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  • 昭和40年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本電信電話公社


改善の意見を表示した事項

 工事用図面等のトレース、青写真朱入れおよび青写真焼付の請負契約について

(昭和41年11月24日付41検第326号)

 日本電信電話公社の本社、各電気通信局および各電気通信部等では、建設工事に使用する図面等のトレース、青写真朱入れおよび青写真焼付の大部分を部外に請け負わせており、その数量および金額は、昭和40年度においてトレース31万枚約1億1600万円、青写真朱入れ134万枚約1億3900万円、青写真焼付3264万枚約2億7500万円総額約5億3100万円となっている。

上記のうち、

(1) トレースは工事の設計図面等の元図をトレーシングペーパーに透写するものであり、青写真朱入れは青写真の図面に新設部分等の工程を朱書きするものであるが、これらの方法についてみると、近年製図用の鉛筆および感光紙等が良質となり、鉛筆によっても青写真が鮮明となりその使用上なんら支障がなく、これによれば、訂正も容易であり、価格も墨入れによった場合に比べて一般に相当低価となるにもかかわらず、格別の必要もないのに大部分のものを墨入れによることとしている。

(2) トレースおよび青写真朱入れの契約価格についてみると、図面の寸法、作業の所要時間等によってこれを決定しているが、図面等の内容に大差がなく、所要時間が同程度と認められるものの間においても、その単価に著しい開差を生じている。

(3) 青写真焼付はトレーシングペーパーに透写した原図を感光紙に複写して工事用図面等を作成するものであるが、この図面等の契約寸法についてみると、近畿電気通信局等では16段階に細分しているのに対し、東海電気通信局等では4段階に区分しているにすぎないなど寸法の区分が区々となっており、なかには必要以上に大きな寸法で焼付させているものが相当見受けられる。

(4) 青写真焼付の契約価格についてみると、各部局とも作業内容、使用材料については同様の条件で契約するものであるのに、同一寸法のものの間においても、たとえば四六判全判の場合、関東電気通信局では27円であるのに対し九州電気通信局では41円50となっているなど著しい開差を生じている。

 このような事態を生じているのは、複写関係の機器、材料の進歩改良に対応した経済的な作業方法についての検討が足りなかったり、作業の所要時間を判定する基準を設けていなかったり、仕様および契約価格等について他部局との比較検討が十分でなかったりしていることなどによるものと認められる。
 ついては、今後工事量の増加に伴い工事用図面等のトレース、青写真朱入れおよび青写真焼付の契約額も増大することが予想されるので、とくに精度を必要とする特殊な図面を除きトレース、朱入れに鉛筆を使用することとし、青写真焼付の寸法を必要に即した適切なものとするなど仕様、規格を合理化し、また、契約価格については作業の所要時間や地域差等を十分調査のうえ合理的な標準単価とその明確な適用基準とを定めてその適正を期し、もってこれら経費の節減を図る要があると認められる。

 

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