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  • 昭和62年度|
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資金運用部資金の貸付額が過大になっているもの


(4) -(7) 資金運用部資金の貸付額が過大になっているもの

資金名及び科目 資金運用部資金 貸付金
部局等の名称 東海財務局津財務事務所、中国財務局山口財務事務所、四国財務局松
山財務事務所、福岡財務支局佐賀財務事務所
貸付けの根拠 資金運用部資金法(昭和26年法律第100号)
貸付けの内容 地方公共団体に対する普通地方長期資金の貸付け
貸付先 県1、市2、町1、計4県市町
貸付金の合計額 626,600,000円

 上記の4県市町に対する626,600,000円の貸付けにおいて、貸付先の県市町が、貸付けの対象とならない事業費を貸付対象事業費に含めていたり、貸付対象事業の財源として受け入れた負担金を貸付対象事業費の財源に算入していなかったりしていて、貸付額が40,816,880円過大になっていると認められる。これを貸付先別に掲げると別表 のとおりである。

(説明)

 大蔵省では、資金運用部資金法等の規定に基づき、地方公共団体が公共施設の建設事業費等の財源として自治大臣又は都道府県知事の許可を得て地方債を起こす場合に普通地方長期資金を貸し付けている。この資金の貸付けは、地方公共団体が予算に定める地方債の限度額を限度とし、地方債許可方針等により算出された貸付対象事業費から貸付対象事業の財源として受け入れた補助金、負担金、寄附金等を控除した額に所定の充当率を乗じて得た額を貸付金額として、貸付対象事業が完了した後において行われることになっている。
 しかして、上記の貸付けについて検査したところ、貸付先の県市町において、貸付けの対象とならない事業費を貸付対象事業費に含めていたり、貸付対象事業の財源として受け入れた負担金を貸付対象事業費の財源に算入していなかったりしていて、貸付額が過大になっていると認められるものが40,816,880円見受けられた。

(別表)

貸付先 貸付対象 貸付
昭和年月
(貸付利率)
貸付対象
事業費
左に対す る貸付金 額 貸付金額 のうち不当と認めた額 摘要

(4)

三重県松阪市

上水道第5期拡張事業
61.3
(年6.3%)
千円
289,828
千円
182,000
千円
12,216

負担金の財源不算入
   この貸付けは、松阪市が昭和60年度に実施した上水道第5期拡張事業に必要な資金291,228,000円(うち貸付対象事業費分289,828,000円)の一部として、公営企業金融公庫の貸付金88,000,000円と併せて貸し付けたものである。
 しかして、同市では、借入れに当たり、受益住宅生活協同組合から同事業の財源として受け入れた負担金38,074,289円を貸付対象事業費の財源に算入していなかった。

 したがって、上記の負担金を貸付対象事業費の財源に算入して資金運用部資金及び公営企業金融公庫の適切な貸付金合計額を計算すると251,876,975円となり、貸付金合計額270,000,000円との差額18,123,025円が過大な貸付けとなっているので、これを資金運用部資金の貸付金額と公営企業金融公庫貸付金額とであん分すると、資金運用部資金については12,216,261円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の過大な貸付金額については、繰上償還の措置を執ることになった。

(公営企業金融公庫 不当事項 貸付金(152)参照)
(5) 山口県 港湾整備事業 62.5
(年4.6%)
275,000 113,000 5,652 貸付対象外
 この貸付けは、山口県が昭和61年度に実施した港湾整備事業(岩国港(新港))に必要な資金275,000,000円の一部として、公営企業金融公庫の貸付金162,000,000円と併せて貸し付けたものである。
 しかして、同県では、同事業のうち岩国港港湾整備埋立工事2工区について、埋立てに利用する泥水状浚渫土砂の微粒子を沈殿させるための凝集剤の注人工は実際は前年度に実施されたものであり、浚渫、埋立工事用排砂管、汚濁防止膜等の設備損料は実際は浚渫・埋立合併工事の60年度分終了後から61年度分開始までの間、現場に存置されたものの損料であるのに、借入れに当たり、これらを61年度に実施したこととして当該工事費等13,755,500円を61年度の貸付対象事業費に算入していた。

