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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 経済産業省|
  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

経済産業省が都道府県等に補助金を交付して都道府県所管の公益法人に造成させている基金について、事業継続の必要性等を検討するための基準等を都道府県等に提示し、これにより不要となる基金のうち国庫補助金相当額を国庫に返納させるなどして、適切かつ有効な活用を図るよう改善の処置を要求したもの


(8) 経済産業省が都道府県等に補助金を交付して都道府県所管の公益法人に造成させている基金について、事業継続の必要性等を検討するための基準等を都道府県等に提示し、これにより不要となる基金のうち国庫補助金相当額を国庫に返納させるなどして、適切かつ有効な活用を図るよう改善の処置を要求したもの

会計名及び科目 一般会計 (組織) 経済産業本省
      (項)地域経済活性化対策費(平成12年度以前は、
  (項)工業再配置促進対策費)
  平成11年度以前は、  
  (組織) 通商産業本省  
    (項)工業再配置促進対策費  
  (組織) 中小企業庁
  (項)中小企業対策費  
電源開発促進対策特別会計(電源立地勘定)
  (項)電源立地対策費
部局等 経済産業本省、中小企業庁
補助の根拠 予算補助      
基金の名称 (1) 技術振興基金等
  (2) 債務保証基金
  (3) 地域産業活性化基金
  (4) 情報化基盤整備基金
基金事業の概要 (1) 技術革新の進展に即応した高度な工業技術の開発・利用に関する研修又は指導を行う事業等
  (2) 新技術・新製品の研究開発を行う企業の資金借入れに対して、その債務を保証する事業
  (3) 複数の中小企業者が技術革新の進展に即応した技術の製品開発等への利用について協力して行う起業化に助成するなどの事業
  (4) コンピュータ等の情報機器を活用する中小企業者に対して、その情報化を支援する活動を行う事業
検査を実施した公益法人 27道府県所管36公益法人    
上記の法人が保有する基金数及び基金の造成額 92基金 417億6464万余円    
上記のうち適切ではない事態が見受けられた公益法人 25道府県所管33公益法人    
適切ではない事態が見受けられた基金数及び基金の造成額 73基金 324億0169万余円    
上記の基金に対する国庫補助金交付額 108億5315万円 (昭和58年度〜平成12年度)

(前掲「補助事業で造成した基金を同基金と関係のない事業に貸し付けて補助の目的外に使用していたもの 」及び「補助事業で造成した基金を使途の制限がない基本財産に組み入れるなどして無断で処分していたもの 」参照)

【改善の処置を要求したものの全文】

都道府県等に補助金を交付して都道府県所管の公益法人に造成させている基金の有効活用等について

(平成22年10月28日付け 経済産業大臣あて)

 標記について、会計検査院法第36条の規定により、下記のとおり改善の処置を要求する。

1 基金の概要

(1) 都道府県所管の公益法人に造成された基金の概要

 貴省は、都道府県等が、単年度で完結しない特定の目的を持つ事業を都道府県の所管する公益法人(注1) に基金を造成させて継続的に実施させる場合に、その基金への出えんなどに必要な経費の全部又は一部について国庫補助金を交付している。

 公益法人  平成18年改正前の民法(明治29年法律第89号)第34条の規定に基づいて設立された社団法人及び財団法人

 以上のようにして都道府県所管の公益法人に造成された基金には、産業再配置促進費補助金により造成された高度技術の開発・利用に関する研修又は指導事業に必要な基金(以下「技術振興基金」という。)、研究開発・研究開発助成事業に必要な基金等(以下、これらを合わせて「技術振興基金等」という。)、研究開発型企業育成のための債務保証事業に必要な基金(以下「債務保証基金」という。)、地域産業活性化推進対策費補助金により造成された技術革新の進展に即応した技術の中小企業者等による利用を支援するために必要な基金(以下「地域産業活性化基金」という。)、指導事業費補助金により造成された中小企業地域情報センターの経営基盤の整備の促進に必要な基金(以下「情報化基盤整備基金」という。)などがある。
 そして、上記の各基金の概要は、表1のとおりとなっている。

