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  • 昭和41年度|
  • 第3章 政府関係機関その他の団体の会計|
  • 第2節 各機関別の事項

日本電信電話公社


不当事項

工事

(336)  鉄塔新設工事の施行にあたり実情に即さない標準単価を適用して積算したため工事費が高価と認められるもの

(建設勘定) (項)電信電話施設費

 日本電信電話公社近畿、関東両電気通信局で、昭和41年6月および12月、指名競争契約により日本通信建設株式会社に那智無線中継所移動通信施設工事および大楠無線送受信所移動通信施設工事を21,090,000円(当初契約額16,100,000円)および14,098,000円(当初契約額13,400,000円)で請け負わせ施行しているが、施行の実情に即さない標準単価を適用して積算したため予定価格が過大となり、ひいて工事費が約490万円高価となっていると認められる。
 本件工事は、内航船舶に対する通話業務を行なうため和歌山県東牟婁郡大雲取山および神奈川県横須賀市郊外の大楠山の山頂に高さ45メートルの鉄塔各1基およびこれに伴う土留め石垣を新設するなどの工事であるが、その予定価格21,220,000円および14,100,000円についてみると、土工事、石垣工事、鉄骨組立工事等のすべての作業について、マンホール築造工事、管路布設工事等の工事費積算のため公社において制定している各種作業の作業別標準単価を適用して積算している。

 しかしながら、上記標準単価は、車両等が通行したり建物が近接したりしているなど作業条件の悪い道路上においてマンホール築造、管路埋設等を行なう工事の工事費積算に適用するものであって、このような制約を受けない箇所で施行する工事の工事費積算については、公社においても別に作業別の労務所要数量の積算基準が定められており、従来からこの積算基準を適用して工事費を積算しているものであり、本件工事も格別作業条件の悪い箇所で施行するものではないからこれにより積算すべきであったと認められるのに、この配慮をすることなく前記の割高な標準単価を適用して積算したのは適当とは認められない。
 いま、仮に適切と認められる積算基準により工事費を修正計算すると、それぞれ18,190,000円および12,065,828円となり、本件工事費はこれに比べて約490万円高価となっていると認められる。

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