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  • 平成21年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • [1] 政府関係機関の収入支出決算

株式会社日本政策金融公庫


(2) 株式会社日本政策金融公庫

 この会社は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能並びに我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図り、並びに地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業を促進するための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって我が国及び国際経済社会の健全な発展並びに国民生活の向上に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は21年度末現在で3兆2517億9700万円となっている。
 同会社の会計は、国民一般向け業務、農林水産業者向け業務、中小企業者向け融資・証券化支援保証業務、中小企業者向け証券化支援買取業務、信用保険等業務、国際協力銀行業務及び危機対応円滑化業務の7勘定に区分して経理されており、その勘定別の21年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(注)
 同会社の20年度は、20年10月1日から21年3月31日までである。

ア 国民一般向け業務(国民一般向け業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入 収入済額(千円)
21年度 169,524,598
20年度 87,092,572
支出 支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
21年度 169,794,271 126,153,794 43,640,476
20年度 69,756,592 65,556,229 4,200,362

 不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額914億1814万余円)の312億3701万余円、業務諸費(同182億6724万余円)の36億3545万余円及び社債発行諸費(同32億4218万余円)の30億0942万余円である。

(イ) 損益

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 169,007,101 87,283,177
 うち貸出金利息 161,268,203 82,365,443
経常費用 218,244,760 106,290,229
 うち借用金利息 47,666,469 24,925,839
特別利益 78,302 285,757
特別損失 939,342 29,587
当期純損失 50,098,698 18,750,882
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 △50,098,698 △18,750,882
(繰越利益剰余金) 541,908,434) (△ 491,809,736)

(ウ) 借入金等

区分 21年度末(千円) 21年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 5,751,324,500 5,756,339,500
社債発行残高 1,039,402,255 1,239,189,465

(エ) 主な業務実績

区分   21年度 (20年度)
貸付け 件数 509,320件 264,370件
  金額 3,000,378,593千円 1,263,645,184千円
貸出金回収等 金額 3,049,627,804千円 1,381,795,163千円
(うち貸出金償却)   (65,251,462千円) (36,123,510千円)
年度末貸出金残高 件数 2,434,271件 2,579,842件
  金額 7,141,568,558千円 7,190,817,770千円
  上記のうちリスク管理債権の状況    
  破綻先債権 40,632,694千円 43,377,606千円
  延滞債権 146,639,291千円 163,890,284千円
  3カ月以上延滞債権 124,461千円 233,749千円
  貸出条件緩和債権 465,414,456千円 309,915,387千円
    652,810,903千円 517,417,027千円
  貸倒引当金 120,993,318千円 104,290,275千円
  (注)  貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

イ 農林水産業者向け業務(農林水産業者向け業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入 収入済額(千円)  
21年度 81,247,655
20年度 58,675,617
支出 支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
21年度 78,452,032 72,678,369 5,773,662
20年度 43,687,099 41,988,417 1,698,681

(イ) 損益

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 72,277,173 39,331,569
 うち貸出金利息 57,031,860 29,358,999
経常費用 74,108,890 40,693,616
 うち借用金利息 46,335,445 25,581,799
特別利益 2,088,267 1,373,055
特別損失 256,550 11,009
当期純利益

(ウ) 借入金等

区分 21年度末(千円) 21年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 2,181,597,236 2,262,741,058
社債発行残高 149,906,538 139,904,508

(エ) 主な業務実績

区分   21年度 (20年度)
貸付け 件数 11,119件 6,995件
  金額 255,653,455千円 142,581,933千円
貸出金回収等 金額 329,497,193千円 200,636,838千円
(うち貸出金償却)   (1,509,467千円) (47,431千円)
年度末貸出金残高 件数 199,052件 209,060件
  金額 2,647,339,928千円 2,721,183,667千円
  上記のうちリスク管理債権の状況    
  破綻先債権 1,931,247千円 1,287,814千円
  延滞債権 72,648,946千円 76,064,139千円
  3カ月以上延滞債権 2,406,504千円 3,864,888千円
  貸出条件緩和債権 18,824,706千円 24,843,901千円
    95,811,406千円 106,060,743千円
  貸倒引当金 19,180,831千円 21,237,551千円
  (注)  貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