表1 都道府県所管の公益法人に造成された基金の概要
基金名 国庫補助金名 運営形態(注) 基金事業の概要
技術振興基金等 産業再配置促進費補助金 運用型 技術革新の進展に即応した高度な工業技術の開発・利用に関する研修又は指導を行う事業等
債務保証基金 産業再配置促進費補助金 保有型 現在の技術水準からみて新規性がある新技術・新製品の研究開発を行う企業の資金借入れに対して、その債務を保証する事業
地域産業活性化基金 地域産業活性化推進対策費補助金 運用型 複数の中小企業者が技術革新の進展に即応した技術を製品の開発等に利用するために必要な商品・デザイン開発等を協力して行う起業化に助成するなどの地域技術起業化推進事業
情報化基盤整備基金 指導事業費補助金 運用型 コンピュータ等の情報機器を活用する中小企業者に対して、コンピュータやソフトウェアに関する窓口相談、講習会の開催等の情報化を支援する活動を行う事業
 運営形態については、造成された基金を運用元本としてその運用益を特定目的の事業の財源に充てていくものを「運用型」、基金を債務保証等の信用力の基盤となる財源として保有しているものを「保有型」としている。

 上記の各基金については、それぞれの補助金の交付規則、交付要綱等により、基金事業以外の目的に使用することなく確実に運用し、他の資産と区別するとともに、他の経理と区分し、それぞれの基金事業に要する経費のみに運用益を充て、その収支に剰余金が生じたときは、基金に繰り入れ又は翌年度の運用財産として繰り越すこととなっている。また、基金を処分するとき又は基金事業を廃止するときは、あらかじめ、経済産業局長等の承認を受けなければならないとされており、その際、経済産業局長等は交付した補助金の全部又は一部に相当する額を国庫に返還させることができることとなっている。

(2) 各基金の造成経緯とその後の事業環境の変化

ア 技術振興基金等、債務保証基金及び地域産業活性化基金

 技術振興基金等及び債務保証基金は、工業再配置促進法(昭和47年法律第73号。平成18年廃止。)に規定する過度に工業が集積している地域から工業の集積の程度が低いなどの地域(以下「誘導地域」という。)への工場等の移転等を促進するなどのため、産業再配置促進費補助金交付規則(昭和48年通商産業省告示第303号)等により、昭和58年度から平成14年度までの間に、道府県等に対して交付された産業再配置促進費補助金計77億余円等を財源として、高度技術工業集積地域開発促進法(昭和58年法律第35号。平成11年廃止。以下「テクノポリス法」という。)に基づく地域の開発計画の推進に必要な業務を行うため設立された法人(以下「テクノポリス財団」という。)等に道府県等が出えんするなどして造成されたものである。
 また、地域産業活性化基金は、技術革新の進展に即応した技術の中小企業者等による利用を支援するため、地域産業活性化推進対策費補助金交付要綱(平成2年3月27日付2立第537号)等に基づき、元年度に、誘導地域をその区域内に含む道府県に対して交付された地域産業活性化推進対策費補助金計70億円等を財源として、道府県が各テクノポリス財団に出えんして造成されたものである。
 その後、テクノポリス法は、同法に基づいて開発計画を策定した各地域において高度技術産業の集積が形成されつつあったことなどから、11年の新事業創出促進法(平成10年法律第152号)の施行により廃止され、上記の開発計画は12年度をもって終了した。そして、経済的環境の変化等により工業の再配置を促進する必要性が低下し工業再配置政策は役割を終えたとして、18年に工業再配置促進法が廃止された。

