ページトップ
  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成21年9月

独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況について


6 主な随意契約先及び再委託先における発注元独立行政法人退職者等の再就職者数

(1) 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者の状況

 随意契約のうち19年度及び20年度(12月まで)において、各独立行政法人が、公益法人等と締結している契約の件数、金額等は、前記の4(1)に記述したとおり(別表10 参照)であるが、これらの契約の相手方となっている公益法人等(以下「随契先公益法人等」という。)は、別表13 のとおり、1,157法人となっており、20年報告に比べて144法人減少している。これを独立行政法人別にみると、随契先公益法人等の数が多い上位3法人は、国際協力機構、雇用・能力開発機構、科学技術振興機構であり、これらの法人に係る随契先公益法人等は延べ395法人で全体の25.0%(随契先公益法人等の重複を含めた延べ1,574法人に対する比率)を占めている。
 これらの随契先公益法人等について、20年4月1日現在(1,157法人)及び21年4月1日現在(1,152法人)における発注元独立行政法人退職者の再就職者(注11) の状況をみると、図表75 及び別表13 のとおりとなっている。また、随契先公益法人等への再就職者数の多い上位10位までの法人の状況を示すと、図表76 のとおりである。

 発注元独立行政法人退職者の再就職者  随意契約を発注した独立行政法人に常勤の役員又は職員として職務に従事した者で、当該独立行政法人を退職して、随契先公益法人等(次項の(3)においては、随契先民間企業等、次項の(4)においては、随契先公益法人等からの再委託先)に再就職した者をいい、人事交流による出向等は含まない。

 発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している法人数は、20年4月1日現在で123法人(随契先公益法人等の10.6%)、21年4月1日現在で122法人(同10.5%)となっていて、20年報告の129法人(同9.9%)に比べて減少している。そして、上記の法人における発注元独立行政法人退職者の再就職者数は、20年4月1日現在で773人(うち国家公務員出身者は113人)、1法人当たり平均6.2人、21年4月1日現在で644人(同113人)、1法人当たり平均5.2人となっていて、20年報告の827人(同114人)、1法人当たり平均6.4人から減少している。これを発注元独立行政法人別にみると、当該独立行政法人退職者の再就職者が在籍している随契先公益法人等数が多いのは、都市再生機構、日本原子力研究開発機構等であり、再就職者数が多いのは、都市再生機構、日本原子力研究開発機構、住宅金融支援機構等となっている。

図表75 発注元独立行政法人別にみた当該独立行政法人退職者の在籍公益法人等数及び再就職者数(平成20年4月1日及び21年4月1日現在)

(平成20年4月1日現在)
〔1〕 公益法人等数 〔2〕 再就職者数

主な随意契約先及び再委託先における発注元独立行政法人退職者等の再就職者数の図1

(注)
 公益法人等数の占める割合は、重複(6法人)を含む延べ129法人に対する比率である。


(平成21年4月1日現在)
〔1〕 公益法人等数 〔2〕 再就職者数

主な随意契約先及び再委託先における発注元独立行政法人退職者等の再就職者数の図2

(注)
 公益法人等数の占める割合は、重複(6法人)を含む延べ128法人に対する比率である。


図表76 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者の状況(平成20年4月1日及び21年4月1日現在)
(平成20年4月1日現在) (単位:法人、人、百万円)
区分
発注元独立行政法人名
随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数
(A)
随契先公益法人等数
(B)
(B)のうち発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍の有無別法人数 1法人当たりの平均再就職者数
(A)/(C)
(A)のうち国家公務員出身者 (C)の随契先公益法人等への随契支払額
「有」
(C)
((C)/(B))
「無」 平成19年度 20年度(12月まで)
都市再生機構 343 82 22
(26.8%)
60 15.5 11 67,444 30,078
日本原子力研究開発機構 132 49 16
(32.6%)
33 8.2 7 1,613 836
住宅金融支援機構 70 16 5
(31.2%)
11 14.0 2 9,815 7,679
水資源機構 32 27 4
(14.8%)
23 8.0 3 1,117 -
雇用・能力開発機構 27 96 4
(4.1%)
92 6.7 1 29,602 15,555
宇宙航空研究開発機構 22 39 8
(20.5%)
31 2.7 5 6,111 1,075
森林総合研究所 22 29 5
(17.2%)
24 4.4 22 190 50
石油天然ガス・金属鉱物資源機構 13 27 6
(22.2%)
21 2.1 6 2,243 579
中小企業基盤整備機構 12 78 4
(5.1%)
74 3.0 1 1,246 241
国際協力機構 9 204 6
(2.9%)
198 1.5 - 8,921 6,932
科学技術振興機構 9 95 5
(5.2%)
90 1.8 5 488 2,315

