東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について

(a)交付決定額の推移

23年度から25年度までの東北3県及び127市町村に対する国庫補助金等の交付決定額は、表27のとおり、23年度1兆8539億余円、24年度7452億余円、25年度8793億余円、計3兆4786億余円となっており、岩手県計8890億余円、宮城県計1兆8737億余円、福島県計7157億余円となっている。沿岸部、内陸部及び県事業・その他の区分ごとの交付決定額は、県事業・その他計1兆9855億余円、沿岸部計1兆3563億余円、内陸部計1368億余円となっていて、交付決定額の沿岸部の内陸部に対する比率は、23年度が約6倍、24年度が約11倍、25年度が約22倍と、年度ごとに規模の差が拡大している。

沿岸部及び内陸部の交付決定額の推移をみると、表27及び図18のとおり、沿岸部37市町村への交付決定額は、23年度5621億余円、24年度3560億余円、25年度4380億余円と3000億円以上の規模が継続している一方、内陸部90市町村への交付決定額は、23年度863億余円、24年度311億余円、25年度193億余円と毎年度減少している。沿岸部への交付決定額が24年度に減少しているのは、23年度から24年度に繰り越した事業を実施するため、24年度の交付申請を見合わせたことなどによるものであり、24年度に事業が一定程度進捗したことにより25年度は増加に転じている。

また、福島県に対する交付決定額が岩手、宮城両県と比べて少なくなっているのは、福島県沿岸部10市町のうち6市町が原子力災害により避難指示区域に指定され、同区域内では、国による除染等の措置が実施されている段階であることなどによるものである。このため、同県の避難指示区域の指定が解除等された後、被害状況の詳細な把握や復旧・復興事業が実施されることになり、各種補助事業等が増加することが見込まれる。

(b)沿岸部及び内陸部で実施されている主な補助事業の実施状況

127市町村を沿岸部37市町村と内陸部90市町村に区分し、それぞれの地域において交付決定額が多額となっている5事業の実施状況をみると、次のとおりとなっている（表28及び図19参照）。

沿岸部、内陸部のいずれの地域においても主な補助事業等として挙げられるのは、環境省所管の災害等廃棄物処理事業費補助金及び国土交通省所管の河川等災害復旧事業費補助である。

このうち、災害等廃棄物処理事業費補助金は、沿岸部の32市町村、内陸部の54市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額及び交付率は、沿岸部が9691億余円、90.9％、内陸部が381億余円、91.9％となっており、事業はいずれも進捗している。交付決定額が多額となっているのは、沿岸部が宮城県の石巻市（交付決定額1929億余円）、気仙沼市（同1026億余円）、仙台市（同740億余円）等であり、内陸部が福島県の郡山市（同87億余円）、福島市（同44億余円）等である。

河川等災害復旧事業費補助は、沿岸部の19市町村、内陸部の45市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額及び交付率は、沿岸部が231億余円、85.5％、内陸部が85億余円、97.2％となっており、内陸部において事業は進捗している。交付決定額が多額となっているのは、沿岸部が岩手県の釜石市（同57億余円）、陸前高田市（同37億余円）、大船渡市（同28億余円）等で、内陸部が岩手県の一関市（同14億余円）、福島県の白河市（同8億余円）等であり、交付決定額は沿岸部、内陸部ともに復旧事業の進捗に伴い減少傾向にある。

沿岸部の市町村で実施されている主な補助事業等は、内閣府所管の災害弔慰金等負担金、厚生労働省所管の国民健康保険災害臨時特例補助金及び農林水産省所管の漁港施設災害復旧事業費補助であり、津波による人的被害が集中したことに伴う人的支援のための事業や沿岸部に特有の災害復旧事業となっている。

このうち、漁港施設災害復旧事業費補助は、沿岸部の22市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額は計1078億余円、交付率は35.7％となっている。交付決定額は24年度に大幅に減少したが、25年度は23年度を上回る規模となっている。交付決定額が多額となっているのは、岩手県の大船渡市（同206億余円）、釜石市（同134億余円）及び宮城県の石巻市（同124億余円）である。