イ 情報化基盤整備基金

 情報化基盤整備基金は、中小企業者に対する情報化支援活動の強化を図るため、指導事業費等補助金交付要綱(昭和58年4月30日付58企庁第512号)等に基づき、昭和61年度から平成5年度までの間に、道府県等に対して交付された指導事業費補助金計66億円等を財源として、道府県等が各中小企業地域情報センターに出えんするなどして造成されたものである。
 その後、12年に、中小企業支援法(昭和38年法律第147号)が改正され、各都道府県等の中小企業地域情報センターは、同じ都道府県等の中小企業支援機関とともに、都道府県等中小企業支援センターに統合された。この統合に当たり、各中小企業地域情報センターが保有していた情報化基盤整備基金は、各都道府県等中小企業支援センターに承継された。また、貴省は、各都道府県等中小企業支援センターが実施する事業に対して中小企業経営資源強化対策費補助金を12年度に新設し、それ以降、情報化基盤整備基金でも事業対象としている情報化に関する窓口相談専門家の設置や講習会の開催等を補助対象に追加するなどして、都道府県等に交付した。その後、18年度の政府による国と地方の税財政改革(いわゆる三位一体の改革)により、各都道府県等中小企業支援センターの事業は、地方が行うべき事業とされて、同補助金は17年度をもって廃止され、これに伴い、同補助金に代わる財源として地方交付税措置が確保されるなど一般財源化の措置が講じられている。

2 本院の検査結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

 上記のとおり、貴省が交付した補助金により都道府県所管の公益法人に造成された基金に関しては、その後、基金事業を取り巻く環境が大きく変化してきている。
 そこで、本院は、有効性等の観点から、基金が有効に活用され補助の目的を達成しているか、また、貴省において基金事業の状況を適時、適切に把握し、状況の変化に応じて制度の見直しを行っているかなどに着眼して、貴省本省、中小企業庁、27道府県、2市1町及び当該基金を保有する27道府県(注2) 所管の36法人において、これらの法人の決算書等の関係書類により92基金(造成額計417億6464万余円(うち国庫補助金計143億6083万余円))を対象として会計実地検査を行った。

(検査の結果)

 検査したところ、92基金のうち25道府県(注3) 所管の33法人が保有する73基金(造成額計324億0169万余円(うち国庫補助金計108億5315万余円))について、表2のとおり、適切ではない事態が見受けられた。これを態様別にみると以下のとおりである。

(注2)
 27道府県  北海道、大阪府、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、神奈川、新潟、富山、岡山、広島、山口、徳島、香川、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島各県
(注3)
 25道府県  北海道、大阪府、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、神奈川、新潟、富山、岡山、広島、山口、徳島、香川、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島各県
表2 適切ではない事態が見受けられた73基金の態様別内訳
(単位:基金、百万円)
検査実施対象 事態の態様(注)
左の計
(純計)
基金による事業を実施していないもの 基金による事業を継続しているものの、近年、事業実績が全くないもの 基金による事業を継続しているものの、基金の運用益を他の会計に繰り入れるなどしていたもの
技術振興基金等 基金数 32 11 10 21
造成額 21,272 5,697 9,572 15,269
うち国庫補助金 4,595 1,112 1,655 2,767
債務保証基金 基金数 15 15 4 15
造成額 2,503 2,503 540 2,503
うち国庫補助金 825 825 215 825
地域産業活性化基金 基金数 20 4 12 16
造成額 10,380 2,060 6,160 8,220
うち国庫補助金 5,190 1,030 3,080 4,110
情報化基盤整備基金 基金数 25 5 16 21
造成額 7,608 1,570 4,838 6,408
うち国庫補助金 3,750 750 2,400 3,150
基金数 92 20 15 42 73
造成額 41,764 9,327 2,503 21,110 32,401
うち国庫補助金 14,360 2,892 825 7,351 10,853
 4基金については態様がイとウで重複している。

ア 基金による事業を実施していないもの

20基金(造成額計93億2721万余円(うち国庫補助金計28億9213万余円))