(平成21年4月1日現在)
(単位:法人、人、百万円)

区分
発注元独立行政法人名
随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数
(A)
随契先公益法人等数
(B)
(B)のうち発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍の有無別法人数 1法人当たりの平均再就職者数
(A)/(C)
(A)のうち国家公務員出身者 (C)の随契先公益法人等への随契支払額
「有」
(C)
((C)/(B))
「無」 平成19年度 20年度(12月まで)
都市再生機構 238 82 22
(26.8%)
60 10.8 9 67,444 30,078
日本原子力研究開発機構 119 49 15
(30.6%)
34 7.9 8 1,530 836
住宅金融支援機構 62 16 5
(31.2%)
11 12.4 1 9,815 7,679
水資源機構 29 27 4
(14.8%)
23 7.2 2 1,117 -
森林総合研究所 24 29 5
(17.2%)
24 4.8 24 190 50
宇宙航空研究開発機構 22 39 8
(20.5%)
31 2.7 5 6,111 1,075
雇用・能力開発機構 20 96 3
(3.1%)
93 6.6 1 29,586 15,555
石油天然ガス・金属鉱物資源機構 16 27 7
(25.9%)
20 2.2 5 9,113 3,783
国際協力機構 11 204 6
(2.9%)
198 1.8 - 8,921 6,932
海洋研究開発機構 9 14 2
(14.2%)
12 4.5 3 484 229
中小企業基盤整備機構 9 78 4
(5.1%)
74 2.2 1 1,246 241
(注)
 「(C)の随契先公益法人等への随契支払額」は、再就職者が在籍している随契先公益法人 等への随意契約に係る発注元独立行政法人からの支払金額である。

 21年4月1日現在で発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している法人数及び再就職者数について、発注元独立行政法人別に20年報告の19年4月1日現在の状況と比較すると、図表77 及び別表13 のとおりである。すなわち、21年4月1日現在において、法人数は7法人、再就職者数は183人減少しており、減少数が多いのは、法人数では、建築研究所(5法人)、日本貿易振興機構及び鉄道建設・運輸施設整備支援機構(それぞれ3法人)、再就職者数では、都市再生機構(146人)、労働者健康福祉機構(39人)となっている。一方、増加数が多いのは、法人数では放射線医学総合研究所及び住宅金融支援機構(それぞれ3法人)、再就職者数では住宅金融支援機構(43人)となっている。

図表77 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数の比較

(単位:法人、人)

平成21年4月1日現在 20年報告(19年4月1日現在) 増△減数
随契先公益法人等のうち、発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍法人数
(A)
(A)における発注元独立行政法人退職者の再就職者数
(B)
随契先公益法人等のうち、発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍法人数
(C)
(C)における発注元独立行政法人退職者の再就職者数
(D)
(A)-(C) (B)-(D)
[128]
122

644
[133]
129

827
[△5]
△7

△183
(注)
 [ ]書きの数値は、重複を含めた延べ数である。

 また、21年4月1日現在の前記の再就職者の在籍状況について、資本関係、取引関係等を通じて独立行政法人と一定の結び付きを有する関係法人とそれ以外の公益法人とに区分してみると、図表78 のとおり、関係法人には156法人中65法人(41.6%)で472人(うち国家公務員出身者は37人)の再就職者(1法人平均7.2人)が在籍している。これに対して、関係法人以外の公益法人には1,413法人中63法人(4.4%)で172人(同76人)の再就職者(1法人平均2.7人)が在籍している。これを20年報告の19年4月1日現在の状況と比較すると、発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している関係法人数は2法人増加しているものの、再就職者数は162人減少している。

 なお、各独立行政法人の随契先公益法人等のうち、19年度の随意契約に係る支払金額の合計額が多い10法人について、法人ごとの当該独立行政法人退職者の再就職者数を別表26 に示している。

図表78 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者の関係法人、関係法人以外の公益法人の内訳(平成21年4月1日現在)

(単位:法人、人、百万円)