 したがって、本件港湾整備事業に対する適切な貸付対象事業費は、前記貸付対象事業費275,000,000円から上記貸付対象事業費とは認められない工事費等13,755,500円を控除した261,244,500円となり、これに対する資金運用部資金及び公営企業金融公庫の適切な貸付金合計額は、貸付対象事業費と同額の261,244,500円となって、貸付金合計額275,000,000円との差額13,755,500円が過大な貸付けとなっているので、これを資金運用部資金の貸付金額と公営企業金融公庫の貸付金額とであん分すると、資金運用部資金については5,652,260円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の過大な貸付金額については、繰上償還の措置を執ることになった。

(公営企業金融公庫 不当事項 貸付金(153)参照)
(6) 愛媛県宇和島市 義務教育施設整
備事業
61.5
(6.05%)
168,926 78,900 3,069 貸付対象外
番城小学校校舎増改築事業

(同)
62.5
(年4.6%)
248,439 114,800 4,609
小計 417,365 193,700 7,678
 この貸付けは、宇和島市が昭和60、61両年度に義務教育施設整備事業として実施した番城小学校校舎増改築事業に必要な資金489,746,000円(うち貸付対象事業費分60年度168,926,000円、61年度248,439,000円、計417,365,000円)の一部.として貸し付けたものである。
 しかして、同市では、同事業のうち増築事業については、借入れに当たり、国庫補助対象事業に係る貸付対象事業の面積を国庫補助対象面積と同じ1,052m2 とし、貸付対象事業費を124,420,000円と算定していたが、国庫補助対象面積の算定において事実と相違した児童数により過大に学級数を算出したため、上記面積は171m2 が過大となっており、これに係る事業費相当額60年度8,090,000円、61年度12,134,000円、計20,224,000円は貸付けの対象とならないのに、これを含めて貸付対象事業費としていた。

 したがって、貸付対象事業費から上記各年度の貸付けの対象とはならない事業費を控除した60年度160,836,000円、61年度236,305,000円が適切な貸付対象事業費となり、これに対する適切な貸付金額は、60年度75,830,744円、61年度110,190,633円となって、本件貸付金額60年度78,900,000円、61年度114,800,000円との差額60年度3,069,256円、61年度4,609,367円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件過大な貸付金額については、繰上償還の措置を執ることになった。

(文部省 不当事項 補助金(17)参照)

(7) 佐賀県小城郡小城町 義務教育施設整備事業 60.5
(年7.1%)
204,915 61,500 6,576 貸付対象外
桜岡小学校校舎増改築事業

(同)
61.5
(6.05%)
298,097 76,400 8,693
小計 503,012 137,900 15,269
 この貸付けは、小城町が昭和59、60両年度に義務教育施設整備事業として実施した桜岡小学校校舎増改築事業に必要な資金539,581,000円(うち貸付対象事業費分59年度204,915,000円、60年度298,097,000円、計503,012,000円)の一部として貸し付けたものである。

 しかして、同町では、借入れに当たり、国庫補助対象事業に係る貸付対象事業の面積を増築事業及び改築事業の国庫補助対象面積と同じ202m2 、4,001m2 とし、貸付対象事業費を499,625,000円と算定していたが、国庫補助対象面積の算定において事実と相違した児童数により過大に学級数を算出したため、増築事業は補助の対象とはならず、また、改築事業においては205m2 が過大となっており、これに係る事業費相当額59年度19,469,000円、60年度29,129,000円、計48,598,000円は貸付けの対象とならないのに、これを含めて貸付対象事業費としていた。
 したがって、貸付対象事業費から上記各年度の貸付けの対象とはならない事業費を控除するなどした59年度185,818,000円、60年度269,452,000円が適切な貸付対象事業費となり、これに対する適切な貸付金額は、59年度54,923,264円、60年度67,707,000円となって、本件貸付金額59年度61,500,000円、60年度76,400,000円との差額59年度6,576,736円、60年度8,693,000円が過大な貸付けとなっている。
 なお、63年9月末現在の過大な貸付金残高は15,205,611円(59年度貸付分6,512,611円及び60年度貸付分8,693,000円)で、これについては、繰上償還の措置を執ることになった。

(文部省 不当事項 補助金(18)参照)
1,485,205 626,600 40,816