ページトップ
  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成30年10月|

株式会社商工組合中央金庫における危機対応業務の実施状況等について


前文

平成20年10月、政策金融改革の一環として、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害等の危機事象に対処するための危機対応円滑化業務及び危機対応業務が創設された。そして、株式会社商工組合中央金庫(以下「商工中金」という。)は、危機対応円滑化業務の主務大臣による指定を受けたものとみなすこととされた金融機関として多数の危機対応業務に係る貸付けを行ってきた。

28年11月、商工中金は、鹿児島支店が行った危機対応業務において不適切な手続による貸付けが行われたことが判明したことなどを公表した。そして、商工中金が設置した「危機対応業務にかかる第三者委員会」や商工中金が実施した調査等により、商工中金が危機対応業務に係る貸付けにおいて多数の不正を行っていたことが判明した。このため、商工中金は、行政処分や有識者による提言等を踏まえて、ガバナンスの強化を図るとともに新たなビジネスモデルを構築するとしている。

本報告書は、以上のような状況の中、商工中金における危機対応業務の実施状況等について検査を実施し、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。

平成30年10月

会計検査院


  • 本文及び図表中の数値は、表示単位未満を切り捨てているため、図表中の数値を集計しても計が一致しないものがある。
  • 図表中の金額欄の「0」は単位未満あり、「-」は皆無を示す。

事例一覧

[試算表に係る不正が行われていて、危機対応貸付けの要件を満たしていなかったもの]

<事例1>

[雇用維持利子補給に係る不正が行われていて、その要件を満たしていなかったもの]

<事例2>

[雇用維持利子補給の適用を受けた事業者において、6か月後確認以降に従業員数が減少していたもの]

<事例3>

[一般の金融機関から通常の条件による貸付けの提案を受けていることを聞き取っていた事業者に対して、商工中金が利子補給を適用して、一般の金融機関が提示している金利よりも低利な実質金利で危機対応貸付けを行っていたもの]

<事例4>