 
公益法人等
随契先公益法人等数
(A)
(A)のうち発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍法人数(B)
((B)/(A))
(B)における発注元独立行政法人退職者の再就職者数
(C)
1法人当たりの平均再就職者数
(C)/(B)
(C)のうち国家公務員出身者 (B)の随契先公益法人等への随契支払額
平成19年度 20年度(12月まで)
関係法人(a) 156 65
(41.6%)
472 7.2 37 145,690 71,230
  関連公益法人等 124 44 223 5.0 32 88,755 47,755
特定関連会社 17 14 214 15.2 5 55,876 22,630
関連会社 15 7 35 5.0 0 1,058 843
関係法人以外の公益法人 1,413 63
(4.4%)
172 2.7 76 2,835 1,501
[1,569]
1,152
[128]
122

644

5.2

113

148,525

72,731
<参考>19年4月1日現在の内訳  
18年度 19年度(12月まで)
関係法人(b) 184 63 634 10.0 51 134,597 79,049
(a)-(b) △28 2 △162 △2.8 △14 11,093 △7,819
関係法人以外の公益法人 1,686 70 193 2.7 63 5,042 1,960
注(1)  「随契先公益法人等数」及び「(A)のうち発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍法人数」の合計は、重複を除く実数であり、[ ]書きは延べ数である。
注(2)  「(B)の随契先公益法人等への随契支払額」は、再就職者が在籍している随契先公益法人等への随意契約に係る発注元独立行政法人からの支払金額である。

 次に、21年4月1日現在における発注元独立行政法人退職者の再就職者数を従業員と役員に区分すると、図表79 及び別表14 のとおり、従業員は全体で398人(うち常勤数350人)となっており、20年報告の19年4月1日現在の状況と比較すると全体で157人(同131人)減少している。また、役員は全体で246人(同172人)となっており、全体で26人(同25人)減少している。

図表79 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数の内訳(平成21年4月1日現在)

(単位:法人、人)

区分 発注元独立行政法人数 発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している随契先公益法人等数
(A)
随契先公益法人等における発注元独立行政法人退職者の再就職者数 1法人当たりの平均再就職者数 (B)のうち国家公務員出身者
従業員数 役員数 (B)/(A) (C)/(A) (D)/(A)
(B) 常勤数 (C) 常勤数 (D) 常勤数   常勤数
平成21年4月1日現在の内訳(a) 40 [128]
122
644 522 398 350 246 172 5.2 3.2 2.0 113 67
<参考>
19年4月1日現在の内訳(b)
41 [133]
129
827 678 555 481 272 197 6.4 4.3 2.1 114 71
(a)-(b) △1 △7 △183 △156 △157 △131 △26 △25 △1.2 △1.1 △0.1 △1 △4
(注)
 「発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している随契先公益法人等数」は、重複を除く実数であり、[ ]書きは延べ数である。図表80及び図表81においても同じ。

 また、発注元独立行政法人退職者の再就職者数を規模別にみると、図表80 及び別表15 のとおり、再就職者が1人しかいない法人が48法人(構成比37.5%)ある一方、10人以上いる法人が20法人(同15.6%)ある。この構成比は19年4月1日現在と比較して、それぞれ3.8ポイント、3.9ポイント低下している。

図表80 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数の規模別法人数(平成21年4月1日現在)

(単位:法人、%、ポイント)

区分 発注元独立行政法人数 発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している随契先公益法人等数 再就職者数の規模別法人数
1人 2人 3人 4人 5人 6人 7人 8人 9人 10人以上
平成21年4月1日現在の内訳
(a)
40 [128]
122
48 22 11 9 5 8 1 3 1 20
(構成比) (37.5) (17.1) (8.5) (7.0) (3.9) (6.2) (0.7) (2.3) (0.7) (15.6)
<参考>
19年4月1日現在の内訳
(b)
41 [133]
129
55 20 15 4 3 4 5 1 26
(構成比) (41.3) (15.0) (11.2) (3.0) (2.2) (3.0) (3.7) (0.7) (19.5)
(a)-(b) △1 △7 △7 2 △4 5 2 4 △4 3 0 △6
(構成比) (△3.8) (2.1) (△2.7) (4.0) (1.7) (3.2) (△3.0) (2.3) (0.0) (△3.9)
(注)
 「再就職者数の規模別法人数」は、重複を含んだ数であり、( )書きは、重複を含めた延べ128法人(参考欄は延べ133法人)に対する構成比である。