国民健康保険災害臨時特例補助金は、沿岸部の37市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額は計418億余円、交付率は90.5％であり、交付額は減少しているものの、福島県の避難指示区域に指定されている市町村に対しては引き続き交付されている。交付決定額が多額となっているのは、仙台市（同85億余円）、福島県の南相馬市（同67億余円）及び宮城県の石巻市（同36億余円）である。

また、災害弔慰金等負担金は、沿岸部の36市町村で実施されており、23年度の交付決定額は計379億余円、交付率は68.1％となっている。交付決定額が多額となっているのは、宮城県の石巻市（同95億余円）、気仙沼市（同33億余円）、東松島市（同30億余円）等である。

内陸部の市町村で実施されている主な補助事業等は、文部科学省所管の公立諸学校建物其他災害復旧費負担金及び防災対策推進学校施設環境改善交付金並びに農林水産省所管の農業用施設等災害関連事業費補助となっていて、学校施設等の災害復旧及び耐震化、農業用施設の改修等の事業が実施されている。公立諸学校建物其他災害復旧費負担金については、23年度から25年度にかけて交付決定額、交付額は減少している。

このうち、公立諸学校建物其他災害復旧費負担金は、内陸部の51市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額は計127億余円、交付率は91.2％となっている。交付決定額が多額となっているのは、宮城県の大崎市（同20億余円）、登米市（同13億余円）等である。

農業用施設等災害関連事業費補助は、内陸部の40市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額は計75億余円、交付率は94.9％となっている。交付決定額が多額となっているのは、福島県の須賀川市（同20億余円）、宮城県の登米市（同12億余円）等である。

また、防災対策推進学校施設環境改善交付金は、内陸部の29市町村で実施されており、23年度から25年度までの交付決定額は計64億余円、交付率は46.9％となっている。交付決定額が多額となっているのは、福島県の郡山市（同19億余円）、岩手県の盛岡市（同10億余円）等である。

(a)23年度補正予算により措置された補助事業等の実施状況

23年度補正予算により措置された補助事業等の交付決定額等について、各府省庁及び東北3県から徴した調書等に基づき集計すると、表29のとおり、交付決定額計1兆8539億余円に対する23年度の交付額は計9445億余円、補助事業執行率は53.2％となっていて、計8283億余円が24年度に繰り越されている。そして、24年度の交付額は計3973億余円、25年度の交付額は計1680億余円となり、23年度から25年度末までに計1兆5098億余円が交付され、県、市町村等で事業が完了している。

127市町村のうち交付決定を受けていない2町村を除く125市町村の補助事業等の実施状況をみると、24年度までに事業が完了した市町村数は、岩手県が内陸部の17市町村、沿岸部の1町、宮城県が内陸部の12市町村、沿岸部の5市町、福島県が内陸部の33市町村、沿岸部の5町、計73市町村である。これらの市町村には、津波により甚大な被害を受けていたり、原子力災害によって避難指示区域として設定されていたりする市町村も含まれており被災者に対する救助、支援に関する事業を多数実施していたり、実施する事業を限定していたりしている。特に、23年4月21日にその全域が警戒区域に設定された福島県の富岡町、大熊町及び双葉町の3町をみると、内閣府所管の災害弔慰金等負担金並びに厚生労働省所管の介護保険災害臨時特例補助金及び国民健康保険災害臨時特例補助金の交付決定額が大部分を占めている。

23年度補正予算により措置された補助事業等の交付決定額が100億円を超えている市町村数は、岩手県が宮古市等5市町、宮城県が仙台市等10市町、福島県がいわき市等2市の計17市町であり、全て沿岸部の市町である。

23年度から25年度までの交付決定額計1兆8539億余円に対する交付額計1兆5098億余円（交付率81.4％）をみると、沿岸部が5621億余円に対して4784億余円（同85.1％）、内陸部が863億余円に対して824億余円（同95.5％）、県事業・その他が1兆2055億余円に対して9489億余円（同78.7％）となっている。

