲載したウェブサイトの作成管理作業や日常生活に関する質問対応作業を業務内容とする生活支援業務等について、当該業務について実績及びノウハウの蓄積を有していることなどを理由に、特定の公益法人と随意契約(契約金額28,389千円)を行っていた。これについて、同会は、19年度(下半期)に一般競争契約に移行することとして、入札を行ったところ、従来の契約相手方だけの1者応札となり、同法人と契約(契約金額29,505千円)を行った。
 しかし、上記の入札に当たって示した仕様書をみると、ウェブサイトの具体的な仕様や質問対応を行う曜日、時間が明記されていないなど、実施する業務内容が具体的に示されておらず、従来の契約相手方しか判断できない内容があることから、仕様書の記載内容を明確にすべきであったと認められる。