 さらに、発注元独立行政法人退職者の再就職者が従業員又は役員として在籍している122法人について、〔1〕 従業員数に占める発注元独立行政法人退職者の再就職者数の比率、〔2〕 役員数に占める発注元独立行政法人退職者の再就職者数の比率を示すと、図表81 及び別表16 のとおり、従業員については、再就職者の占める比率が10%未満となっている随契先公益法人等が59法人と最も多く、全体の46.0%を占めている。一方、3独立行政法人(日本芸術文化振興会、海洋研究開発機構及び日本原子力研究開発機構)においては、再就職者の占める比率が50%以上となっている随契先公益法人等があり、その数は全体の2.3%に当たる3法人となっている。この50%以上の法人の割合は、20年報告の19年4月1日現在の1.5%(2法人)と比較すると、上昇している。
 また、役員については、再就職者の占める比率が10%未満となっている随契先公益法人等が44法人と最も多く、全体の34.3%を占めている。一方、3独立行政法人(日本原子力研究開発機構、都市再生機構及び住宅金融支援機構)においては、再就職者の占める比率が50%以上となっている随契先公益法人等があり、その数は全体の7.8%に当たる10法人となっている。この50%以上の法人の割合は、20年報告の19年4月1日現在の9.7%(13法人)と比較すると、低下している。

図表81 随契先公益法人等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数の比率(平成21年4月1日現在)

(単位:法人、%)

区分 発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍している随契先公益法人等数
(A)
従業員・役員の別 発注元独立行政法人退職者の占める比率別随契先公益法人等数((A)に対する割合)
該当者無し 10%未満 10%以上
20%未満
20%以上
30%未満
30%以上
40%未満
40%以上
50%未満
50%以上
60%未満
60%以上
70%未満
70%以上
80%未満
80%以上
90%未満
90%以上
平成21年4月1日現在の内訳
[128]
従業員 49
(38.2)
59
(46.0)
10
(7.8)
4
(3.1)
1
(0.7)
2
(1.5)
2
(1.5)
- - - 1
(0.7)
50%以上 計 3 (2.3)
122 役員 27
(21.0)
44
(34.3)
24
(18.7)
9
(7.0)
9
(7.0)
5
(3.9)
4
(3.1)
4
(3.1)
1
(0.7)
- 1
(0.7)
50%以上 計 10 (7.8)
<参考>
19年4月1日現在の内訳
[133] 従業員 51
(38.3)
56
(42.1)
16
(12.0)
6
(4.5)
1
(0.7)
1
(0.7)
1
(0.7)
- - - 1
(0.7)
50%以上 計 2 (1.5)
129 役員 31
(23.3)
49
(36.8)
16
(12.0)
10
(7.5)
10
(7.5)
4
(3.0)
4
(3.0)
3
(2.2)
2
(1.5)
2
(1.5)
2
(1.5)
50%以上 計 13 (9.7)
(注)
 「発注元独立行政法人退職者の占める比率別随契先公益法人等数」は、重複を含んだ数であり、( )書きは、重複を含めた延べ128法人(参考欄は延べ133法人)に対する割合である。

(2) 随契先公益法人等への再就職者と当該公益法人等との随意契約等の状況

 随契先公益法人等(延べ1,574法人)について、20年4月1日又は21年4月1日現在で発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍しているもの(延べ129法人、128法人)と在籍していないもの(延べ1,445法人、1,441法人)とに区分して、それぞれ当該独立行政法人との随意契約の状況についてみると、次のとおりである。
 すなわち、19年度における随契先公益法人等1法人当たりの随意契約の件数及び支払金額は、図表82 のとおり、20年4月1日現在で再就職者が在籍している随契先公益法人等が件数で16.0件、支払金額で1,152百万円となっているのに対して、再就職者が在籍していない随契先公益法人等ではそれぞれ1.9件、46百万円となっていて、再就職者が在籍している随契先公益法人等の方が、件数で約8倍、支払金額で約25倍と多くなっている。同様に、20年度(12月まで)における随契先公益法人等1法人当たりの随意契約の件数及び支払金額は、21年4月1日現在で再就職者が在籍している随契先公益法人等の方が、件数で約7倍、支払金額で約28倍と多くなっている。そして、19年度における随契先公益法人等1法人当たりの随意契約の件数及び支払金額は、20年報告の19年4月1日現在における18年度の状況と比較すると、再就職者が在籍している随契先公益法人等においては件数で5.9件減少し、支払金額で35百万円増加している。