また、各市町村は、復旧・復興事業を進めるために、事業実施を見込んで交付申請をして交付決定を受けているが、事業計画を見直す必要等から事故繰越しなどができなかったなどの市町村においては不用が生じており、23年度から25年度までの不用額等計は、沿岸部で837億余円（交付決定額に対する割合14.8％）、内陸部で38億余円（同4.4％）、県事業・その他で2565億余円（同21.2％）、計3441億余円となっていて、沿岸部と県事業・その他において事業の進捗が遅れているなどの状況が見受けられた。

(b)24年度復興特会予算により措置された補助事業等の実施状況

24年度復興特会予算により措置された補助事業等の交付決定額等について集計すると、表30のとおり、交付決定額計7452億余円に対する24、25両年度の交付額は計6159億余円、25年度末の補助事業執行率は91.8％、26年度への事故繰越額は計547億余円となっている。127市町村のうち、交付決定を受けていない4町村を除く123市町村の補助事業等の実施状況をみると、25年度までに事業が完了した市町村数は、岩手県が内陸部の20市町村、沿岸部の5市町村、宮城県が内陸部の19市町村、沿岸部の12市町、福島県が内陸部の28市町村、沿岸部の4町、計88市町村である。

交付決定額が100億円を超えている市町村数は、岩手県が宮古市等5市町、宮城県が仙台市等7市町、福島県がいわき市等2市の計14市町で、全て沿岸部の市町である。

24、25両年度の交付決定額計7452億余円に対する交付額計6159億余円（交付率82.6％）をみると、沿岸部が3560億余円に対して3431億余円（同96.3％）、内陸部が311億余円に対して276億余円（同88.8％）、県事業・その他が3580億余円に対して2450億余円（同68.4％）となっている。

また、24、25両年度の不用額等計は、沿岸部109億余円（交付決定額に対する割合3.0％）、内陸部23億余円（同7.4％）、県事業・その他613億余円（同17.1％）、計746億余円となっていて、県事業・その他において事業の進捗が遅れているなどの状況が見受けられた。

(c)25年度復興特会予算により措置された補助事業等の実施状況

25年度当初予算及び25年度補正予算（以下「25年度復興特会予算」という。）により措置された補助事業等の交付決定額等を集計すると、表31のとおり、交付決定額計8793億余円に対する交付額は計4674億余円、補助事業執行率54.0％、26年度への繰越額は計3972億余円となっている。127市町村のうち、交付決定を受けていない3町村を除く124市町村の補助事業等の実施状況をみると、25年度末までに事業が完了した市町村数は、岩手県が内陸部の15市町村、沿岸部の1村、宮城県が内陸部の18市町村、沿岸部の1市、福島県が内陸部の19町村、沿岸部の3町、計57市町村である。

また、福島県の市町村のうち、避難指示区域に所在する11市町村（26年4月に避難指示が全域で解除された田村市を含む。）の補助事業執行率は86.9％と高くなっている。福島県によれば、これらの市町村では実施できる事業が限定されているため補助事業執行率が高くなっているが、原子力災害の影響により当該市町村の被害状況を把握することが困難であり、現在も災害査定等を実施できないことから、今後は、復旧を必要とする事業が相当の規模で生ずることが想定されるとしている。

交付決定額が100億円を超えている市町村数は、岩手県が宮古市等6市町、宮城県が仙台市等7市町、福島県がいわき市1市の計14市町で、全て沿岸部の市町となっている。なお、23年度から25年度までのいずれの年度においても交付決定額が100億円を超えている市町村は、東北3県計で宮古市等12市町である。

25年度の交付決定額計8793億余円に対する交付額計4674億余円（交付率53.1％）をみると、沿岸部が4380億余円に対して3126億余円（交付率71.3％）、内陸部が193億余円に対して95億余円（同49.6％）、県事業・その他が4220億余円に対して1452億余円（同34.4％）となっている。

