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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成30年7月|

石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給について


前文

エネルギー政策基本法(平成14年法律第71号)によれば、国は、エネルギーの需給に関する基本的な計画(以下「エネルギー基本計画」という。)を定めなければならないとされ、平成26年4月に策定されたエネルギー基本計画によれば、資源外交の積極的な展開や独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」という。)によるリスクマネーの供給機能の強化等を通じて、官民が協力して石油・天然ガスの自主開発比率を引き上げていくための取組を進めていくこととされている。

そして、機構は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(平成14年法律第94号。以下「機構法」という。)に基づき、石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給に係る業務として、我が国企業の出資先である石油・天然ガスの探鉱等を行う開発会社に対して原則50%以内で出資を行うとともに、開発会社が開発等のために市中から調達する資金について債務保証を行っている。16年2月の機構発足後、上昇傾向にあった石油価格が下落するなど大きく変動した影響を受けて、世界の石油・天然ガスの資源開発は27年以降に停滞しており、我が国の石油等開発企業、商社等における資源開発投資も同様に落ち込んでいる。このため、我が国の石油等開発企業による企業買収等への支援を可能とするために、28年11月に機構法が改正され、機構の機能が強化された。この改正により、機構は、海外の資源会社の買収や資本提携への支援等をしたり、産油国の国営石油企業の株式を取得したりすることが可能となるなど、出資業務の対象等が拡充されることになった。このような状況を受けて、今後、石油・天然ガスの開発支援における機構の役割が変化することが見込まれている。

本報告書は、以上のような状況を踏まえて、リスクマネーの供給に係る予算の執行等、リスクマネーの供給を受けた自主開発権益の状況等、出資及び債務保証プロジェクトの審査状況、機構におけるリスクマネーの供給に係る財務諸表の表示及び石油公団が保有していた資産等の処理状況について検査を実施し、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。

平成30年7月

会計検査院


目次

1 検査の背景

(1) 石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給に係る業務の概要

ア 機構における石油・天然ガスの探鉱等に係る業務の概要
イ リスクマネーの供給に係る業務の拡充状況

(2) 石油・天然ガスの探鉱等に係る計画等の概要

ア エネルギー基本計画
イ 石油・天然ガスの探鉱等に係る計画
ウ 機構の中期目標及び計画

(3) 機構の予算及び決算に係る手続等の概要

ア 機構の予算
イ 機構の決算

(4) 機構設立までの経緯等

ア 公団の解散
イ 公団の業務、資産等の承継

(5) これまでの会計検査の実施状況

2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

(2) 検査の対象及び方法

3 検査の状況

(1) リスクマネーの供給に係る予算の執行、収支の状況等

ア エネルギー特会からの出資額等及び機構の執行額
イ 財投特会等からの出資額及び機構の執行額
ウ 債務保証のための信用基金の状況
エ リスクマネーの供給に係る機構の収支及び開発会社の状況
オ 機構のリスクマネーの供給に伴う損益の発生状況
カ リスクマネーの供給によって取得した資産の売却状況

(2) リスクマネーの供給を受けた自主開発権益の状況等

ア リスクマネーの供給による石油・天然ガスの自主開発比率等への影響及び機構の中期計画の達成状況
イ 機構等がリスクマネーの供給等を行ったプロジェクトに係る権益の内容
ウ 機構等の債務保証の保証期間が終了した石油・天然ガスに係る権益

(3) 出資及び債務保証プロジェクトの審査状況

ア 機構における出資及び債務保証プロジェクトの審査
イ 機構出資等権益に係るプロジェクトの審査状況

(4) 機構におけるリスクマネーの供給に係る財務諸表の表示

ア 機構が出資した株式の評価方法
イ 探鉱段階の出資株式の評価

(5) 公団が保有していた資産並びに債権及び債務の処理状況

ア 公団資産の処理に係る方針
イ 14年度報告後から公団解散までの公団資産の処理状況
ウ 国が承継した公団資産の公団解散後から28年度末までの処理状況

4 所見

(1) 検査の状況の概要

(2) 所見

  • 本文及び図表中の数値は、原則として、表示単位未満を切り捨てているため、図表中の数値を集計しても計が一致しないものがある。

事例一覧

[出資株式の売却に伴い為替差損による損失が発生していたもの]

<事例1>

[利用可能な液化設備がなく、我が国に天然ガスを持ち込むためにはスワップを円滑に行うことができるようにすることが必要となっているもの]

<事例2>