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国会からの検査要請事項に関する報告（検査要請）|
会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
平成２２年３月

簡易生命保険の加入者福祉施設等の譲渡等に関する会計検査の結果について

　参議院決算委員会において、平成２１年４月１３日、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、簡易生命保険の加入者福祉施設等の譲渡等について会計検査を行い、その結果を報告するよう要請することが決定され、同日参議院議長を経て、会計検査院長に対し会計検査及びその結果の報告を求める要請がなされた。これに対して、会計検査院は、同月１４日、検査官会議において本要請を受諾することを決定した。

　本報告書は、上記の要請により実施した会計検査の結果について、会計検査院長から参議院議長に対して報告するものである。

平成２２年３月
会計検査院

目次

第１　検査の背景及び実施状況

１　検査の要請の内容

２　平成１９年度決算審査措置要求決議の内容

３　平成１９年度決算審査措置要求決議について政府の講じた措置の内容

４　加入者福祉施設等の概要

（１）　簡易生命保険の加入者福祉施設等の概要

ア　郵政事業の変遷

イ　加入者福祉施設等の設置経緯

ウ　公的宿泊施設の在り方の検討と加入者福祉施設等の廃止・売却

（２）　日本郵政に承継された加入者福祉施設等の概要

ア　加入者福祉施設及び周知宣伝施設の日本郵政への承継

イ　加入者福祉施設等の運営形態等

５　日本郵政がオリックス社と締結した株式譲渡契約とその見直しの経緯

（１）　株式譲渡契約の概要

（２）　総務大臣の業務改善命令

（３）　不動産売却等に関する第三者検討委員会の検討状況

（４）　総務大臣の業務改善命令に対して日本郵政が講じた措置

６　検査の観点、着眼点、対象及び方法

第２　検査の結果

１　旧日本郵政公社及び日本郵政株式会社における簡易生命保険の加入者福祉施設等の運営管理等及びその承継に係る会計処理の状況

（１）　加入者福祉施設について

ア　かんぽの宿等の概要

イ　かんぽの宿等の運営管理の状況

ウ　経営改善の実施状況と課題

（２）　郵便貯金会館（メルパルク）について

ア　メルパルクの概要

イ　国及び公社時の運営管理の状況

ウ　運営委託に伴う振興会の利益剰余金について

（３）　加入者福祉施設等の承継に係る会計処理と減損会計の実施状況

ア　公社発足に伴う承継資産

イ　郵政民営化における承継資産

ウ　公社及び日本郵政における減損会計の実施状況

エ　減損会計の適用に関する検討

２　旧日本郵政公社等が締結した譲渡等に関する契約の内容、手続、予定価格の算定等及び譲渡等の後における施設の利用等の状況

（１）　旧日本郵政公社が締結した譲渡契約に係る分（平成１５年度〜１９年度上期）

ア　譲渡施設の概要

イ　不動産売却に関する手続

ウ　契約方式及び入札手続について

エ　売却価格の分析

オ　売却における不動産鑑定評価額について

カ　簡保事業団から承継した大規模な未利用地の売却について

キ　譲渡後の転売等その後の状況について

（２）　郵政事業庁及び簡保事業団が締結した譲渡契約に係る分(平成１３、１４両年度)

ア　譲渡施設の概要

イ　契約の内容及び手続

ウ　譲渡後の施設の利用等の状況

３　日本郵政株式会社が締結した譲渡等に関する契約の内容、手続等の状況

（１）　加入者福祉施設等の処分方針について

ア　事業の一括譲渡方式の決定過程

イ　公社時の施設売却の状況

ウ　事業の一括譲渡方式採用の方針決定についての検討

（２）　かんぽの宿等に係る株式譲渡契約について

ア　本件株式譲渡契約の内容

イ　本件株式譲渡契約の実施手続

ウ　本件株式譲渡契約の内容及びプロセスについての検討

エ　本件事態を受けての日本郵政による改善への取組状況

（３）　ゆうぽうと（旧東京簡易保険会館）の賃貸借契約等について

ア　ゆうぽうとの定期建物賃貸借契約について

イ　世田谷レクセンターの業務運営委託契約について

（４）　メルパルクの賃貸借契約について

ア　賃貸借契約の締結の経緯

イ　定期建物賃貸借契約の内容

第３　検査の結果に対する所見

１　検査の結果の概要

事例一覧

〔1〕毎年度多額の減損損失を計上しているもの

〔2〕減損率が年度ごとに大きく変動しているもの

〔3〕正味売却価額の算定に当たり、処分に要する費用を重複して控除しているもの

〔4〕同一施設、同一鑑定業者で収益価格の算定方法が年度によって相違しているもの

〔5〕重要財産の売却について総務大臣への認可申請が行われていないもの

〔6〕認可申請に際して面積を誤ったため、分割売却となり低い評価額となったもの

〔7〕予定価格の算定において早期売却可能価格を採用しているもの

〔8〕いわゆる1万円売却に係るもの

〔9〕短期間に不動産鑑定評価を2回行い低額な鑑定評価額を採用しているもの

〔10〕鑑定評価額を減額した早期売却可能価格を予定価格としていたもの

〔11〕施設の建設中止に伴う契約解除を早期に行って、使用料相当額の負担を軽減する必要があったもの

〔12〕施設の建設を中止したため道路整備等に伴う解決金を地元地方公共団体に支払うこととなったもの

参考〔1〕損益が黒字となっているものについて

参考〔2〕直営化後の利益率が上昇しているものについて

参考〔3〕国分寺市所在の社宅用地の売却について

（以下、本文及び図表中の数値は、原則として、表示単位未満を切り捨てている。）