(a)所管別の交付決定額、交付額等の状況

所管別の補助事業等の実施状況については、各府省庁及び東北3県から徴した調書等に基づき集計すると、表32のとおり、9府省庁計138事業（23年度から25年度までの延べ事業数269事業）において、23年度から25年度までの交付決定額は計3兆4786億余円、補助事業執行率は85.1％となっている。

所管別の交付決定額は、環境省が1兆0221億余円と最も多額となっており、農林水産省が8788億余円、内閣府が6480億余円、国土交通省が3535億余円、経済産業省が2918億余円等となっている。

また、上記の交付決定額が多額となっている5府省について、所管別の補助事業執行率をみると、内閣府及び環境省が90％以上となっている一方、農林水産省、経済産業省及び国土交通省が70％前後にとどまっている。特に、25年度の補助事業執行率は、経済産業省が3.1％と著しく低く、農林水産省が24.7％、国土交通省が28.8％と低くなっている。

前記補助事業等138事業のうち23年度から25年度までの交付決定額の合計が1000億円以上のものは、内閣府所管の災害救助費等負担金（交付決定額計6069億余円）、農林水産省所管の漁港施設災害復旧事業費補助（同4038億余円）、経済産業省所管の中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金（同2831億余円）、国土交通省所管の河川等災害復旧事業費補助（同3197億余円）及び環境省所管の災害等廃棄物処理事業費補助金（同1兆0092億余円）の5事業であり、これら5事業の23年度から25年度までの交付決定額及び交付率の状況は、次のとおりとなっている（表33及び図20参照）。

災害等廃棄物処理事業費補助金の交付決定額は、毎年度3000億円台と多額に上っており、各年度とも計画的に相当量の災害廃棄物等の処理を進めていることから交付率も高くなっている。

災害救助費等負担金及び中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金の交付決定額は、いずれも23年度から25年度にかけて減少している。災害救助費等負担金は、救助の実施のために都道府県が支弁した費用を対象に精算交付されるものであり、被災直後の23年度の交付決定額は4000億円以上と多額になっていたが、24年度以降大幅に減少している。また、中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金は、中小企業等グループが作成した復興事業計画に基づき、震災により損壊した施設等の復旧の支援等を行うために交付される補助金であり、土地のかさ上げ工事や市街地復興土地区画整理事業等の遅れなどにより地域の産業復興が進まず、一部の中小企業等グループにおける復旧が遅れていることなどから、23年度から25年度までの交付率は65.1％となっている。

漁港施設災害復旧事業費補助及び河川等災害復旧事業費補助の交付決定額は、24年度に減少したが25年度に増加している。24年度の減少は、23年度に実施を予定していた事業において、災害等廃棄物処理事業等他の事業の進捗の遅れによる影響や事業計画の見直し、人員の不足等により多数の事業を24年度に繰り越したことから、同年度の交付申請を見合わせたことによるものである。また、25年度の増加は、災害等廃棄物処理事業等の進捗に伴い、両事業に係る工事等に必要な用地が確保できたことなどから、24年度に繰り越した事業の進捗が図られたことなどによるものである。

しかし、両事業は、漁期中の工事休止、市街地復興土地区画整理事業等の他の事業の進捗による影響や関係機関との協議、条件が厳しい海上工事等の様々な課題が依然として残されていて、これら諸課題の解決を図りながら事業を進める必要があることなどから、23年度から25年度までの交付率は、漁港施設災害復旧事業費補助が35.5％、河川等災害復旧事業費補助が61.3％と低くなっている。

(b)補助事業等別の実施状況

23年度補正予算、24、25両年度の復興特会予算により措置され、東北3県及び127市町村等が実施した138事業について、補助事業等別の実施状況をみると、次のとおりである。

