独立行政法人制度は、平成13年1月の中央省庁等改革の一環として、行政における企画立案部門と実施部門を分離し、企画立案部門の能力を向上させる一方で、実施部門に法人格を与え、運営裁量を与えることにより、政策実施機能を向上させることを目的として創設された。そして、制度創設から10年以上が経過し、様々な問題点が指摘されたことなどを踏まえ、それまでの議論を改めて総括・点検し、独立行政法人の制度・組織両面にわたる独立行政法人改革を行うこととされ、25年12月に「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」が閣議決定された。上記改革の目的は、同方針によれば、独立行政法人制度を導入した本来の趣旨にのっとり、主務大臣から与えられた明確なミッションの下で、法人の長のリーダーシップに基づく自主的・戦略的な運営、適切なガバナンスにより、国民に対する説明責任を果たしつつ、独立行政法人の政策実施機能の最大化を図ることなどとされている。
そして、独立行政法人改革等を進めるために、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)が改正されるとともに、「「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」」等が改訂されている。
本報告書は、以上のような状況を踏まえ、「主務大臣の目標策定及び評価の状況並びにセグメント情報等の評価への活用状況」「経営努力の促進等に係る取組状況」及び「内部統制・ガバナンスの強化等の状況」について、横断的に検査を行い、その状況を取りまとめたことから、会計検査院法(昭和22年法律第73号)第30条の2の規定に基づき、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して報告するものである。
令和元年7月
会計検査院