参議院決算委員会において、平成24年8月27日、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等について会計検査を行い、その結果を報告するよう要請することが決定され、同日参議院議長を経て、会計検査院長に対し会計検査及びその結果の報告を求める要請がなされた。これに対して、会計検査院は、同月28日、検査官会議において本要請を受諾することを決定した。そして、当該要請により実施した会計検査の結果については、24年10月25日、会計検査院長から参議院議長に対して報告を行ったが、今後、効率性、有効性等の観点から、各種事業が、円滑かつ迅速に実施されているか、復興基本方針に掲げられた施策に沿ったものとなっているか、引き続き検査を実施するとともに、原子力災害からの復興再生についても着目して検査を実施することとした。
本報告書は、上記の引き続き検査を実施することにしたものに係る会計検査の結果について、会計検査院長から参議院議長に対して報告するものである。
なお、会計検査院としては、24年報告では、要請後、できる限り速やかに被災の状況、復旧・復興事業の実施状況等について23年度予算を中心に報告を行った。本報告では、引き続き、被災の状況や、東日本大震災からの復旧・復興事業のうち23年度予算の繰越しとなっている事業及び24年度東日本大震災復興特別会計予算に係る事業について、その経費項目別、事業別等の実施状況や一部の特定被災自治体を除く地方公共団体における復旧・復興事業の執行状況を分析するとともに、原子力災害からの復興再生については、関係する事業の実施状況を分析して報告することとした。そして、東日本大震災関係経費により実施される復旧・復興事業は、各府省庁や特定被災自治体等において長期にわたり継続して実施されていること、復興事業の実施に係る諸制度の見直しなどが想定されることなどから、次年次以降は東北3県を含めた被災の状況及び復興事業の実施状況等について引き続き検査を実施して、その結果については取りまとめが出来次第報告することとする。
(以下、本文及び図表中の数値は、原則として、表示単位未満を切り捨てている。)