ウ 中小企業者向け業務(中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定、中小企業者向け証券化支援買取業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入 収入済額(千円)  
21年度 125,502,943
20年度 64,950,440
支出 支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
21年度 106,925,793 80,206,389 26,719,403
20年度 43,442,759 38,337,463 5,105,295

 不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額735億8060万余円)の184億7971万余円、社債発行諸費(同52億1977万余円)の41億3337万余円及び業務諸費(同71億1298万余円)の11億1582万余円である。

(イ) 損益

a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 125,359,070 64,522,743
 うち貸出金利息 110,751,560 51,579,369
経常費用 135,369,443 91,593,285
 うち借用金利息 28,921,544 12,719,162
 うち社債利息 28,259,130 15,364,715
特別利益 106,212 144,864
特別損失 346,098 8,850
当期純損失 10,250,258 26,934,528
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 △10,250,258 △26,934,528
(繰越利益剰余金) (△352,492,187) (△342,241,928)

b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 444,847 318,209
 うち有価証券利息配当金 398,800 290,577
経常費用 1,631,205 577,967
 うち社債利息 24,022 15,008
特別利益 398
当期純損失 1,186,358 259,359
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 △1,186,358 △259,359
(繰越利益剰余金) (△1,924,304) (△737,946)

(ウ) 借入金等

a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定

区分 21年度末(千円) 21年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 3,360,746,000 2,821,337,000
社債発行残高 2,159,952,589 2,297,221,643

b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定

区分 21年度末(千円) 21年度末(千円)
社債発行残高 1,299,963 3,099,884

(エ) 主な業務実績

a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定

区分   21年度 (20年度)
貸付け等 件数 42,940件 13,668件
  金額 3,210,835,691千円 887,604,842千円
貸出金回収等 金額 2,675,947,328千円 845,171,642千円
(うち貸出金償却)   (62,826,715千円) (31,028,448千円)
年度末貸出金等残高 件数 140,580件 169,997件
  金額 5,962,575,002千円 5,427,686,639千円
  上記のうちリスク管理債権の状況    
  破綻先債権 31,758,311千円 54,219,099千円
  延滞債権 372,665,132千円 458,308,686千円
  3カ月以上延滞債権 19,640千円
  貸出条件緩和債権 57,654,883千円 153,114,568千円
    462,097,968千円 665,642,354千円
  貸倒引当金 150,538,558千円 165,002,086千円
  (注)  貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定

区分   21年度 (20年度)
貸付債権元本 件数
  金額

エ 信用保険等業務(信用保険等業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入 収入済額(千円)  
21年度 305,056,468
20年度 156,795,571
支出 支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
21年度 1,013,057,920 879,668,153 133,389,766
20年度 464,294,272 434,066,303 30,227,969

 不用額の主なものは、保険金(支出予算現額9892億5187万余円)の1196億6042万余円及び賠償償還及払戻金(同176億9955万余円)の120億4181万余円である。

(イ) 損益

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 159,918,419 91,873,195
 うち保険料 156,576,050 90,020,461
経常費用 1,158,719,166 724,768,417
 うち保険金 869,591,450 427,076,688
特別利益 92 18,750
特別損失 251,386 98
当期純損失 999,052,041 632,876,571
     
(損失金の処理)    
翌年度に資本準備金を取り崩して整理 999,052,041 632,876,571

(ウ) 主な業務実績

 中小企業信用保険

区分   21年度 (20年度)
保険関係成立 件数 1,144,878件 792,387件
  保険価額 16,116,401,185千円 13,058,458,158千円
保険金支払 件数 109,303件 56,076件
  金額 868,789,167千円 426,598,529千円
支払保険金等回収 金額 142,093,986千円 67,355,007千円

