独立行政法人は、効果的かつ効率的な業務運営、国民向けサービスの質の向上、業務の成果の最大化を実現することが求められており、それぞれの業務の特性に応じて、民間委託を実施するなどして、業務の効率化や提供するサービスの質の維持向上等に取り組むこととされている。
国においては、原則、一般競争入札等の競争性のある契約方式へ移行することとされており、その一環として、調査・研究等の技術的要素等の評価を行うことが重要であるものについては、価格と提案内容を総合的に評価し落札者を決定する総合評価落札方式による一般競争入札を拡充することとされており、独立行政法人においても、国における取組を踏まえるなどして総合評価落札方式の導入拡大に取り組んでいる。
そして、平成18年に施行された競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成18年法律第51号)においては、独立行政法人も同法の対象とされ、その内容及び性格に照らして必ずしも独立行政法人等が自ら実施する必要がない業務について、民間事業者の創意と工夫を活用することにより、公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図る改革を実施することとされた。
本報告書は、以上のような経緯等を踏まえて、独立行政法人を検査の対象として、民間委託の実施状況、民間委託における総合評価落札方式の実施状況、民間委託によるサービスの質の維持向上及び経費削減の状況等について横断的に検査を実施し、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。
平成28年9月
会計検査院
・本文及び表中の数値は、表示単位未満を切り捨てているため、表中の数値を集計しても計が一致しないものがある。
・表中の「0」は単位未満あり、「-」は皆無を示す。
・表中の法人名は平成28年3月末現在の法人名を記述している。
[サービスの質の設定に当たりアンケート調査の対象者が当該業務を委託する
目的からみて適切なものとなっていなかったもの]
[コールセンター業務について、サービスの質が確保されていなかったもの]
[統括責任者の設置及び包括化による競争性の低下により実施経費が従来経費より増加したもの]