23年度補正予算により措置された補助事業等は計103事業であり、農林水産省所管の補助事業等が42事業と多数を占めている。これら103事業の実施状況をみると、23年度末までに完了したものが30事業、翌年度に明許繰越しされて24年度末までに完了したものが26事業であるが、翌々年度に事故繰越しされて25年度末までに完了したものも47事業と、事業完了までに時間を要している補助事業等もある。103事業のうち交付決定額が100億円以上のものは、交付決定額が計1000億円以上の前記5事業のほか、災害弔慰金等負担金（交付決定額384億余円）等18事業、計23事業である。このうち、沿岸部の市町村が実施している漁港施設災害復旧事業費補助（同2355億余円）及び同じく農林水産省所管の養殖施設災害復旧事業費補助金（同250億余円）をみると、24年度までの補助事業執行率がそれぞれ35.1％、39.5％と低くなっていて、25年度までの不用額等も多額に上っているなどの状況が見受けられた（23年度補助事業等の所管別・事業別実施状況は別表5①、リンク参照）。

24年度復興特会予算により措置された補助事業等は、計80事業であり、農林水産省所管の補助事業等が32事業と多数を占めている。これら80事業の実施状況をみると、24年度末までに完了したものが35事業、翌年度に明許繰越しされて25年度末までに完了したものが16事業であり、残りの29事業は26年度に事故繰越しされており、23年度補正予算による補助事業等と同様に、事業完了までに時間を要している補助事業等が見受けられた。80事業のうち交付決定額が100億円以上のものは、災害等廃棄物処理事業費補助金（交付決定額3243億余円）等5事業である。このうち、中小企業組合等共同施設等災害復旧費補助金（同1141億余円）をみると、25年度までの補助事業執行率が62.6％となっていて、25年度までの不用額等や26年度への事故繰越額も多額に上っているなどの状況が見受けられた（24年度補助事業等の所管別・事業別実施状況は別表5②、リンク参照）。

25年度復興特会予算により措置された補助事業等は、計86事業であり、農林水産省所管の補助事業等が34事業と多数を占めている。これら86事業の実施状況をみると、25年度末までに完了したものは38事業である。86事業のうち交付決定額が100億円以上のものは、災害等廃棄物処理事業費補助金（交付決定額3284億余円）等11事業である。このうち、漁港施設災害復旧事業費補助に係る交付決定額は、24年度の26億余円から25年度の1656億余円に、また、河川等災害復旧事業費補助に係る交付決定額は、24年度の612億余円から25年度の1248億余円に、いずれも大幅に増加しているが、両事業の25年度の補助事業執行率はそれぞれ18.4％、28.1％にとどまっている（25年度補助事業等の所管別・事業別実施状況は別表5③、リンク参照）。

また、各年度の補助事業等ごとに初年度に生じた不用額等は、23年度103事業で計811億余円、24年度80事業で計298億余円、25年度86事業で計146億余円と、復旧・復興事業の進捗に伴い年々減少している。

ｄ　まとめ

東北3県及び127市町村が実施した23年度から25年度までの補助事業等に係る国庫補助金等の交付決定額は、沿岸部では引き続き多額に上っていて、今後も多数の各種補助事業等の実施が見込まれる。

東日本大震災の発生直後は、被災者の救助等人的支援の事業や復興の前提となる災害廃棄物処理等の災害復旧事業が交付決定額の大部分を占めていて、これらの事業は被災から3年度でほぼ完了しているものの、沿岸部の復興に不可欠な漁港施設等の災害復旧については、漁港機能の回復が進んでいる一方、他の事業等との調整等の影響等により、事業完了までに時間を要しているものが多く見受けられる。また、沿岸部の特定被災自治体では、市街地・居住地復興のために多数多額の事業を実施している一方、用地取得や地元調整等についての課題も見受けられる。

このようなことから、国は、27年度末までの集中復興期間において、東北3県及び127市町村が円滑かつ迅速に補助事業等を実施できるよう、事業の実施状況を随時把握するとともに、集中復興期間後も補助事業等による被災地の復旧・復興を図るため引き続き支援することが必要である。