オ 国際協力銀行業務(国際協力銀行業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入 収入済額(千円)  
21年度 286,801,594
20年度 176,225,631
支出 支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
21年度 672,375,596 238,177,656 434,197,939
20年度 300,880,247 153,975,153 146,905,093

 不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額6474億1610万余円)の4258億8648万余円、社債発行諸費(同43億5660万余円)の32億9336万余円及び業務諸費(同88億2543万余円)の21億9940万余円である。

(イ) 損益

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 191,178,930 97,740,078
 うち貸出金利息 143,212,144 93,512,059
経常費用 163,355,808 77,810,480
 うち借入金利息 58,349,309 24,392,602
特別利益 5,388,070 6,947,953
特別損失 3,864 39,181
当期純利益 33,207,327 26,838,369
     
(利益金の処理)    
翌年度に利益準備金として積立て 16,603,663 13,419,184
翌年度に国庫へ納付 16,603,663 13,419,184
(利益準備金) (726,011,503) (712,592,319)

(ウ) 借入金等

区分 21年度末(千円) 21年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 5,267,246,000 4,019,847,000
社債発行残高 2,598,954,479 2,093,214,217

(エ) 主な業務実績

区分   21年度 (20年度)
貸付け 件数 284件 246件
  金額 2,613,426,608千円 1,785,083,588千円
貸出金回収等 金額 1,085,152,828千円 1,095,333,608千円
(うち貸出金償却)   (—) (2,118,983千円)
年度末貸出金残高 件数 1,438件 1,501件
  金額 8,771,342,023千円 7,243,068,243千円
  上記のうちリスク管理債権の状況    
  破綻先債権 17,938,841千円 26,908,261千円
  延滞債権 257,260,256千円 110,674,791千円
  3カ月以上延滞債権 59,725千円
  貸出条件緩和債権 91,578,972千円 92,894,821千円
    366,837,795千円 230,477,874千円
  貸倒引当金 145,354,304千円 126,500,331千円
  (注)  貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。さらに、特定海外債権については、対象国の政治経済情勢等に起因して生ずる損失見込額を計上している。

カ 危機対応円滑化業務(危機対応円滑化業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入 収入済額(千円)  
21年度 36,556,636
20年度 598,754
支出 支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
21年度 430,025,626 32,290,867 397,734,758
20年度 24,422,205 428,242 23,993,962

 不用額の主なものは、補償金(支出予算現額2137億8806万余円)の2116億4646万余円、支払利息(同2024億9473万余円)の1725億1219万余円及び社債発行諸費(同130億4602万余円)の130億3778万余円である。

(イ) 損益

科目 21年度(千円) 20年度(千円)
経常収益 33,355,001 909,172
 うち貸出金利息 30,925,832 674,749
経常費用 118,865,298 4,341,006
 うち借用金利息 30,699,926 600,749
特別利益 537
当期純損失 85,510,296 3,431,296
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 △85,510,296 △3,431,296
(繰越利益剰余金) (△89,037,569) (△3,527,273)

(ウ) 借入金等

区分 21年度末(千円) 21年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金) 4,659,746,000 1,130,300,000
社債発行残高 299,884,745

(エ) 主な業務実績

区分   21年度 (20年度)
ツーステップ・ローン 貸付け等 3,529,446,000千円 1,130,300,000千円
  CP取得 339,888,911千円 299,813,496千円
貸出金回収等 金額 639,702,408千円
年度末貸出金残高 金額 4,659,746,000千円 1,430,113,496千円
損害担保引受応諾額 貸付け等 1,757,798,183千円 195,291,800千円
  CP取得
  改正産活法出資 30,000,000千円
補償金支払額 金額 2,141,599千円
支払補償金回収 金額 20,639千円
  年度末貸出金残高のうちリスク管理債権の状況    
  破綻先債権
  延滞債権
  3カ月以上延滞債権
  貸出条件緩和債権
   
  貸倒引当金 1,864,407千円 572,177千円
  (注)  貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

 なお、この会社について検査した結果、不当事項1件(834) 及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項1件 を掲記した。