図表82 再就職者の在籍の有無別にみた随契先公益法人等との随意契約の状況

(単位:法人、件、百万円)

区分 随意契約が締結された年度 法人数
(A)
件数 支払金額
随意契約
(B)
1法人当たり随意契約件

(B)/(A)
随意契約
(C)
1法人当たり随意契約支払金額
(C)/(A)
再就職者在籍有り 平成19年度(a) 123 1,980 16.0 141,804 1,152
20年度(12月まで) 92 1,243 13.5 72,731 790
129 3,223 24.9 214,536 1,663
再就職者在籍無し 19年度 1,276 2,511 1.9 58,764 46
20年度(12月まで) 868 1,622 1.8 24,924 28
1,446 4,133 2.8 83,688 57
<参考>
19年4月1日現在
再就職者在籍有り 18年度(b) 125 2,746 21.9 139,639 1,117
(a)-(b) △2 △766 △5.9 2,165 35
再就職者在籍無し 18年度 1,475 3,112 2.1 69,694 47
(注)
 「法人数」の「計」は、平成19年度又は20年度(12月まで)において、随意契約の相手方となっている公益法人等の数であり、19年度と20年度(12月まで)の法人数の単純合計とは一致しない。図表83も同様。

 また、19年度の随意契約のうち企画・公募を経ない随契の占める割合は、図表83 のとおり、20年4月1日現在で再就職者が在籍している随契先公益法人等では、件数で82.2%、支払金額で89.8%となっているのに対して、再就職者が在籍していない随契先公益法人等ではそれぞれ77.9%、72.2%となっていて、再就職者が在籍している随契先公益法人等の方が、件数で4.3ポイント、支払金額で17.6ポイント高くなっている。一方、20年度(12月まで)の随意契約のうち企画・公募を経ない随契の占める割合は、21年4月1日現在で再就職者が在籍している随契先公益法人等の方が、件数で8.4ポイント、支払金額で17.0ポイント低くなっている。そして、企画・公募を経ない随契の割合を20年報告の19年4月1日現在における18年度の状況と比較すると、件数、支払金額共に、再就職者が在籍している随契先公益法人等においては低下している。

図表83 再就職者の在籍の有無別にみた随契先公益法人等との随意契約に占める企画・公募を経ない随契の状況

(単位:法人、件、百万円、ポイント)

区分 随意契約が
締結された
年度
法人数 件数 支払金額 平均落札率
随意契約
(A)
企画・公募を経ない随契
(B)
企画・公募を経ない随契の割合
(B)/(A)
随意契約
(C)
企画・公募を経ない随契
(D)
企画・公募を経ない随契の割合
(D)/(C)
随意契約 企画随契
再就職者在籍有り 平成19年度(a) 123 1,980 1,629 82.2% 141,804 127,345 89.8% 97.3% 96.5%
20年度(12月まで)(b) 92 1,243 627 50.4% 72,731 36,692 50.4% 96.5% 96.6%
129 3,223 2,256 69.9% 214,536 164,038 76.4% 96.9% 96.5%
再就職者在籍無し 19年度
(c)
1,276 2,511 1,957 77.9% 58,764 42,442 72.2% 96.9% 94.8%
20年度(12月まで)(d) 868 1,622 955 58.8% 24,924 16,801 67.4% 97.2% 97.3%
1,446 4,133 2,912 70.4% 83,688 59,243 70.7% 97.1% 96.4%
(a)-(c) △1,153 △531 △328 4.3 83,040 84,903 17.6 0.4 1.7
(b)-(d) △776 △379 △328 △8.4 47,807 19,891 △17.0 △0.7 △0.7
<参考>
19年4月1日現在
再就職者在籍有り 18年度(e) 125 2,746 2,568 93.5% 139,639 133,609 95.6% 97.0% 95.8%
(a)-(e) △2 △766 △939 △11.3 2,165 △6,264 △5.8 0.3 0.7
再就職者在籍無し 18年度 1,475 3,112 2,639 84.8% 69,694 46,567 66.8% 97.2% 95.1%

 さらに、整理合理化計画では、各独立行政法人の契約は、原則として一般競争入札によることとされており、19年12月に策定された随意契約見直し計画が20年1月以降実施されることになることを踏まえて、20年度(12月まで)における随契先公益法人等との契約で、企画随契での1者応募となっているものや競争契約での1者応札となっているものの状況についてみると、図表84 のとおりである。

