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  • 昭和40年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第6節 各所管別の事項

郵政省


 不当事項

 不正行為

(315)−(320) 職員の不正行為により国に損害を与えたもの

 (郵政事業特別会計)

 (簡易生命保険及郵便年金特別会計)

 戸倉ほか44郵便局で、昭和35年7月から41年6月までの間に、関係職員により繰替払現金等をほしいままに領得されたものが1事項5万円以上のもので45事項59,337,938円(うち41年9月末現在補てんされた額19,879,737円)ある。
 これらは、上記各郵便局において、

(ア) 窓口事務担当の内務員が現金受払事務に従事中、通常郵便貯金等の預入金を受領しながらその全部もしくは一部について受入処理をしないで、または郵便貯金払いもどし金受領証、公務扶助料給与金受領証等を偽造して現金を領得したもの、

(イ) 貯金、保険担当の外務員が郵便貯金の集金および簡易生命保険保険料の収納事務等に従事中、定額郵便貯金預入金、簡易生命保険保険料を受領しながら受入処理をしないで、または局外で払いもどしを依頼された定額郵便貯金払いもどし金を預金者に交付しないで領得したもの、

(ウ) 特定郵便局長および同局長代理が、地方公共団体の収入役と共謀し、簡易生命保険及び郵便年金積立金の短期貸付に関する書類を偽造して郵政局長に提出し、これにより貸付金相当額を領得し、または特定郵便局長が定期郵便貯金の預入金を受領しながら受入処理をしないで領得したものなどである。

 郵便局における不正行為に対しては、本院において、37年10月、郵政大臣に対しその防止対策について改善の意見を表示しており、当局においてもその防止に努めてはいるが、なお上記のような事例、とくに不正行為期間が長期にわたるものおよび職員を指導監督する地位にある特定郵便局長の不正行為が跡を絶たないのは遺憾である。
 前記45事項59,337,938円のうち1事項50万円以上で未補てんのものをあげると、次表のとおり6件47,537,189円(うち41年9月末現在補てんされた額8,411,863円)である。

庁名 不正行為をした職員 不正行為期間 不正行為金額 補てんされた額
(41.9.30現在)

(315)

長野郵政局管内
年 月
戸倉郵便局  特定郵便局長
  柳沢某ほか1名
35. 7から
40. 5まで
36,000,000 5,052,369
柳沢某が特定郵便局長として、滝沢某が同局長代理としてそれぞれ勤務中、地方公共団体の収入役と共謀し、簡易生命保険及び郵便年金積立金の短期貸付に関する書類を偽造して郵政局長に提出し、正規の借入申込と誤信させて貸付の認可を受け、貸付金相当額を領得したものである。
(316) 金沢郵政局管内

 西浦郵便局 郵政事務官
  本間某
36. 6から
40. 8まで
4,763,257 1,874,639
同人が窓口で現金受払事務に従事中、定額郵便貯金もしくは通常郵便貯金預入金の預入報告をしないでもしくは少額にして、または通常郵便貯金払いもどし金受領証を偽造するなどの方法により領得したものである。
(317) 大阪郵政局管内
 堺郵便局 事務員
  半野某
41. 2から
〃. 5まで
1,465,649 1,000,000
同人が貯金課外務員として郵便貯金の募集および集金事務に従事中、定額郵便貯金預入金の預入手続をしないで、または局外で払いもどしを依頼された定額郵便貯金払いもどし金を預金者に交付しないなどの方法により領得したものである。
(318) 熊本郵政局管内
大分郵便局 出納員
郵政事務官
  佐藤某
37. 5から
40. 7まで
969,581 0
同人が貯金課窓口で現金受払事務に従事中、公務扶助料給与金受領証を偽造するなどの方法により領得したものである。
(319)
 上穂北郵便局 出納員
郵政事務官
  三谷某
40. 7から
41. 3まで
1,038,000 46,435
同人が窓口で現金受払事務に従事中、通常郵便貯金払いもどし金受領証を偽造して、または通常郵便貯金預入金の預入報告を少額にするなどの方法により領得したものである。
(320) 仙台郵政局管内
 八森郵便局 出納員
郵政事務官
  斉藤某
36. 9から
41. 4まで
3,300,702 438,420
同人が窓口で現金受払事務に従事中、通常郵便貯金等の預入金の預入報告をしないで、または通常郵便貯金払いもどし金受領証を偽造するなどの方法により領得したものである。
47,537,189 8,411,863

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