 これらの20基金は、基金の運用益による事業を実施する運用型の基金であるが、次のとおり事業を実施していなかった。

(ア) 基金を使途の制限がない一般会計の基本財産に組み入れるなどしていたもの

 2基金(造成額計4億2890万余円(うち国庫補助金計1億4489万円))については、基金を造成した法人が統廃合したことにより基金を承継した2法人が、基金の全部を、使途の制限がない一般会計の基本財産に組み入れるなどして無断で処分していたり、基金事業と関係のない事業に貸し付けて補助の目的外に使用したりしており、基金による事業は実施していなかった。
 上記の事態について、一例を示すと次のとおりである。

<事例1>

 財団法人岡山県新技術振興財団(以下「技術振興財団」という。)は、テクノポリス財団として、昭和59年度から平成3年度までの間に技術振興基金347,903,000円(うち国庫補助金104,890,000円)を造成して、その運用益によって、吉備高原地域テクノポリス圏域の企業等に対する高度技術の開発・利用に関する研修事業等を実施していたが、その事業規模は低金利による運用益の低下もあってピーク時(7年度)に比べ約6割減少するなど9年度頃から大幅に縮小していた。
 技術振興財団は、財団法人岡山県中小企業振興協会と統合して総合的な産業支援体制を確立するなどのため、13年3月末に解散し、その財産等を承継した財団法人岡山県産業振興財団は、13年度に上記の造成額と同額の347,903,000円の技術振興基金を引き継いだ際、同基金としては247,903,000円を資産計上し、残額の100,000,000円は国等に無断で使途の制限がない一般的な財源として使用していた。また、同基金として資産計上した上記の247,903,000円についても、16年度に同基金としての資産計上を取りやめて、国等に無断で使途の制限がない一般会計の基本財産に他の資産と区別することなく組み入れていて、以降、基金による事業を実施していなかった。

(イ) 基金として他の資産と区別して管理しているものの、その運用益の全部を使途を特定しないで使用していたもの

 10基金(造成額計45億3745万余円(うち国庫補助金計14億4730万余円))については、基金を造成した1法人及び統廃合により基金を承継等した6法人が、基金として他の資産と区別して管理しているものの、当該運用益の全部を使途を特定しないで一般会計等において使用しており、基金による事業は実施していなかった。

(ウ) 基金を新たな中小企業対策等の事業を行うために新規に設置した事業資金に拠出等していたもの

 8基金(造成額計43億6085万余円(うち国庫補助金計12億9994万円))については、統廃合により基金を承継等した4法人が、基金の全部を、創業又は中小企業の経営革新に関する助成等を行う新たな事業を実施するために新たに設置した運用型の事業資金の原資として拠出するなどしており、このため基金による事業は実施していなかった。

イ 基金による事業を継続しているものの、近年、事業実績が全くないもの

15基金(造成額計25億0379万余円(うち国庫補助金計8億2539万円))

 これら15基金は保有型の債務保証基金であるが、基金を造成した3法人及び統廃合により基金を承継等した12法人は、債務保証の申込みを募集するなど基金事業を継続して実施していた。
 しかし、債務保証実績についてみると、18年度以降新規の債務保証実績が全くなく、特に、11基金については13年度以降債務保証実績が全くないことから、20年度末現在において債務保証残高が0円となっていた。
 上記の事態について一例を示すと次のとおりである。

<事例2>

 財団法人鹿児島県産業技術振興協会(平成5年6月財団法人鹿児島県新産業育成財団に名称変更)は、テクノポリス財団として、昭和58年度から60年度までの間に債務保証基金311,690,000円(うち国庫補助金110,000,000円)を造成して、新技術・新製品の研究開発を行う国分隼人テクノポリス圏域の企業等の資金借入れに対する債務保証事業を実施していた。
 しかし、平成12年4月中小企業等に対する総合的な支援機関とするなどのため同財団は他の法人と統合して財団法人かごしま産業支援センターとなり、同センターは、債務保証の申込みを募集するなど債務保証事業を継続して実施しているものの、13年度以降新規の債務保証実績が全くなく、19年度以降は債務保証残高が0円となっていた。