図表84 再就職者の有無別にみた随契先公益法人等との企画随契又は競争契約における1者応札(応募)の状況(平成20年度(12月まで))

(単位:法人、件、百万円、ポイント)

企画随契、競争契約の別 区分 法人数 件数
(A)
  支払金額
(C)
 
うち1者応札(応募)
(B)
1者応札(応募)の割合
(B)/(A)
うち1者応札(応募)
(D)
1者応札(応募)の割合
(D)/(C)
企画随契 再就職者在籍有り(a) 47 532 323 60.7% 30,996 21,591 69.6%
再就職者在籍無し(b) 243 439 217 49.4% 6,062 4,581 75.5
(a)-(b) △196 93 106 11.3 24,934 17,010 △5.9
競争契約 再就職者在籍有り(c) 52 238 183 76.8% 9,238 7,885 85.3%
再就職者在籍無し(d) 142 276 198 71.7% 698 382 54.7%
(c)-(d) △90 △38 △15 5.1 8,540 7,503 30.6

 これによると、20年度(12月まで)の企画随契のうち1者応募の割合については、21年4月1日現在で再就職者が在籍している随契先公益法人等は、件数で60.7%、支払金額で69.6%となっているのに対して、再就職者が在籍していない随契先公益法人等ではそれぞれ49.4%、75.5%となっていて、再就職者が在籍している随契先公益法人等の方が、件数で11.3ポイント高くなっているが、支払金額では5.9ポイント低くなっている。また、随契先公益法人等について、発注元独立行政法人との競争契約との状況についてみると、20年度(12月まで)の競争契約のうち1者応札の割合については、21年4月1日現在で再就職者が在籍している随契先公益法人等は、件数で76.8%、支払金額で85.3%となっているのに対して、再就職者が在籍していない随契先公益法人等ではそれぞれ71.7%、54.7%となっていて、再就職者が在籍している随契先公益法人等の方が、件数で5.1ポイント、支払金額で30.6ポイント高くなっている。
 次に、発注元独立行政法人退職者の再就職者が多数在籍している随契先公益法人等の状況をみると、別表17のとおり、20年4月1日現在で再就職者が10人以上在籍している随契先公益法人等は23法人あり、再就職者数は計511人となっている。そして、これらの法人について発注元独立行政法人との随意契約の状況をみると、20年度(年間分)で件数は計1,038件、支払金額は計649億円となっている。なお、これらの23法人における再就職者に係る20年度の人件費(役員報酬、給与、退職給与、法定福利費等の額)は45億円となっている。そして20年報告の19年4月1日現在の状況と比較すると、再就職者が10人以上在籍している随契先公益法人等は3法人、再就職者数は77人それぞれ減少している。
 また、上記のうち、発注元独立行政法人退職者の再就職者の人数が多い上位10随契先公益法人等の状況を示すと図表85 のとおりである。

図表85 発注元独立行政法人退職者の再就職者の人数の多い上位10随契先公益法人等の状況(平成20年度)

(単位:人、件、百万円)

随契先公益法人等名 発注元独立行政法人名 左の独立行政法人退職者の再就職者数 発注元独立行政法人と左の随契先公益法人等との随意契約の件数・支払金額 左の再就職者に係る随契先公益法人等での人件費 <参考>
随契先公益法人等における利益剰余金(内部留保額)
件数 支払金額
財団法人住宅管理協会 都市再生機構 68 287 20,767 754 (1,460)
株式会社URリンケージ 68 289 15,665 689 3,712
株式会社URサポート 34 108 3,891 383 2,535
日本総合住生活株式会社 32 88 8,081 362 20,962
株式会社新都市ライフ 29 11 171 299 12,817
財団法人放射線利用振興協会 日本原子力研究開発機構 25 28 481 170 (289)
株式会社住宅債権管理回収機構 住宅金融支援機構 24 2 4,771 219 1,207
株式会社URコムシステム 都市再生機構 20 63 4,245 234 2,156
株式会社関西都市居住サービス 19 3 10 206 2,029
財団法人核物質管理センター 日本原子力研究開発機構 19 1 5 178 (45)
(注)
 「内部留保額」の計数は「公益法人の設立許可及び指導監督基準」(平成8年9月20日閣議決定)に基づいて会計検査院が試算したものである。

