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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 厚生労働省|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

労働保険料に係る延滞金の債権管理及び歳入徴収の事務について


労働保険料に係る延滞金の債権管理及び歳入徴収の事務について

 

1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

 都道府県労働局(以下「労働局」という。)は、労働保険料が督促状に指定された納期限を経過して完納されたときには、延滞金を徴収することとされている。そして、労働保険料が完納された時点で、延滞金について調査決定等を行い、延滞金の納付がない場合には、未納となっている延滞金について債権管理等を行うこととされている。しかし、労働保険料完納時に未納となっている延滞金について、調査決定等を行っておらず、債権管理簿において管理を行っていない事態や、滞納事業主に納付書の送付がなされていないものがあるなど納入督励等を実施していない事態が見受けられた。
 したがって、厚生労働省において、未納となっている延滞金について会計法令等に基づき適切に調査決定等を行うとともに、的確な納入督励等を実施させるための体制を整備するなどの処置を講ずるよう、厚生労働大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

 本院は、厚生労働本省等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、厚生労働省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 労働局に対して、21年10月に開催した労働保険適用徴収ブロック会議等において、未納となっている延滞金について速やかに調査決定を行い、債権管理簿に記載するよう指示し、指摘の対象となっていた46労働局全てにおいて、23年8月までに調査決定を行い、債権管理簿の記載を完了させた。
イ 労働局に対して、上記の会議等において、会計法令等を遵守して調査決定等を行うよう周知徹底するとともに、未納となっている延滞金について納入督励等を実施するよう指導し、指摘の対象となっていた44労働局全てにおいて納入督励等を実施させた。
ウ 21年10月に「徴収関係事務取扱手引I(徴収・収納)」(平成20年3月基発0331008号厚生労働省労働基準局長通知)の改訂を行うなどして債権管理の事務手続を整備して、これを上記の会議等において労働局に対して周知した。
エ 延滞金の額を自動的に算定するなどのプログラムを開発して22年4月から運用を開始するなどして事務を効率的に行うための環境を整備した。