ウ 基金による事業を継続しているものの、基金の運用益を他の会計に繰り入れるなどしていたもの

42基金(造成額計211億1068万余円(うち国庫補助金計73億5121万余円))

 これら42基金のうち38基金は運用型、4基金は保有型であるが、基金を造成した7法人及び統廃合により基金を承継等した19法人は、基金による事業を継続して実施しているものの、基金の運用益の全額を基金による事業の財源とするべきであったにもかかわらず、その一部を他の会計に繰り入れたり、他の事業経費に充てたりなどしていた。
 上記の事態について、一例を示すと次のとおりである。

<事例3>

 財団法人山形県テクノポリス財団は、テクノポリス財団として、平成元年度に地域産業活性化基金900,000,000円(うち国庫補助金450,000,000円)を造成して、地域技術起業化推進事業を実施していたが、その事業規模は低金利による運用益の低下もあってピーク時(4年度)の約4分の1になるなど8年度頃から大幅に縮小していた。
 そして、新事業創出促進法が施行されたことなどから12年3月末同財団は解散し、16年4月からその財産等を承継した財団法人山形県産業技術振興機構は、基金の運用益(20年度6,879,524円及び前期からの繰越金21,581,328円)のうち5,000,000円を地域産業活性化基金事業特別会計から一般会計に繰り入れるなどしていた。

 また、貴省は、本件の各基金について、補助事業者から基金事業の実施状況の報告を定期的に受けていなかったり、定期的に書類が提出されていてもその内容について十分検討していなかったりしていて、これらの基金の見直しを行っていなかった。そして、これらの基金事業について具体的な事業内容等を定めた実施要領等を長期間改正していないなど、適時、適切な対応を行っていなかった。

(改善を必要とする事態)

 貴省が交付した補助金により造成された前記の各基金について、事業が実施されていなかったり、基金による事業を継続しているものの、近年、事業実績が全くなかったり、基金の運用益が他の会計に繰り入れられたりなどしていて、基金が有効活用されていないなどしている事態は適切ではなく、改善の要があると認められる。

(発生原因)

 このような事態が生じているのは、道府県等及び基金を保有する法人が補助事業者として基金事業を適切に実施することなどの認識が十分でなかったことにもよるが、貴省において、国庫補助金の交付後、基金を取り巻く事業環境が大きく変化し、テクノポリス財団、中小企業地域情報センター等として基金を造成した法人が、テクノポリス法に基づく開発計画の終了や総合的機関になるなどのため統廃合されるなどしていたにもかかわらず、基金の状況を十分に把握しないまま見直しを行ってこなかったことなどによると認められる。

3 本院が要求する改善の処置

 産業再配置促進費補助金、地域産業活性化推進対策費補助金及び指導事業費補助金により造成された前記の各基金については、事業環境が大きく変化するなどしており、基金事業を実施する必要性が低下したことなどを背景に、前記のような適切ではない事態が見受けられた。
 ついては、貴省において、貴省所管の補助金により都道府県所管の公益法人に造成された基金について、その適切かつ有効な活用を図るよう、次のとおり改善の処置を要求する。

ア 各基金について、基金事業として継続する必要性を十分検討した上で、基金を保有する法人が基金の存続の必要性や基金規模の妥当性を検討する際の基準等を策定し、これを都道府県等及び基金を保有する法人に示すこと

イ 上記基準等に基づき、都道府県等及び基金を保有する法人に事業継続の必要性や基金規模の妥当性を定期的に検討させ、これにより不要となる基金のうち国庫補助金相当額を国庫に返納させること

ウ 各基金について、基金事業の状況を十分把握するために補助事業者から定期的に報告を徴し、その状況に応じて的確な指導や助言を行うこと

エ 新規に基金造成に関する国庫補助金を交付する場合は、交付要綱等に上記アからウの内容を盛り込むとともに、これらについての周知徹底を図ること