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  • 昭和23年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第5 大蔵省|
  • (終戦処理費関係の分)|
  • 一般会計 歳出

職員の犯罪等に因り国に損害を与えたもの


(386)−(396) 職員の犯罪等に因り国に損害を与えたもの

(第18部終戦処理費 第1款終戦処理費 第1項終戦処理事務費 第2項終戦処理事業費)

 終戦処理費の経理に関し、関係職員の犯罪等に因り国に損害を与えたものは左のとおり11件に上り被害額も多額に達しているが、そのほとんど全部は連合国軍使用労務者に対する諸給与の支払に関し、関係書類を作為し、あるいは官印を冒用するなどの手段によつたもので、いずれも監督の不徹底、経理事務担当者の責任観念のち緩等に基因するものと認められる

(386)  特別調達庁で、経理局雇松本某外2名が部外者と共謀し、昭和23年3月及び4月に246,789円を詐取したものがある。なお、被害金のうち73,781円は24年6月までに弁償済である。

(387)  北海道札幌公共労働安定所及び札幌渉外労務管理事務所で、事務補中川某が資金前渡官吏の補助者として勤務中、昭和23年4月から7月までの間に、442,503円を詐取したものがある。(第8章参照)
 なお、右の外同事務所においては本件と同時期に事務補千葉某のため442,242円を横領されたものがある。(昭和22年度決算検査報告第232号参照)

(388)  北海道真駒内渉外労務管理事務所で、資金前渡官吏佐々木某が昭和23年8月から24年3月までの間に、前渡資金2,160,077円を労務者用物資購入資金として取扱主任者北海道事務吏員工藤某に流用立替えしたが、そのうち970,140円は同人のため費消されたものである。なお、立替金のうち655,000円は返済を受け、残額相当分の貯蔵品534,937円中売上代金223,537円はこれを回収し、又工藤某が費消した970,140円のうち248,649円は弁償済である。

(389)  北海道小樽渉外労務管理事務所で、資金前渡官吏前田某が昭和23年7月から24年4月までの間に、6,907,656円を横領したものがある。なお楽被害金のうち235,540円は10月までに回収済である。

(390)  北海道小樽渉外労務管理事務所で、嘱託佐々木某が資金前渡官吏の補助者として勤務中、昭和24年4月前渡資金88,354円をかい帯し逃亡したものがある。なお、被害金のうち17,957円は9月までに弁償済である。

(391)  宮城県原町渉外労務管理事務所で、嘱託針生某外1名が資金前渡官吏の補助者として勤務中、昭和24年1月から4月までの間に、197,231円を詐取したものがある。なお、被害金のうち105,899円は11月までに弁償済である。

(392)  神奈川県横須賀渉外労務管理事務所で、雇浅川某が資金前渡官吏の補助者として勤務中、昭和23年8月から24年5月までの間に、1,532,130円を詐取したものがある。

(393)  京都府京都渉外労務管理事務所で、事務補佐員大谷某が資金前渡官吏の補助者として勤務中、昭和24年2月346,048円をかい帯し逃亡したものがある。

(394)  兵庫県東神戸公共労働安定所東出張所及び小野浜渉外労務管理事務所で、資金前渡官吏栗原某外7名が昭和22年3月から23年11月までの間に、労務者給与未渡金1,038,600円を費消し、手許保管金1,611,846円を職員など27名に貸し付けた外、使途不明のもの98,198円を生ぜしめたものがある。なお、貸付金のうち449,333円は24年4月までに回収済である。

(395)  福岡県八幡渉外労務管理事務所で、給与係長瓜生某外10余名が資金前渡官吏の補助者として勤務中、昭和22年11月ごろから24年4月までの間に、資金前渡官吏の官印を冒用して小切手を振り出したもののうち、1,397,654円を、又資金前渡官吏の手許保管金70,942円及び労務者給与未渡金101,008円計1,569,600円を費消したものがある。なお被害金のうち640,328円は10月までに弁償済である。

(396)  長崎県佐世保公共労働安定所及び佐世保渉外労務管理事務所で、嘱託村井某外43名が昭和21年9月から23年5月までの間に、17,285,079円を詐取したものがある。なお、被害金のうち1,548,480円は24年11月までに弁償済である。