(3) 主な随契先民間企業等への発注元独立行政法人退職者の再就職者の状況

 随契先公益法人等以外の主な随意契約先(以下「主な随契先民間企業等」という。)として、独立行政法人ごとに、19年度における随意契約に係る支払金額又は契約金額の合計額が多い法人(合計額が1000万円以下の法人等を除く。)のうち上位30法人に該当する計1,219法人について、20年4月1日及び21年4月1日現在における発注元独立行政法人退職者の再就職者の状況をみると、別表18のとおりとなっている。
 発注元独立行政法人退職者の再就職者が在籍しているのは、20年4月1日現在で86法人(調査対象法人の7.0%)、21年4月1日現在で92法人(同7.5%)であり、在籍無しはそれぞれ1,146法人、1,143法人、発注元独立行政法人より調査困難等の回答があったものはそれぞれ22法人、21法人となっている。そして、再就職者が在籍している法人における発注元独立行政法人退職者の再就職者数は20年4月1日現在で349人(うち役員は95人)、21年4月1日現在で353人(同92人)であり、このうち国家公務員出身者はそれぞれ49人、62人となっている。また、1法人当たりの再就職者数はそれぞれ平均4.0人、3.8人となっており、随契先公益法人等への再就職者数の平均(20年4月1日現在で6.2人、21年4月1日現在で5.2人)をいずれも下回っている。そして、21年4月1日現在でみると、20年報告の19年4月1日現在の状況と比べて、再就職者が在籍している法人数の増減はないものの、再就職者数は42人減少している。

 なお、各独立行政法人における主な随契先民間企業等のうち、19年度における随意契約に係る支払金額の合計額の多い10法人について、法人ごとの当該独立行政法人退職者の再就職者数を別表27に示している。

 なお、21年4月1日現在で主な随契先民間企業等への再就職者数の多い上位10法人の状況を示すと図表86 のとおりである。

図表86 主な随契先民間企業等への発注元独立行政法人退職者の再就職者の状況(平成21年4月1日現在)

(単位:法人、人、百万円)

区分
発注元独立行政法人名
主な随契先民間企業等への発注元独立行政法人退職者の再就職者数
(A)
調査した主な随契先民間企業等の数
(B)
(B)のうち発注元独立行政法人退職者の再就職者の在籍の確認できた法人数 1法人当たりの平均再就職者数
(A)/(C)
(A)のうち国家公務員出身者 (C)の主な随契先民間企業等への随契支払額
  うち役員数 「有」
(C)
((C)/(B))
「無」 平成19年度 20年度(12月まで)
日本原子力研究開発機構 99 41 34 15
(44.1%)
19 6.6 - 21,121 9,978
水資源機構 56 16 32 10
(31.2%)
22 5.6 4 2,756 22
鉄道建設・運輸施設整備支援機構 55 4 32 7
(21.8%)
22 7.8 1 7,571 10,205
宇宙航空研究開発機構 47 12 34 14
(41.1%)
17 3.3 6 48,525 10,108
国立印刷局 20 1 35 7
(20.0%)
28 2.8 20 1,165 160
科学技術振興機構 14 7 31 3
(9.6%)
28 4.6 - 2,218 -
国立環境研究所 10 - 30 3
(10.0%)
27 3.3 9 168 73
理化学研究所 8 5 39 1
(2.5%)
38 8.0 4 809 246
海洋研究開発機構 8 2 31 3
(9.6%)
28 2.6 - 16,719 30
都市再生機構 7 - 32 5
(15.6%)
27 1.4 - 7,271 1,179
(注)
 「(C)の主な随契先民間企業等への随契支払額」は、再就職者が在籍している主な随契先民間企業等への随意契約に係る発注元独立行政法人からの支払金額である。

(4) 随契先公益法人等の再委託先への発注元独立行政法人及び当該公益法人等それぞれの退職者の再就職者数

 随契先公益法人等を相手方とする随意契約で予定価格が300万円を超えるもののうち、19年度又は20年度(12月まで)のいずれかの年度の再委託支払金額が年間合計1000万円を超えている再委託先の数及びこれに対応する再委託元の随契先公益法人等の数をみると、図表87 及び別表19のとおり、537法人、42法人となっていて、20年報告の781法人、53法人と比べるといずれも減少している。また、発注元独立行政法人別にみると、雇用・能力開発機構及び宇宙航空研究開発機構の随契先公益法人等からの再委託先だけで78.8%(再委託先の重複を含めた延べ数による比率)を占めている。

