平成23年12月20日に開催された安全保障会議において、航空自衛隊の現用戦闘機の減耗を補充し、その近代化を図るために、24年度以降、次期戦闘機としてF-35A42機を取得することが決定され、同日、閣議において了解されている。
現在、我が国における今後の防衛力の基本的指針を示した「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成25年12月国家安全保障会議及び閣議決定)を踏まえて策定された「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)について」(平成25年12月国家安全保障会議及び閣議決定)によれば、島しょ部に対する攻撃への対応のための航空優勢の獲得・維持として、同計画期間内に28機のF-35Aを契約することとされている。そして、24、25両年度の2か年で契約した6機と合わせ30年度までに計34機の契約が決定され、これに伴う費用は多額となることが見込まれている。
F-35Aは、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定」(昭和29年条約第6号)に基づく有償援助によりアメリカ合衆国政府から調達することになっている。防衛省は、国内企業を外国企業の下請として製造等に参画させる新たな取組を行っている。また、防衛装備庁は、F-35Aをプロジェクト管理重点対象装備品等として選定してプロジェクト管理を実施している。
本報告書は、以上のような状況等を踏まえて、次期戦闘機(F-35A)の調達等の実施状況について検査を実施し、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。
平成29年9月
会計検査院
・本文及び図表中の数値は、表示単位未満を切り捨てているため、図表中の数値を集計しても計が一致しないものがある。