この特別会計は、労働者災害補償保険事業及び雇用保険事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
同特別会計は、労災、雇用及び徴収の3勘定に区分して経理されており、その勘定別の17年度の歳入歳出決算、損益、積立金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(労災勘定)
1 歳入歳出決算
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
1,415,812,954
|
1,425,416,954
|
収納済歳入額
|
1,396,880,659
|
1,407,910,992
|
不納欠損額
|
552,031
|
731,250
|
収納未済歳入額
|
18,380,263
|
16,774,712
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
1,177,770,524
|
1,188,651,812
|
支出済歳出額
|
1,111,024,623
|
1,126,437,273
|
翌年度繰越額
|
483,603
|
875,403
|
不用額
|
66,262,297
|
61,339,135
|
収納未済歳入額はすべて雑収入(徴収決定済額1519億3773万余円)の分である。また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額8022億9713万余円)の299億9320万余円、労働福祉事業費(同2221億9788万余円)の207億5162万余円及び業務取扱費(同504億7371万余円)の36億0514万余円である。
2 損益
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
千円
|
千円
|
|
利益
(うち徴収勘定より受入)
|
1,420,299,380
(1,069,854,263)
|
1,416,346,413
(1,047,042,739)
|
損失
(うち保険給付費)
|
1,362,705,433
(772,243,003)
|
1,945,743,780
(777,202,818)
|
利益金(△損失金)
|
57,593,947
|
△529,397,366
|
前年度繰越利益金
|
8,048,249,001
|
8,577,646,368
|
翌年度繰越利益金
|
8,105,842,949
|
8,048,249,001
|
3 積立金
区分
|
17年度末
|
(16年度末)
|
千円
|
千円
|
|
積立金現在額
|
7,698,995,563
|
7,628,272,655
|
4 主な業務実績
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
適用事業場数(年度末)
|
2,630,805事業場
|
2,627,510事業場
|
療養補償給付
|
205,108,496千円
|
207,241,609千円
|
休業補償給付
|
115,399,388千円
|
116,730,606千円
|
遺族補償年金
|
193,280,337千円
|
191,595,188千円
|
障害補償年金
|
151,865,353千円
|
152,446,323千円
|
(雇用勘定)
1 歳入歳出決算
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
3,429,918,768
|
3,063,160,578
|
収納済歳入額
|
3,423,188,357
|
3,057,093,507
|
不納欠損額
|
495,320
|
535,479
|
収納未済歳入額
|
6,235,089
|
5,531,591
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
2,953,072,319
|
3,066,421,591
|
支出済歳出額
|
1,898,679,765
|
1,985,513,984
|
翌年度繰越額
|
1,022,686
|
499,307
|
不用額
|
1,053,369,867
|
1,080,408,299
|
不用額の主なものは、失業等給付費(歳出予算現額2兆1781億7150万余円)の8010億0038万余円、雇用安定等事業費(同3521億6666万余円)の972億3318万余円及び業務取扱費(同880億0620万余円)の63億7535万余円である。
2 損益
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
千円
|
千円
|
|
利益
(うち徴収勘定より受入)
|
3,412,594,301
(2,920,663,599)
|
3,169,046,950
(2,566,204,322)
|
損失
(うち失業等給付費)
|
2,107,316,989
(1,377,170,129)
|
2,179,959,797
(1,467,185,560)
|
利益金
|
1,305,277,311
|
989,087,153
|
前年度繰越利益金
|
2,457,371,283
|
1,592,461,906
|
翌年度繰越利益金
|
3,762,648,595
|
2,581,549,059
|
3 積立金等
区分
|
17年度末
|
(16年度末)
|
千円
|
千円
|
|
積立金現在額
|
1,602,572,682
|
806,392,382
|
雇用安定資金現在額
|
567,375,268
|
406,986,449
|
4 主な業務実績
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
被保険者数(年度末)
|
35,233,937人
|
34,602,550人
|
一般求職者給付
|
994,391,998千円
|
1,103,706,126千円
|
就職促進給付
|
57,346,967千円
|
10,938,130千円
|
特定求職者雇用開発助成金
|
23,346,141千円
|
23,517,221千円
|
(徴収勘定)
1 歳入歳出決算
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
千円
|
千円
|
|
(歳入)
|
||
徴収決定済額
|
4,174,331,588
|
3,795,752,360
|
収納済歳入額
|
4,087,151,209
|
3,704,579,099
|
不納欠損額
|
7,973,645
|
8,213,598
|
収納未済歳入額
|
79,206,733
|
82,959,662
|
(歳出)
|
||
歳出予算現額
|
4,059,601,611
|
3,699,312,790
|
支出済歳出額
|
4,056,153,500
|
3,696,740,070
|
不用額
|
3,448,110
|
2,572,719
|
収納未済歳入額の主なものは保険料収入(徴収決定済額4兆0693億7845万余円)の789億8099万余円である。
なお、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)の一部改正による暫定措置が17年3月31日で終了したため、4月1日から、雇用保険率が1000分の17.5から19.5(ただし、農林、水産等の事業は1000分の19.5から21.5、建設の事業は1000分の20.5から22.5)にされた。
2 損益
区分
|
17年度
|
(16年度)
|
千円
|
千円
|
|
利益
(うち保険料)
|
4,084,037,175
(3,989,439,641)
|
3,707,820,407
(3,611,996,295)
|
損失
|
4,084,163,547
|
3,707,925,160
|
(うち労災勘定へ繰入)
|
(1,069,854,263)
|
(1,047,042,739)
|
(うち雇用勘定へ繰入)
|
(2,920,663,599)
|
(2,566,204,322)
|
損失金
|
126,372
|
104,752
|
前年度繰越利益金
|
4,785,150
|
4,889,902
|
翌年度繰越利益金
|
4,658,777
|
4,785,150
|
なお、この特別会計について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「物品の購入等に当たり、契約した物品が納入されていないのに納入されたこととして虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、庁費等を支出していたもの」 、「物品の購入等に当たり、競争入札の実施を偽装して契約を締結していたもの」 、「求人情報自己検索システムの取得等に当たり、会計法令に違反し、複数年度にわたる役務の提供等に係る契約を締結するなどして当該経費の全額を支払っていたもの」 、「虚偽の内容の関係書類を作成し、庁費、謝金、旅費、超過勤務手当等を不正に支出するなどし、これを別途に経理して業務の目的外の用途に使用したり、職員が国庫金を領得したりするなどしていたもの」 、「雇用安定・創出対策事業等及び緊急地域就職促進プロジェクトに係る委託事業の実施に当たり、委託事業の経費に架空の物品購入費を含めるなどしていたため、委託費の支払額が過大となっているもの」 、「労働保険の保険料の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの」 、「雇用保険の失業等給付金の支給が適正でなかったもの」 、「雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの」 、「雇用保険の地域雇用開発促進助成金等の支給が適正でなかったもの」 、「労働者災害補償保険の療養の給付に要する診療費の支払が適正でなかったもの」 及び「厚生労働省において独立行政法人労働者健康福祉機構が受け入れた貸付金の回収金等を速やかに国庫へ納付させるよう改善させたもの」 を、「第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等」に「都道府県労働局の会計経理の状況について」 を掲記した。