図表87 随契先公益法人等からの再委託の状況

(単位:法人、百万円)

発注元独立行政法人数 再委託元の随契先公益法人等数 再委託元の随契先公益法人等への随契支払額 再委託先の数
平成19年度 20年度(12月まで)
19 [43]
42
119,583
53,720
[540]
537
<参考>20年報告

21
53
18年度 19年度(12月
まで)
[787]
781
117,597 68,660
注(1)  「再委託元の随契先公益法人等数」は、重複を除く実数であり、[ ]書きは重複分を含む延べ数である。
注(2)  「再委託元の随契先公益法人等への随契支払額」は、発注元独立行政法人からの、再委託元である随契先公益法人等への随意契約に係る支払金額であり、再委託支払額の財源となる。
注(3)  「再委託先の数」は、再委託先の重複を除く実数であり、[ ]書きは重複分を含む延べ数である。

ア 再委託先への発注元独立行政法人退職者の再就職者数

 上記の再委託先537法人について、調査の協力を得て提出された調査票等から把握できた範囲で21年4月1日現在における発注元独立行政法人退職者の再就職者の状況をみると、別表20のとおり、再就職者の在籍無しとしているのは514法人、在籍有りとしているのは14法人、当該独立行政法人より調査困難等との回答があったものは9法人である。在籍有りとしている14法人における発注元独立行政法人退職者の再就職者数は55人となっており、1法人当たりの再就職者数は平均3.9人となっている。そして、20年報告の19年4月1日現在と比べて、在籍有りとしている再委託先は4法人増加しているものの、再就職者数は46人、1法人当たりの再就職者数は6.2人減少している。
 次に、21年4月1日現在におけるこれら発注元独立行政法人退職者の再就職者を従業員と役員に区分すると、別表21のとおり、従業員は全体で35人(うち常勤数32人)、役員は全体で20人(同15人)となっている。そして、20年報告の19年4月1日現在と比べて、1法人当たりの再就職者数は、従業員で5.3人、役員で0.9人減少している。
 また、発注元独立行政法人退職者の再就職者が従業員又は役員で在籍有りとの回答があった再委託先14法人について、調査票等で把握できた範囲で、〔1〕 従業員数に占める発注元独立行政法人退職者の再就職者数の比率、〔2〕 役員数に占める発注元独立行政法人退職者の再就職者数の比率を示すと、別表22のとおりである。
 これによると、従業員については、再就職者の占める比率が10%未満となっている再委託先が9法人と最も多く、全体の64.2%を占めている。その一方で、役員については、50%以上を占める再委託先は2法人(14.2%)となっている。

イ 再委託先への随契先公益法人等退職者の再就職者数

 前記の再委託先537法人について、調査の協力を得て提出された調査票等から把握できた範囲で21年4月1日現在における随契先公益法人等退職者の再就職者(注12) の状況をみると、別表23のとおり、再就職者の在籍無しとしているのは530法人、在籍有りとしているのは6法人である。在籍有りとしている6法人における随契先公益法人等退職者の再就職者数は24人となっており、1法人当たりの再就職者数は平均4.0人となっている。そして、20年報告の19年4月1日現在の状況と比べて在籍有りとしている再委託先は2法人、再就職者数は20人、1法人当たりの再就職者数は3.0人増加している。

 随契先公益法人等退職者の再就職者  随契先公益法人等に常勤の役員又は職員として職務に従事した者で、当該公益法人等を退職して、再委託先に再就職した者をいい、人事交流による出向等は含まない。

 次に、これら随契先公益法人等退職者の再就職者を従業員と役員に区分すると、別表24のとおり、従業員は全体で3人(うち常勤数2人)、役員は全体で21人(同17人)となっており、20年報告の19年4月1日現在と比べて、1法人当たりの平均再就職者数は、従業員は同様となっている。一方、役員は3.0人増加している。
 また、随契先公益法人等退職者の再就職者が在籍有りとの回答があった再委託先6法人について、調査票等で把握できた範囲で、〔1〕 従業員数に占める随契先公益法人等退職者の再就職者数の比率、〔2〕 役員数に占める随契先公益法人等退職者の再就職者数の比率を示すと、別表25のとおり、再就職者の占める比率は、従業員の場合は高いものでも10%未満となっている。その一方で、役員については、50%以上を占める再委託先は2法人(33.3%)となっている。